2023年2月22日更新

映画『#マンホール』ネタバレあらすじと伏線考察!衝撃のラストで犯人が語る中島裕翔の罪とは

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『#マンホール』 中島裕翔 
©2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.

「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔が主人公のサスペンススリラー映画『#マンホール』 (ハッシュタグマンホール)がついに公開されました! ほとんどのシーンがマンホールの中という異例の演出ながら、予想もつかない展開の数々で高い評価を獲得し、ベルリン映画祭にも出展されている傑作です! この記事ではそんな映画『#マンホール』のあらすじ全編ネタバレ衝撃のラストにつながる伏線について解説していきましょう。

上映時間 99分
キャスト 中島裕翔 , 奈緒 , 永山絢斗
原作 原作小説などはなし 岡田道尚のオリジナル脚本

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『#マンホール』あらすじ

営業成績No.1で社長令嬢との結婚も決まった「ハイスペ男」の川村俊介。結婚式前夜に開かれたサプライズパーティの帰り道、突如マンホールへと落下してしまいます。 右足を負傷するも警察には取り合ってもらえず、元カノに連絡は付きますが「ここは渋谷なのか、誰かにハメられたのではないか」という疑問が浮かびます。 命の危険が迫りくる中、「マンホール女」というアカウントをSNSで作成。ネット民たちに助けを求めますが……。

感想・評価

#マンホール
©2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.
#マンホール』の総合評価
4 / 2人のレビュー
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30代男性

正直予想を裏切る面白さでした。ジャニーズ主演でここまでストイックな作品を作るとは!ほぼ全編穴の中という何とも華のない設定ながら、SNSの住民たちや主人公の人間性がグラグラ揺れて非常に面白かったです。後半の展開はかなり非現実的でしたが、それはそれで楽しくて良い展開だと思いました。

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20代女性

中島裕翔のこんな演技を発掘してくれて嬉しい!普段優しいイケメン役が多いからこそ、彼が人間の醜い部分を体当たりで演じている姿に心を打たれました。でも傷の生々しさとか虫とかの描写が気持ち悪くて途中ちょっと目を逸らしそうでした。パンフレッドには川村俊介の知られざる過去が載ってるのでそこまで皆みてほしい!

『#マンホール』結末までのネタバレ

【起】幸せの絶頂から……穴に落ちる

誰もが羨むような人生を送ってきた男・川村俊介。上司の娘との結婚前夜、同僚からお祝いパーティーに呼ばれます。 パーティーの帰り道、急に目の前がふらつき、謎の穴に落ちてしまった川村。目を覚ますとそこは丸くて深い穴の底で、足に深い傷までついています。 自力での脱出が不可能だと気がつき、慌てて知り合いに片っ端から電話をかける川村。唯一出てくれたのは元カノの工藤舞でした。彼は携帯電話のGPSを頼りに彼女に助けを求めます。 舞は送られた地図を頼りに渋谷付近を捜索しますが、川村が落ちたらしき穴は見つかりません。同じく警察も捜索しましたが見つけられず、川村はどうやらGPSが狂っていることを察します。

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【承】ピンチの連続!マンホール女爆誕

『#マンホール』 中島裕翔
©2023 Gaga Corporation/J Storm Inc

無能な警察にも舞にもイライラした川村は、藁にもすがる思いで「マンホール女」というアカウントを作り、SNSの住民たちに助けを呼びかけます。「川村俊介の妹」という設定で自分の情報も開示しました。 早速情報は集まり、どうやら彼はただマンホールに落ちたわけではなく、拉致されて遠くまで連れてこられたらしいこと、誰かに恨まれているらしいことが判明します。 SNSは盛り上がる一方で、そのうちの1人「深淵のプリンス」が、犯人候補として挙げられていた同僚の加瀬悦郎を直接訪れ、拷問する動画まで投稿します。 ネット民たちは引き続き“マンホール女”の居場所や事件の犯人を探しますが、その間にも彼の元には、ガス漏れや溢れ出る泡など、様々な危機が迫るのでした。

