2025年4月16日更新

三宅唱監督最新作!映画『旅と日々』あらすじと原作漫画のネタバレを紹介!

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『旅と日々』(2025年)
© 2025『旅と日々』製作委員会

『ねじ式』、『ゲンセンカン主人』(ともに1968年)などで知られるつげ義春の漫画を原作に、『ケイコ 目を澄ませて』(2022年)などで高い評価を受けた三宅唱監督がメガホンをとる『旅と日々』が2025年11月に公開されます。 この記事では、『旅と日々』のあらすじやキャスト、原作のネタバレなどを紹介します。

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映画『旅と日々』作品概要

『旅と日々』(2025年)
© 2025『旅と日々』製作委員会
タイトル 『旅と日々』
公開日 2025年11月
上映時間
監督 三宅唱
キャスト シム・ウンギョン , 堤真一

映画『旅と日々』のあらすじ

2025年4月現在、『旅と日々』の詳しいあらすじはわかっていません。 つげ義春の「海辺の叙景」と「ほんやら洞のべんさん」を原作に、日本を旅する韓国人女性と地元の男性の交流が描かれるようです。 リアリズムにこだわり、なにも起きていないようで人生に教訓を与えるような大きなメッセージを伝えるつげ義春の作風と、リアリティを重視する三宅唱監督の作風には似通った部分がありますので、どちらの良さも活かした作品になるのではないでしょうか。

映画『旅と日々』キャスト・登場人物解説

李役/シム・ウンギョン

日本を旅する韓国人女性・を演じるのは、2019年の映画『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンです。 韓国で子役としてキャリアをスタートさせ、2014年には主演映画『怪しい彼女』が大ヒット。『新聞記者』以降は日本の作品でも活躍しており、『群青領域』(2021年)や『七人の秘書』(2022年)などへの出演でも知られています。 本作で演じた李について彼女は、「自分の自然体のまま演じることが大事だと思い、旅に出て自分が感じていることを表現しました。悩んだときは監督に相談して、一緒に作り上げていく作業がすごく楽しかったです」と語っています。

べん造役/堤真一

李が旅の途中に出会うべん造を演じるのは、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなど、数多くの作品への出演で知られる堤真一です。 1983年にJAC(ジャパン・アクション・クラブ)に入所した堤は、真田広之の付き人を務めた後、1987年に退団し本格的に舞台役者の道へ。蜷川幸雄、野田秀樹、ケラリーノ・サンドロヴィッチなどの舞台に多数出演し、人気俳優となりました。その後、2000年にドラマ『やまとなでしこ』に出演し、大ブレイクします。 堤は本作について、「特別なことは何も起きない、その土地を生きる、不器用に生きるの物語です。(中略)妙に落ち着けて、クスっと笑えるような、そういう作品になると思います」とコメントしています。

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映画『旅と日々』の監督・脚本は三宅唱

『旅と日々』の監督を務めるのは、『ケイコ 目を澄ませて』(2022年)や『夜明けのすべて』(2024年)で高い評価を獲得した三宅唱です。 2012年に『Playback』がロカルノ国際映画祭に正式出品され、第22回日本映画プロフェッショナル大賞で新人賞を受賞。2017年に公開された『きみの鳥はうたえる』が成功を収めたのち、『ケイコ 目を澄ませて』で多数の映画賞を受賞しました。 三宅監督は本作について、「ここ数年、家でも旅先でもマンガや紀行文をくり返し読んできました。畏怖すら覚えるほど面白く、逃げ出したくなる日もありましたが、編集中のいま、とことん新しい作品が生まれそうだという感触があります」と自信を覗かせています。

映画『旅と日々』の原作漫画のあらすじネタバレ

つげ義春「海辺の叙景」

母親に不健康そうな貧弱な体だから日焼けでもしてこいと言われ、千葉の浜辺を訪れた青年。楽しそうに遊ぶ若者たちを横目に、彼はショートカットの少女と出会います。 2人はとりとめもない話をし、少女の「明日も来る?」という問いかけに「うん。たぶんお昼過ぎに」と答える青年。 しかし翌日は大雨で、青年は浜辺の貸しボート屋の軒先で少女を待ちますが、彼女はなかなか現れません。あきらめて帰ろうとしたとき少女がやってきて、勇気を出して自分がデザインしたビキニを着てきたと青年に見せます。 2人は誰もいない海で泳ぎますが、雨は止みません。少女に泳ぎの上手さを褒められた青年は、ひとり雨の降りしきるなか、海を泳ぎます。先に岸辺に上がった少女は傘を差して彼を見ながら、「あなたすてきよ」と声援を送るのでした。

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つげ義春「ほんやら洞のべんさん」

越後魚沼郡にある貧しい宿屋「べんぞうや」に宿泊した主人公。主人公は旅の気分に浸りますが、主人のべんぞうはいつも通りの生活を送っていました。そんななか、べんぞうは鳥追い祭の夜にある家の錦鯉を盗む決意をし、主人公もついていきます。 そこで2人は1人の幼女に出会いますが、彼女は実はべんぞうの娘でした。彼が盗みに入った家はべんぞうの妻の実家だったのです。妻の実家は家族ぐるみである宗教に入信し、鯉の養殖の成功も信心のおかげと、べんぞうにも勧めますが、彼は「そんなやつの顔も見たくない」と言うほど嫌っていました。 2人は10万円の「金兜」という鯉を盗むことに成功しますが、宿屋に着いたころには鯉は凍死していました。 その夜、宿では鯉料理が出されますが、べんぞうは盃を片手に横になってふてくされたままでした。そして主人公に向かって「お前さまはべらべらとよくしゃべるね」と言います。

原作漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」の感想・評価

「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」の総合評価
4.5 2人のレビュー
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40代男性

「海辺の叙景」はつげ義春には珍しい恋愛もの。ただ、甘い恋の話ではなく、序盤から死のにおいが漂う2人の交流が彼らしい。最後のコマで海で泳ぐ青年は、岸に戻って来る気はあるのか。不思議な余韻を残す作品。

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30代女性

「ほんやら洞のべんさん」売れない漫画家の青年と客が来ない宿屋の主人べんさんの交流。お互いの不幸な境遇が奇妙な連帯感を生む様子がユーモアたっぷりに描かれる。ドラマチックなことはなにも起きていないのに、引き込まれる。人生っていうのはうまくいかないものだと思わされる。

映画『旅と日々』は2025年11月、全国ロードショー!

つげ義春の名作短編を原作に、リアリティある描写を得意とする三宅唱がメガホンをとった本作。実力派として認められるキャスト2人の演技にも注目です。 『旅と日々』は、2025年11月公開です!