映画『ブレット・トレイン』結末までのネタバレあらすじと感想解説!原作との違いは?日本がトンデモ描写なのはなぜか
ブラッド・ピットと『デッドプール2』(2018年)の監督デヴィッド・リーチがタッグを組み、伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』を映画化した『ブレット・トレイン』。 高速で走り抜ける新幹線の中で、殺し屋たちが壮絶なバトルをくり広げるクライム・アクションです。 今回は『ブレット・トレイン』のネタバレあらすじを紹介!ストーリーの謎についても解説します。 ※この記事には映画『ブレット・トレイン』の結末までのネタバレが含まれます。未鑑賞の方はご注意ください。
映画『ブレット・トレイン』のあらすじ
世界一運の悪い殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)はあるとき、東京発京都行きの超高速列車でブリーフケースを盗むというミッションを命じられます。 盗みが成功し、次の駅で降りようとした彼の前に次々殺し屋たちが現れ襲いかかります。降りるタイミングを失ってしまった彼を乗せ、列車はホワイト・デス(マイケル・シャノン)と呼ばれる世界最大のマフィアのボスが待つ京都駅へと加速していきます。
映画『ブレット・トレイン』の結末までのネタバレあらすじ
【起】簡単な任務のはずが……
東京の病院の一室。殺し屋のキムラ(アンドリュー・小路)は、何者かによって屋上から突き落とされて重傷を負った息子ワタル(ケヴィン・アキヨシ・チン)の復讐を誓います。 同じ頃、殺し屋のレディバグ(ブラッド・ピット)は、マリア・ビートル(サンドラ・ブロック)から東京発・京都行の新幹線でブリーフケースを回収する任務を請け負い、列車に乗り込みました。 一方、この列車には誘拐されたホワイト・デス(マイケル・シャノン)の息子サン(ローガン・ラーマン)を救出し、身代金の入ったブリーフケースとともに彼を護送する殺し屋コンビ、タンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン)とレモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)も乗っています。 キムラは列車の中で息子を突き落とした犯人、プリンス(ジョーイ・キング)を追い詰めますが返り討ちにあい、息子を人質に取られてブリーフケース奪還に協力することに。 レディバグは首尾よくブリーフケースを手に入れ次の駅で降りようとしますが、そこへ彼に妻を殺されたと思い込んだ殺し屋ウルフ(ベニート・A・マルティネス・オカシオ)が襲いかかり、降りるタイミングを逃してしまいました。
【承】次々と現れる殺し屋たち
ウルフが投げたナイフは、ブリーフケースに跳ね返って彼の胸を直撃、即死してしまいます。一方、ブリーフケースがなくなっていることに気づいたタンジェリンとレモンが席に戻ると、サンが何者かによって殺されていました。 レディバグがレモンを失神させ、彼のスマートフォンでマリアに連絡を取ると、列車にはホワイト・デスに雇われた殺し屋のホーネット(ザジー・ビーツ)も乗っていることを知らされます。 タンジェリンはレディバグがサンを殺したと思い込んでいましたが、サンとブリーフケースが無事であることを証明しなければならなくなり、レディバグと協力することに。2人は名古屋駅で待つホワイト・デスの部下に偽のブリーフケースを渡そうとしますが、偽物だとバレてしまい、発車直前の列車に逃げ戻りました。 キムラとプリンスに出くわしたレモンは、キムラの肩を撃ちトイレに閉じ込めますが、プリンスに撃たれてしまいます。
【転】殺し屋たちが入り乱れる大乱闘!
