【ネタバレあらすじ】映画『ミステリと言う勿れ』広島編の真犯人・真相を解説！原作漫画と内容の違いはある？

菅田将暉演じる久能整の鋭い推理と相手の心を溶かす名言が話題になったドラマ『ミステリと言う勿れ』が、2023年に映画化！映画では原作漫画2巻のエピソード「広島編」が描かれました。 この記事では映画のネタバレあらすじを詳しく紹介し、ドラマ版に出演していたキャストも振り返っていきます。 ※本記事は『ミステリと言う勿れ』ドラマ版・原作漫画のネタバレを含みますので、注意して読み進めてください。

映画『ミステリと言う勿れ』では原作漫画の「広島編」が描かれます。広島編は原作2〜4巻で描かれた狩集家の遺産相続殺人事件が描かれた部分のこと。久能整と彼を訪れた1人の女子高生が遺産相続をめぐる争いに参加し、謎を解いていくストーリーです。 個性豊かなキャラクターがたくさん出演する「広島編」は原作ファンの人気も高く、満を持しての実写化となりました。 ドラマでは順序が原作と異なっており、本来の時系列ではドラマ2・3話の「バスジャック事件」のあと、ドラマ12話の「つかのまのトレイン」で広島に向かい「広島編」へと繋がります。 ドラマのラスト・時系列をおさらいしたい人は記事後半をチェックしてみてくださいね。

広島で開催する印象派展にやってきた久能整。観光も兼ねて市内を巡っていると、1人の女子高生に後を付けられていることに気付きます。彼女の名は狩集汐路(かりあつまりしおじ)で、我路の知人。遺産相続問題の相談をバイトとして持ちかけてきました。 早速、狩集家の相続会に同行することになった整。顧問税理士の真壁と顧問弁護士の車坂から、汐路の祖父の遺言によって次の当主を孫から選ぶことが告げられます。 候補者の孫は理紀之助(りきのすけ)、新音(ねお)、ゆら、汐路の4人。それぞれに蔵の鍵が渡され、「あるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というヒントから謎を解き明かした者が当主になるとのこと。 しかし狩集家では遺産相続時にもめ事が起こって人が死ぬというジンクスがあり、実際に4人の親が同乗する自動車事故で亡くなっていました。しかもその事故車は汐路の父が運転していたのです。

整は4人に問題が起きないよう話し合いを求めますが、誰一人応じず。汐路の蔵では9体の日本人形を見つけますが、12カ月を示す花柄の衣装から3体足りないことに気付きます。一方、新音の蔵には本物と偽物が対になった有田焼が。 その日から候補者たちに危険な事故が起こり始め、ついにゆらが蔵に閉じ込められてしまいます。ゆらの蔵には座敷牢があり、理紀之助の蔵にはたくさんの血の付いた日本刀がありました。 汐路を観察していた整は、これまでの危険な事故は汐路が行っていたことを突き止めます。父の居眠り運転で起こった事故を相続ジンクスによる死であると思い込みたかった汐路は、今回もそのように演出することで自己を保っていたのです。 汐路のトラウマを理解した候補者たちは彼女を許し、謎解きを協力して行うことを誓いました。この件を解決した整は東京に帰ろうとしますが、その晩に車で轢かれそうになり、狩集家の家族写真を見たことである可能性に気付きます。

整は候補者と車坂の孫・朝晴(あさはる)を呼び出し、これまで遺産相続時に亡くなった狩集家の人間が全員「天然パーマ」で「色白」だったことを告げます。狩集家には稀にそういった遺伝を持つ人物が生まれており、不審な死を迎えていました。 整はその因果関係を汐路の父が調べて記録したUSBの存在を突き止め、狩集家の因縁ある過去が舞台の脚本として書かれていたことを知ります。その物語は、鬼1匹と従者2人が本当の狩集家の人間を皆殺しにし、家を乗っ取って今の狩集家を築いてきたというもの。 その恐ろしい物語に動揺する汐路たちでしたが、実際に蔵の地下に人骨が埋まっているのを発見し、それが事実であったこととにさらに驚愕します。物語によれば本当の狩集家には生き残りの少女がおり、鬼は自分と同じ遺伝子を持つ子孫を殺害するよう従者2人に命令していました。 その従者たちは今の車坂家と真壁家であり、現代でもその掟を忠実に実行する何者かが色白でパーマである狩集家の人間を殺害していたのです。

