『薬屋のひとりごと』壬氏の正体は?本当の父親・母親を家系図からネタバレ解説
『薬屋のひとりごと』は、主人公である侍女・猫猫が薬学の知識を活かし、後宮で数々の事件を解決していく物語です。本筋であるミステリーはもちろん、猫猫に想いを寄せる壬氏との恋模様も見どころのひとつとなっています。 本記事ではそんな猫猫のお相手・壬氏(ジンシ)について詳しく紹介!彼が抱える秘密についても解説していきますよ。 ※本記事は『薬屋のひとりごと』の重大なネタバレを含みます。
『薬屋のひとりごと』壬氏(ジンシ)の表の顔
壬氏(ジンシ)は後宮で働く宦官のひとり。宦官とは、女だらけの後宮で間違いを犯さないよう去勢された官吏のことを指します。壬氏(ジンシ)はそのなかでも特に強い立場にあり、発言権もあるようです。 絶世の美男子として名高く、皆の注目の的となっているばかりか、女として生まれていれば傾国の美女となっただろうとも評されるほどです。実際作中で化粧を施したときには、美女としか言いようがないビジュアルになっていました。 ひょんなことをきっかけに猫猫の能力を見抜き、宮中で起こる事件をともに解決するようになっていきます。猫猫は壬氏をかなり雑に扱っていますが、壬氏としてはその態度が新鮮で面白いようす。何かと彼女に構っては、その反応を楽しんでいます。
とにかくカッコイイ壬氏。こんなひとが近くにいたら、すぐに好きになっちゃいそうです。
ただの宦官ではない?壬氏の目的
宦官のひとりとして登場した壬氏ですが、序盤の頃からただ者ではないことを匂わされていました。 何やら重大な任務のため動いているような素振りだったり、後宮の運営について一介の宦官としては破格の権限を持っていたり……極めつけは、「園遊会」で高貴な身分の人間しか身に着けることが許されないはずの、「麒麟」が描かれた簪を髪に刺していました。 明らかに高貴で裕福な立場にありそうな壬氏。その正体と目的は、物語が進むごとに徐々に明かされていくことになります。
【正体】壬氏は現皇帝の弟
謎めいた雰囲気の持ち主である壬氏(ジンシ)ですが、実はその正体はなんと現皇帝の弟でした。名を華瑞月(かずいげつ)といいます。その立場では病弱を偽りほとんど表に出ないため、真実を知る者はほとんどいません。 壬氏は表向きでは数え年23歳とされていますが、実年齢は数え年19歳。正体が判明する前、同じく数え年19歳の玉葉に「あの子」と呼ばれるシーンがあり、これもひとつの伏線でした。なお、後宮に入るにあたっては薬で性欲を抑制しているとのことです。
壬氏の正体はまさかの皇族!あの品の良い雰囲気にも納得です。
壬氏の出生の秘密
現皇帝と壬氏の父親である先帝は、作中で「幼女趣味」と説明されています。実際、現皇太后・安氏は現皇帝を産んだとき、まだ10歳そこそこという若さでした。 さらに先帝は安氏が大人の女性に成長すると、会いに行かないどころか目もくれないという信じがたい態度をとります。この仕打ちに怒り狂った安氏は、復讐のため先帝を無理やり襲うことに……。 このとき生まれたのが先帝の第二子です。なお、先帝はかねてより女性恐怖症を抱えていたため、この件をきっかけに決定的に精神を病んでしまいました。 現皇帝が34歳、壬氏が19歳とふたりの間にはかなりの年齢差がありますが、その背景にはこんな複雑な事情があったというわけです。
壬氏が宦官に成りすます目的とは?
男性である壬氏(ジンシ)が後宮に出入りできているのは、皇帝からある任務を授かっているからです。 壬氏(ジンシ)は皇帝から、「反逆心を持つ人間を炙りだす任務」「皇帝に相応しい妃候補を見つける任務」など、国家の繁栄のため内部から宮中を調査する任務を与えられています。 本人は皇位継承にまったく興味はなく、皇帝を裏切ろうとする者を炙り出すために自身の容姿や宦官という立場を利用しています。少しでも早く跡継ぎを育て、皇位継承の候補から外してもらいたいというのが本音のようです。
【真の正体】壬氏の本当の父親・母親は誰?
阿多妃とどことなく似た顔をしている壬氏。彼は幼い頃から皇帝の弟=阿多妃の義弟として過ごしてきましたが、実際は彼女と皇帝の間に生まれた子どもということが判明しています。つまり壬氏の真の正体とは、現皇帝の息子――東宮だったのです。 壬氏の出生にまつわる真実がこんな複雑になってしまったのには、安氏と阿多妃が過去にひっそりおこなった「すり替え」が関係しています。 皇太后である安氏は先述の通り、夫である先帝を強く憎んでいます。だからこそその血を引いている我が子を愛すことができず、苦悩していました。 それに気付いた阿多妃は、彼女をお茶会に誘い赤子のすり替えを申し出ます。それに安氏も乗ったため、ふたりはこっそり赤子の服を交換して、それぞれ相手の息子を連れて帰ったのです。 このことを知っているのは、現状皇帝と皇太后のみと思われます。ちなみに猫猫はこの事実にうっすら勘付くも、まだ確信は得ていない様子。また壬氏自身は阿多妃と酒を酌み交わすなど交流もあるようですが、彼女が母だったとは気づいていないようです。
【家系図】壬氏は自分の本当の正体を知らない?
