2025年2月17日更新

【ネタバレ】映画『ショウタイムセブン』ラストの意味・犯人は?あらすじを解説・考察

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『ショウタイムセブン』(2025年)
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会

阿部寛が主演を務める『ショウタイムセブン』が2025年2月7日に公開されます。 本作は2013年の韓国映画『テロ、ライブ』を原作とした、爆弾犯との命がけの交渉に挑むニュースキャスターを描くサスペンス。 この記事では、『ショウタイムセブン』の概要からキャスト、原作のネタバレまで、幅広く紹介します。

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映画『ショウタイムセブン』のあらすじ・作品概要

公開日 2025年2月7日
キャスト 阿部寛 , 竜星涼 , 生見愛瑠 , 井川遥 , 吉田鋼太郎
監督 渡辺一貴
原作 『テロ、ライブ』(2013年)

映画『ショウタイムセブン』のあらすじ【ネタバレなし】

午後7時。ラジオ局に1本の電話が入り、その直後に発電所で爆破事件が起こります。電話をかけてきた謎の男は、ラジオ局に左遷された元キャスター・折本眞之輔(阿部寛)を交渉役に指名。テレビに復帰するチャンスだと、折本はその特ダネを持って、かつてキャスターを務めていた国民的ニュース番組「ショウタイム7」に乗り込みます。 しかしそのスタジオにもすでに爆弾が仕掛けられていました。折本は自分も含めたスタッフの命が危険に晒されるなか、謎の男から「過去の罪を告白しろ」と迫られ、リアルタイムで視聴者に拡散されていきます。

【ネタバレ】映画『ショウタイムセブン』のあらすじ

火力発電所を爆破したテロリスト!元人気キャスターを交渉役に指名

午後7時、テレビ局NJBでは夜のニュース番組「ショウタイム7」が、ラジオ局では折本眞之輔(阿部寛)がパーソナリティを務める番組「トピック・トピック」がスタート。折本はショウタイム7の元人気キャスターでした。 ラジオに生電話をしてきた「ウスバカゲロウ」を名乗る男が、突然火力発電所の爆破を予告。折本がまともに取り合わずに電話を切ると、その直後に近くにある大和電力城東火力発電所で本当に爆発が起こりました。 爆破テロ犯からの犯行予告という独占スクープをネタに、折本はショウタイム7への復帰を狙ってプロデューサーの東海林(吉田鋼太郎)に生中継を認めさせます。

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ラジオブースからの生中継はショウタイム7のスタジオへ

ラジオブースからショウタイム7の生中継が始まり、折本は電話で犯人と交渉。しかし犯人に出演料1億円を払わなければ他局に話すと脅され、折本は血判付きの誓約書を書いて誠意を示します。 テロの犯行動機は、6年前に大和電力城東火力発電所の増設工事に従事していた父親が事故で死亡したのにも関わらず謝罪もなく、事故自体を隠蔽されたことによる恨みからでした。 折本の不適切な発言を犯人に暴露され、生中継は中断。ショウタイム7のメインキャスター・安積(竜星涼)と結城(生見愛瑠)が引き継ぎますが犯人は拒否し、マイクを爆破されて結城は気絶してしまいます。 スタジオは騒然とし、発電所にいる伊東記者(井川遥)の現場中継に切り替えられます。そこへ折本がスタジオへ乗り込んできて、仕切り始めました。

二転三転する犯人の要求……テロリストの本当の目的とは?