再び事件が起きるのではないかという不安の中、掟を守っていたのは朝晴だと判明。汐路の父も彼に睡眠薬を飲まされ事故死したのです。彼に好意を寄せていた汐路は、自分が利用されていたことと自責の念でショックを受けてしまいます。 汐路の父は舞台で語られた生き残りの少女の行方をUSBメモリに隠していました。汐路たちは整の推理でUSBのありかを見つけ、本当の狩集家の子孫である女性に辿り着きます。 ストーンアクセサリーを作るその女性は、汐路の父が生前に訪問し、正統な当主として日本人形をもらったことを告白。さらに鬼の掟を自分たちが終わらせると約束したことを語りました。そして彼女はそれぞれの親からの依頼で作っていた、子どもたちに合ったパワーストーンのブレスレットを手渡しました。 すべてが終わり、帰路についた整。一方クルーザーで逃亡を続けている我路は汐路から事件解決の連絡を受け、満足そうに微笑むのでした。

4人の孫はそれぞれ蔵の鍵を渡されてお題に挑みます。蔵で見つかった舞台「鬼の集い」のチケットから、その舞台が狩集家で起きた出来事をなぞらえていることが明らかに。 かつて一家を乗っ取った3人の鬼は、逃げた当主の子孫を探していたのです。真犯人は孫たちに謎を解かせて、この子孫の情報を手に入れたかったのです。 物語通り、床下からは多数の人骨が見つかりました。さらに汐路の亡き父の手帳から、前回の遺産相続時に死亡した4人が、その子孫にたどり着いていたことがわかります。

汐路の父親と波々壁新音(ははかべねお)の母親は、色白で天パという一族にとって鬼と呼ばれる容姿をしていました。鬼は殺せという掟を守る真犯人は、2人が一族の歴史の核心に迫っていることにも勘づいており、まとめて始末してしまおうと汐路の父親に睡眠薬入りのジュースを飲ませたのです。 このとき汐路の父は、子孫の情報を入れたUSBメモリを持っていました。しかし本体は見つかっておらず、事故現場からはケースのみが発見されています。

整の策で、一族の掟を守って鬼殺しをしてきた真犯人が顧問弁護士の車坂朝晴(くるまざかあさはる)だと判明します。 一方で本物のUSBは、玄関に飾られているアメジストドームの中だと整の推理でわかりました。一行が子孫の女性のもとへ会いに行くと、彼女は亡き4人から預かっていた贈り物を渡します。そこに込められた親の愛に、汐路たちは8年越しに触れることができたのでした。 こんな相続争いを終わらせるという父たちの悲願は、ようやく叶うこととなったのです。

この物語は遺産相続時に起こる相続争いと謎の死を解き明かすストーリーがメインとなっていますが、裏のテーマとして“負の継承を絶つ”というものがあります。相続は親からの継承ですが、狩集家には「鬼の掟」という負の継承がありました。 汐路の父に対するトラウマをはじめ、他の候補者たちも狩集家という血縁の因縁やジンクスに縛られていました。汐路の父たちが鬼の掟を自分たちの代で終わらせたことも、整がすべてを明らかにしたことも、すべてがこの負の継承を絶つことだったのです。 最後にそれぞれの性格に合ったパワーストーンを、狩集家の正統な継承者から受け継いだ4人の候補者たち。これこそが彼らが負の継承から解放され、正の継承と繋がったことを意味するものでした。

映画と原作漫画との違いで、理紀之助の恋人である真壁絹代が登場しないというものがあります。映画の尺の関係でカットになったのでしょうか。 また鬼の掟により狩集家の色白天パの人間を暗殺しなければならないため、「車坂家と真壁家の子が一人っ子の場合は狩集家の人間と結婚できない」という掟も出てきませんでした。汐路は初恋の相手である朝晴とは結婚できないということ。 『ミステリと言う勿れ』全体にいえることとして、整の名言が物語の真髄を突いていることが挙げられます。子どもは「乾く前のセメント」という発言はきちんと映画の中でも使われていました。

久能整(くのうととのう)は、特徴的な天然パーマにコンプレックスを持つ大学生です。ドラマでも度々登場するほどのカレー好き。鋭い洞察力で事件を解決し、さらに関係者の苦悩まで解きほぐしていきます。 菅田将暉は『花束みたいな恋をした』(2021年)のような恋愛ものから『帝一の國』(2017年)などのコメディ路線まで幅広い作品で活躍する実力派俳優です。

赤峰ゆらは勝ち気な性格の専業主婦で、狩集家の遺産相続候補者。彼女には幸という一人娘がいて、愛する娘を何とか守り抜こうと奮闘します。 女優に歌手、実業家とマルチに活躍し、近年は海外にも進出している柴咲コウ。 2022年には16年の時を経て、彼女の代表作「Dr.コトー診療所」の劇場版が公開されました。

