2026年2月4日更新

【「万事快調」公開記念】児山隆監督生涯ベスト映画3選ー続編を期待するベストキアヌ映画とは?

このページにはプロモーションが含まれています

松本清張賞を満場一致で受賞した青春小説を映画化した『万事快調〈オール・グリーンズ〉』。本作の監督児山隆さんに、映画をテーマとしたインタビューを実施しました。 映画との原体験や、映画にのめり込んでいったきっかけとなるエピソード、さらに生涯ベスト映画として挙げた3本から見えてくる児山監督ならではの映画観まで、率直な言葉で語っていただいています。 映画を作る立場になったことで変化した鑑賞の視点や、「映画を撮れていること自体が幸せです」と語る現在の思いを通して、児山監督の人となりと創作の背景に迫ります。 ※インタビュー取材の模様を撮影した動画コンテンツは、YouTubeのciatr/1Screenチャンネルにて公開中です。

映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』作品概要・あらすじ

松本清張賞を満場一致で受賞した青春小説「万事快調〈オール・グリーンズ〉」が待望の映画化。未来の見えない田舎町で鬱屈した日々を送る3人の高校生は、この町から抜け出すためには一獲千金を狙うしかないと考え、同好会「オール・グリーンズ」を結成する。 『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』などで知られる南沙良が朴秀美役を、『舞妓さんちのまかないさん』で主演を務めた出口夏希が、もうひとりの主人公・美流紅役。2人とともに「オール・グリーンズ」を結成する岩隈役を、『ルックバック』で話題を呼んだ吉田美月喜が務める。

児山隆監督基本プロフィール

「万事快調 オールグリーンズ」児山隆監督
◎コピーライト:©2026「万事快調」製作委員会

映像ディレクター・映画監督・脚本家。CM制作、助監督、オフラインエディターを経て2015年に独立。2021年「猿楽町で会いましょう」で劇場映画デビューし、東京国際映画祭スプラッシュ部門、ウディネ・ファーイースト映画祭にノミネート。長編2作目「万事快調〈オール・グリーンズ〉」は第30回釜山国際映画祭Vision部門に選出された。

「万事快調」制作秘話はこちら

児山隆監督が選ぶ生涯ベスト映画3選

Q.児山隆監督に、生涯ベスト映画を3本選出いただきました。まずは1本目のご紹介をお願いいたします。

生涯ベスト映画①『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
©創通・サンライズ

1本目は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』です。 子供の頃から観ていた話がひとつの結末を迎える。リアルタイムで感じていた大河ドラマ性に本当に感動しました。本当に毎年見ています。 「すごく好きな映画って何だろう」と思ったときに、1回観て2度と観たくないと思う映画か、何回も観たくなる映画かで変わると思うのですが。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に関しては本当に何回も繰り返し観ますし、見る度にあの頃の高揚感みたいなことを感じさせてくれます。 そういった意味で自分が鑑賞したタイミングを含めて「大事な作品」だと思います。あと、自分は絵があまりうまくないのですが、アニメを作る人に対するものすごい憧れみたいなのがあって。漫画もそうなんですが、アニメーションに対する憧憬というか尊敬みたいなのがすごくあるので、まずこの作品をひとつ選びました。

作品概要

富野由悠季が監督・脚本を務め、1988年に公開された劇場用アニメーション作品。「機動戦士ガンダム」シリーズ初の本格的なオリジナル劇場映画であり、アムロ・レイとシャア・アズナブルという宿命のライバル同士の最終決着を描く。緻密なメカ描写とスケール感ある戦闘演出に加え、希望と絶望が交錯する結末は、ガンダムシリーズ屈指の名作として高く評価されている。

生涯ベスト映画②『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年)

2本目はリチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』です。 ひとりの少年を18歳くらいまで毎年撮り続け、要は10分おき毎にどんどん登場人物が成長して老けていく。2時間の映画に何十年という時間が凝縮されていることの凄みというかがあるなと感じました。構造的な面白さと時間を圧縮しているということにものすごく感動しました。

作品概要

リチャード・リンクレイター監督が12年間にわたり同一キャストで撮影した、2014年公開の革新的一作。6歳の少年メイソンが18歳になるまでの歳月を、両親の離婚や再婚、学校生活、初恋といった日常の出来事を通して描く。劇的な事件を強調せず、時間の経過そのものを物語とする点が特徴で、自然体の会話と抑制された演出により、観客自身の人生と静かに重なり合う作風が印象的。

生涯ベスト映画③『コンスタンティン』(2005年)

