『果てしなきスカーレット』謎の老婆の正体とは?死後の世界を知り尽くす不思議な存在
『竜とそばかすの姫』(2021年)以来、4年ぶりの新作となった細田守監督の『果てしなきスカーレット』。本作で主人公スカーレットの旅の鍵を握る人物として、ある老婆が登場します。いったいこの老婆は何者なのでしょうか。 この記事では『果てしなきスカーレット』の老婆について、そのプロフィールやモデルから正体を考察します。
『果てしなきスカーレット』謎の老婆のプロフィール
褐色の肌に赤い目、白いドレッドヘアに骨のような髪飾りと首飾り、黒っぽいマントを身にまとった老婆。右手に杖を持った姿が特徴的です。 物語の冒頭から終盤まで、スカーレットの旅を見守り、助言し、ときには手助けする彼女。スカーレットに死者の国や虚無について教えてくれました。そんな老婆は謎に満ちた人物であり、スカーレットの旅の鍵を握る重要な人物です。 声優は白石加代子が務めています。
老婆の登場シーンをおさらい

死者の国でのスカーレットの旅を見守る老婆。スカーレットを見守り助ける彼女の印象的な登場シーンを振り返ってみましょう。
スカーレットに仇敵が死者の国にいることを告げる
老婆はスカーレットが死者の国で最初に出会った人物です。死者の国にやってきたスカーレットは、復讐を果たせなかったことに涙しました。しかし老婆は彼女の仇敵であるクローディアスも死者の国にいることを伝えます。 老婆はスカーレットに死者の国で死ぬと「虚無」になることを教え、死んでもなお復讐を果たそうとするスカーレットを面白がっていました。
スカーレットの旅路を見守り時には手助けも⋯⋯
死者の国で1人、復讐のための旅を始めたスカーレット。しかしクローディアスは死者の国でも軍勢を率い、スカーレットは敵に囲まれてピンチに陥ってしまいます。 そんなとき、大きな岩の上から戦いを見ていた老婆が金色の鼻くそを落とすと、それが敵に当たって爆発。スカーレットの危機を救いました。 どうやら老婆は不思議な力を持っているようです。
見果てぬ場所でスカーレットと聖の最後を見届ける

見果てぬ場所にたどり着いたスカーレットと聖に、老婆は「この2人のうち、死んでいない者がいる」と告げます。スカーレットはそれは聖だと言いますが、聖は自分が死んだ経緯を思い出しており、実際には死んでいないのはスカーレットでした。 スカーレットは聖とともに死者の国に残ると言いますが、老婆はそれはできないと言い放ちます。スカーレットは元の世界に戻り、聖は虚無になるという運命は変更できないのです。
謎の老婆の正体は予言者?案内人?モデルから考察

本来死者の国にいるべきでないスカーレットの旅を見守った老婆は、彼女が元の世界に戻るまでの旅路を案内する案内人のようです。 パンフレットのインタビューで細田監督は、老婆のモデルはシェイクスピアの『マクベス』に登場する3人の魔女だと語っています。この3人の魔女は、マクベスに彼がスコットランドの王になることや、“女から生まれた者”には彼を殺せないといった予言をします。 スカーレットの旅を見守る老婆は予言こそしませんが、不思議な力を持っていることがモデルとなった『マクベス』の魔女との共通点と言えるでしょう。
老婆の声優は白石加代子!

老婆の声優を務めるのは舞台を中心に活躍し、テレビや映画にも多数出演している白石加代子です。 市川崑や大林宣彦の映画作品に多く出演している彼女は、近年ではリーディングドラマ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(2025年)で、不思議な駄菓子屋の店主・紅子を演じるなど、多方面で活躍しています。 細田作品での声優は本作が初めてですが、確かな演技力で謎多き老婆の存在感の大きさを説得力を持って演じています。
『果てしなきスカーレット』劇場で観よう!
父の復讐のため、死者の国を旅する王女スカーレットを見守る不思議な老婆。死者の国の案内人とも考えられる彼女は、その見た目だけでなく、言動も威厳と謎に満ちて、強い存在感を放っています。 『果てしなきスカーレット』は2025年11月21日から劇場公開中です!


