2025年2月21日更新

映画『スキナマリンク』ネタバレあらすじ考察!怖すぎるラストやタイトルの意味も解説

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『SKINAMARINK/スキナマリンク』(2022年)
© MMXXII Kyle Edward Ball All Rights Reserved

北米で異例のヒットを記録したホラー映画『SKINAMARINK/スキナマリンク』が、2025年2月21日に日本公開されます! 「史上最も恐ろしい映画」「本能的な恐怖を思い出す」とネット上で賛否両論を呼んだ話題作。この記事では、そんな大注目の『SKINAMARINK/スキナマリンク』のあらすじやタイトルの意味などを解説します。

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映画『スキナマリンク』作品概要

タイトル 『SKINAMARINK/スキナマリンク』
公開日 2025年2月21日
上映時間 100分
監督 カイル・エドワード・ボール
キャスト ルーカス・ボール , ダリ・ローズ・テトロー

制作費わずか15,000ドルという低予算にも関わらず、692館という異例の規模で北米公開され、興行収入は約200万ドルという脅威の数字を叩き出した『SKINAMARINK/スキナマリンク』まるで現実と悪夢の境界をさまようような実験的な映像と、解釈を委ねるミニマルな演出が、深い作品世界へと観客を導きます。 新鋭の映像作家としてキャリアを重ねてきた、カイル・エドワード・ボールの長編監督デビュー作です。

映画『スキナマリンク』のあらすじ

真夜中に目が覚めたケヴィン(ルーカス・ポール)とケイリー(ダリ・ローズ・テトロー)のきょうだいは、家族と家の窓やドアがすべて消えていることに気がつきます。 閉ざされた空間に取り残された2人は、歪んだ時間と空間に混乱しながら、暗闇にうごめく悪夢のような恐ろしい空間に飲み込まれていきます。

映画『スキナマリンク』のネタバレあらすじを解説

【起】真夜中に目覚めた二人

ある夜、階段から落ちてしまった4歳のケヴィン(ルーカス・ポール)は、お父さん(ロス・ポール)と一緒に病院に行きます。さいわい頭に少し傷ができただけで、大きな外傷はありませんでした。6歳の姉ケイリー(ダリ・ローズ・テトロー)はケヴィンは夢遊病で、寝ながら歩いていて階段から落ちたと話します。 家に帰り、ベッドに入ったケヴィンとケイリーでしたが、夜中に目が覚めて眠れなくなってしまいました。部屋の外に出た2人は、家の窓やドアが無くなっていることに気づきます。2人は戸惑いながら両親に部屋に行ってみますが、そこには誰もいませんでした。 怖くなった2人は、床で一緒に寝ようとテレビの前で眠ることにします。

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【承】ケイリーとケヴィンに降りかかる恐怖

しばらく経って2人がトイレに向かうと、便器が消えていました。なにかがおかしいと気づいたケイリーは、先にケヴィンを寝かせて家の中を歩き回ります。すると、不思議な声が聞こえてきました。 声に導かれてケイリーが2階に行くと、両親の寝室でお父さんがベッドに座っていました。お父さんはケイリーにベッドの下を覗くように言いますが、そこにはなにもありません。もう1度覗くように言われ、その通りにしたケイリーが顔を上げると、今度はお母さん(ジェイミー・ヒル)がベッドの反対側に座っていました。 お母さんは「パパとママはケイリーとケヴィンをとても愛してる」と告げ、ケイリーに目を閉じるように言います。その後ケイリーが目を開けると、そこには誰もいませんでした。彼女が両親を探そうとクローゼットを覗くと、その瞬間「家の中になにかいる」とお母さんの声がします。

【転】悪夢はより不穏に

そのときクローゼットから骨が折れるような音がして、お母さんのうめき声が聞こえます。何者かの手が伸びてきたのを見たケイリーは慌てて1階に逃げ、ケヴィンとともにもう1度寝ようとします。しかし、ケイリーに聞こえる声が止むことはありませんでした。 目を覚ましたケヴィンは姉がいなくなったことに気づきますが、怖くて彼女を探しに行くことができません。代わりにおもちゃを探していると、なぜかおもちゃは壁にくっついていました。ケヴィンは不思議な声を聞き、その声の言う通りに地下室へと向かいます。そこにはケイリーがおり、彼女の顔からは目と口が無くなっていました。 驚いて倒れたケヴィンに謎の声が遊ぼうと言いますが、ケヴィンはこれを拒否。怒った声はケヴィンを台所へ行かせ、包丁で目を刺すように言います。言われたとおり目を刺し、血を流しながら泣き叫ぶケヴィン。警察に通報しようとしますが、電話を落としてしまい、拾い上げるとそれはおもちゃの電話に変わっていました。

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【結末】怖すぎる……二人が迎えるラストとは?

