2022年9月27日更新

2023年日本アカデミー賞ノミネート&最優秀賞予想!授賞式は3月10日テレビ放送

流浪の月
(c)2022「流浪の月」製作委員会

日本国内において一般の知名度が最も高い映画賞となった日本アカデミー賞。今回は2023年に開催される「第46回日本アカデミー賞」のノミネート&最優秀賞を予想します。

2022年日本アカデミー賞の最優秀賞は?

2022年の第45回日本アカデミー賞では、濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』が最優秀作品賞に輝き、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞(西島秀俊)など最多8部門を総なめ!主演女優賞は『花束みたいな恋をした』の有村架純が獲得しました。 最優秀アニメーション作品賞を受賞したのは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。話題賞の作品部門も同時受賞しています。

2023年日本アカデミー賞のノミネート条件は?

第46回日本アカデミー賞の選考対象は、2022年1月1日~12月31日に公開された映画。東京地区の同一劇場で有料で初公開され、1日3回以上、2週間以上続けて上映された商業映画に限るため、すべての作品が対象ではありません。 映画事業に3年以上従事した監督、プロデューサーなど関係者からなる「日本アカデミー賞協会会員」による投票が行われ、各賞の受賞作品が決定します。

2023日本アカデミー賞 作品賞ノミネート予想

予想1位『流浪の月』 2022年5月13日 凪良ゆうの2020年本屋大賞受賞作が待望の実写化。『怒り』『悪人』などの李相日監督が肉欲を伴わない新しい愛を描く。
予想2位『PLAN 75』 2022年6月28日 超高齢化社会の未来を示唆したカンヌ絶賛の人間ドラマ。米アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表作品。
予想3位『百花』 2022年9月9日 川村元気の長編監督デビュー作品。サン・セバスティアン国際映画祭にて日本人監督として初の快挙を達成した。
予想4位『さがす』 2022年1月21日 全国23館から世界へ飛び出した上質なスリラー映画。SNSや各メディアの後押しを受けて異例のロングランヒット。
予想5位『母性』 2022年11月23日 原作は「イヤミスの女王」こと湊かなえによる渾身のミステリー小説。ドラマ「ハコヅメ」の戸田恵梨香と永野芽郁が母娘役で再タッグを組む。

予想1位:『流浪の月』

流浪の月
(c)2022「流浪の月」製作委員会

凪良ゆうの本屋大賞受賞作を、広瀬すずと松坂桃李のW主演で実写化。女児誘拐事件の犯人と被害者、世間に理解されない2人の関係を描く人間ドラマです。 監督は『怒り』(2016年)以来、約6年ぶりの実写長編映画となる李相日監督。日本アカデミー賞の常連監督で、『フラガール』(2006年)は最優秀作品賞を獲得しています。 韓国映画「パラサイト」(2019年)の撮影監督ホン・ギョンピョが初めて邦画に参加したことも注目され、第23回全州国際映画祭ワールドシネマ部門へ出品されました。キャスト陣の新たな一面も引き出されており、最優秀作品賞の可能性が高いです。

予想2位:『PLAN 75』

PLAN 75
©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

是枝裕和監督の総合監修によるオムニバス映画の一篇を、長編デビューとなる早川千絵監督自らキャストを一新し、再構築した人間ドラマです。 第75回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門へ正式出品され、カメラドール特別表彰(新人監督賞)を獲得するなど、国際映画祭への出品が相次ぐ本作。満75歳以上が自ら生死を選択できる制度「プラン75」は驚きをもって迎えられ、第95回アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表にも選ばれています。 ちなみに、前回の最優秀作品賞『ドライブ・マイ・カー』も同様に日本代表に選出されており、その流れのまま最優秀賞を受賞するかもしれません。

予想3位:『百花』

『百花』
©2022「百花」製作委員会

映画プロデューサーであり、脚本家、小説家でもある川村元気が自著を映画化。認知症で記憶を失う母と、反対に思い出を取り戻していく息子の親子の物語です。 川村元気といえば、『君の名は。』(2016年)などをプロデュースしたヒットメーカー。長編監督デビューとなる本作は、スペイン最大の国際映画祭「サン・セバスティアン国際映画祭」で日本人初となる最優秀監督賞(コンペティション部門)を獲得しました。 作品賞の過去の傾向をみると、社会問題や他者との関係を見つめるドラマ、新鋭監督の作品が多く受賞しており、3位までは確実にノミネートすると予想します。

予想4位:『さがす』

『さがす』
©2022『さがす』製作委員会

『岬の兄妹』(2018年)で業界を震撼させた片山慎三監督の商業デビュー作。懸賞金目当てに指名手配犯を追って失踪した父親と、その消息を追う娘を描くスリラーです。 SNSを中心に口コミが広がり、当初23館だった上映館数は90館に迫るまで拡大。異例のロングラン上映となり、6月には韓国・台湾でも公開されました。多数の海外映画祭に選出され、オランダのCinemAsia Film Festival 2022ではコンペティション審査員賞(最高賞)を受賞しています。 ただ最優秀作品賞を狙うには、国内の認知度や好みが分かれそうな作風がネックかもしれません。

予想5位:『母性』

映画『母性』ポスター 戸田恵梨香、永野芽郁
©2022映画「母性」製作委員会

『告白』で知られる湊かなえの同名小説を、戸田恵梨香と永野芽郁のW主演で実写化。愛されたい娘と愛せない母親の視点から、未解決事件の真実に迫るミステリーです。 湊かなえが「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた」と語った渾身の原作をどう映像化するのか、大きな期待が寄せられる本作。2022年9月時点では未公開ですが、『告白』(2010年)の4冠から約10年、『母性』が日本アカデミー賞を席巻するかもしれませんね。

