2021年6月25日更新

『おくることば』最終話まで全巻ネタバレ解説!予想を覆す衝撃のラストとは?

おくることば ネタバレ

町田とし子による『おくることば』は衝撃の結末が待っているミステリー・サスペンス漫画。幼馴染に殺されてユーレイとなった主人公は、真相を周りに伝えようと奮闘しますが……。謎と青春が残酷に交錯する本作の結末をネタバレありで解説します。

目次

『おくることば』をネタバレ解説!最後の最後まで止まらない衝撃

『おくることば』は『月刊少年シリウス』で連載されていた町田とし子による全3巻完結のミステリー・サスペンス漫画。衝撃の1話に始まり、読み進めるごとにミステリー・サスペンスの要素と高校生たちの群像劇的要素が入り混じっていくストーリーが話題の作品です。 本記事ではそんな『おくることば』の魅力とともに、ラストまでネタバレありで紹介します。

衝撃すぎる1話からラストまで目が離せない

真相が明らかになるラストはもちろんですが、本作は1話がとにかく衝撃的主人公は物語開始早々に交通事故に遭って死亡してしまいます。 それだけでも衝撃的ですが、さらに1話ラストではただの交通事故ではないということが明らかに。ぐっと引き込まれる1話となっており、1度読み始めるとラストまでページを捲る手が止まらないというのも本作の魅力のひとつです。

『おくることば』主な登場人物

佐原真舵(さはらまかじ)

佐原は主人公の男子高校生。人当たりがよく明るい性格で、クラスの中心人物的存在。彼はクラスで浮いている生徒にも積極的に声を掛けるような「いい人」です。物語開始直後に車にはねられてユーレイとなります。

千秋

千秋は佐原の幼馴染でクラスメイト。黒髪ロングの美少女で、学級委員長も務めています。佐原の事故当時も、直前まで彼と一緒に話していました。小学生の頃に大好きな祖母を亡くしており、祖母の言葉を大切にしています。

メイ

メイは言動が目立つ他のクラスのギャル。父親はメディア出演もしているインチキ霊媒師で、彼女もユーレイらしきものが見える体質を持っています。その特異体質から佐原の事件に関わっていくことに。言葉はガサツですが勇気と行動力がある女の子です。

斉藤託(さいとうたく)

託(たく)は佐原の友人でクラスメイト。エロ漫画を趣味で描いているオタクでコミュ障です。周りからは「キモタク」と呼ばれキモがられていますが、小学校が同じだった佐原だけが普通に彼に接していました。

『おくることば』1巻ネタバレ:容疑者が2名?

佐原は殺された……?

少女のユーレイに吸い込まれるように道路に飛び出した佐原は、そのまま車に轢かれユーレイとなります。教室にユーレイとして現れた佐原はクラスメイトたちの様々な想いに触れていき、しみじみと青春を振り返っていました。 そして最後に幼馴染の千秋の前に立った佐原は、「なんで俺を殺した?」と彼女に伝えます。もちろん千秋には彼の声は聞こえません。それでも佐原はなぜ自分を突き飛ばしたのか、これからも同じことを繰り返すつもりか、と問いかけます。 佐原の隣には交差点にいた少女のユーレイ・実知(みち)もいました。彼女はもともと佐原と千秋と一緒に遊んでいた近所の子でしたが、佐原いわく彼女も10年前に千秋に殺されたというのです。佐原は千秋の悪事を必ずみんなに伝えると決意します。

新たな容疑者が浮上!

