『恋せぬふたり』最終回ネタバレ・全話あらすじ!咲子と高橋が選ぶ結末とは?
岸井ゆきのと高橋一生がW主演を務めた、2022年1月期のNHK夜ドラ『恋せぬふたり』。セクシュアルマイノリティの「アロマンティック・アセクシュアル」を扱ったコメディです。この記事では、『恋せぬふたり』の全話あらすじと見どころを紹介します! ※本記事にはストーリーのネタバレが含まれるため、未視聴の人は注意してください。
1話のあらすじ・ネタバレ
スーパーまるまるの本社営業戦略課で働く主人公・兒玉咲子。恋愛にもセックスにも興味がない彼女は、常に恋愛が前提の社会に違和感がありました。 ある日、キャンペーン商品を見に訪れた店舗で店員の高橋羽と出会い、彼の「恋しない人間もいる」という言葉にハッと気付きます。 結婚への圧力を感じる実家を出て親友とのルームシェアを計画するも、「元カレとヨリを戻した」と言われ、改めて自分と向き合うことに……。 咲子はブログ記事の内容から、アロマンティック・アセクシュアルという性的指向に共感。その運営者が高橋だと判明すると、彼に驚きの提案を持ちかけるのでした。
2話のあらすじ・ネタバレ
「恋愛抜きの家族になりませんか?」という咲子の申し出に戸惑う高橋。彼は半年前に祖母を亡くしており、お節介なご近所さん対策になればと承諾します。 「家族(仮)」としての同居生活が咲子の家族に知られ、2人は恋人同士を装って兒玉家へ。咲子は勇気を出してカミングアウトしますが、娘の“普通の幸せ”を望む両親には理解されません。咲子の実家を出た後、肉体関係がなくても幸せになることを確認し合うのでした。 そんな中、咲子はかつて交際していた同僚の「カズ」こと、松岡一から「俺らギリ付き合ってる」と言われ、意味が理解できず唖然としてしまいました。
3話のあらすじ・ネタバレ
良好な同居生活のためにと、高橋から渡されたアセクシャルのアンケートに記入する咲子。カズとの交際について回想し、恋愛をしなくなった経緯を告白します。 咲子はカズに対する恋愛感情や性欲がなく、交際のきっかけになったとあるアイドルの活動休止に伴い、彼から関係の休止を告げられたのでした。しかし、カズは咲子の性的指向を理解できないと否定し、交際の継続を一方的に主張します。 高橋と咲子が商店街での買い出しから帰宅すると、後をつけてきたカズが突然現れました。咲子を責め立てるカズを高橋が落ち着かせようとして、もみ合いになってしまい……。
4話のあらすじ・ネタバレ
高橋は玄関前の階段から転落するカズを庇って大怪我をし、車椅子での生活を強いられることに。カズも責任を感じたようで、「泊まり込みで世話をする」と言い出しました。 心配になった咲子は在宅勤務に切り替え、3人での奇妙な同居生活が開始。咲子は高橋との何気ないやり取りを恋愛と結びつけ、不躾な質問をするカズに辟易します。 その一方で、カズは高橋と接するうちに、アロマンティック・アセクシュアルへの理解を深めていきました。 カズは「恋愛抜きの家族になるの、俺でよくね?」と咲子に問いかけ、高橋も「(彼女の性的指向を尊重するのなら)悪くない話」と、同調する姿勢を見せます。
5話のあらすじ・ネタバレ
咲子は親友の門脇千鶴に相談しようと考えますが、彼女はルームシェアの件のお詫びを送ってきた後、電話番号も職場も住所すらも変えていました。 落ち込む咲子のためにと、高橋とカズは千鶴がいる小田原への旅行を計画。再会した千鶴は咲子への恋愛感情に悩んでおり、「もう友人にも戻れない」と拒絶されます。 そして咲子も、恋愛の喜び知るカズが苦しむ関係にはなれないと、彼からの提案を断るのでした。 カズは諦めきれない様子を見せつつ、咲子との「解散」と同居の終了を受け入れます。用意された料理を泣きながら食べる咲子を、高橋が静かに見守っていました。
6話のあらすじ・ネタバレ
咲子と高橋が同居して初めて迎える新年。咲子はアロマンティック・アセクシュアルのイベントに参加し、様々な交流の中で将来への思いを巡らせます。 帰宅すると遊びに来たカズだけでなく、咲子の妹・石川みのりが娘の摩耶を連れて高橋家に押しかけており、みのりの夫・大輔の浮気が発覚!妊娠中に裏切られたみのりは、つい咲子に八つ当たりしてしまい、大輔からの謝罪も拒否するのでした。 その矢先、みのりが急に産気づきますが、咲子に励まされながら第2子を無事出産します。駆けつけた両親も離婚を後押しし、付き添っていた高橋に感謝を伝えました。
7話のあらすじ・ネタバレ
咲子は今後について相談したいと思いつつ、高橋に切り出すタイミングを掴めずにいました。 一方、高橋は同僚の結婚を機に、青果部門から野菜と関わる機会が少ない店長代理への昇進が決定。咲子には転職を勧められましたが、祖母の家を守るためだと割り切ることにします。 スーパーの企画を通じて、野菜栽培会社「イノファーム」の社長・猪塚遥と親しくなった咲子。遥がかつて大失恋した相手が高橋であり、彼の祖母も2人の結婚を望んでいたと知りました。 咲子から高橋家に招かれた遥は、「もっと自由に生きて欲しい」と高橋に訴えるのでした。
最終回のあらすじ・ネタバレ
遥は野菜と変わる仕事を夢見ていた高橋に、自社の地方移住して農業を始める「農家デビュー」を提案するものの、すぐに断られてしまいました。 高橋の選択に複雑な胸中の咲子は、カズに励まされ、母のさくらからは「自分が知らない、恋愛抜きの幸せを掴んで欲しい」と背中を押されます。話し合いの末、高橋は好きな野菜を育てるために地方へ、咲子は大切な高橋の祖母の家を守るとの結論になりました。 咲子の「距離が離れても家族(仮)は解消しない、その時々でベストな形を考えよう」という言葉に、高橋も涙を流しながら頷きます。 他人が何を言ったとしても、「私の人生に何か言っていいのは私だけ。私の幸せを決めるのは私だけ」と咲子の決意が語られ、ドラマは幕を閉じるのでした。
『恋せぬふたり』の見どころ
本作の大きな特徴は、性的指向を題材にした作品でもサブキャラ的な立ち位置が多い、アロマンティック・アセクシュアル(アロマ・アセク)を軸に描いたこと。 当事者団体の監修も入っており、“恋愛感情や性欲を抱くのが当たり前”という一種の恋愛至上主義の社会に、一石を投じるドラマだと言えるでしょう。同時に、同性の咲子に恋をした千鶴やみのりの離婚を通じて、恋愛・結婚に関する固定概念への指摘も含まれていると感じられます。 誰かの「こうあるべき」基準に従う必要はない、すべて選択肢のひとつでしかないと、『恋せぬふたり』はありのままの自分を肯定してくれるのです。
『恋せぬふたり』最終回ネタバレ・全話あらすじを解説
“性の多様性”が叫ばれる世の中で、「幸せ」とは何かを問いかけるドラマ『恋せぬふたり』。果たして自分は何者で、どんな風に生きたいのか、他の人と同じでなければいけないのか……?そんな悩みや違和感を持ち始めた時にこそおすすめしたい作品です!