2017年7月6日更新

カイル・チャンドラーの渋い大人の魅力に迫る

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カイル・チャンドラー
©Dennis Van Tine/Future Image/WENN.com

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カイル・チャンドラーのプロフィール

生い立ち

カイル・チャンドラーは1965年9月17日生まれ。ニューヨーク州バッファローの出身です。ドイツ、アイルランド、イギリスの家系です。犬のブリーダーであるサリー・ジャネットと農場主のエドワード・チャンドラーの間に生まれました。 人口4,500人のジョージア州の小さな町で育ち、家のテレビではテッド・ターナーの番組しか見ることができませんでした。チャンドラーは古い映画を見に行っては、裏庭で演技のものまねをしていたそうです。

俳優活動開始後

1988年、ジョージア大学の演劇専攻だった頃、カイルはテレビ局ABCのタレント・サーチのスカウトに出会い、契約を交わしました。ロサンゼルスに移った最初の18カ月について、本人はこう振り返っています。「自然史博物館でビールを注いだり、お土産を売ったりしていたんだ」。 しかし、すぐにテレビシリーズなどにレギュラーで出演するようになります。『ホームフロント(原題)』のジェフ・メットカルフ役や『アーリー・エディション(原題)』のゲイリー・ホブソン役で有名になりました。

カイル・チャンドラーの主な出演作

俳優になってから、早い段階で才能を開花させたカイル・チャンドラーは、多くの作品に出演しています。それでは、彼の出演作を振り返ってみましょう。

テレビ映画『クワイエット・ヴィクトリー:ストーリー・オブ・チャーリー・ウェデンメイヤー』(1988)

カイル・チャンドラーのテレビデビュー作品。筋萎縮性側索硬化症と戦うフットボールのコーチと、彼のパートナーである高校教師の実話に基づいた物語です。

テレビシリーズ『ツアー・オブ・デューティー(原題)』(1990)

ベトナム戦争中に前線に送られたアメリカ陸軍の小隊が直面する困難を描いた作品。カイル・チャンドラーはウィリアム・グリーナー二等兵の役で8話ほど出演しています。

テレビシリーズ『ホームフロント(原題)』(1991〜1993)

第二次世界大戦から帰還した少年たちが、少しずつ元の生活に戻ろうとするものの困難に直面する物語です。真面目な野球選手を演じているのが、カイル・チャンドラーです。

テレビミニシリーズ『南北戦争物語 愛と自由への大地』(1994)

ファンタジー小説で知られるジョン・ジェイクス原作の歴史ドラマ。全3部作の最終章を映像化したものです。南北戦争終結後も社会情勢の安定しない南部での物語です。カイル・チャンドラーは3エピソードにゲスト出演しました。

テレビ映画『傷だらけのカーボーイ』(1995)

かつてロデオのチャンピオンだった殺人犯と、傷害事件で投獄された若者との世代を超えた友情を描くストーリー。主演は『真夜中のカーボーイ』のジョン・ヴォイド。チャンドラーはヴォイド演じるロイと友情を築いていく若者、クレイを演じています。

映画『狼たちの街』(1996)

1950年代のロサンゼルスで、特殊犯罪捜査班がある女性の死を捜査するミステリードラマ。チャンドラーは警部の役を演じています。

映画『犯行予告』(1999)

若きヒットマンが暗殺の練習として無実の女性を殺すよう指示されるアクションサスペンス。カイル・チャンドラーはこの若いヒットマンを演じています。日本ではビデオリリースのみ。

テレビシリーズ『アーリー・エディション(原題)』(1996〜2000)

カイル・チャンドラー演じるゲイリー・ホブソンの家には、なぜか毎日翌日の新聞が届きます。彼は悪い事が起きないように、様々な事を調整していく、という物語です。この作品のヒットにより、チャンドラーは名実ともに
の仲間入りをしました。

テレビ映画『バンデラスの英雄パンチョ・ヴィラ』(2003)

パンチョ・ヴィラとは、メキシコ革命の際にハリウッドで革命のドキュメンタリーを製作した実在の俳優。主演のアントニオ・バンデラスはこの作品で、プライムタイム・エミー賞の主演男優賞にノミネートされました。チャンドラーの役どころは、後にパンチョ・ヴィラの映画を監督することになるラウル・ウォルシュです。

テレビシリーズ『弁護士ジャック・ターナー』(2003)

ワシントンD.C.を舞台とした、ロブ・ロウ主演の法廷ドラマ。チャンドラーは悪徳弁護士のひとり、グラント・ラッシュとして6つのエピソードに出演しています。

映画『キング・コング』(2005)

1933年の同名映画のリメイク。『
』三部作などを手がけたピーター・ジャクソン監督の悲願の作品です。ヒロインを
が演じたことでも話題になりました。この作品でチャンドラーはブルース・バクスターという気取った俳優を演じています。

テレビシリーズ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』(2005〜)

日本でも人気を博したエレン・ポンペオ、パトリック・デンプシー出演の医療・恋愛ドラマ。外科のインターンとその指導者たちの仕事と恋愛を描いた作品です。チャンドラーは病院に爆弾が仕掛けられた際に、爆弾処理班としてやってくるディラン・ヤング役で、2006年から2007年にかけて4エピソードに出演しています。

映画『キングダム/見えざる敵』(2007)

