ホワイマンのがっかりな正体とは？黒幕はレイ？誰が作ったのかまで考察！【Dr.STONE(ドクターストーン)】

『Dr.STONE』に登場するホワイマンは、人類にメッセージを送り続ける謎の存在です。狂気に満ちた様子の恐ろしいラスボス登場に、当時は考察も盛り上がりましたが、その正体が判明するとがっかりという声も上がってしまいました。 果たしてその正体や目的は何なのか。本記事でホワイマンについて掘り下げていきます！

主人公・石神千空(いしがみせんくう)たちが通信機のテストをしている最中、何者かがモールス信号で「WHY(ホワイ)」と送ってきます。千空たちはこの発信者が石化現象の元凶ではないかと推察。 以降、この発信者はWHY MAN＝ホワイマンと呼ばれ、科学王国の敵と認識されます。その正体は終盤まで不明で、人間なのかAIなのか宇宙人なのか、千空たちもその正体を掴みかねていました。

ホワイマンの正体は石化装置・メデューサです。メデューサは中盤から物語に登場しており、長い間オーバーテクノロジーの精密機械だと思われていました。 実際はメデューサは宇宙からやってきた存在で、無数の個体がアメーバのように集合した群体型機械寄生生命体だったのです。機械の体を持つ彼らにとって、酸化のリスクの高い地球は生きるのに向いていません。真空状態の宇宙でのみ、意識を維持し生命活動を行います。

ホワイマンは中に埋め込まれたダイヤが心臓の働きをしており、定期的なメンテナンスを必要とします。そのメンテや個体の複製をしてくれる高度な知性を持つ有機生命体に寄生することが、彼らにとっての生きる術なのです。 彼らは電波を垂れ流す惑星には高い文明を築く高知能生命体がいると考え、地球をターゲットにします。

ホワイマンははじめ千空たちにモールス信号でコンタクトを取ってきましたが、そのときから「WHY」という単語を夥しい量で送るなど、理解不能なところが目立ちました。その異様な雰囲気に恐怖を感じた人も少なくないでしょう。 またホワイマンは人間とはまるでちがう価値観を持ち合わせており、石化することは幸せなことだと信じて疑いません。こうした考え方のズレも、ホワイマンを世にも恐ろしい存在に仕立て上げています。

ホワイマンは人間と変わらぬ生存欲求を抱いています。生命にとって最大の目的は生きることにあると考える彼らは、死なない状態＝石化こそ最高に幸せな状態だと考えているのです。 石化＝不死という最高の餌を提示すれば、人類は喜んで自分たちのメンテナンスをするだろう。そう考えた彼らは待ち続けますが、いっこうに人間は自分たちをメンテしようとしないどころか石化を拒みます。それが理解できない彼らは「WHY」と発信し続けていたのです。

ホワイマンにとっては何よりも手に入れたい永遠の命。知的生命体である人類なら、この不死の素晴らしさを理解するとホワイマンは考えたようです。 しかし人類は彼らの意に反し永遠の命を拒みます。それどころか千空たちは石化からの復活液を作り、人類を次々と蘇らせていきました。ホワイマンにとっては地球を宿主に選んだこと自体が失敗だったといえるでしょう。

ホワイマンを作った存在は不明です。ホワイマン自身も種の起源は知らないとのこと。 彼らの口ぶりからするに、彼らの想定する高度な知性を持つ生命体であれば、簡単に石化を解き、ホワイマンの複製やメンテナンスを行ったのでしょう。 それに比べると人類の知性や文明は大きく劣っています。千空ですら彼らの複製は現在の人類の科学力では無理だと発言していました。 そう考えると、やはり人類の文明を超越した存在が作り出したと考えるのが自然です。

ホワイマンはラストまで謎が多すぎるラスボスでした。本編からわかるのは、彼らはどこかからやってきた地球外の機械生命体で、人間を石化させた後に、ラストは1体を千空に託して残りの個体は地球から引き上げていったことだけです。 ここからは彼らに協力者がいたら？という視点で考察してみたいと思います。

