『地獄楽』は本当につまらないのか？アニメが好評なのに打ち切りの噂が！

アニメ化もされている賀来ゆうじの漫画『地獄楽』は、独創的な世界観を持つゆえが読む人を選ぶようです。そこで本記事では『地獄楽』つまらない派と最高派の理由を紹介しながら、作品の魅力や打ち切りという噂が出てしまった経緯などを解説！ アニメを観て原作が気になった人、読もうかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

主人公の画眉丸(がびまる)は過去も含めしっかり描写されますが、それ以外のキャラは主要キャラなのに案外あっさりと過去が語られる傾向にあります。 その分、物語の主題に没入できるので、全キャラを深掘りする必要もないのでしょうが、もっとキャラを愛せていたら感情移入できたのに、と思ってしまうシーンもありました。ファンブックなどで補足されている部分もありますが、本編でもっと各キャラを愛したかったという声があるようです。

作中では氣(タオ)を高める修行法の1つとして房中術が登場します。いわゆる性的な営みであり、天仙の菊花(ジュファ)と桃花(タオファ)や、蓮(リエン)と亜左弔兵衛(あざちょうべえ)の房中術が描かれました。 房中術以外でも女性キャラが心理描写の一環として裸体を顕にするシーンがしばしば登場。天仙は雌雄同体なので生々しさは控えめですが、それはそれとしてそんなに脱がなくても、と興ざめしてしまう気持ちも分かります。

読者からの感想でよく見かけるのが、推しが死んだといった内容です。それだけ本作はキャラ死亡率が高く、まんべんなくどのキャラにも死亡フラグが立ちます。 そのハラハラ感も作品の魅力ではありますが、お気に入りキャラの生存と幸せを願いたい読者からすると、ストレスになってしまう部分でしょう。 とくに序盤はあか絹など魅力的な要素を持つ死罪人があっさり死んでしまい、拍子抜けしたという声も多いようです。

本作はサクッと全13巻で完結しています。その点も評価が分かれる要因になっているようです。 というのも、作品が扱うテーマはかなり重めでした。不老不死や死罪人たちの半生、江戸時代後期という鎖国状況下での価値観のあり方など、切り込んだらおもしろそうな要素が多く、そこに期待しながら読んだ人もいたのではないでしょうか。 読者の飢餓感を創出したという点は成功と言えそうですが、物足りないと感じた人には不評となってしまったようです。

実際は打ち切りされずに完結しており、『J+』の看板作品としてアニメ化もするなど高い人気を誇る『地獄楽』。それだけ人気なのに、なぜ打ち切りの噂がささやかれるようになったのかを解説していきます。

『地獄楽』を検索すると「打ち切り」というキーワードも出てくるのですが、『地獄楽』自体には打ち切りの気配はありませんでした。実際に打ち切りとなったのは、『地獄楽』後に賀来ゆうじが手掛けた新作『アヤシモン』です。 『週刊少年ジャンプ』本誌掲載となった本作は、途中から読者アンケートの結果が振るわず、ワースト3での掲載順が続きました。その結果、単行本としては全3巻で終了。ラスボス戦前に「俺たちの戦いはこれからだ」エンドとなってしまいました。 その流れで同作者の『地獄楽』を打ち切りで検索する人が現れたのでしょう。

『地獄楽』は序盤はゆっくりとした展開が続きましたが、終盤では物語が一気に加速。全13巻という短さで完結しました。終盤から一気にペースが上がったことや、全13巻という短さから打ち切りという噂が出たようです。 確かに人気があるジャンプ作品は連載が長いため、全13巻は短く感じるかもしれません。しかし、『チェンソーマン』など、ここ数年で連載が始まった作品は、あまり長引かせず完結を迎えている作品が多いです。『地獄楽』が全13巻で完結しても不思議ではないでしょう。 しかし、同じような巻数で完結した『チェンソーマン』の2部が始まったことから、『地獄楽』も2部が期待されています。

『地獄楽』はアニメにも中止の噂がありました。その理由は、アニメ化決定から放送までの期間の長さです。アニメ化が決定したのは2021年1月25日ですが、実際に放送されたのは2023年4月1日でした。アニメ化決定から放送まで2年近く空いたのです。 また、2年の間に舞台化が決定しアニメより先に上演されました。このことが、アニメ中止の噂に拍車をかけたようです。 しかし、噂はあくまで噂。アニメは中止にならず無事放送されています。

まずはなんといっても唯一無二の世界観！忍法浪漫という触れ込みで想像していたよりも、重く暗く深い世界観が広がっています。とくに仙薬探しをおこなう神仙郷での描写は、美しいからこそ恐ろしくグッと引き込まれました。 仏教や道教といった宗教的なモチーフや古代中国由来の哲学・五行思想、さらには日本古来の「変若水(おちみず)」といったワードも登場し、ごった煮の世界観が独創性を生み出しワクワク感を引き出してくれます。

死罪人、斬首を生業とする山田浅ェ門一門、不老不死の仙薬、人工的に生み出された天仙。これらの生死と深く結びついた要素が絡まり合い、生を求める者たちの魂の叫びに触れることができるのも本作の魅力です。 次第に各キャラの生きたい理由も明らかになっていき、思わず「生きて！」と叫びたくなってしまいました。人智を超えた島はたやすく人の命を奪っていきますが、だからこそ生の尊さが浮き彫りになるのでしょう。

世界観の良さや、生と死をテーマとしたストーリーのおもしろさを引き立てているのが、賀来ゆうじ先生の圧巻の画力です。極楽浄土だと噂される島の地獄みに説得力を持たせてくれるのも、美麗で繊細な画力があってこそ。 賀来は連載開始前に劇画を研究、さらに親戚の殺陣師から殺陣のレクチャーを受け、作品に反映させているとのこと。そこから生まれた息遣いを感じるバトルシーンも読み応えがあり、作品の魅力となっています。

原作が全13巻という短さで終わったことから、2部や映画など期待されている『地獄楽』。しかし、現在続編の情報はありません。面白い作品だけに残念ですね。 しかし、アニメは2期が放送されるかもしれません。アニメ1期は1クールを予定しており、1クールだけでは物語は完結しないでしょう。そのため、アニメ2期が放送される可能性があります。アニメは評判がいいので、2期も夢ではないでしょう。

全13巻で走り抜けた『地獄楽』のつまらないと言われる理由・おもしろい理由を紹介しました。実際のところどうなの！？と気になる人は、アニメでも話題の『地獄楽』をぜひ一気読みして、自分の目で確かめてみてください！