『美しい彼』ネタバレあらすじ！原作との違いや続編『憎らしい彼』も紹介

作家・凪良ゆうの大人気BL小説『美しい彼』。2014年より刊行された本作は、クラスの底辺男子・平良一成とスクールカーストの頂点に君臨する清居奏の男性同士の恋愛を描くBL小説です。 2021年に萩原利久・八木勇征のダブル主演でドラマ化され、2023年にはシーズン2がスタート。さらには劇場版『美しい彼〜eternal〜』の公開も決定しました！ 本記事では、『美しい彼』の小説版のネタバレあらすじや尊すぎる2人のその後、ドラマ版との違いについて紹介していきます。

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幼い頃から吃音症で悩む平良一成(ひら かずなり)は、いわばスクールカーストの底辺。平良の趣味はカメラで、撮った人物を加工で消すのがひそかなストレス解消法でした。 新年度を迎えたクラス替え当日、平良の目は斜め前の席に座る清居奏(きよい そう)に釘付けになります。 平良は自己紹介で「…ひ、ひ、ひ…ひ…」とうまく話せなかったことから、清居のグループに属する男子たちから「ヒイくん」というあだ名をつけられることに。 案の定パシリとして扱われる日々でしたが、清居のために走り続ける平良。平良は、清居のカリスマ性に強く惹かれていたのです。

平良は、憧れの清居が芸能界入りを目指していることを知ります。清居はファッション雑誌のボーイズコンテストに応募し、見事最終10人に残りました。しかしグランプリを逃してしまい、今まで清居を持ち上げていた取り巻きたちは、清居を嘲笑うように……。 平良は、清居が本気でグランプリを取りたかったことを知っていました。そして平良は、自分のことを玩具の「アヒル隊長」と例えるように。アヒル隊長も好きで汚い川を泳いでいるわけではない、自分も好きで言葉を詰まらせているわけではないと感じていたのです。

清居は高校3年生で、ファッション雑誌のモデルを始めたことで人気が再燃します。平良にとって、清居はますます手の届かない存在になっていきました。 こうして迎えた卒業式。平良は、校舎の裏に向かう清居の後を追いました。その時、清居は予想だにしない行動に出て……。 清居はなんと、突然平良にキスをしたのです。そしてすぐに、「じゃぁ、またな」と言って立ち去っていきました。平良はこのキスの意味が分からず、もやもやした日々を送ることになったのです。

最初は平良が清居の虜になったことから始まった恋ですが、ラストに近づくにつれ立場が逆転していきます。しかし、平良にとって清居は憧れであり、遠い存在。仲のいい友達のように気安く接することはできないでいました。 一方、自分の気持ちに気づいた清居は、俺様な態度は変わらないものの遠回しに好意を伝えていきます。けれども、平良にはなかなか伝わりません。 清居は平良と小山が付き合ってると勘違いしたり、平良は清居に恋人ができたと勘違いしたり……。清居が諦めて平良と距離を取ろうとしたら、今度は平良が追いかけてくるなど、2人はもどかしい関係を続けます。 そしてようやく、ケンカをきっかけにお互いの本当の気持ちをぶつけ合うことができました。2人は結果的に、結ばれることとなったのです。

「憎らしい彼」は、平良と清居が付き合ってから同棲を始める模様が描かれています。

平良と清居は付き合うことになり、同棲をスタート。清居は俳優としての道を歩み始めますが、そんな清居にはいつもサングラス姿、出待ち入待ちを欠かさない熱烈なファンがいました。それこそが「不審くん」のあだ名で呼ばれている、平良です。 平良は清居と付き合っても、ファンとして清居を見つめている様子。そんな平良は吃音を抱えながら工場でアルバイトをし、そこで設楽克己に出会いました。

将来を考え始めた平良は、清居のアドバイスで「ヤング・フォトグラフィカ」に応募。清居に、プロのカメラマンを目指すよう勧められたのです。 平良は一次審査で落選してしまったものの、有名写真家の野口大海のアシスタントとして働くことに。一方清居は、平良が自分と付き合えたことを「神様のミスジャッジ」と言い、怯える姿に呆れ始め……。

そんな中、清居は共演中の安奈のホテルに入る写真が週刊誌に掲載されます。安奈には桐谷というアイドルの恋人がいて、清居はバッシングに遭う安奈を心配してホテルに行っただけでした。 しかし今度は清居も誹謗中傷を受けるようになり、清居はいつまでもファン目線で自分と接してくる平良に限界を迎えてしまいます。 そんな清居は、何者かに連れ去られてしまいました。清居を連れ去ったのは、設楽。設楽は安奈のファンで、清居のスマホから安奈に電話をかけ「今すぐ来ないと清居を殺す」と言い出したのです。しかし、そこに現れたのは安奈ではなく平良。平良はナイフを持つ設楽に立ち向かっていったのです。