ウルフの遺体を探り、彼の妻を殺したのはホーネットだと気づいたレディバグ。実はサンも殺していた彼女は、売り子になりすましてレディバグの前に現れ、彼を毒殺しようとします。しかし返り討ちにあい、自らの毒で死亡しました。 トイレでレモンの死体を見つけたタンジェリンは、プリンスが犯人だと気づきます。しかし彼女はレディバグに助けを求め、タンジェリンとレディバグが乱闘に。そのはずみでタンジェリン運悪く銃に打たれ死亡してしまいます。 キムラの父エルダー(真田広之)はプリンスに彼女の正体を見抜いていると明かし、彼の部下がプリンスの部下を始末したと伝えると、彼女は慌てて逃げ出します。 エルダーとレディバグは、キムラが閉じ込められていたトイレでレモンを発見。すると彼は突然息を吹き返し、タンジェリンの遺体を見て激怒します。レディバグに襲いかかりますが、キムラがレモンを襲い大乱闘に。それまで静観していたエルダーは彼らを協力させ、京都駅でホワイト・デス一味を迎え撃つ準備をさせました。
【結末】ホワイト・デスの目的とは?衝撃のラスト
列車は京都駅に到着し、下車したレディバグにホワイト・デスは殺し屋たちがお互いを殺し合い、破滅するようにこの列車に呼び集めたことを明かしました。 ホワイト・デスの部下がブリーフケースを開け、レモンが列車を発車させるとケースが爆発。列車内に逃げ戻ったレディバグを追って乗り込んできたホワイト・デスに真っ先に対峙したのはプリンスでした。実は彼女はホワイト・デスの娘で、バカな兄を寵愛する父の気を引きたかったのです。 しかしホワイト・デスはその場を通り過ぎ、エルダーと対峙。エルダーはかつて所属していた組織をホワイト・デスに壊滅させられ、妻を殺されていました。2人は刀で戦いはじめます。 レモンとレディバグはブレーキを探しますが、レモンは川に落下してしまいました。キムラの協力でエルダーがホワイト・デスに刀を突き立てるなか、列車はそのまま走りつづけ、ほかの列車に激突。民家をなぎ倒して停止すると、ホワイト・デスは刀が刺さったままエルダーに銃を向けます。それはプリンスが細工した銃で、引き金を引いた彼の頭が吹き飛んだのでした。 レディバグ、キムラ、エルダーの3人に、プリンスがマシンガンで襲いかかります。しかし次の瞬間、彼女は配送トラックに轢かれてしまいました。 その場にひとり取ったレディバグのもとに、心配したマリアが駆けつけます。その10分前。川に落ちたレモンは生きており、配送トラックを強奪して列車を追跡。プリンスを轢き殺したのでした。
映画『ブレット・トレイン』の感想・評価
脇役それぞれキャラが立っていて、話をうまく進めてくれるので退屈しない。最初はバラバラだった話が、物語が進むにつれて密接に絡み合っていく脚本は見事。新幹線が今の日本の新幹線とはだいぶ違うけど、そこはご愛嬌。
原作に割と近い感じで要所要所はきっちり押さえてありました。ただ、主要キャラクターが外国人になることで全体の設定も微妙に変わっていて、そこはちょっと残念。現実とはちょっと違う日本描写も、遊び心として楽しませてくれるアクションも満載でそこは楽しめました。
【解説①】原作との違いは?
映画『ブレット・トレイン』と伊坂幸太郎による原作小説『マリアビートル』の大きな違いは、主人公です。原作では意識不明の息子の復讐を企てる元殺し屋、木村雄一が主人公ですが、本作の主人公は不運な殺し屋、レディバグ。原作に登場する「天道虫」こと七尾というキャラクターが基になっています。 また、原作で彼らが乗り込むのは東北新幹線で、行き先は盛岡。こちらは京都のほうが外国でもなじみ深いことから、映画では変更されたと思われます。 そのほかのキャラクターも、外国人の設定になったことで全体的に変更されていますが、レモンの「きかんしゃトーマス」好きなど細かい設定が残されており、意外にも原作に忠実な部分も多くあります。 ストーリーも、伏線を張り巡らせ見事に回収する伊坂作品の魅力を失わず、うまく落とし込んでいます。
【解説②】トンデモ日本描写はわざと?
日本を舞台にしたハリウッド作品といえば、常に現実離れした日本の描写が話題になります。本作にもそういった意見は少なくありませんが、これは実は意図的に作られたものです。 原作の魅力をうまく取り込んでいる本作ですが、物語のトーンは全く違います。原作はリアリティのある世界観となっている一方で、本作は荒唐無稽なアクションコメディ。それを強調するため、日本の描写もあえて現実離れしたものにしているのです。 『ブレードランナー』以来の“伝統的な”サイバーパンクな日本の風景やヤクザ映画や時代劇のテイスト、そしてカワイイ文化を混ぜ合わせた世界観は、そういったことを頭に置いておくと、細かいことは気にせずに楽しめるでしょう。
映画『ブレット・トレイン』のあらすじをネタバレ解説でおさらい
『ブレット・トレイン』のネタバレあらすじ、そして解説を紹介しました。 やりたい放題のアクションコメディとなっている本作ですが、伊坂幸太郎の原作の魅力を丁寧にすくい取り、ストーリーやキャラクターの面での再現度は高い作品となっています。 原作と合わせて楽しんでみてもいいかもしれませんね!