折本のイヤモニとスタジオに爆弾を仕かけた犯人は、スタジオにいる全員を人質に取って交渉を続けます。しかしその要求は大和電力の四方田社長の謝罪から水橋首相の謝罪へと二転三転。折本が関係者に電話している間に公安がスタジオに到着し、犯人の居場所を特定するまで時間を稼ぐよう指示しました。 犯人の高校時代の担任教師を名乗る城(平田満)という男性がスタジオに現れて自首するよう説得を始めますが、その高圧的な態度に犯人は逆上。城のピンマイクを爆破してしまいます。 ついに目の前で犠牲者が出てしまい、動揺するスタジオの面々。そこへ安積に犯人から告発メールが届き、折本の製薬会社からの賄賂疑惑に関する証拠が暴露されます。折本はそこで実は初めから自分が犯人のターゲットだったのではと気付くのでした。

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【解説】犯人は誰?目的は折本の過去と関係

爆破犯の正体が判明するのは、城がスタジオで犯人に呼びかけた時。犯人の名前は繫藤寛二で、父親は彼が語った通り工事現場の事故で亡くなっていました。高校の担任と名乗っていた城は実は繫藤の祖父で、孫のテロ計画に協力していたのです。 繫藤は爆破作業を監督・実施することができる国家資格を持つ発破技士であり、爆破のスペシャリスト。城のピンマイクの爆破もフェイクであり、彼は生きていました。 犯人である繫藤の本当のターゲットは折本で、その動機はやはり6年前の事故にありました。折本は当時この事故が管理体制の不備にあるという真相に迫る取材をしており、繫藤の母親にインタビューをしていましたが、NJB・大和電力・自由党の癒着によって握りつぶされていたのです。 しかもその時、折本は四方田社長、水橋首相、東海林が同席する場でショウタイム7のキャスターの座を交換条件として出され、それを受け入れていました。繫藤の怒りは折本がショウタイム7を降板した際に浮上した製薬会社の賄賂疑惑で爆発し、同じことを繰り返す彼を断罪しようとテロを計画したのでした。

【考察】映画『ショウタイムセブン』ラストの意味は?

繫藤に電話で直接「お前しか知らない真実を告白しろ。さもなければスタジオにいる全員を殺す」と脅迫された折本。異音が鳴り響く中、死んだと思っていた城が共犯者だと気付き、イヤモニを外します。 その時、爆弾のリモコンを持った繫藤がスタジオに現れました。折本はついに真実を告白する決意を固めます。3カ月前、がん治療の新薬の認可を巡る副作用のデータ改ざん疑惑を取材していた折本は、またもや真相に迫りすぎて局上層部から待ったをかけられていました。 その際に賄賂疑惑の噂が拡散され、デマだったにも関わらず折本は甘んじて番組を降板します。それは6年前に取引をしてキャスターの座を得た後ろめたさがあったからでした。 すべてを告白した折本は自らの引退を宣言。爆弾が仕かけられたイヤモニを再び耳に入れてリモコンを手に、最後に番組の名物コーナー「ザ・世論調査」で自分の生死をかけた質問を投げかけました。

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ロンドンのテロと歌番組の意味とは

折本の生死がどうなったのかわからないまま、突然場面はロンドンで起こったテロのニュースを見る街の人々を映し出します。ニュースを読むキャスターの声や街の雑踏に紛れ、「テレビ局で爆発が起こった」というニュースも聞こえてきたような……。 ついさっきまでショウタイム7の生中継を見ていたはずの人たちは、もう次の「テロ事件のニュース」に夢中です。折本の生死も、他の新たなニュースや雑音の中に消えていきました。ニュースをただ消費し、人の生死すら安易な二択でチョイスするだけの、無責任な視聴者への辛辣な皮肉ともいえる終わり方。 さらにその後、急に音楽番組に切り替わり、Perfumeがこの映画の主題歌「Human Factory -電造人間-」を歌い始めます。「私たちは飼い猫 気づいていないわ」という歌詞にも、やはり受け身でしかない視聴者への皮肉が込められているようです。