2023日本アカデミー賞 アニメーション賞ノミネート予想

『すずめの戸締まり』(2022年11月11日)

『すずめの戸締まり』
(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会

世界中にファンを持つ新海誠監督×RADWIMPSが贈る最新作。日本各地で開く災いの扉を閉じる少女の解放と成長を追う青春ロードムービーです。 『君の名は。』や『天気の子』(2019年)を生んだ黄金タッグだけに、最優秀アニメーション作品賞を狙える作品なのは間違いありません!話題性などを考えると、それぞれシリーズ最大のヒットを飛ばした『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』『ONE PIECE FILM RED』も有力候補と言えます。 海外の映画祭にも多数出品された『犬王』『四畳半タイムマシンブルース』やスタジオコロリドの最新作『雨を告げる漂流団地』にも注目したいです。

2023日本アカデミー賞 俳優賞ノミネート予想

主演男優賞ノミネート予想:菅田将暉(『百花』)

主演男優賞ノミネート予想の本命は『百花』の菅田将暉!2018年に『あゝ、荒野 前篇』で最優秀賞を獲得して以降、連続で主演男優賞にノミネートされてきました。 認知症の母親と向き合う息子の心情を繊細に演じており、2度目の最優秀賞が期待できます。 最優秀賞の対抗として、『死刑にいたる病』の怪演が光る阿部サダヲや佐藤二朗『さがす』、松坂桃李『流浪の月』、後述の山崎賢人が浮上すると予想。公開日は12月9日ですが、第35回東京国際映画祭オープニング作品『ラーゲリより愛をこめて』の二宮和也もチェックしておきたいです。

主演女優賞ノミネート予想:倍賞千恵子(『PLAN 75』)

PLAN 75
©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

作品賞へのノミネートも期待される『PLAN75』の主演を務めた倍賞千恵子。1981年の第4回日本アカデミー賞にて、『遙かなる山の呼び声』と『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(ともに1980年)で最優秀主演女優賞を受賞しています。 本作では人生最後の選択をする78歳の女性を好演し、「老後の恐怖と孤立、コミュニティについて考えさせられる」と米英誌からも絶賛の声が! その他、菅田との夫婦受賞がかかる小松菜奈『余命10年』、広瀬すず『流浪の月』や戸田恵梨香&永野芽郁『母性』、『ちょっと思い出しただけ』の伊藤沙莉も有力候補と言えるでしょう。

受賞なるか?その他の注目映画4選

『シン・ウルトラマン』(2022年5月13日)

シン・ウルトラマン
(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ

特撮ドラマ『ウルトラマン』(1996年)の現代版リブート。最優秀作品賞など7冠を達成した『シン・ゴジラ』(2016年)、「シン・エヴァ」のスタッフ陣による「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」の第3弾です。 本作は「メフィラス構文」と呼ばれる言い回しも話題になり、公開1週間後の時点で「ウルトラ」シリーズでは初の興収10億円を突破しました。日本の往年のファンだけでなく、ギレルモ・デル・トロなど海外の映画監督も絶賛!作品賞ノミネートの可能性もあるかもしれません。

『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022年7月15日)

キングダム2 遥かなる大地へ キングダム
(C)原泰久/集英社 (C)2022映画「キングダム」製作委員会

原泰久の同名漫画を山崎賢人主演で実写化した「キングダム」シリーズ2作目。5巻~7巻「蛇甘平原編」の内容が描かれ、清野菜名演じる羌カイに称賛が集まりました。 公開初日からロケットスタートを切り、9月21日には興収50億円を突破しています。 最優秀助演男優賞(吉沢亮)など4冠を達成した前作は、山崎がノミネートすらしない事態にネット上で疑問の声が上がりましたが、リベンジなるのか注目ですね。

『ちょっと思い出しただけ』(2022年2月11日)

『ちょっと思い出しただけ』
©2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会

尾崎世界観の楽曲「Night on the Planet」にインスパイアされたラブストーリー。元ダンサーの男とタクシードライバーの女、1組の男女が恋人だった頃の6年間を回想します。 監督の松居⼤悟が映画の公式サイトで触れたように、『花束みたいな恋をした』との類似が指摘される一方、普遍的な物語として評価された本作。2021年に第34回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、観客賞を受賞しています。

『沈黙のパレード』(2022年9月16日)

ガリレオ 沈黙のパレード
(C)2022 フジテレビジョン、アミューズ、文藝春秋、FNS27社

東野圭吾原作、福山雅治主演による実写ドラマ「ガリレオ」シリーズの劇場版3作目。女子学生殺害の容疑をかけられた男の不審死を巡る人間ドラマです。 シリーズとしては9年ぶりの新作で、湯川学×内海刑事の名コンビ復活が大きな話題に!公開初日は興収30億円が見込める好スタートを迎えました。4部門ノミネートの名作「容疑者Xの献身」(2008年)には及ばずとも、主要部門ノミネートを狙えるかもしれません。

授賞式&結果発表は3月10日(金)にテレビ放送

第46回日本アカデミー賞の最終結果は、2023年3月10日のテレビ放送で明らかになります。授賞式の会場は東京・グランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールです。 その他の詳細は不明ですが、司会は第43回から引き続きアナウンサーの羽鳥慎一、そして前回『花束みたいな恋をした』で最優秀主演女優賞を受賞した有村架純と予想されます。*涙を誘う受賞スピーチはもちろん、受賞者たちの華やかな装い*も楽しみですね。

2023年日本アカデミー賞のノミネート作を予想しよう

2023年の日本アカデミー賞に向けて、主要部門のうち5部門のノミネート作を予想しました。 年末にかけて公開される作品もあり、大穴が現れる可能性もまだ捨てきれません。監督賞や助演男優賞、助演女優賞なども予想しつつ、ノミネート&結果発表を待ちましょう!