ホワイマンは人類のなかでも千空を特別視している部分があります。単に千空がもっとも彼らが望む知性に近いということでしょうが、未来の千空がホワイマンの誕生に関わっているという可能性もゼロではないかも。 最終話登場のタイムマシンを完成させた千空が、科学の発展のために彼らを過去に送り込んだのかもしれません。

本作のラスボスであるホワイマンの正体については、読者のあいだでさまざまな考察がされてきました。*アインシュタイン、ゲン、未来の千空など、挙がった説は数知れません。 そのため「ホワイマン＝機械生物メデューサ」という斜め上の正体については、「肩透かしだった」「納得いかない」という意見もみられます。 たしかに「味方のなかに黒幕が隠れていた」といった刺激的な説に比べると、このオチは少々物足りないのかもしれません。考察が盛り上がっただけに、想定外の真相に萎えるという声があるのもわかるような気がします。

一方で、ホワイマンの正体について好意的な意見を寄せている人たちももちろんいます。 「まさにSFで面白い」「予想外なところが科学っぽい」「理解を超えてきたところがむしろ良い」など、読者の予想を裏切ってきたところを高く評価する形です。 このようにホワイマンの正体については賛否両論ありますが、これだけいろいろな意見が出ていること自体、その存在が非常に大きなものだったことがうかがえます。

ホワイマンの正体は、連載中から読者の間で度々考察されてきました。その中には、ホワイマンはレイやクロム、さらにアインシュタインや未来の千空ではないかという説が出ていました。 ここからはその中でも有名だった4つの考察を紹介していきます。

外伝に登場するAIロボット・レイは、石化から3700年以上もISSを維持して白夜の帰りを待つ健気なロボットです。 白夜へのメッセージを宇宙から発信し続けるレイの行動はどこかホワイマンに通じるところがあり、一時期ファンの間でもレイ＝ホワイマン説が流れました。 とはいえ本作は作画担当・Boichiが手掛けたIfの物語なので、本編のラスボスとは関連なさそうです。

千空はホワイマンと対面した際、「ずっといたんだな 俺らのすぐ側に――」と発言しています。 この発言から、千空が常に大事にしていた「E＝mc2」という公式に注目した読者も。この公式を導いたあのアインシュタインこそが、ホワイマンなのではないかという説が浮上しました。 ホワイマンの正体を知ったとき、旧時代を知る者とそうではない者のあいだでリアクションが異なったことも、裏付けとして挙げられていました。

ホワイマンは石化という技術を持っていますが、これは当然地球上に存在しないものです。そのため作中で千空も指摘した通り、ホワイマンは宇宙人なのではないかと言われていました。 モールス信号を扱えることから高い知能を持ち合わせていることは明らかなうえ、途中で居場所が月らしいことも明かされたホワイマン。その正体が宇宙人という結論に至るのはごく自然だといえるでしょう。実際、この説はほぼ正解に近いといえるものでした。

ホワイマンの声が千空とそっくりであることから、声帯模写を得意とするゲンがホワイマンの正体なのではないかと疑われたこともあります。 もうひとりホワイマンの正体としてよく挙げられた仲間が、クロム。彼は非常に頭が良く、その何気ない言葉や行動で千空を何度も助けてきました。それが逆に穿った見方をすれば、千空を巧みに誘導しているともとれたのです。また単純に「クロム」という語感が「黒幕」に似ているという深読みもありました。 しかしホワイマンの居場所が月であり地上ではないことから、この説はどちらも崩れました。

最終話で科学チームとともにタイムマシンの開発に挑戦中であることが示されたホワイマン。正体判明から最終回までがかなりのスピード感で描かれたため、肩透かし感があったことは否めません。 しかし実に科学屋の千空らしい唆(そそ)る大団円だったこともまた事実です。ホワイマンの正体を意識しながら、『Dr.STONE』を読み直してみるのも100億％おすすめです！