【感想】問われるメディアと視聴者の在り方

折本は最後の「ザ・世論調査」の前に、このテロ事件が「面白かっただろ?」とスタジオにいる全員に問いかけていました。何が面白かったのか、それは一連の流れがまるで“良く作られた”番組のようだったから。 折本はキャスターの座を取引したことを「悪魔に魂を売った」と表現していましたが、実際には彼は「メディアに魂を売った」男。昔気質なテレビマンで、骨の髄まで「視聴率」に支配されています。 折本と対極にいるのが新人キャスターの結城であり、折本の行き過ぎた言動に「信じらんない!」と嫌悪していました。そして当のテロ犯である繫藤にさえ、「あんた、イカれてるな」と言われる始末。 権力に2度も屈した折本はジャーナリストとしては失格で、結局はニュースさえも大衆受け重視のエンタメにしてしまう根っからのメディアの奴隷だったのかもしれません。フジテレビの問題が波紋を広げている今、マスメディアのガバナンスとコンプライアンスが問われており、視聴者側もメディアを消費する個人として無責任ではいられないのではないでしょうか。

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映画『ショウタイムセブン』と原作の違いは?結末はどうなる?

原作となった『テロ、ライブ』では、犯人の目的は比較的早い段階でわかっていました。しかし『ショウタイムセブン』では、犯人の本当の目的は不明なままストーリーが展開し、最後に明らかになります。 また、『ショウタイムセブン』では、7つの謎がポイントになるようです。その7つとは、「折本が指名されたのはなぜなのか」「スタジオのどこに爆弾が仕掛けられているのか」「全国民に問う“世論調査”のゆくえ」「折本に対する疑惑の真相」「安積に届いたメールに書かれた驚愕の真実」「何度も変わる犯人の要求」、そして「犯人の正体と真の目的」です。 『テロ、ライブ』では、主人公がテロ犯の遺志を継ぐという衝撃的な結末を迎えましたが、『ショウタイムセブン』では折本が自らの罪と真実を告白して自身の生死を世論に問うという、やはり衝撃的なラストでした。

映画『ショウタイムセブン』のキャスト・登場人物

折本眞之輔役/阿部寛

『ショウタイムセブン』(2025年)
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会

現在はラジオパーソナリティを務める折本眞之輔は、かつて国民的ニュース番組「ショウタイム7」のキャスターを務めていましたが、ある理由によりラジオ局に左遷されました。爆弾事件の犯人と思われる謎の男から交渉役に指名され、独占ニュースのチャンスだと生放送中の「ショウタイム7」に乗り込みます。 そんな折本を演じるのは阿部寛。「緻密に練り上げられた演出の中で、息をのむような緊張感とともに物語が展開していきます。ぜひ劇場で、このスリリングなエンタテインメントを体感していただければ幸いです」とコメントしています。

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安積征哉役/竜星涼

『ショウタイムセブン』(2025年)
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会

現在「ショウタイム7」でメインキャスターを務める安積征哉。正義感あふれる彼は、特ダネとして爆弾犯との交渉生中継を強行しようとする折本に反対します。 演じるのは、2024年の大河ドラマ『光る君へ』への出演でも注目を集めた竜星涼です。

結城千晴役/生見愛瑠

『ショウタイムセブン』(2025年)
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会

事件に巻き込まれる新人アナウンサーの結城千晴。折本が持ち込んだ生中継のネタによって、彼女もまた命の危険に晒されます。 演じるのは、「めるる」の愛称でも知られる生見愛瑠。映画『モエカレはオレンジ色』(2022年)やドラマ『くるり〜誰が私と恋をした?〜』(2024年)などにも出演しています。

伊東さくら役/井川遥

『ショウタイムセブン』(2025年)
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会

事件の真相に迫る記者の伊東さくら。事件現場からの生中継などを担当します。 演じる井川遥は、『半沢直樹』(2020年)への出演などで知られており、主演の阿部寛とはドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』(2016年)でも共演しています。

東海林剛史役/吉田鋼太郎

『ショウタイムセブン』(2025年)
©2025『ショウタイムセブン』製作委員会

東海林剛史は、視聴率がすべてと考えているプロデューサーで、折本とともに爆弾犯の交渉生中継に乗り気になります。 演じるのは、「おっさんずラブ」シリーズなどで知られる吉田鋼太郎。近年では映画『【推しの子】』(2024年)への出演も話題になりました。

