『雨に消えた向日葵』のあらすじネタバレを結末まで！真犯人の正体は？

『雨に消えた向日葵』は実写ドラマ化もされた作品です。この記事では『雨に消えた向日葵』のあらすじネタバレをご紹介していきます。 気になる真犯人の正体についても解説していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。 ※本記事にはストーリーのネタバレが含まれているため、未視聴の人は注意してください。

埼玉県で小学5年生の女子児童が失踪してしまいます。県警の奈良も捜査に入りますが、証言は錯綜し、少女の私物は意外なところから出現。男に目をつけられていたといった情報は集まるものの、少女は見つかりません。 捜査本部は縮小されてしまい、少女の発見を諦めるムードが漂いますが奈良は少女を捜索し続けます。奈良を駆り立てているのは、自身の妹の存在でした。奈良の妹はかつて見知らぬ男に凌辱され、今も心に傷を負っています。 奈良の執念は少女を見つけることができるのでしょうかーー。

第一の容疑者は下校する葵を校門で見送っていた担任の浮島航大です。浮島は小児性愛者であり、葵失踪後に違法な蔵書を慌てて廃棄していたことから容疑者に。しかし、浮島は容疑を否認し、アリバイはなかったもののこれといった証拠もなく釈放されてしまいます。 続いての容疑者は葵をつけまわしていた品川ナンバーの車の男です。その男の正体は強姦未遂で逮捕歴のある37歳のフリーター中本郁也。中本は葵の写真を撮ったことは認めたものの、アリバイがあり犯人ではありませんでした。 しかし、中本は葵の写真を闇サイトに流しており、真犯人はその情報をもとに葵を誘拐したと考えられます。

20年前、奈良健市の妹は強姦の被害に遭っています。奈良は強姦の現場近くを通っていたにもかかわらず、ヘッドホンをしていたため妹の悲鳴を聞き逃してしまいました。 妹は強姦に遭ったことから極度の男性恐怖症となり、事件から20年が経ち40代を迎えた今でも苦しんでいます。事件のトラウマのため社会に出て働くこともままならない妹を見ていると、奈良には後悔の念が押し寄せてくるのです。 奈良が葵の誘拐事件に執着するのも、妹の事件のトラウマがあるからなのでした。妹の件は、奈良にとって悔やんでも悔やみきれない事件となっています。

事件の真犯人は田中晃教という37歳の男でした。不動産収入で暮らす裕福な男で、実は捜査初期に名前が上がっていた男です。 事件発生直後、捜査撹乱のため葵の私物が電車内に置かれるということがありました。防犯カメラをチェックした際に映っていたのが田中だったのです。 当時、奈良は田中の家を訪れ当日のアリバイがなかったことを確認していますが、それだけで田中を犯人と断定することは不可能でした。誘拐されてから3年間、葵は田中に監禁されることとなります。

3年もの間、葵を監禁していた田中ですが、警察の誘導で外出しあっさり逮捕されてしまいます。 救出された葵は、救急車で病院に運ばれました。葵は病院に到着すると奈良のところに駆け寄り、奈良の手を取ります。自分のことを見つけてくれた奈良にお礼を伝えたかったのです。お礼の言葉は出なかった葵ですが、奈良は葵に対して頷き返しました。 奈良は葵の行動に驚き、震えるしかできませんでした。3年も男に暴力で支配されていた少女が異性に触れられると思わなかったからです。本当は葵の手を握り返したかったけれど、できなかった奈良だけがまだ過去に囚われているのかもしれません……。

『雨に消えた向日葵』の原作とドラマ版に、ストーリー上の大きな違いはありません。1つ違いを挙げるとすれば、葵の父親の視点があるかどうかです。 葵の家庭は複雑で、離婚調停中のため父親は一緒に暮らしておらず別居中でした。原作では父親のことは客観的に描かれます。父親自身の主観的な目線は描かれず、それほど印象に残るキャラではありませんでした。 しかし、ドラマでは佐藤隆太が事件によって心を揺さぶられる様を演じており、父親の姿が葵失踪事件に深みを増してくれています。 原作者の吉川英梨によると、原作を読んでからのドラマ視聴がおすすめだそうです。

「葵を誘拐した犯人は？」「葵は見つかるのか？」といった謎解きの部分も見どころではあるのですが、『雨に消えた向日葵』では、繊細な人間ドラマが見どころです。 被害者家族と奈良が心を通わせていく様子は見事で、最初は得体の知れない存在だった奈良が段々と心許せる存在に。葵の失踪という悲しい事件を通じて繋がった縁ですが、人と人の絆の素晴らしさに胸が熱くさせられます。 普段はコメディの印象が強いムロツヨシが奈良役で見せる、やりすぎないリアリティのある感情に注目です。探し続けた葵にやっとたどり着いたシーンは必見。

誘拐された少女の行方を追う『雨に消えた向日葵』は、実写ドラマ化もされた名作小説です。原作、ドラマどちらも高く評価されていますので、ぜひどちらも楽しんでみてくださいね。