映画『辰巳』キャスト一覧で主人公の辰巳&最凶の男”竜二(倉本朋幸)”を振り返る!

『ケンとカズ』(2015)を手掛けた小路紘史監督が、自主制作で完成させたジャパニーズノワール『辰巳』(2024)。 本作には、闇社会に生きる個性的な人物が多数登場しますが、中でも注目を浴びたのが、動物のような凶暴性を持つヤクザ・竜二です。本業が演出家である倉本朋幸の迫真の演技も、大きな話題となりました。 この記事では、映画『辰巳』のキャストを一覧で紹介。登場人物の役どころや、演じる俳優陣の経歴も合わせて解説します。
映画『辰巳」のあらすじをおさらい
主人公の辰巳(遠藤雄弥)は、ヤクザの遺体を解体処理する“バラシ屋”を生業としています。ある日、元恋人・京子(龜田七海)が、組の金を盗んだ夫(渡部龍平)と共に、ヤクザの武(松本亮)と竜二(倉本朋幸)の兄弟に惨殺されます。 辰巳はその場にいた京子の妹・葵(森田想)を連れて逃げました。辰巳は同じ組織の人間として、兄弟と折り合いをつけようと動きますが、怒りに燃える葵が武を刺殺。この事件によって、辰巳もまた組織から追われる身となり、葵とともに行動を始めます。 辰巳には、薬物で弟を亡くした辛い過去がありました。辰巳は、姉を失った葵にかつての弟の姿を重ねながら、彼女に手を貸していきます。
映画『辰巳』のキャスト一覧で登場人物を紹介
映画『辰巳』のキャスト陣には、主人公の辰巳を務めた遠藤以外にも様々な個性的俳優が抜擢されていました。残忍な竜二を怪演した倉本やその他キャスト陣について振り返っていきましょう。
辰巳役/遠藤雄弥
ヤクザが残した遺体を解体する"バラシ屋"として生きる男・辰巳。ある日、元恋人の京子から、妹である葵の面倒を見てほしいと頼まれます。しかし、葵の危険な行動によって、辰巳自身も危うい立場に追い込まれていきーー。 主人公の辰巳を演じるのは、遠藤雄弥です。本作の演技が高く評価され、高崎映画祭の最優秀主演俳優賞に輝くなど、闇を抱えた孤独な男を見事に体現。2025年には『男神』、翌年には『仏師』と、2本の主演映画の公開が控えています。
葵役/森田想
京子の妹で、義兄・山岡が営む自動車整備工場で働く少女・葵。どんなに強そうな相手にも臆することなく喧嘩をふっかける、向こう見ずな性格の持ち主です。 演じるのは、森田想です。2024年は本作のほか、『朽ちないサクラ』『サユリ』『正欲』など、話題作に多数出演し、飛躍の年に。2025年10月3日には、初のデジタル写真集「resonance 森田想」を発売します。
竜二役/倉本朋幸
辰巳と同じ組織に所属している沢村兄弟の弟・竜二。躊躇なく人を殺す残虐性があり、組の金を抜いた山岡を襲撃します。さらに、目撃者となった京子にも目をつけ、容赦なく滅多刺しにしてしまいました。 竜二を演じたのは、本業が演出家の倉本朋幸。劇団「オーストラ・マコンドー」の主宰であり、2019年には『どうしようもない僕のちっぽけな世界は、』で映画監督デビューもしています。 本作の役作りにあたり「自分の人生で出会った嫌だった人たちをモデルにしました。あとは、自分がされたら嫌だなってことをしましたね」と明かしています。
後藤役/後藤剛範
かつて辰巳と同じ組織に所属していた・後藤。一見すると融通の利かない堅物ですが、その内には義理人情に厚い一面を秘めています。 演じるのは、役名と同じ名字の後藤剛範です。倉本朋幸の「オーストラ・マコンドー」に所属する俳優で、近年では映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(2024)や『マッチング』(2024)などに出演しています。
兄貴役/佐藤五郎
役名通り、辰巳に目をかけてきた組織の"兄貴"分。信頼関係を築いています。葵の失態に対して、辰巳は兄貴を仲介する形で武と話をつけようとしますがーー。 演じるのは、佐藤五郎です。『酔いがさめたら、うちに帰ろう』(2010)で俳優デビュー。これまで『シン・ゴジラ』(2016)や『キングダム2遙なる大地へ』(2022)などへの出演経験があります。本作は1500人の中から兄貴役を勝ち取りました。
武役:松本亮
沢村兄弟の兄・武。弟の竜二と同じく凶暴な性格で、山岡を襲撃した際には滅多刺しに。しかし、姉夫婦の復讐を誓う葵に狙われてーー。 演じるのは、松本亮です。多くの舞台経験を経て、2018年以降テレビや映画への出演を増やしていきます。これまで『ダンスウィズミー』(2019)や『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020)などに出演してきました。
山岡役/渡部龍平
辰巳の元恋人・京子の夫である山岡。組織の金に手を出していたことがバレて、沢村兄弟に殺されてしまいます。 演じるのは、渡部龍平です。強面な風貌から『クローズZERO II』(2009)、『闇金ウシジマくん』(2012)、『ザ・ファブル』(2019)など、ヤクザや裏社会を舞台にした映画で活躍しています。
京子役/龜田七海
辰巳の元恋人である京子。現在の夫・山岡が経営する自動車整備工場で経理や事務として働いています。 演じるのは、龜田七海(旧芸名:亀田七海)です。2013年から本格的に女優として活躍し、翌年には『ミュージカル MOMO』で主演デビュー。大河ドラマ『八重の桜』(2013)から特撮『仮面ライダーガヴ』(2025)まで、幅広いジャンルで活躍する女優です。
浩太役:藤原季節
薬物依存の末に、若くして命を落としてしまった辰巳の弟・浩太。 演じるのは、藤原季節です。『佐々木、イン、マイマイン』(2020)や『のさりの島』(2021)、『あるいは、ユートピア』(2024)など、数々の映画で主演を務め、今後のさらなる活躍が期待されています。
伊野役/足立智充
伊野を演じたのは、足立智充です。 2022年公開の主演映画『夜を走る』で日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞を受賞。2025年は『光る川』や『少年と犬』、『旅と日々』など、話題作に出演しています。
映画『辰巳』キャストの入り込んだ演技に注目!
映画『辰巳』のキャスト陣やあらすじを紹介しました! 遠藤雄弥や、森田想、藤原季節など、今後の活躍がますます期待される俳優陣が出演する本作。狂気に満ちた竜二を演じきった倉本朋幸の存在感も圧巻でした。 キャストそれぞれの魂のこもった演技に注目して、もう一度『辰巳』を鑑賞してみてはいかがでしょうか。