犯人役/錦戸亮

爆弾を仕掛けた犯人・繁藤寛二。交渉役に折本を指名しますが、要求は二転三転し、テロの本当の目的は謎に包まれています。 演じるのは、歌手・俳優の錦戸亮。2024年は映画『コットンテール』やドラマ『不適切にもほどがある!』に出演しています。

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【ネタバレ】映画『ショウタイムセブン』の原作『テロ、ライブ』のあらすじ

爆弾テロ犯からの電話

5年間担当していたニュース番組をクビになり、離婚をし、今はラジオ番組のパーソナリティを務めるユン・ヨンファ。あるとき視聴者と電話をつないで話をしていたところ、テーマとは関係のない話をする男性につながります。 相手はパク・ノギュと名乗り、これから漢江にかかる橋を爆破すると言います。ヨンファはいたずら電話だと思い、そのままラジオを進行。するとその瞬間、窓の外に見える麻浦大橋が爆発してしまいます。 ヨンファとスタッフは驚き、警察に連絡しようとしますが、テロ犯へのインタビューを独占報道しようと思いつきます。

犯行の動機は……?

独占報道番組で、パク・ノギュは21億ウォンを要求。ユンファたちはお金を送り、放送がスタートします。 パク・ノギュに犯行動機を聞くと、数年前、韓国サミットの際に行われた麻浦大橋の修繕工事中に、作業員3人が川に落ちてしまいましたが、サミットのせいで救助が遅くなり命を落としました。この事件に関して、ただ大統領に謝ってほしいだけ、とのこと。 大統領を放送に呼ぶのは無理だと思ったヨンファなパク・ノギュを説得しようとしますが、怒った彼は女性アナウンサーのマイクを爆破します。 その後、パク・ノギュは麻浦大橋を2度爆破。橋は中央部分だけが残っている状態になり、橋にいた人々は立ち往生してしまいます。

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想像を超える深刻な事態に

ヨンファは大統領に電話をかけるものの、秘書が出て事態がが収まるようにできる限りのことはすると言うだけでした。 結局、大統領の代わりに警察署長がやって来ますが、パク・ノギュはこれに怒り、警察署長のイヤホンを爆発させます。想像を超える深刻な事態に慌てながらも、放送をつづけるヨンファ。そんななか、彼は麻浦大橋に前妻がいることを知ります。 ヨンファはパク・ノギュを説得し、女性と子どもだけでも解放するように要求。要求は受け入れられましたが、救助が始まったその瞬間、橋が崩壊してしまいます。 局長は視聴率が78%を超えたと言うと、ヨンファを1人残して放送局を出ていきました。パク・ノギュを捕まえようと居場所を確認するものの、そのとき放送局のすぐそばのビルが爆破され、崩壊しながら放送局の方へと倒れてきます。

犯人の正体と衝撃的なラスト

大統領の秘書から電話が入り、警察はヨンファを逮捕すると言います。警察はテロ犯は死んだと思い、ヨンファに全ての罪を着せるつもりだと言われました。 その後すぐ、死んだと思っていたパク・ノギュから電話があり、「5分以内に放送局から逃げろ。そこからは自分が直接放送する」と言って電話をきります。ヨンファはその場に残り、犯人を捕まえることに。 5分後、犯人が放送局にやってきて、ヨンファと格闘になります。そのなかで、パク・ノギュは死んだ父親の名前で、犯人はその息子だとわかりました。 するとテロ犯は警察に撃たれて絶命。橋にいた前妻も亡くなったことを知ったヨンファは、警察に逮捕されそうになった瞬間にテロ犯が残した爆弾のスイッチを押し、放送局の建物を爆破するのでした。

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映画『ショウタイムセブン』の結末をネタバレ解説

韓国映画『テロ、ライブ』を原作に、阿部寛が主演を務めリメイクされた『ショウタイムセブン』。原作からどのように改変されているかも見どころの1つですね。 『ショウタイムセブン』は2025年2月7日公開です。