汐路にとっては初恋の人で、彼女を兄のように見守ってきた車坂朝晴。車坂家は代々、弁護士として狩集家に仕えており、朝晴自身も弁護士を目指しています。 松下洸平はシンガーソングライターであり、2010年頃から俳優としても活躍。朝ドラ『スカーレット』(2019年)で注目を集め、彼演じる十代田八郎に沼る視聴者が続出しました。

狩集理紀之助はゆら、汐路、新音のいとこで遺産相続候補者の1人。メガネをかけたインテリ系男子で、普段は病院に臨床検査技師として勤めています。 劇団EXILEに所属し、2020年にドラマ「チェリまほ」でブレイクした町田啓太。2024年放送の『光る君へ』で3度目の大河ドラマ出演を果たし、藤原公任役を演じています。

狩集汐路は狩集家の相続人候補となった女子高校生。原作では犬堂我路のツテで整を頼り、狩集家の壮絶な遺産争いに彼を巻き込んでいきます。 『すずめの戸締まり』(2022年)のヒロインの声優に抜擢され、一躍有名になった原菜乃華。汐路を演じるにあたって、役作りでロングヘアを30cm切って撮影に臨んだそうです。

遺産相続候補者の1人であり、汐路たちのいとこでもある波々壁新音。名家の生まれにしてはヤンチャな社会人ですが、根は真面目な性格をしています。 演じる萩原利久は、朝ドラ『エール』(2020年)や「美しい彼」シリーズなどで知られる元子役です。菅田将暉が主演を務めた「3年A組」(2019年)にも生徒役で出演していました。

風呂光聖子(ふろみつせいこ)は1話の事件で久能整と出会う新人刑事です。職場で権力を持つおじさん組から煙たがられていると思い、退職一歩手前だったものの久能整の言葉で刑事を辞めず奮闘します。 原作の「広島編」には登場しないキャラです。今回もメインというよりは、プロローグやエピローグなどで整との掛け合いを観せてくれるのではないでしょうか。 伊藤沙莉は子役時代から『女王の教室』(2005年)などに出演。近年では『獣道』(2017年)、『ちょっと思い出しただけ』(2022年)で主演に抜擢されています。

犬堂我路(いぬやまがろ)は、姉・愛珠殺害の犯人とその理由を求めてバスジャックを計画しました。最終回にも登場し、姉が残した手紙に書いてあった殺人鬼ジュートまでたどり着きますが……。 我路は原作では、汐路に整を推薦するという役回りで名前のみの登場でした。予告では整とストレートパーマについて会話している様子が登場しています。 永山瑛太は「のだめカンタービレ」シリーズや『リコカツ』(2021年)などに出演し、いくつも国内の演技賞を受賞しています。

映画化される「広島編」はドラマではまるっと飛ばされたエピソードです。ドラマや映画のその後の整たちが知りたい！という人は、漫画の8巻から読むのがおすすめ。ドラマでは消えたライカとのエピソードや汐路が再登場するエピソードなども登場します！

本作の監督は、ドラマ版で演出を担当した松山博昭。ドラマ版でザテレビジョンドラマアカデミー賞・監督賞を受賞しています。また『信長協奏曲』(2014)、「ライアーゲーム」シリーズなどいくつもの名作ドラマの演出を歴任してきました。 通常、連続ドラマでチーフ監督は4話ほどの演出担当となりますが、『ミステリと言う勿れ』(2022)では松山博昭が9話分を担当。本作では撮影時原作でも描かれていなかったライカとの別れを盛り込んだり、ラスト2話をスピンオフにしたりと挑戦的な試みを行っています。 菅田将暉の演技に関しては「言葉が完全に可視化されているから、聞く人にもその景色が浮かぶ」とその演技を絶賛しています。

犬堂我路の姉・愛珠に「殺してほしい」と頼まれていた羽喰十斗は「愛珠は寄木細工工房の月岡桂に恋していた」と明かします。そして変わりたいと言っていた彼女に「鳴子巽」というカウンセラーを紹介していました。 犬堂我路が、月岡の工房で愛珠が持っていた箱を開けると先生から貰った指輪が入っていました。そして羽喰十斗もまた似たような指輪をつけていたのです。 カウンセラーが怪しいとみた犬堂我路は久能整に協力を要請し、ドラマは幕を閉じます。

ドラマ『ミステリと言う勿れ』を映画の前におさらいしたいならFODプレミアムがおすすめです。『ミステリと言う勿れ』以外にも名作のフジテレビドラマが見放題になっています。

原作漫画の人気エピソード「広島編」を、広島ロケも行って撮影した劇場版『ミステリと言う勿れ』。映画は2023年9月15日に公開され、大ヒットを記録しました。この機会にぜひ原作漫画も手に取ってみてはいかがでしょうか？