【転】主人公が犯した本当の罪

自分を埋めそうな泡をガス爆発で吹き飛ばし、なんとか生き延びていた川村俊介。しかし爆発の影響で、人間の遺体が姿を現しました。遺体を見た川村は、自分がどこにいるのか、誰に恨まれていたのかすべてを悟ります。 実は彼はもともと川村俊介ではありませんでした。自分の人生に絶望し、10年前、本当の川村俊介の人生を奪ったのです。川村俊介の家に押しかけて、彼を殺害し、遺体をこのマンホールに捨てて、自分の顔を川村俊介と全く同じに整形していたのです。 犯人は、10年前に本物の川村俊介と付き合っていた折原奈津美でした。

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【結末】正義に乾杯!真犯人との対決

ずっと電話で支えてくれていた元カノの舞が、彼の元に車で駆けつけてくれることになります。しばらくすると声がして、ロープがおりてきました。しかし川村が懸命にロープを上ると、そこにいたのは折原奈津美。“本物の川村俊介”の恋人です。奈津美は舞の声を真似してずっと電話に応対していたのでした。 奈津美は「持ち主に返さないといけない」と言って彼から顔を切り取ろうとします。しかし川村は必死の懇願で、奈津美を考え直させることに成功しました。 立ち去ろうとする奈津美に、今度は川村が不意打ちで襲いかかります。しかし奈津美が首を絞められていると、場所を特定した「深淵のプリンス」が川村を遠隔射撃で射抜きました。 自分で煽ったSNSの住人によって再び穴に落とされた川村は、穴の蓋を閉じられてしまうのでした。

衝撃のラスト!犯人はサプライズゲスト

黒木華

本作の結末は、もともと良い人生を送っていた川村俊介の人生を10年前に主人公が乗っ取ったため、10年前の本物の恋人・折原奈津美が主人公に復讐するために彼をマンホールに落としたという設定でした。 その折原奈津美を演じたのはなんと、大女優の黒木華。突然のサプライズ出演にSNSが騒然としています。映画終盤だけのわずかな出演時間ながら、怒りと恋しさが混ざった圧巻の演技を披露しました。

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【解説】2回目に見返したい伏線まとめ

映画『#マンホール』伏線まとめ
  1. 主人公がちょっと嫌なやつ序盤からあまり助けたいと思えない嫌味な主人公だった。本当にめちゃくちゃ罪深い奴だった!
  2. マンホール“女”「女」と名乗るずる賢い主人公が、勘違いされ成敗されてしまうラストへの伏線。
  3. 携帯電話がいじられているGPSがいじられているということは……当然ほかの機能(連絡先)もいじられている。
  4. 過激すぎる「深淵のプリンス」正義に乾杯!はさすがに思考が幼稚すぎる……中身は本当に幼い子供だった。
  5. 雨から場所を特定した「仮面の男」雨降ってるだけでそんなに限定できる?という違和感。ほどほどに希望を抱かせ答えは与えない、絶妙なヒントが全部あやしかった。
  6. 舞の指示が荒療治すぎるホッチキスで傷口を塞ぐなんてびっくり!図の用意まであったので傷も故意につけられたのかも?
  7. そもそも舞が優しすぎる普通元カノは真夜中に「マンホールに落ちた」と電話してきた元彼のために、一晩電話に付き合って車をあちこち走らせたりしません。

映画『#マンホール』には思い返せばあやしい伏線がたくさんありました。 たとえば一番最初に「誰かの恨みでも買いましたか?」と呟き、さらにはマンホールの所在地を誤った方向に誘導したSNSアカウント「仮面の男」。アカウントの持ち主は本物の川村俊介の恋人・折原奈津美でした。 彼女はさらに、偽物の川村俊介(主人公)の元カノ・舞の声や喋り方を真似て、ずっと主人公と電話で会話していました。思い返すとホッチキスで傷口を塞ぐのはさすがに荒療治すぎますね。というかホッチキスを開いて使ったら、傷口は閉じられませんよね……。 主人公を痛めつけるために出した指示だったのではないでしょうか。

