「スパダリ」の意味が日々進化している件について【=BL用語はもう古い？】

ハイスペックなメンズに向けられる「スパダリ＝スーパーダーリン」という言葉。近年は一般化しつつある言葉ですが、もとはBL界隈で使われている言葉だったって知っていましたか？ この記事ではヲタク用語としてのスパダリや一般的な意味でのスパダリについて解説。意味合いの変化やヲタ・非ヲタ間での違いなどを紹介します。

「スパダリ」とは「スーパーダーリン」のこと。やおい時代から主にBL界隈で使われていた用語ですが、近年では一般用語としても使われています。それぞれの文脈で意味合いが違ってくるので、不意なヲタバレを防ぐためにも違いを抑えておきましょう。

基本的には財力・容姿・床上手な包容力抜群の攻め様のことを指す言葉がスパダリです。 石油王が幸薄な受けをオークションで競り落とし、窓の外にはお迎えのプライベートジェット、金と権力を湯水の如く使って受けを溺愛する……。浮世離れした完璧超人が受けに対しては苛烈な愛を注ぐというのが、古のスパダリBLの様式美です。 近年は主夫力が高い、常識人、年下、富豪ではないが包容力はあるスパダリも多いですね。スパダリ受けジャンルも存在します。その時代ごとの理想を詰め込んだハイスペ男がスパダリなのです。

非ヲタ文脈では、スーパーダーリンの言葉の通り、理想的なダーリン＝彼氏・旦那といった意味合いで使われています。 BL用語としては受けを愛するのに理想的なダーリンという思考のもと最高のスパダリか否かを判断しますが、一般的な意味合いでは自分が付き合いたい最高の彼氏・旦那といった、よりリアルな感覚が入ってくるのが特徴です。 家事育児に協力的で献身的に自分を愛してくれる包容力ある男性かどうかが重視される傾向にあり、こういったリアル寄りなキャラを描くスパダリBLも増えてきています。

ここからはヲタ・非ヲタそれぞれの文脈から選ぶ最高のスパダリを紹介します。2次元に関しては手持ちBLを読み返しまくり厳選しました。

ハイパーえちえちハッピーな執着溺愛ホテル王スパダリ×商社マンビッチものです。 攻めのアルはホテル王。本物のセレブなので、多数抱える部下を使ってナチュラルに受けのハルトを囲っていくんですよね。この富豪の盲目的暴走が一心に受けに向かっていく様がザ・スパダリでよき。百戦錬磨のハルトをとろとろにしてしまうエロスペックの高さも満点！ 仕事もできるスパダリ枠では『between the sheets』の一瀬社長もナイススパダリです。

彼氏力・旦那力めちゃ高な令和的スパダリ枠です。正直『彼のいる生活』の一仁(かずひと)、『ブルースカイコンプレックス』の元親(もとちか)とで死ぬほど悩みましたが、御曹司というスパダリ力を考慮して今回は葉月くんを選びました！ オメガバースもので、葉月はαの御曹司。1巻は高校生なんですが、そこから雫斗(なおと)と結婚して旦那となった際のスパダリ力の急上昇がすごい。実際育児する姿が拝めるし、伸びしろあるスパダリも“““良”””。

少女漫画界のスパダリ王を決めるなら碓氷拓海(うすいたくみ)でしょう。容姿端麗、文武両道、語学も堪能で料理も鉄人級、実家はイギリスの公爵家。くわえて屋上から飛び降りてもなんともない身体能力。 こんなに完璧なのに、大好きな美咲のことになると奇行が目立ち、ストーキングも朝飯前なんです。まさに歩くスパダリ。美咲との未来のためにちゃっかり医師になってるところも含め、心の中に住まう夢女がため息をもらすほど最高のスパダリです！

容姿も完璧、性格も完璧、リアルにスーパーダーリンになりそうな人物ということで選んだ1人目は、結婚したい俳優ランキングでも上位常連の横浜流星(よこはまりゅうせい)。高い演技力からも、仕事への熱心な姿勢が窺えます。 さらに彼は極真空手で世界一にも輝いたことがあるんですよね。それだけ努力できる人ということですし、いざというときには守ってくれそう。その包容力を感じさせるところも、ナイススパダリです！

千葉真一を父に持ち、ワールドワイドに活躍する新田真剣佑(あらたまっけんゆう)。2023年1月に結婚を発表しリアル既婚者となったばかりなので、まだ傷が塞がりきっていないファンも多いと思いますが、その行動力や決断力もスパダリ力という点ではプラスではないでしょうか。 美しい容姿はもちろん、世界的俳優の背中を見ながら自身も世界を股にかけて活躍しており、そのハイスペックっぷりは同年代の俳優の中でもずば抜けています。

ヲタク用語として広まった「スパダリ」も、いまや幅広い場面で使われるようになりました。しかし意味や時代が移ろったとしても、スパダリの本質はハイスペックでスーパーなダーリン！我々の理想がつまった存在であることに違いはありません。 これを機に、疲れた心に染みる理想のスパダリ探し(次元問わず)をしてみてはどうでしょうか。