2021年6月15日更新

映画「Summer of 85」で描かれる少年たちのひと夏の初恋【あらすじ・キャスト】

Summer of 85
© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

少年達の切ない恋模様「Summer of 85」のあらすじ・キャストを解説

Summer of 85
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フランスの名匠フランソワ・オゾン監督による青春映画『Summer of 85』が、いよいよ日本でも2021年8月20日に劇場公開されます。原作は、監督自身が17歳の時に出会い、深く影響を受けたというエイダン・チェンバーズの小説『Dance on my Grave(おれの墓で踊れ)』。 原作ではイギリスが舞台ですが、映画では1985年の夏のフランスを舞台に2人の少年のひと夏の初恋を描いています。惹かれた相手がたまたま同性だっただけで、オゾン監督によれば本作は「世界共通のラブストーリー」とのこと。 この記事では、『Summer of 85』のあらすじ・キャストや原作小説を詳しく紹介していきます。

映画「Summer of 85」のあらすじ “少年たちのひと夏の初恋物語”

Summer of 85
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1985年の夏、フランス・ノルマンディの海辺。ヨットでのセーリングを1人で楽しんでいた16歳のアレックスは、突然の嵐に転覆してしまいます。そこで彼を助けたのは、ヨットで通りがかったダヴィドでした。 自由奔放で魅力的な、2つ年上のダヴィドに惹かれたアレックス。2人は急速に距離を縮めていき、やがて友情を超え、互いに恋愛感情を抱くようになります。 深く想い合う中、「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てた2人。しかし彼らの前に現れた女性ケイトをきっかけに、2人の関係は崩れていくことに。嫉妬に狂うアレックスと、そんな彼を疎ましく思い始めたダヴィドはすれ違っていきます。

夏のヨーロッパで恋に落ちる男性2人といえば……

君の名前で僕を呼んで
©Sony Pictures Classics/ Zeta Image

本作のように、夏のヨーロッパで男性同士で恋に落ちる話といえば、やはり映画『君の名前で僕を呼んで』を想起してしまいます。イタリアを舞台に、17歳のエリオと24歳のオリヴァーのひと夏の恋を描いた作品です。 『Summer of 85』同様に、年上の同性と経験する少年の初恋が描かれ、恋に落ちるきらめきと苦悩、そして少年の成長がテーマとなっていました。また、エリオ役を務めたティモシー・シャラメの美しさにも注目が集まりました。 『君の名前で僕を呼んで』はヨーロッパのカラッとした、夏の避暑地ならではの鮮やかな色彩が特徴でしたが、フランス映画の本作もそんなおしゃれな雰囲気に包まれているに違いありません。

【ネタバレ】原作は小説「Dance on my Grave(おれの墓で踊れ)」

Summer of 85
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本作の原作は、児童書の書評誌の出版も手がける作家エイダン・チェンバーズによる小説『おれの墓で踊れ』(1997年)。これが作家としての代表作であり、少年の恋と苦悩と成長を描いたヤングアダルト作品として児童書に分類され、広く長く読み継がれています。

原作ではアレックスの代わりにハルが、そしてダヴィドの代わりにバリーが登場します。「心の友」を求めるハルがバリーと出会い、恋して関係を結び、交通事故で彼を失って事件を起こすまでの日々が、ハルの手記という形で明らかにされていきます。 ハルの起こした事件とは、バリーの墓を破損した罪で逮捕されたこと。ハルはバリーの*“墓の上で踊り”*、彼との約束を果たそうとしたのです。原作ではハルの手記とともに、ソーシャルワーカーのレポートが彼の行動の謎を解き明かしていきます。

惹かれ合う少年たちを演じる新進気鋭のキャスト

アレックス役/フェリックス・ルフェーヴル

Summer of 85 アレックス役/フェリックス・ルフェーヴル
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本作の主人公アレックスは、進路に悩むシャイな16歳の高校生。夏のノルマンディーの海辺でダヴィドと運命的に出会い、ひと夏の間に初恋と喪失を経験することになります。 アレックスを演じるのは、1999年生まれのフェリックス・ルフェーヴル。オーデションでフランソワ・オゾン監督に見出され、「彼こそアレックスだ」と言わしめた期待の新人です。本作での演技の評価は高く、第46回セザール賞で「有望若手男優賞」にノミネートされています。 その他にも、Netflixのオリジナルドラマシリーズ『ル・シャレー 離された13人』(2018年)や、フランスのホラー映画『スクールズ・アウト』(2019年)に出演しています。

ダヴィド役/バンジャマン・ヴォワザン

Summer of 85 ダヴィド役/バンジャマン・ヴォワザン
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アレックスと恋に落ちるダヴィドは18歳で、母親が切り盛りする船具店で働いています。シャイなアレックスとは対照的で、自由奔放で刹那的なタイプです。 ダヴィドを演じるのは、1996年生まれのバンジャマン・ヴォワザン。俳優だけでなく、脚本家としても活動しています。オーディションではアレックス役を受けましたが、ダヴィド役に抜擢されました。 主な出演作は、『ホテル・ファデットへようこそ』(2017年製作)や『さすらいの人 オスカー・ワイルド』(2018年製作)など。2021年10月にフランスで公開されるグザヴィエ・ジャノリ監督の映画『Comédie humaine (原題)』では主演を務めています。

監督・脚本を務めるのはフランソワ・オゾン

フランソワ・オゾン
©Daniel Deme/WENN.com

フランソワ・オゾンは、1967年生まれのフランス人監督。数々の短編映画を製作して評判となり、2000年の映画『焼け石に水』でベルリン国際映画祭テディ賞を受賞してからは、世界三大映画祭の常連となっています。 2018年の『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』は、第69回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。代表作に、『8人の女たち』(2002年)、『スイミング・プール』(2004年)、『ぼくを葬る』(2006年)などがあります。 本作の映画化にあたっては、「⻘春映画の約束事に沿って撮影すること」が重要だったそうで、「少年2⼈の恋愛に⽪⾁なんか⼀切加えず、古典的な⼿法で撮って、世界共通のラブストーリーにした」とその熱い想いを語っていました。

映画「Summer of 85」で描かれるひと夏の初恋

フランソワ・オゾン監督の原作小説への熱い想いが詰まった青春映画『Summer of 85』。鮮やかな色彩で少年たちのひと夏の恋を描き、魅力あふれる作品に仕上がっていることは間違いなさそう。 『君の名前で僕を呼んで』を彷彿させるような、美しくも切ない少年の初恋であることも期待度が上がります!『Summer of 85』の日本公開は、2021年8月20日を予定しています。

Summer of 85
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