メイは霊になった佐原が見えますが、そのことがうっかり佐原にバレてしまいます。彼が事故ではなく殺されたことを知らされたメイは、手がかりを探すなかで託に事情を聞くことに。 佐原の友人かと思った託は、実は佐原を呪うほど憎らしく思っていました。逆上した託はメイにも危害を加えようとしますが、逆にメイの一撃で託はダウン。メイは託が人を殺せるはずがないと感じ、託は容疑者から外れます。

『おくることば』2巻ネタバレ:明かされる千秋の過去

10年前、当時小学1年生だった千秋と佐原はみったんこと実知と仲良くなります。実知は佐原たちの同級生・飛鳥謙汰(あすかけんた)の妹でした。ある日いつものように3人が遊んでいると、この日千秋の祖母が亡くなっていたことが分かります。 ところが千秋は悲しい様子を見せません。彼女は祖母の「千秋の泣き顔じゃなくて笑顔が見たいな」という言葉を文字通り受け取って実行していたのでした。 一方でメイは引き続き犯人探しをしていました。そんななか今度は千秋と一緒にいた託が怪我をすることに。託は大事には至りませんでしたが、メイは彼からなんとか佐原のことを聞き出そうとします。 託から語られたのは、佐原が「いい奴のポジションにいるのが上手い奴」で、彼の無自覚な言動が周りを傷つけてきたということでした。

『おくることば』3巻ネタバレ:佐原の記憶で真相が明らかに

「動かないで待ってて」

千秋は自らみったんを殺したと自白しており、佐原もそれを信じています。ところが謙汰のサッカーの試合がトリガーとなり、佐原は10年前のみったんの事故の日の記憶を少しずつ思い出していきました。 当時佐原もサッカー少年でしたが、チームのエースは謙汰。両親が多忙で謙太もサッカーに忙しかったため、みったんは遊んでくれる佐原と千秋に懐いていたのです。 事故の日もみったんは佐原に遊んでもらおうとしましたが、試合に懸けていた佐原は後からくる千秋に彼女の世話を任せることに。千秋がアニメを観終わって約束の場所に行くと、すでにみったんは事故に遭った後でした。 佐原は去り際、道路の真ん中に立っていたみったんに「黙って動かないで待ってて」と言っていたのです。彼女はこの言葉を守って事故に遭ったのでした。

佐原を殺した犯人の真相とは

無意識に周りを傷つけてきたこと、自分に都合の悪いことは忘れていたことを、みったんの事故の真相を思い出すなかで痛感した佐原。真実を思い出しみったんの霊と和解すると、途端に佐原の身体はどこかへと引っ張られます。 目を覚ますと病院のベッドの上でした。みったんは10年間植物状態で生きており、佐原も死んではいなかったのです。 みったんの事故のことは千秋と謙汰によって佐原には10年間隠されていました。佐原も長年目を背けていましたが、彼は心のどこかで自分のせいで彼女が傷ついていたらどうしようという負い目があったのです。 だから交差点にみったんの姿を見つけた瞬間、佐原は衝動的に道路に飛び出したのでした。殺されたと感じていたのも、自分以外の誰かのせいにしたいという佐原の気持ちから生まれた勘違いだったのです。

感動のラストシーンをネタバレ解説!

意識が戻ってから1年以上、佐原は入院してリハビリしています。お見舞いに訪れたメイは、自分もまた佐原と同じように誰かを救う「いい奴」になろうとして、周りを傷つけただけと感じていました。 メイがあのまま佐原とみったんを死なせてあげたほうが良かったのかと問うと、佐原は彼女がしたことが「正解だった、正解にしていく」と答えます。佐原は改めて自分と向き合っていく決意をした様子です。 佐原がいつものようにみったんの病室で思い出やこれからやりたいことを話しかけていると、不意にみったんが目を覚まします。みったんの病室を訪れた千秋は、身体を起こしたみったんと泣いている佐原の姿に、大粒の涙をボロボロとこぼすのでした。

『おくることば』ネタバレ解説を読んで感動をもう1度!

ホラー色の強い1巻から始まり、先の読めないミステリー展開と人間ドラマに引き込まれる『おくることば』のあらすじを紹介しました。ひとつの出来事に対しても人の数だけ感じ方があり、その糸が絡まってしまう様子が見事に描かれている作品です。 結末を知ってから改めて読み直すと、また違った感情を受け取れるはず。何度も繰り返し味わいたい美しいミステリー漫画です。