3本目は『コンスタンティン』というキアヌ・リーブス主演の映画です。 キアヌ・リーブスがかっこよくて、話も面白い。ラスボスも見たことないような倒し方で「え、そんな倒し方するの?」という。プロダクトデザインもそうだし、1から10まで全部かっこよい。

マトリックス、ネオ、キアヌ・リーブス
C1999 Village Roadshow Films (BVI) Limited. C1999 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

この間も久しぶりに『マトリックス』を見たのですが、キアヌ・リーブスはやっぱりかっこいいですね。自分の中ではキアヌ映画として『コンスタンティン』を一番に挙げたい、「早く2作目をやってほしい」という願いも込めてベスト映画に選出しました。

作品概要

DCコミックス「ヘルブレイザー」を原作にフランシス・ローレンス監督が手がけた2005年公開のダーク・ファンタジー映画。キアヌ・リーブス演じる悪魔祓いのジョン・コンスタンティンは、天使と悪魔が見える能力を持ち、地獄行きの運命を逃れるため超自然的事件に関わっていく。レイチェル・ワイズ、シア・ラブーフらが共演。退廃的でゴシックな映像美と、善悪の境界を描く作風が特徴。

【映画の原体験】中学時代、ませた同級生が教えてくれた“大人の映画”

ゴーストバスターズ
© 1984 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

Q. 映画の原体験をお聞かせください 児山監督 小学校1年か2年生の時くらいに友達の家に『ゴーストバスターズ』のビデオがあって、それをみんなで観たのが洋画を初めて観たきっかけかもしれないですね。

【映画にのめり込むきっかけ】

恋する惑星、映画
© 1994 JET TONE PRODUCTIONS LTD. © 2019 JET TONE CONTENTS INC. ALL RIGHTS RESERVED

Q.映画にのめり込むきっかけについてお聞かせください 児山監督 僕は大阪の河内長野市出身で本当に何もない町なんです。何もないこともないですけど、映画館も当然ないし、娯楽と言われるものもなくて。 だから映画や漫画、音楽、そういうものがなんとなく拠り所になっていました。子供の頃は映画館に行くのも一苦労で、片道40分ぐらいかけて映画館に行きました。 映画館で見るのは年に1~2本ぐらいで、劇場ではなかなか見られないから金曜ロードショーとかで映画を見てぼんやり「映画って面白いな」と思っていました。

『グラン・ブルー 完全版 -デジタル・レストア・バージョン-』
© 1988 Gaumont 

中学校ぐらいの時に友達が年上の女性と付き合っていたか何かで、その友達が見る映画がませていたんです。中学とか高校の時に『恋する惑星』や、ラリー・クラークの『KIDS/キッズ』、『グラン・ブルー』とか自分たちよりは年齢層が高い人達が見るものをその友達が見ていて。 「それ面白いよ」と勧められて、そういうところから自分もレンタルビデオ屋で映画を借りて観たりするようになりました。 でも映画だけじゃなくて、漫画やアニメ、音楽とか色々なものを掘っていくうちに好きになっていった感じかもしれません。

【映画を見る頻度と選び方】ヒットしている映画と興味を惹かれる映画が半々

Q. 映画を見る頻度と作品を選ぶ基準についてお聞かせください 児山監督 極力、映画館に観に行こうと思っていて週3~4回ぐらいですかね。年間で言うと200本程度。仕事もしていたりして、なかなかそんな本数を観られないんですけど。 家だと途中で寝てしまったりするので、なるべく映画館に行くことにしています。見る作品についてはヒットしてる映画と自分が興味ある映画が半々でしょうか。

【映画監督として幸せを感じる瞬間】映画を撮れている、その日々

映画「万事快調オールグリーンズ」
©2026「万事快調」製作委員会

Q. 映画監督として幸せを感じる瞬間についてお聞かせください 児山監督 映画監督として幸せを感じる瞬間はまだ味わってないかもしれません。「面白かったよ」と言ってくれる人がいるのは嬉しいのですが、もっと面白い映画を作りたいので。 でも、この仕事をやらせてもらえていることがすごい幸せかもしれないです。 やりたかったことだし、まさか自分が2本目の映画を撮れるなんて思っていなかったから。そうですね、だから幸せじゃないわけじゃなくて、映画を撮れていることが日々幸せです。こうやってお話させてもらえてるのもそうだし、どんどんポスターが出来上がったり、グッズが出来上がったりとか、そういうのもすごく嬉しいですね。 ▼取材・文:増田慎吾