【考察】映画に学ぶSNSの恐ろしさ

映画の中で、永山絢斗演じる加瀬のセリフに「ネットの情報なんて信じるな!」というものがありました。このセリフに映画が伝えたかったメッセージが込められているのではないでしょうか。 川村俊介はSNSの住民たちを煽り立てて、彼らに犯人探しをさせました。その結果親切だった友人が犯人だと決めつけられて、「深淵のプリンス」と名乗る人物から私的に裁かれることになります。 しかしそもそも加瀬をを犯人にしたてあげたのは真犯人「仮面の男」であり、友人に危害を加えた「深淵のプリンス」はせいぜい10歳くらいの子供だったことがラストシーンで判明します。

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①正義を娯楽として消費する危険性

SNSでは皆が、不確かな情報に踊らされて個人が勝手に人の罪の重さを決めつけます。そして勝手に過去の個人情報が漁られ、都合よく解釈されて、年端も行かない子供が実刑を下すことまでありえるのです。 川村を助けに行ったYouTuberもそうでしたが、インターネットの世界では誰もが匿名で無責任に発言することができます。そんな無責任な人たちが「正義に乾杯!」と人を罰するのです。無責任な正義が娯楽として消費されていることの恐ろしさを痛感させられる内容でした。 ちょうど昨今の動画テロ事件や芸能人の炎上についても改めて考えさせられるような、タイムリーなテーマでした。

②見えている情報だけで人を判断しない

前述した加瀬だけでなく、主人公も見えている部分だけで人間性を判断され苦しめられてきた1人なのではないでしょうか。 顔を変えただけで一流企業の営業トップになれて、社長令嬢と婚約できたということは、主人公はもともと有能だったのに、理不尽な理由で絶望的な人生を送ってきたのだと考えられます。 だからといって殺人や死体遺棄が正当化されるわけではありませんが、ラストシーンで川村俊介の元恋人が別人とわかっていながら彼の顔に見惚れてしまうシーンは、皮肉にも人間の浅はかな本質をついていました。 だからこそ私たちは、見えている部分、顔や一部の情報だけで人を判断しないよう意識しなくてはいけないと考えさせられる内容でした。

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『#マンホール』キャスト一覧・登場人物

川村俊介役/中島裕翔

川村俊介は、マンホールから脱出を試みる主人公。命の危険が迫る中で爽やかなハイスペ男は本能をむき出しにして脱出を試みます。 中島裕翔(なかじまゆうと)は、Hey! Say! JUMPのメンバーです。本作は『僕らのごはんは明日で待ってる』(2017)から6年ぶりの映画出演となりました。

工藤舞役/奈緒

『#マンホール』 奈緒
©2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.

工藤舞は、川村俊介の元カノです。マンホールへ落下した元カレから5年振りに連絡が届き初めは戸惑いますが、次第に脱出のため協力するようになります。 奈緒(なお)は、NHK連続テレビ小説『半分、青い.。』(2018)でヒロインの親友役を演じブレイクし『マイ・ブロークン・マリコ』(2022)など話題作に出演しています。

加瀬悦郎役/永山絢斗

『#マンホール』 永山絢斗
©2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.

加瀬悦郎は、会社では浮いた存在ではありますが同期の川村とは不思議と仲が良く結婚を祝福しています。 永山絢斗(ながやまけんと)は『ソフトボーイ』(2010)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後もドラマでは『べっぴんさん』(2016)、映画では『真田十勇士』(2016)など名脇役として多くの作品に出演中です。

『#マンホール』のスタッフ

監督:熊切和嘉

監督を務める熊切和嘉(くまきりかずよし)は、『海炭市叙景』(2010)や『私の男』(2014)など海外からも評価される作品をいくつも手掛けています。

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脚本:岡田道尚

脚本を務めるのは岡田道尚(おかだみちたか)。「ライアーゲーム」シリーズの脚本や『マスカレードナイト』(2021)の脚本を手掛けるなどロジカルな脚本を得意とする脚本家。 「アイデアで勝負できるオリジナル映画が作りたい」という思いから本作は誕生したと語っています。

『#マンホール』は人間の心の闇をSNSで暴きだす名スリラー!

ここまで映画『#マンホール』のあらすじや感想、キャストを紹介してきました。 少ないキャストで場面が全然変わらない低予算映画にも関わらず、波瀾万丈な展開で観客を最後まで飽きさせない本作。結末までのネタバレを観た上で、もう一度鑑賞しに行き、伏線を探してみるのも良いかもしれません。