2018年1月1日更新

映画『ジョーズ』にこっそり隠された9つのメッセージ

スティーブン・スピルバーグ監督作品『ジョーズ』はパニック映画のクラシックとして公開から30年経った今も、多くの人に愛されている傑作です。今回は『ジョーズ』にこっそり隠されたエピソード9つを紹介します。

1.ホオジロザメの天敵オルカ!?

ジョーズ

地球上最も恐ろしく獰猛な動物ホオジロザメに天敵など存在しないように思えますが、例外が存在します。それは英語名が”キラー・ホエール”(クジラの殺し屋)、つまりシャチです。知能がとても高いシャチは時に群れでホオジロザメを襲うこともあり、自然界に天敵なしと言われています。

荒くれ者漁師クイントの船の名がオルカ号。(オルカとはホオジロザメの天敵シャチの学名)そのオルカ号はクライマックスでサメの攻撃によって海底へ沈んで行く末路を辿ります。

『ジョーズ』は世界中で大ヒット、後を追うように様々な海洋パニック映画が製作され、シャチが登場するパニック映画『オルカ』がリチャード・ハリス主演で製作されています。さらに『ジョーズ2』では現実世界での恨みをぶつけるかのように、サメのえじきとなったシャチが登場しています。

2.原作者の演技が上手すぎ!?

ジョーズ

今作はピーター・ベンチリーの同名小説を基に製作されましたが、スピルバーグ監督は原作に初めて目を通した時あまり良い印象を持っていませんでした。人間のキャラクターに感情移入出来なかったスピルバーグは、人間よりもある意味でサメに肩入れするような映画に仕上げたそうです。

それでも監督と原作者の関係はそれほど悪いものではなかったよう。ピーターはビーチでニュースを伝えるレポーターとして今作にカメオ出演、小説家にしては堂々とした演技を見せています。彼は小説家になる前はワシントンポストのジャーナリストだったためレポーターはまさに適役だった訳です。

3.『ジョーズ』は『激突!』の続編だった!?

Duel-scene

クライマックスでブルース(ホオジロザメ)が息絶えるシーンでなぜか車のマフラー音が轟き、不思議に思った人も多かったのでは?これにはスピルバーグ監督初期作品『激突!』に深く関係したエピソードが隠されています。

『激突!』はセールスマンが謎のトラックにしつこく追跡させるスリラー、ジョーズのオファーを受けた時、スピルバーグの頭の中でサメが人を次々に襲うプロットが『激突!』のプロットと重なっていました。

『ジョーズ』と『激突!』の間に不思議なリンクを感じ、クライマックスで崖から落ちるトラックが轟す音をサメが息絶えるシーンにも使用することしたそうです。

4.テーマ曲はある意味重大なネタバレ!?

ジョーズ

ジョン・ウィリアムズが作曲したジョーズのテーマ曲なしには今作はもはや考えられません。映画を見ていなくても、曲だけは知っている人が世界中にいるのでは?

印象が強すぎて作中終始流れていたように思えるほどですが、実際にサメが存在しているシーン以外は流れていません。

例えば、ビーチにいた人たちがサメがいると勘違いして大パニックが起こるシーン、クイントがサメを捕まえたと思ったものが実はサメではなかったシーンなど、サメが実在していない時はあのテーマ曲は流れていません。

今まで一つのテーマ曲が『ジョーズ』ほど重要な役割を担った作品はないかもしれません。

5.スピルバーグがこっそりカメオ出演!

ジョーズ

監督スピルバーグもまた今作にこっそりとカメオ出演しています。サメのハンティングがあまりうまく行かず、イラついているクイントが無線交信する相手の声がスティーブン・スピルバーグです。

今まで『インディジョーンズ/魔球の伝説』『グレムリン』『バニラスカイ』などにカメオ出演、彼の最も素晴らしい演技が見られる作品は『ブルース・ブラザーズ』の納税課の職員役です。監督業だけでなく俳優としても活躍できることを証明しています。

6.スピルバーグの愛犬もカメオ出演していた!?

ジョーズ

原作者ピーター・ベンチリー、監督スティーブン・スピルバーグに加え、監督の愛犬エルマーもまたカメオ出演しています。

ブロディのペットとして出演、ソファーで寝ていることがほとんどで見せ場はあまりありませんでした。もう一匹の老犬ピペットは海へ棒を取りにいき、二度と戻って来なかったため、恐らくサメの餌食となってしまったのでしょう。

エルマーはその後、トム・ハンクスやハリソン・フォードのように度々スピルバーグ作に出演。スピルバーグの初期作品『続・激突!/カージャック』『未知との遭遇』『1941』などにも出演しています。

7.クイントに大きな影響を与えていた人物とは!?

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今作で不運な漁師ベン・ガードナーを演じたクレイグ・キングスベリーは俳優としてだけなく、裏方として今作に大きく貢献した人物です。特にクイントのキャラクターを構築するために重要な役割りを果たしています。

キングスベリーは『ジョーズ』のロケーション撮影場所マーサズ・ヴィ二ヤードで漁師をしていたため、元々はロバート・ショウ(クイント)の指導するため、裏方として雇われていました。2週間かけ専門用語や漁の技術などショウに指導、荒くれ漁師クイントはこうして構築されていました。

少ないシーンながらベンが登場するシーンを見れば、ショウ演じるクイントがどれほど影響されているか知ることが出来ます。

8.クイントとブルースの死は暗示されていた!?

ジョーズ

クイントがクライマックスで死んでしまうことは映画冒頭すでに暗示されていました。クイントがアミティの人たちにサメのハンターとして売り込んでいた時に、“あのサメは人を丸のみだ。小刻みに揺れながら、肉を柔らかくする、それで終わりだ”というセリフを言います。

まさかクイントは自分で言ったことが自分の身に降りかかるとは思いもよらなかったことでしょう。映画のクライマックスを知った上でこのセリフを聞くと、とても皮肉に響きます。

さらにブルース(ホオジロザメ)の末路もまた暗示されている描写が存在します。ブロディがスキューバーのタンクの上で本を読んでいる、クイントが”あいつはタンクも食っちまうかも”というセリフを吐く。タンクを雑に扱うと、フーパーがタンクの爆発を心配するなど。

ブルースはクライマックスでブロディにタンクを咥えさせられた状態で銃で撃たれ、爆発してしまいます。

9.サメには声帯がない!?

ジョーズ

シリーズ第4作目『ジョーズ‘87復習編』は馬鹿らしいプロットや酷い特殊効果によりかなり辛辣な評価を得ている作品です。中でも酷いポイントはサメがライオンのように吠える設定です。実際のサメには声帯がないためあり得ない描写です。

しかし、第1作オリジナル『ジョーズ』に登場するブルースも実は唸り声を上げています。海上に現れたブルースをクイントがモリで刺す場面、オルカ号が沈んでいく中、ブロディを襲うシーンなど。

こういった描写はおそらく恐怖感を倍増させるために撮影後に足されたものなのでしょう。あまり目立ったものでなかったため、映画の評価に傷をつけるものではありませんでした。

もし誰かが『ジョーズ‘87復習編』でサメが吠える設定に文句を言っていたら、スピルバーグが第一作『ジョーズ』で同じ設定をやっていた事実を教えて上げて下さい。