声に言われて1階に戻ったケヴィンは、家の床と天井が逆転していることに気がつきました。ケヴィンの目の前には人形が置かれており、奥につづく廊下は終わりのない暗闇に向かって伸びています。 画面に「572日」の文字が浮かび、家族写真のなかのケヴィンとケイリーの顔が消えているのが映し出されます。家の床には血が飛び散り、ケヴィンの叫び声が聞こえます。彼は母親を呼びつづけていました。謎の声はケヴィンを1つのドアの前に導きます。ゆっくりと開いたドアの向こうには、人の形をした影が。ケヴィンは影に向かって2度名前を聞きますが、答えは返ってきません。 ベッドに横たわったケヴィンに、謎の声は眠るように言うのでした。

【解説1】ケヴィンは昏睡状態?ラストシーンを考察

「スキナマリンク」は全編を通して謎に満ち、歪んだ音響と不可解な映像でストーリーが描かれていきます。 映画冒頭、ケイリーはケヴィンは夢遊病であり、寝ながら歩いているときに階段から落ちたと語っていました。もしかすると彼の怪我は劇中で語られたよりも深刻で、階段から落ちたケヴィンは、昏睡状態に陥ってしまったのではないでしょうか。だとすると、映画で映し出されたすべては彼の見ている夢だと考えられるでしょう。 ケヴィンが昏睡状態であるなら、終盤に画面に映し出される「572日」は、彼が眠りつづけている時間を表したものとして、非常に納得がいきます。

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【解説2】スキナマリンクの示唆するもの

監督のカイル・エドワード・ボールは、「スキナマリンク」を非常にあいまいで、どのような解釈もできる作品として作り上げました。しかし多くの人にとってこの作品は、子どものころの「暗闇」に対する恐れを思い出させるものとして受け取られています。 本作では、2人の子どもが出口のない家に閉じ込められ、超自然的な恐怖を体験していきますが、これは大人であればそこまで恐れることのないものです。 また「スキナマリンク」には、おもちゃやアニメが多く登場しています。本来であれば、これらは子どもを恐怖から遠ざけるものですが、ケヴィンが警察に通報しようとしたときに電話がおもちゃに変わるなど、さらにそこから逃げ出すことができない恐怖を増幅させています。 ラストシーンでは、ケヴィンが謎の声に言われたとおり眠りにつくことで、その恐怖から解放されないことを示唆しています。

映画タイトル「スキナマリンク」の意味とは?

本作のタイトル「スキナマリンク(Skinamarink)」は、特に意味のない造語です。 しかし英語圏の童謡に「Skidamarink(スキダマリンク)」というものがあり、この歌はカナダでは「スキナマリンク」として知られています。映画のタイトルは、この歌にちなんだものなのでしょう。歌のタイトルは発音が面白いという理由でつけられたもので、やはり意味はありません。 もともとは20世紀初頭にブロードウェイで上演されたミュージカルの曲で、Skinnamarink(スキンナマリンク)、Skinnymarink(スキニーマリンク)、Skiddymerink(スキディーメリンク)など、さまざまに発音を変えながら歌われてきたようです。

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映画『スキナマリンク』キャスト・登場人物を解説

ケヴィン役/ルーカス・ポール

夜中に目を覚ました4歳の男の子ケヴィン。彼は姉のケイリー以外の家族が姿を消し、窓とドアがすべて無くなった家の暗闇のなかで、なにかがうごめく気配に怯えることになります。 ケヴィンを演じたルーカス・ボールは、本作が初めての映画出演です。

ケイリー役/ダリ・ローズ・テトロー

ケヴィンの姉である6歳のケイリー。弟と同じく真夜中に目を覚ました彼女は、異変が起きた家のなかで幼い弟を守ろうとします。 ケイリーを演じたのは、ダリ・ローズ・テトロー。彼女は本作のほかに、2023年のテレビ映画『My Name WAS Peter(原題)』などに出演しています。

映画『スキナマリンク』監督・脚本は?

監督・脚本:カイル・エドワード・ボール

本作の監督・脚本を務めたのは、カナダ出身のカイル・エドワード・ボールです。 人々が実際に見た夢や悪夢を再現する「NIGHTMARES」という短編シリーズを2017年からYouTubeで配信を開始し、ホラーファンから密かに人気を集めてきた、新進気鋭の映像作家です。 「スキナマリンク」は彼が2020年に完成させ、映画祭で入選した初の短編映画『Heck(原題)』をもとにしています。

映画『スキナマリンク』を試写会で鑑賞した人の感想を紹介

SKINAMARINK/スキナマリンク
© MMXXII Kyle Edward Ball All Rights Reserved
SKINAMARINK/スキナマリンク』の総合評価
3.5 / 2人のレビュー
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30代男性

伏線回収や考察とは無縁の恐怖映画。子どものころに、暗闇や静けさにどれだけ恐怖を感じていたかを思い出させられた。“なにもない”ことの怖さ。観る者の想像力に訴えかける新しいホラー。

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30代女性

観客に委ねるのもいいけど、委ねすぎ。一応恐ろしいことはちょいちょい起こる。でもそれが何を意味しているかはその前のシーンから無理やりつなぎ合わせて想像する?雰囲気ホラーなので、怖くはなかった。

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映画『スキナマリンク』のネタバレあらすじが怖すぎる……

北米で異例のヒットを記録し、興行面・批評面ともに大成功を収めた『SKINAMARINK/スキナマリンク』。ようやく日本公開となる本作を、待ちわびていたホラーファンも多いのではないでしょうか。 『SKINAMARINK/スキナマリンク』は、2025年2月21日公開です。