『ボヘミアン・ラプソディ』はつまらないのか?映画が面白くないと言われている理由を分析
2018年に公開され、世界中で大ヒットを記録した音楽映画『ボヘミアン・ラプソディ』。イギリスの世界的バンド「QUEEN (クイーン)」の軌跡と、そのフロントマンであるフレディ・マーキュリーの半生を描いた伝記的な作品です。 批評的にも興行的にも大成功を収めた本作ですが、実は「良さがわからない」や「史実と違う」といった感想もある賛否両論の1作。この記事では本作の批評と魅力を分析し、加えて続編の可能性にも触れていきます。
①ストーリーがトントン拍子すぎて面白くない
クイーンの伝記映画として観ると、バンドの成功を駆け足で当たり障りないように軌跡を辿っているだけに見えるという声も上がっています。つまりストーリーが薄っぺらく、今一つ感動できないというもの。 史実とは違う展開や設定を盛り込んでおり、その点でもファンには納得いかない部分があったのかもしれません。さらに、ファンが期待していたようなクイーンの苦労や裏話などはあまり描かれていない点も、物足りなさの原因になっているようです。 とはいえ、史実と違う部分はギターのブライアン・メイ曰く「伝記映画ではなくアート作品」として、クイーンというバンドの復活のイメージを強調したかったと思われます。最後のライブ・エイドへの感動の布石として考えられたストーリーに「感動がない」と言われると、残念ながら真逆の効果だったとしか言えませんが……。
②フレディの苦悩が描かれておらず共感できない
そもそも、フレディ・マーキュリーの人生に共感できないという意見も。わがままな天才といった人物像になっており、トントン拍子に成功したようにも受け取れて、共感も感動もできないと厳しい声もあります。 彼はインド系の出自、出っ歯の外見、性的マイノリティであることに苦悩を抱えていました。クイーンのファンなら誰もが知っているそれらフレディの特性が、深く掘り下げられていないため評価を下げているようです。 フレディの内面にもっと寄り添って、彼がその苦悩にどう対処していったかなどが描かれていたら良かったのかもしれません。フレディの魅力が正しく伝わらず、確かに無軌道で自分勝手な部分がフォーカスされている気もします。
③クイーンに詳しくないからつまらない
クイーンをこの作品で知ってハマったという人がいる反面、クイーンをまったく知らなかったから良さがわからなかったという人もいるようです。特にバンドが有名になっていく最初の前半がかなり駆け足で、その背景を知らない人には退屈に思えたのかも。 30分過ぎると、いよいよタイトルにもなっている名曲「ボヘミアン・ラプソディ」とアルバム「オペラ座の夜」制作秘話が描かれ、面白くなってきたと感じるかもしれません。 聴いたことがある曲はあっても、バンドの軌跡を追った伝記的な作品ではあるので、そこが詳しくないと置いてけぼりにされた感じはあります。
④ライブシーンの魅力が自宅だと伝わりづらい
本作の醍醐味である、再現度の高いライブシーンは、映画館の音響があればこそ魅力的に感じる物。だからこそ、映画の大ヒットを受けて自宅で鑑賞した人には、魅力が半減してしまったように感じる人も。 ライブシーンは映画館で観るのが最適ですが、クライマックスのライブ・エイドのシーンを本物と比較しながら家で同時視聴するのもおすすめです!
映画『ボヘミアン・ラプソディ』好きが語る魅力
これはもう本作が公開されてから、どこでも何度も言われ続けていることですが、この作品最大の魅力はクイーンの音楽とライブシーン、そして登場人物と舞台の再現度の高さです。これはメンバーのブライアンとロジャーが監修に入っているので、否定しようのない事実! クイーンを知らない人は伝記映画として観るのではなく、まったく知らない1つのバンドの成功物語としてまっさらな気持ちで鑑賞するのも良いかもしれません。クイーンのファンは細かい違いや掘り下げ不足は気になるところですが、逆にその違いや足りないところに注目して楽しむのもアリかも。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』は面白い?つまらない?実際に観て確かめて
世界的な大ヒットにも関わらず、賛否両論ある話題作『ボヘミアン・ラプソディ』。本当に面白いのか、またはつまらないのかは、ぜひ実際に観て確かめてほしいところ! 2023年はクイーンのアルバムデビュー50周年。2023年4月21日には「金曜ロードショー」でも放送されるので、これを機会にぜひ鑑賞してみてください。