2021年4月14日更新

まるで小説?『春の呪い』をネタバレありであらすじ解説!【実写ドラマ化決定】

春の呪い

新進気鋭の漫画家・小西明日翔の初連載作『春の呪い』は、妹の死から始まる三角関係を描く人間ドラマ。夏美と冬吾の結末や、タイトルにある「呪い」の意味とは?実写ドラマ化も決まった本作のあらすじを、ネタバレありで解説します。

目次

遂に実写化が決定した『春の呪い』の魅力とは?ネタバレあらすじ紹介

2021年髙橋ひかる主演でドラマ化が決定した『春の呪い』は、『来世は他人がいい』が話題の小西明日翔の初連載作品です。「このマンガがすごい!2017」でオンナ編2位を獲得するなど話題となった本作は、妹の死から始まる三角関係を描く物語。 インパクトのある設定と独特な空気感、切なさとしんどさが同居する読後感が癖になる本作の魅力を、ネタバレありで解説します。

『春の呪い』の登場人物たちとこじれすぎた三角関係

立花春

春は立花家の次女。穏やかで頭もよく、いわゆるやまとなでしこ。見合いに現れた冬吾に一目惚れし、彼の許嫁となります。19歳のときに癌により死亡。死の直前に彼女がつぶやいたのは冬吾の名前でした。

立花夏美

夏美(なつみ)は立花家の長女で、ハキハキとしていて明るい女性。妹を唯一の家族として、依存にも似た愛情を抱いています。妹を奪った冬吾を殺したいほど憎く思っていましたが、妹の死後、その面影を求めて冬吾と交際を始め春への罪悪感に苦しむことに。

柊冬吾

冬吾(とうご)は財閥の一家の三男で寡黙な男前。幼少期から親の敷いたレールの上を生きており、春との婚約もその一環でした。彼は初対面の頃からなぜか夏美に目を奪われており、春の死後、強引に親を説得して夏美への交際を切り出します。

『春の呪い』をネタバレあらすじ解説【亡くなった妹の婚約者と付き合うことに!?】

条件付きで始まる死んだ妹の婚約者との交際

この物語は主人公の妹・春の葬式から始まります。 夏美たちの両親は1度離婚していました。夏美は家を出ていった母親似だったこともあり、父との折り合いは悪く、さらに両親の離婚直後に新たな母親が現れます。表面上はうまくいっている家族でしたが、夏美にとって本当の家族と言えるのは妹の春だけだったのです。 夏美にとって生きがいだった春が死の間際に呼んだのは冬吾の名前で、そのひと言は夏美にとって呪いのように感じられました。春の死後、冬吾と交際を始めた夏美。夏美の出した条件は、春と一緒に出かけた所に自分を連れて行くことでした。

夏美が気づいた冬吾の傷と本音

デートを重ねていく中で、夏美は純粋に彼との時間を楽しむようになっていました。しかし春のことを考えると、そんな自分が許せず苦悩する日々が続きます。やがて春と出かけた場所に行き尽くした日、冬吾は夏美への想いを打ち明け、別れを告げます。 別れをきっかけに、夏美は自分が出した条件で冬吾も罪悪感に苛まれていたであろうこと、それでも自分を本気で好きでいてくれたことに気付くのでした。

春のSNSから見え隠れする、隠されていた本心

偶然夏美は春のSNSアカウントを見つけます。春は夏美に憧れ、妬み、冬吾とうまくやっていけるのは自分より夏美だと感じていました。さらに夏美と冬吾を引き離せるなら、自分が夏美を地獄へ道連れにしてでも、冬吾には幸せに生きて欲しいと願っていたのです。 春の本心を知り、さらに冬吾への惹かれる気持ちも捨てきれない夏美は、春の“呪い”に追い詰められていきます。

冬吾が初めて知った生きる意味

夏美と別れた冬吾は、再びレールの上の人生に戻ります。決められた人生を淡々と歩んできた冬吾は、初めて自分の人生に虚しさを感じていました。夏美といる時間が生きる目的になっていたことを冬吾は痛感します。 近所で若い女性の飛び込み自殺が起きたと聞いた冬吾は、夏美ではないかと駆けつけますが、違う女性で安堵するのでした。しかし次の瞬間、冬吾は交通事故に巻き込まれてしまいます。

呪われる覚悟でようやく交わる想い

事故の知らせを聞いた夏美は、春への気持ちと冬吾への想いの狭間で苦悩した末、家を飛び出します。冬吾の病室に、汗だくになって駆け込んだ夏美は、彼の無事を確認すると泣いて本音を吐露します。 SNSで春の本音を知ったこと、春の気持ちを思うと毎日死にたい気持ちになるものの、死ぬくらいなら一緒にいたいと思うほど冬吾を大切に想っていること。妹に呪い殺されるなら本望だと言う夏美を抱きしめ、冬吾も好きだと告げます。 病室に春の面影と視線を感じながら、意を決して夏美も「好きです」と抱きしめ返すのでした。

『春の呪い』最終回ネタバレあらすじ解説

冬吾が退院した日、夏美は家を出ることを決意。冬吾と付き合うための、夏美なりの家族への気遣いでした。冬吾も前々から自由になるため、家を出たいと考えていたことを告白します。 夏美は冬吾の1人暮らしに不安を覚え、2人暮らしを提案。同棲したらお互いに譲らないといけない場面があり、冬吾にとっては生活レベルを落とす必要があると説明する夏美に、冬吾は「楽しそうだ」と微笑むのでした。 春は今どう思っているだろうかと、夏美は振り向けずにいた後ろを見てみます。しかしそこには誰の姿もなく、ようやく夏美は春の死を受け入れるのでした。 人が死んだらどうなるのか、実は呪われてなどいないのではないか、それは一生解けることがないと、冬吾は夏美の手を握ります。相変わらずな軽口を叩き合いながら、2人は新たな未来に歩きだすのでした。

読者の感想

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自分ではなく妹が最優先だった姉・夏美の気持ちを思うと序盤は複雑な気持ちになりましたが、ハッピーエンドで物語が終わってくれてよかったです!小西明日翔先生の描く世界観にはいつも驚かされますが、こういうそこの見えない綺麗で暗い作品を描かせたら右に出るものはいないと思っています。 -20代 女性

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小西明日翔が描く男性キャラはとにかく読めない!でもそこがいい!主人公に対しては少し子犬の様な無邪気さがあるのにそれ以外には心ここに在らず、そんな男性キャラに惹かれてしまっているのは私だけじゃないはず……。-30代 女性

“呪い”の果てにたどり着く人間ドラマが胸に迫る『春の呪い』

死んだ妹の幻影を追いかける姉、姉に交際を申し込む妹の元婚約者、という死者を巻き込んだ3人の愛憎劇が展開される『春の呪い』。設定だけを見るとドロドロとした内容を想像しますが、メロドラマのような重さは不思議とありません。 それぞれがそれぞれの人生を生きる、その中で絡み合う感情が生々しく描かれ、それがきれいに2巻にまとまっています。濃い人間ドラマに触れたいという人にぜひ読んでほしい作品です。