2023年2月16日更新

漫画『ケーキの切れない非行少年たち』全話ネタバレあらすじ&感想!

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ケーキの切れない非行少年たち

『ケーキの切れない非行少年たち』という作品をご存知ですか?少年院を舞台とし、塀の中で生活する少年達が抱える問題に切り込む作風が話題となっています。 宮口幸治著の原作があるのですが、そちらを2次元化したものが本作となっています。 本記事ではそんな『ケーキの切れない非行少年たち』の各巻ネタバレを踏まえながら、徹底解説していきます!

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『ケーキの切れない非行少年たち』のあらすじ【ネタバレ注意】

少年院に勤務する精神科医の六麦克彦は、収容されてる非行少年たちの中で、ケーキを三等分できない子達がいることに気づきます。 少年院には認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない少年が大勢いるのです。更に恐ろしいのは、そんな少年たちが、殺人や強姦のような凶悪犯罪を行っているということです。 凶悪犯罪を犯したにも関わらず、彼らは反省以前の段階で躓いてしまうのです。 そういった知的障害や、境界知能を持つ非行少年の実態に、六麦は切り込んでいきます。

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1巻(1話〜5話)ネタバレ感想

六麦は「ケーキを切れない少年」をみて、ある少年のことを思い出します。4年前に要鹿乃原少年院にいた、田町雪人です。 六麦は田町が少年院に入所した時、面会する機会がありました。その際に同じくケーキを公平に三等分する問題を出すのですが、やはり田町も解けませんでした。 田町のIQは68で、「軽度知的障害」に該当します。このような少年たちが社会に馴染めず、凶悪犯罪に手を染める事は珍しくないのです。 彼らは加害者でもありますが、社会的弱者でもあります。故に例え少年院を出たとしても、再犯の可能性が非常に高いのです。

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2巻(6話〜10話)ネタバレ感想

2巻では妊娠8か月で教師に暴行を働き、女子少年院に入所した、15歳の門倉恭子に焦点が当たります。 恭子のIQは79で知的障害には該当しません。ですが1965年から1974年までIQ70~84は、境界知能と指定されていました。 つまり「今の基準では障害ではない」という判定でしかありません。こうして制度の裏に隠れる、「ギリギリ健常の知的障害」というのは、人には理解され難いのです。 また本巻では強制わいせつを犯した、出水亮一も登場します。彼はIQ92で自閉スペクトラムを抱えているのです。 想像力が弱く、空気を読んだり、自分の立場を考えて行動するのが苦手とされます。その為自分が「なぜ非行に走っているのか」すら、答えられないのです。

3巻(11話〜15話)ネタバレ感想

3巻では引き続き「強制わいせつ罪」で入所した、出水亮一に焦点が当たります。 出水は小学校高学年に上がった頃、性の問題行動を繰り返し始めます。その時は性問題に詳しい先生が、個別に出水を指導したことで、一旦は落ち着きます。 しかし中学に上がってからは、いじめや父親からの暴力を受けます。そのストレスの捌け口として利用したのが、インターネットで見つけたアダルト動画でした。 そこで出水は「女性は無理やりされて喜ぶ」ということを、普通と思い込んでしまうのです。 普通の方なら「現実とフィクション」の違いくらい区別がつくでしょうが、知的障害を持つ人たちにはそれが出来ない現実があります。

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4巻(16話〜20話)ネタバレ感想

4巻では自分の家に火をつけたことで、隣家の老人を焼死させてしまった荒井路彦14歳が入所します。 診断によると、「自閉スペクトラム症」の疑いがあり、IQは73とのことです。そのため荒井には「被害者の視点を取り入れた教育」が、有効だと判断されます。 この症状の子供は、自分のしたことが理解できず、何処か他人事のように生きています。その為反省しているように見えても、それは表面的なことなのです。 また本巻ではDCD(発達性協調運動症)を抱えた少年、太田太志が登場します。 この症状を一言で表すなら、日常生活に支障が出るほどに「体の使い方が不器用」なのです。その為社会で働くことが困難で、再非行率も高い症状です。

5巻(21話〜25話)ネタバレ感想

5巻では、公衆トイレに赤ちゃんを放棄した小平恵が登場します。恵は軽度の知的障害を抱えていますが、所謂「ギリギリ健常者」と判断されるレベルです。 その為親からも理解されず、非行に走るように不良グループとつるみ、少年鑑別所へ送られました。その時は六麦からの働きかけもあり、少年院行きは免れました。 しかし大学入学後も孤独感を感じた恵は、マッチングアプリで会った男性と知り合い、妊娠してしまうのです。 この事件で見える問題は、境界知能では鑑定書上は「精神障害なし」と判断されることです。その為責任能力の有無で、罪が軽くなることがなくなります。 境界知能に対する世間の認知は、余りにも足りていないのです。

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6巻(26話〜30話)ネタバレ感想

6巻では軽度知的障害を抱える手塚陽翔と、障害を認められない母親が登場します。 過去に陽翔は何度も万引きを働き、少年院送致となりました。その際に「軽度知的障害」と判断されるのですが、母親はそれを認めなかったのです。 しかし少年院に入った後、陽翔は精神科の先生が組んだトレーニングで、徐々に変化していきます。 「子供が障害持ち」なんて事実を、受け入れたくない気持ちは分かります。しかし現実と向き合い、受け入れなければ、現状を改善する方法は見つからないのです。 また本巻では非行少年たちが、「恵まれた非行少年」と「恵まれない非行少年」に二極化していることが語られます。

『ケーキの切れない非行少年たち』の感想&レビュー

本作は「知的障害を持つ非行少年」に視点を当て、リアルを二次元に落とし込んだ作品となっています。ですがこの作品に登場する少年たちが抱える「生きにくさ」は、決してフィクションではありません。 筆者もこの作品を通して初めて知る問題も多く、とても勉強になりました。また本作はただ問題提起するだけでなく、解決するための実践的方法も教えてくれます。 非行少年らが犯罪を犯したことには変わりません。しかし彼らと向き合い、彼らの苦しさを知ることで、同じ過ちを繰り返さないようにすることは出来ます。 少年院から出た、先のことを考えた視点を、本作は提示してくれるのです。

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『ケーキの切れない非行少年たち』あらすじをネタバレ解説しました

ここまで『ケーキの切れない非行少年たち』について、最新巻までのネタバレを含みながら解説してきました! 筆者としては、本記事を読んだ方にはぜひ読んでほしい1冊です。 本著を読むことで、非行に走る少年がなぜ生まれるのか?どうしたら彼らを、犯罪者にせず済むのかを考えるきっかけになることを願っています。