『ダンダダン』セルポ星人の元ネタや味方説を解説！なぜバナナを求めるの？

セルポ星人は『ダンダダン』に登場する最初の宇宙人です。本記事では、のちに意外な形で活躍するセルポ星人について徹底解説！彼らがバナナを欲する目的や能力、強さ、味方説などについて紐解いていきます。 ※この記事は『ダンダダン』の重要なネタバレを含みます。

セルポ星人は作中で最初に登場する宇宙人です。惑星セルポからやってきた宇宙人で、人間に擬態しているときはやけに顔が大きい七三分けのおじさんといった風貌をしています。本来の姿は「ウルトラマン」シリーズのダダ風です。 彼らとの接触によって、綾瀬桃は超能力に目覚めました。

「バナナください」というセリフが印象的なセルポ星人。彼らがバナナ＝性器を欲するのは、セルポ星人に生殖機能がないことが理由です。モモの子宮を摘出しようとしたのも、性器の研究のためでした。 セルポ星人はオスのみでクローン技術で個体を増やしています。しかしそれを繰り返した結果、近親交配が進み、感情が欠落してしまうことに。その解決手段として、セルポ星人は生殖機能を持つ地球人の性器を取り出して研究しようとしていたのです。

セルポ星人の元ネタは、アメリカの都市伝説「プロジェクト・セルポ」でしょう。1960年代にアメリカ政府が、レティクル座ゼータ連星系の惑星セルポに12人の軍人を交換留学に出したという都市伝説です。 交換留学が成立した背景には、1947年の「ロズウェル事件」があり、この事件で回収されたUFOに乗っていたセルポ星人の協力のもとプロジェクトが成功したそう。留学生のうち8人が地球に帰還したとされています。

宇宙人を信じないモモがUFOの聖地である廃病院で出会ったのが3体のセルポ星人です。セルポ星人はモモを拉致し実験台に固定すると、生殖機能の研究のためモモの子宮摘出を試みます。 彼らの用いる摘出方法は、サイコキネシスでモモの脳をいじって性欲を高めたうえで、彼らの股間に収納されている機械仕掛けの性器で子宮を取り出すというもの。 ところがサイコキネシスによって、モモが超能力に覚醒。さらにスマホ越しにオカルンこと高倉健に取り憑いたターボババアが出現したことで、モモへの人体実験は中断されることに。最終的にモモに蹴り飛ばされて敗北します。 ちなみにこのときの登場個体は、目の色がピンク、黄色、青色の3体でした。

1話とは別の3体の個体が、オカルンのバナナ摘出を目的に学校へ現れます。セルポ星人はシャコ星人ことドーバーデーモンを傭兵として雇い、さらにネッシーも連れてきていました。 3体はオカルンとモモ、そしてアクロバティックさらさらの力を持つ白鳥愛羅(しらとりあいら)と対峙。水中戦とあってセルポ陣営が優勢となります。 ところが知能の低いネッシーは、セルポ星人も攻撃してしまい2体がやられることに。残った1体は体から伸ばしたケーブルでシャコとネッシーと合体し「セルポドーバーデーモンネッシー」となります。 しかしオカルンたち3人が力を合わせて水中戦を攻略したことで、最後のセルポ星人も倒されました。

外宇宙からやってきた侵略者集団「深淵の者(クル)」は、地球侵略の足がかりとしてまずセルポ星人の持つ知識や技術データをまるごと略奪しました。その際、ほとんどのセルポ星人が倒されてしまいます。 生き残った個体のうち1体は、クル討伐のためにモモやオカルンたちと共闘。その個体は「セルポ6郎」と名付けられ、クルとの死闘でも体を張ってモモを助けるなど大活躍をします。彼もクルの1体との戦いでボロボロとなりますが、ナノスキンによって全身を取り戻せました。 ところが彼はこの戦いで自我を獲得したため、仲間からは不穏分子として追放されてしまいます。以降、6郎はなにかと心強い味方として活躍中です。

セルポ6郎は味方と考えていいでしょう。 クル撃退以降の6郎は、コンビニでバイトをしながらフリーターとして生計を立てており、すっかり日本での生活に馴染んでいる様子。人間社会に馴染むことで、セルポ星人の本来の目的である感情を取り戻すことにも成功しています。 ナノスキンで体を再構築したおかげで、体を変形させて高出力粒子砲やジェット噴射なども出せるようになりました。金の玉探しの手伝ったり、アンブレボーイとの戦いで窮地に陥ったモモのもとに駆けつけたりと、オカルン一行にとって6郎は義理堅い頼れる仲間です。

セルポ星人は戦闘力低めの宇宙人ですが、サイコキネシスを中心に地球人にはない強さを持ちます。

セルポ式測量法を発動すれば、時速100kmで走るターボババアも捉えられます。これで狙いを定めて六根を打ち込むという使い方です。

「すごいゾーン」に捉えれば、オカルンの変身も解除できます。しかし3人が動くとゾーンが解除されてしまうというデメリットも……。

セルポ星人の武器は高い技術力と頭脳。6郎がもたらした小型通信機や戦闘用シミュレーターなど、その技術がオカルンたちを支えています。

シャコ星人・ネッシー編で使用した装置。内側には現世と隔絶された虚空が生まれます。高い霊力を持つ限られた者のみが侵入可能。

ナノスキンはイメージによって自在に変形するナノマシンで構築されたブロック。半身を失った6郎もこれを使用しています。

セルポ星人を1人で演じ分けしているのは中井和哉(なかいかずや)です。個体ごとにすべて声色を変えて演じており、アニメ放送時は大きな話題となりました。 中井は『ONE PIECE』のゾロ役としても有名。ターボババアを演じたのはルフィ役で知られる田中真弓だったため、「ワンピース」ファンの中でも注目を集めていました。

1話で退場する宇宙人かと思いきや、意外な形で心強い味方となっているセルポ星人について紹介しました。暗躍するサンジェルマン伯爵もいて、まだまだ地球は安全ではない様子。そんななかセルポ6郎がどう活躍するのか注目です！