平良と設楽はもみ合いになり、血が……。 しかし怪我をしたのは設楽で、平良は大事には至りませんでした。清居はきっと平良は実家に帰ってしまうだろうと不安になり、平良と病室から抜け出して家に戻ります。そこで、2人は愛を確かめ合いました。 安奈と桐谷は、世間に交際を宣言。平良は、安奈と桐谷の友人として写る清居の姿を撮影します。平良は「清居を誰よりも美しく撮る」と誓い、その写真には美しい笑顔の清居が写っていたのでした。

清居の芸能活動は順調で、清居の元に舞台演出家の上田秀樹からオファーが入ります。ようやくのチャンスに、気合が入る清居。清居の役はお笑い芸人の望役で、迎えた稽古初日。清居のセリフの後、なぜか周りの空気が変わってしまい……。 清居は上田に厳しい言葉をかけられ、なおかつ「顔がいいからチケット販売機に使える」というスタッフの陰口も耳にしてしまいます。このままではいけないと思った清居は、役作りのためにある決意をしました。

清居は舞台初日までに、20キロ増量することを決めたのです。しかし、自分のことを「神だ」と崇拝する平良にそんな姿を見せるわけにはいかない……。そこで清居は舞台が終わって元の体重に戻るまで、平良と別居することも決めたのでした。 平良は清居がさらなる高みを目指していることを知り、自分も個展を開くことを決意します。そして清居は、平良が個展のためにヌードを撮ると耳にしました。しかし平良は誰かのヌードを撮るのではなく、自分で裸になって自分自身を撮影し始めたのです。

その様子を目にした清居は、平良の「清居にふさわしい人になりたい」という健気な気持ちを思い知ることに。そんな清居は、自分が演じる望にも平良のような影が存在するのではと、改めて役に向き合います。こうして、周りの清居を見る目も明らかに変化していきました。 その後あるチャリティイベントで、清居ファンと桐谷ファンの罵り合いが始まってしまいます。そんな時、「清居は誰よりも綺麗だ！愛してる！」の声が……。それはもちろん、平良の声でした。

平良はすぐにスタッフに連れ出されてしまいましたが、イベントは大成功に終わります。そして清居の舞台も無事終了し、清居が20キロ増量したことは大きな話題となりました。 しかし清居は再び平良と暮らすために、ここから20キロ減量しなければなりません。残り3キロというところで、清居は偶然平良と遭遇してしまいます。清居にとっては最悪の再会となりましたが、2人は朝までお互いを求め続け……。 こうして再び同棲生活が始まり、平良の個展用の写真も野口に認められ、2人共進むべき道を見つけたのでした。

吃音症に悩む平良一成(萩原利久)は、高校生最後のクラス替えで清居奏(八木勇征)と出会いました。 平良が自己紹介でうまく話せないところに、清居が入ってきたことでクラスの雰囲気が一気に変わります。平良は清居に助けられますが、清居率いるカースト上位のグループのパシリになってしまいました。しかし、平良はどこか嬉しそう。一目見たときから、平良は清居に恋をしていたのです。 ある日、趣味のカメラを楽しんでいた平良は、どこかへ向かう清居を目にします。ビルのなかへと入っていき、到着したのはダンススクール。踊る清居に目を離せずにいたら、ついに気づかれてしまいます。「絶対に誰にも言うなよ」という清居の姿には、「キング」と呼ばれるプライドが見え隠れしていました。 家に帰った平良は、今日のことを思い出します。清居を見てしまうのは、好きだから。自分の感情に気づいた瞬間でした。

夏休みが始まり、清居に会えなくなると寂しく思う平良でしたが、思わぬ形で会えることに。平良が一人暮らしだったため、平良の家がグループの溜り場になったのです。 そのうちの1人に課題を写させてくれと頼まれ、自分の部屋へ取りに行く平良。そこで、清居と2人きりになります。清居はダンスの秘密を言っていないか確かめに来たのです。 そして、仲間たちも平良の部屋へ。清居に女子を誘って花火をしようと言うためでした。アイスが食べたいと女子が言い出したため、パシリの平良が行くことに。そこへ清居が追いかけてきて、自転車で2人乗りをすることになります。 しかし警察に注意され、罰として学校の掃除をすることに。その最中、ホースから出た水を自分にかける清居。その姿を見て、平良は思わず美しいと思います。 濡れた服を着替えるため、平良の家へと戻る2人。清居は残った花火に火をつけるも平良は参加しません。花火は嫌いかとたずねられ、平良は「花火より好きなものがあるから」と答えたのでした。