実は現皇帝と阿多妃の息子だった壬氏ですが、その真実にまったく気付いていません。 彼は先帝と皇太后にあまり似ていないことから、自身を「不義の子」なのではと疑っている描写がありました。しかし、そこから自身の正体にたどりつくような素振りはありません。猫猫は阿多妃と彼がそっくりなことからすぐ察していましたが、案外本人は気付かないものなのでしょう……。
【恋模様】猫猫に恋する壬氏がかわいい
美貌に絆されない猫猫に惹かれる
「天女のような」と形容されるほど美しい見た目で、周りの女性にちやほやされてきた壬氏。しかし美貌に興味がない猫猫は、彼がその顔面をフル活用してもまるでなびきません。 はじめ壬氏は、その反応を面白がってからかっていただけでしたが、交流を深めるうち彼女の人間性そのものに惹かれるようになりました。やがて恋愛対象として意識するようにもなり、猫猫相手だと照れたりムキになったりと、可愛らしい一面も見せ始めます。
行く手を阻むのは身分差の壁?
しかし、表向きは現皇帝の弟、実際は現皇帝の息子と、いずれにせよやんごとない身分の壬氏にとって、一介の侍女にすぎない猫猫は決して釣り合わない相手です。両者ともにこのことは自覚しており、そのせいで壬氏は素直になりきれないフシもあります。 ただし猫猫は猫猫で、実は名家である「羅の一族」の生まれで、血筋だけ見れば皇族と結婚してもおかしくはない存在。かつて後宮医官だった羅門(猫猫の大叔父で育ての父)がかつて追放された件がネックではありましたが、こちらも後に復帰しているため、大した問題ではないといえるでしょう。 しかし一番の問題は、猫猫が自身を「羅の姫」として認めるのを拒んでいること。ここさえクリアすれば結婚の可能性はあるので、もう壬氏の頑張り次第と言うしかありません……。
猫猫に壬氏の想いは伝わるのか?
壬氏はすでに猫猫に対し「俺はおまえを妻にする」というプロポーズまがいの発言をしています。おまけに、猫猫がきちんと納得した上で結婚できるようにしてみせるとまで約束しているのです。つまり、猫猫は壬氏の想いをちゃんと知っています。 その後、実際に壬氏はあれこれ根回しをして猫猫と結ばれる努力をしており、猫猫のほうものらりくらりとかわしつつ、少しずつ歩み寄る気配を見せています。結婚するにせよしないにせよ、なんらかの形でハッピーエンドに落ち着いてほしいところですね。
【魅力】壬氏はかっこいいだけじゃない?
絶世の美男子として知られる壬氏。その容姿はとにかく美しく、アニメなどで目にした瞬間に一目惚れしてしまったひとも多いはず。彼のもっともわかりやすい魅力はこの外見となりますが、実はその内面も非常に魅力的。 最初はクセの強いキャラに見えたものの、冷静沈着で正義感もあるなど頼りがいのある一面も存在。さらに猫猫に惹かれていくなかで見せる、ピュアな部分もとにかく可愛らしいんです。見た目も中身も素敵でギャップまで併せ持っている。壬氏が超モテモテなのも思わず納得ですね。
こんなモテモテ男子にアプローチされまくる、猫猫がとにかく羨ましいです……。
【声優】アニメ『薬屋のひとりごと』壬氏役:大塚剛央
アニメ『薬屋のひとりごと』で壬氏(ジンシ)役を演じるのは、アイムエンタープライズ所属の大塚剛央です。落ち着きのある声質の持ち主で、これまでに『もののがたり』の岐兵馬役や『【推しの子】』のアクア役などを演じてきました。 クールで有能なキャラの印象が強いので、優男風でいてやり手の壬氏(ジンシ)にもぴったりなキャスティングですね!
【関係】壬氏と各キャラの関係を解説
従者・高順(ガオシュン)との関係
壬氏のお目付け役の武官である高順。 表向きは壬氏と同じく宦官を名乗っていますが、実際は代々皇族を守護している一族のひとり。幼い頃から壬氏に仕えており、厚い忠誠心を持って彼の面倒を見続けています。ちなみに高順は36歳でありながら、すでに孫がいるおじいちゃん。壬氏に対し「孫の顔が見たい」と結婚を急かすこともあるようです。
軍部高官・羅漢(ラカン)との関係
キツネ目と片眼鏡が特徴的な軍師の羅漢。非常に優秀な人物でありながら、奇妙な言動も目立つ厄介な存在です。 そんな羅漢は実は猫猫の実父。様々な事情により彼女を引き取れていませんでしたが、やっと準備が整い引き取れる……という段階で猫猫は壬氏により宮廷へ連れていかれることに。そのため羅漢は何かにつけて壬氏を目の敵にしているようです。
『薬屋のひとりごと』壬氏の正体がやんごとなかった
現皇帝の息子という知られざる出生の秘密を持ち、その類まれなる美貌で皆に憧れの視線を注がれている壬氏(ジンシ)。しかしそんな彼にとっても、薬にしか興味がない猫猫は強敵のようす……。じわじわ進んでいくふたりの関係から、今後も目が離せそうにありません!