『キングダム/見えざる敵』は、サウジアラビアの外国人居住区が爆破されたことをきっかけに、FBI捜査官の戦いを描くサスペンス映画です。この作品でチャンドラーは特別捜査官フランシス・マナーをえんじています。

テレビシリーズ『キング・オブ・ザ・ヒル』(1997〜2009)

米FOXチャンネルの『ザ・シンプソンズ』に次ぐ長寿アニメーション番組でした。チャンドラーは、2008年にゲストとして1エピソードに参加しています。

映画『地球が静止する日』(2008)

主演のSF映画。1951年公開の『地球の静止する日』のリメイクです。チャンドラーは政府の調査官ジョン・ドリスコルを演じています。

テレビシリーズ『フライデー・ナイト・ライツ(原題)』(2006〜)

テキサスの小さな町で、フットボール選手たちが家族、友人、コーチたちとともにを試練や困難を乗り越えていく様子を描いたドラマです。チャンドラーは、フットボール部のコーチであるエリック・テイラーを演じ、エミー賞主演男優賞にノミネートされました。

映画『SUPER8/スーパーエイト』(2011)

日本でも大ヒットしたJ・J・エイブラムス監督作品。ひょんなことから超能力を得た少年たちが宇宙人と戦う物語です。カイル・チャンドラーは主人公の父親、ジャック・ラムを演じています。

映画『アルゴ』(2012)

チャンドラーが大統領補佐官ハミルトン・ジョーダンを演じたこの作品は、第86回アカデミー賞作品賞を受賞しました。イランアメリカ大使館人質事件を題材とした、歴史スリラードラマです。

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)

『ゼロ・ダーク・サーティ』はテロ組織アルカイダの司令官、ビン・ラディンの捕獲・殺害計画に挑む特殊部隊を描いた作品。若きCIA捜査官マヤが、様々な困難にくじけることなく捜査を続ける物語です。各国の映画賞に多数ノミネート・受賞されました。カイル・チャンドラーはイスラマバードのCIA支局長を演じています。

映画『ブロークン・シティ』(2013)

ニューヨーク市長選挙の直前、現職市長のホステラーに妻の依頼を受けた探偵ビリー。お互いに秘密を握っているホステラーとビリーのクライムサスペンス映画。チャンドラーはホステラーの妻の浮気相手、アンドリュースを演じています。

映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)

主演、マーティン・スコセッシ監督。実在の元株式ブローカーで、相場操作などの詐欺行為で22カ月間投獄されたジョーダン・ベルフォードをモデルにした作品。FBI捜査官をカイル・チャンドラーが演じています。

『ブラッドライン』でのカイル・チャンドラー

テレビシリーズ『ブラッドライン』(2015〜)

海外ドラマ『ダメージ』のクリエイターであるグレン・ケスラー、トッド・A・ケスラー、ダニエル・ゼルマンによるスリラー・ドラマ、『
』は動画配信サイト、
のオリジナル作品です。2015年9月2日から日本でのサービスも始まり、『ブラッドライン』も見ることができます。 地元の名士である裕福な一家に、厄介者の兄が帰郷し、それををきっかけに家族のメンバーそれぞれの秘密や過去のトラウマが暴かれていく物語。カイル・チャンドラー演じる次男のジョン・レイボーンは一家の財産管理を任されており、突然帰ってきた兄によって自分の相続権が脅かされるのではないかと怯えています。

カイル・チャンドラーの演技力

兄からの演技指導

実の兄、ブライアン・チャンドラーが優秀な弁護士だったため、『弁護士ジャック・ターナー』(2003)に出演した際に弁護士らしく見える振る舞いなどを教わったそうです。

オスカー作品への出演

2014年までに、チャンドラーは3つのオスカー候補作品に出演しています。『アルゴ』(2012)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)。このうち、アルゴは作品賞を受賞しています。

カイル・チャンドラーは『フライデー・ナイト・ライツ(原題)』で主演を逃すかもしれなかった!?

本作で主演のフットボール部のコーチであるエリック・テイラーを務めたカイル・チャンドラーですが、プロデューサーのピーター・バーグははじめカイル・チャンドラーは高校のフットボールコーチを演じるにはハンサムすぎると反対だったようです。 第一候補はカントリー歌手のドワイト・ヨーカムだったようですが、契約に至らず。オーディションにバイクで来て二日酔いの状態で臨んだカイル・チャンドラーがエリック・テイラー役にぴったりだと抜てきされたそうです。

カイル・チャンドラーの今後

映画『キャロル(原題)』(2015)

と、『ドラゴンタトゥーの女』の
主演。 2015年カンヌ映画祭で、パルムドールにノミネートし、ルーニー・マーラが主演女優賞、クィア・パルム(セクシャルマイノリティーをテーマにした作品に送られる賞)作品賞を受賞した作品です。 1950年代のニューヨーク、デパートで働く20代のテレサが、年上の女性キャロルに恋をしてしまう物語です。カイル・チャンドラーはケイト・ブランシェット演じるキャロルの夫を演じています。日本では2016年新春公開予定です。

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2016)

兄の突然の死で甥の法的後見人となったリー(カイル・チャンドラー)は、甥を育てるため、故郷のマンチェスターに帰ります。そこで彼は元妻のランディや町のコミュニティーと折り合いをつけなければいけなくなります。作品は現在編集作業中で、2016年公開予定です。 2016年もカイル・チャンドラーの活躍に期待です。