漫画『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』最終回まで全話ネタバレあらすじ＆感想！人生の最期を飾る儚いラブストーリー

寿命を売った青年とその監視員の、儚い日々を描いた『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』。三秋縋の小説『三日間の幸福』を原作にしている本作は、その泣けるラブストーリーが小説ファンからも漫画ファンからも評価される作品です。 そこで今回は『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』のあらすじと感想を、最新話までネタバレありで解説していきます！

無気力に日々を過ごす大学生のクスノキは、金を得るため出向いた古本屋で妙な話を聞きます。それは寿命を買い取る店の噂。その店が実在していると知った彼は、自分の寿命を査定してもらいます。ついた値段は、最低金額の1年1万円。 30年の寿命を売ったクスノキは、残り3ヶ月の人生を良いものにするため行動を開始しました。そんな彼のもとに、監視員としてミヤギがやってきます。寿命が残りわずかになった人間は何をするかわからないため、監視員がつく決まりになっているとのこと。 何をやってもうまくいかないクスノキは、ミヤギと対立します。しかしミヤギにもまた「時間」を売った過去があると知り、クスノキはいい監視対象者になろうと考えるようになるのでした。

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クスノキは、過去に将来を約束した幼馴染みであるヒメノが気になっていました。しかしミヤギから、ヒメノは17歳で高校を中退し子供を出産、18歳で離婚し2年後に自殺することになると、衝撃の事実を知らされる彼。それを聞いたクスノキは、彼女をデートに誘います。 デート当日、美人になっているヒメノをみて、テンションが上がるクスノキ。しかし実際のヒメノは、17歳の頃助けを求めた手紙をクスノキに無視されてから、彼への恨みを募らせていたのです。 本来であればクスノキの前で自殺するはずだったヒメノですが、クスノキが寿命を売った事実により運命が変わります。それでもヒメノはクスノキのもとから去り、彼は絶望感に包まれるのでした。

本当は30円だったクスノキの人生に同情して、30万円を払ってくれていたミヤギ。ミヤギの姿は、監視対象者であるクスノキにしか見えません。しかしそんな彼女に対して、クスノキは堂々と恋人として振る舞うようになります。 実は残りの寿命1ヶ月で絵を描き続ければ、クスノキは教科書に載るような画家になっていたとのこと。それでも彼は偉大な功績も残りの人生も捨てて、さらに1ヶ月の寿命を売ってしまいました。理由は、ミヤギの借金を返すためです。 寿命が残り3日となったことでミヤギがいなくなり、その大切さを改めて感じるクスノキ。そこに人からも見えるようになった、ミヤギが現れます。自らも寿命を売り借金を完済した彼女は、監視員としての職務を終了していました。 そして2人は、幸せな3日間を共に過ごします。

本作の見どころは、なんといっても切ないラブストーリーです。 メインキャラの2人は、2人共が後ろ暗い事情を抱えています。ミヤギは母の借金のせいで時間を奪われており、クスノキは寿命を売り残りの人生はわずか3ヶ月。嫌な奴だったクスノキが何をやってもうまくいかないシーンは、胸に重くのしかかるものがありました。 そんななか2人が徐々に心を通わせていき、訪れるのは涙なしではみられないハッピーエンドです。考えさせられる作品が好きな人には、おすすめの1作でしょう。

『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』は寿命が売れるファンタジー設定を軸に、切ない恋愛模様が涙を誘う作品です。 興味が湧いた人も、原作小説が好きな人も、ぜひ漫画を手に取ってみてください。