清居がダンススクールに通い、芸能界へ入るために本気で取り組んでいることを知るのは平良だけでした。スタープロジェクトの決勝が行われるも、清居は惜しくも優勝を逃します。1人でいる清居に「清居のままがいい」と声をかける平良。慰めかと怒る清居に、平良は「好きなんだ」と告白するのでした。 芸能界の夢が仲間にバレてしまい、清居はキングの座から落ちていきます。そして、ある事件をきっかけに清居へのクーデターが始まることに。その様子を見た平良は、清居をいじめた1人を殴り倒します。 教室に2人きりの平良と清居。男が好きなのかと問われた平良は「清居だけが特別」と答え、手の甲にキスをします。 しかしそれ以降なにもなく、ついに卒業式の日。「俺に何か言うことない？」と問う清居に、平良は答えられません。すると、清居に突然キスをされます。平良は、このキスの意味を「別れ」と捉えたのでした。

大学生になった平良は、偶然清居と再会します。劇を観ながら過ごせる喫茶店で、清居は役者をやっていたのでした。平良は打ち上げに誘われるも、友人の小山和希(高野洸)の誕生日を祝う約束があったため断ります。 平良は1人になって清居の写真を見つめていました。忘れようと思っていたのに、清居への気持ちを思い出してしまったのです。 清居の舞台を観に行った平良は、再び打ち上げに誘われることに。参加したものの、清居が男好きの俳優仲間のお気に入りだと聞き、気になって仕方がありません。 打ち上げが終わり、平良と清居は公園で2人きりに。すると、舞台を一緒に見に来ていた小山と付き合っているのかと清居が聞いてきます。質問の意図がわからなかった平良は戸惑ってしまい、はっきりと否定できませんでした。そんな平良に腹が立った清居は「あいつと俺、どっちが好きなんだよ」と言います。 数日後、稽古をしたいからと清居が平良の家に来ることになり……。

清居が来るため家に帰ろうとする平良でしたが、サークル仲間に呼び止められます。小山が熱を出したから看病してほしいとのことでした。平良の家にきて少し落ち着いた小山でしたが、部屋で清居の写真を見つけて不安になります。小山は平良のことが好きだったのです。 平良は清居が来るからと思い、小山を帰そうとしますが帰りません。チャイムが鳴り、出ようとする平良を小山は抱き着いて制止します。その瞬間を、清居に見られてしまいました。平良は追いかけるも、清居に突き放されてしまいます。 小山は抱き着いたことを謝るも、清居の元へ行ってしまう平良を引き留めたいと思っていました。しかし、平良の気持ちは変わらないため、小山は諦めます。平良が言った清居に対する気持ち「理由はわからないけど好き」が、どんな好きな理由よりも最強なのだと小山は知ったのでした。

平良は清居の舞台を手伝うことに。片付けで清居と偶然2人きりになるも「なぜまた俺の前に現れた」と言われ、平良は黙ってしまいます。清居はわけがわからず平良の気持ちを確認するも、平良からは「好きだけど付き合えない」と言われてしまいました。それは、自分が底辺で、清居がキングだから。 理由に呆れた清居は「俺がお前のことを好きだって１回でも考えたことあんのかよ！」と言い放ち、その場を去ってしまいました。その後、平良から「清居に助けてもらった場所で朝まで過ごす」という留守電が入っていることに気づきます。 クラスメイトとして過ごした高校の教室で会う2人。そこで平良は、清居に告白をします。はっきりと「清居が好きだ」と言うも、平良の気持ちを疑う清居。言い合いになりながらもお互いの本心を知ることができ、2人はついに結ばれたのでした。

原作版とドラマ版、大枠は同じ展開で進んでいます。しかし、ドラマ版の清居の方が感情的に描かれていて、平良に対する気持ちをより表現しているように見えます。 また原作版では、2人は高校卒業までたまに空き教室で写真を撮るくらいの関係。しかしドラマ版では一緒に宿題をしたり、原作よりも少し距離が近いことが分かります。 さらにドラマ版では、平良は高校生で1人暮らしをしていました。しかし原作では平良は高校生まで親と一緒に住んでおり、大学生になってから清居と再会。その時清居が稽古場を探してたため、わざわざ親戚が単身赴任でいない家を借りて、2人は同棲生活を始めました。 大枠は同じでも、原作とドラマでは微妙な違いがあることが分かります。

2023年4月7日には、ドラマ版2作に続き、待望の劇場版『美しい彼〜eternal〜』 が公開されます。 『美しい彼〜eternal〜』の時系列は、ドラマ2期の少し後。 平良は大学卒業が近づき、野口のアシスタントとして働いています。しかしプロの仕事を目の当たりにし、俳優としての道を切り開く清居の邪魔になりたくないと、徐々に清居と距離を取り始め……。お互いを想っているにも関わらず、2人はまたしてもすれ違っていきます。 シーズン2では主に『憎らしい彼』前半の内容が描かれていたので、映画では後編までの内容が描かれる可能性が高いですね。

底辺男子×スクールカースト頂点男子の恋愛を描いた『美しい彼』。ドラマも原作小説も、うっとりするような世界観に浸ることができます。 小説もドラマも映画も、そしてコミカライズもされている本作。色んな角度から2人の関係性を愛でてみてはいかがでしょうか。