漫画『烏は主を選ばない』最新話まで全話ネタバレあらすじ！最終回の内容を原作から考察

『イブニング』にて、累計発行部数200万部を突破する大人気小説「八咫烏シリーズ」をコミカライズした『烏は主を選ばない』。人間の姿をした八咫烏の権力争いを描いた本作は、2024年にアニメ化もされた話題作です。 そこで本記事では『烏は主を選ばない』のあらすじと感想を、最新話までネタバレありで紹介していきます！

人の姿に変身できる八咫烏たちが暮らす世界「山内(やまうち)」。彼らは「金烏(きんう)」という長を抱える金烏宗家を中心に、大貴族たちが東西南北の各地方を治めるかたちで繁栄を築いてきました。しかし、その安寧が陰りを見せ始め、国内では世継ぎ問題が勃発してしまいます。 そんな中、北の地を治める家の次男・雪哉は、ひょんなことから次期金烏と目される若宮に仕えることに。「ぼんくら」として有名な雪哉と、「うつけ」として有名な若宮。2人の問題児は衝突し合いながらも、少しずつ絆を深めていきます。 それと同時に、宮中では若宮の兄にあたる長束(なつか)を推す派閥が不穏な動きを見せ始めていました。なんと彼らは若宮不在の中、彼の地位をはく奪するための会議を押し進めていたのです。

自身の地位を奪おうとする御前会議に、自ら乗り込んでいった若宮。そこで彼は父である金烏代(きんうだい)を退けたうえ、長束に忠誠を誓わせるなど、とんでもない行動で主導権を握ります。雪哉はこの強引な態度に疑問を投げかけますが、若宮は適当な理由を語りはぐらかすばかりでした。 その会議が終わったあと、雪哉と若宮は謎の刺客に襲われてしまいます。どうやら若宮は長束の母である大紫の御前に命を狙われていた過去がある様子。彼は自身の周囲を危険にさらさないため、あえて人々との距離を取っているようでした。 若宮が孤立無援の状態だと知った雪哉は、1年間限定で主君の側近として仕える家来「近習(きんじゅう)」になることを誓います。しかし、2人の絆が深まったのも束の間、若宮は雪哉を連れて賭場へ行き、「負けたら金の代わりに雪哉を置いていく」ととんでもない発言をするのでした。

若宮が賭博で負けてしまい、谷間(たにあい)という歓楽街に置いていかれた雪哉。ここから苦難の生活が始まるか……と思いきや、若宮の無理難題に応える生活に比べれば、ここでの暮らしは随分と楽な様子。ただ、借金のカタにされたことについては、さすがに思うところがあるようでした。 しかし、雪哉はここで思わぬ場面に出くわします。なんと、彼は街の料亭で怪しい会合をする八咫烏たちを見つけてしまったのです。しかも、そこに現れたのは若宮の政敵である長束、彼の側近である路近(ろこん)、そして南大宮家の敦房(あつふさ)という超大物たちでした。 彼らはそこで、若宮襲撃事件についての会談を開始します。「長束が謎の刺客を放った黒幕か？」と疑いたくなる場面ですが、どうやら長束側も一枚岩ではなく、各々が若宮に対する違った考え方を持っているようでした。

谷間から戻った雪哉は、若宮の妃選びに関して大きな意味を持つ神事・端午の儀へ参加。彼は会場となる桜花宮に出向きますが、なんと若宮の策略によりそこに置き去りにされてしまいます。 しかも、雪哉はそこで若宮にとっての大敵である大紫の御前から呼び出されることに……。彼は無害な人物を演じ切り、何とかその難所を切り抜けます。さらに、雪哉はそこで若宮を殺そうとした刺客を見つけることにも成功。彼はこの窮地で、若宮襲撃の首謀者を証明しうる大きな手掛かりを掴んだのです。 その一方、長束派の中では、主張の異なる2つの派閥が対立する事態が発生していました。穏健派の代表格である敦房は、大胆にも若宮のもとを訪ねます。彼はそこで一連の事件は急進派の独断によるものであり、長束本人は何の関わりもないと訴えてくるのでした。

様々な政敵との争いに身を投じていた若宮が、ついに「真の金烏」として皇太子になることが決定します。これにより、皇太子にふさわしい妃の選別が始まりますが、その裏では長束側の勢力が再び暗躍を始めているようでした。 どうやら長束派は、若宮の命を本格的に狙っている様子。この窮地を脱するため、なんと若宮はその謀略の中心にいると思われる南家に出向き、当主の思惑を直接聞き出そうと考えます。この無茶な計画は果たしてうまくいくのか。そして、若宮を失脚させようと企んでいる本当の黒幕は誰なのか。 様々な謎が少しずつ解き明かされていく最新巻。若宮と南家の対峙はもちろん、今後雪哉がどう成長するのかも大きな見どころ。これからの展開に要注目です！

漫画『烏は主を選ばない』は同名小説のコミカライズなので、その結末はすでに判明済みです。原作の終盤では、雪哉が「金烏は自分の命と引き換えにするほど大切なものなのか」という問いを抱き、若宮との決別を選択することに。 漫画版が原作通りに進行すれば、最終回では若宮と雪哉の別れにまつわるエピソードが描かれると思われます。ただ、本作は小説「八咫烏」シリーズに含まれる1作でしかありません。本シリーズは第1部が完結しているものの、現在は第2部が刊行されている真っ只中。 つまり、若宮と雪哉の物語にはまだまだ続きがあるのです。ちなみに『烏は主を選ばない』の続編にあたる『黄金(きん)の鳥』では、雪哉が若宮の頼みを受け「仙人蓋(せんにんがい)」という薬の出所を探すことになります。気になる方は漫画版だけでなく、原作版もチェックしてみてください！

アニメ『烏は主人を選ばない』は、2024年4月6日よりNHK総合にて放送されています。主人公の1人である雪哉の声を演じるのは田村睦心、そしてもう1人の主人公である奈月彦の声を演じるのは入野自由です。

本作では主に、架空の世界での権力争いを描いています。そこに巻き込まれた雪哉、若宮のキャラクターが非常に魅力的です。 雪哉はぼんくらを演じているものの、実際は能力が高く腹黒。そしてうつけと呼ばれる若宮も、人間らしさを覗かせます。この凸凹コンビの奇妙な主従関係は、後々信頼しあう本物の絆に。 また和風な世界観で権力争いを描くので、ファンタジー世界であるにもかかわらず、歴史漫画のようにも読めます。ファンタジー漫画が好きな人も、政治漫画が好きな人も、どちらも楽しめる作品です！