『メイズ・ランナー』の原作小説を解説!【ネタバレ注意】

2017年7月6日更新

謎の巨大迷路からの脱出を目指す少年たちを描いたサスペンススリラー『メイズ・ランナー』。2015年5月22日に日本で公開された本作は、世界55ヵ国で№1ヒットという記録を打ち立てました。今回はシリーズの最新情報と原作の同名小説について、まとめて紹介します。

映画『メイズ・ランナー』シリーズとは

映画『メイズ・ランナー』は、2009年にアメリカで刊行されたジェームズ・ダシュナーの同名小説を実写化した映画です。小説同様、映画も三部作構成になっています。

記憶を失ったトーマス(ディラン・オブライエン)が送り込まれたのは、周囲を壁で囲まれた空間——グレードだった。ここでは月に一度、彼のような青年が送り込まれ、それぞれコミュニティを作って暮らしていた。

グレードから抜け出すには、壁の奥にある巨大迷路の謎を解かなくてはいけない。迷路への扉は夜になると閉ざされ、朝が来るまでの間に迷路は姿を変えてしまう。

エリアからの脱出を図る少年たち。そんな彼らに、巨大迷路がまやかしとなり襲い掛かる―—。

原作小説『メイズ・ランナー』

映画の原作である小説『メイズ・ランナー』は2009年にアメリカで刊行され、以来計5作に及ぶ人気シリーズとなりました。日本ではシリーズ一作目の『メイズ・ランナー』が、2015年4月に映画の公開に合わせて出版されています。

作者はジェームズ・ダシュナー

原作者であるジェームズ・ダシュナーは、1972年11月26日、アメリカのジョージア州に生まれました。ヤングアダルト向けのファンタジー小説を多く手掛けています。

もとは金融界に勤めていたジェームズ・ダシュナーは、2003年『A Door In The Woods』で作家デビュー。同作は以後“Jimmy Fincher Saga”として計4作のシリーズとなりました。

出世作の『メイズ・ランナー』シリーズ

2009年に刊行されたシリーズ一作目『メイズ・ランナー(原題:The Maze Runner)』は、前年刊行の『ハンガーゲーム(原題:The Hunger Games)』と並びティーン向けディストピア小説として絶大な人気を得ました。

『The Maze Runner』刊行後は続編である『The Scorch Trials』『The Death Cure』が立て続けに発表されています。さらに、一作目の13年前を描いたスピンオフ『The Kill Order』が2012年に刊行され、2016年には『The Kill Order』と一作目の間の物語『The Fever Code』が出版予定となっているように、『メイズ・ランナー』シリーズはファンをがっちり掴んで離しません。

小説と映画の違いとは

小説を映画化する場合、描写や小道具などに若干の違いが出てくることは避けられません。しかし、それゆえに同じ作品でも小説と映画で二度楽しめるというのも事実です。

それでは本作における両者の違いとは何なのでしょうか。

その1 迷路へのドア

映画では、少年たちが巨大迷路に入るための入口は一つしかありません。一方小説では、四つの入口が用意されています。ストーリーをスリムにするために、入口を一つに減らすという変更がなされたのでしょう。

その2 迷路内の崖

原作では迷路内に崖と呼ばれる場所があり、そこに落ちると何もない空間に行ってしまうという設定になっています。トーマスはそこにグリーバー(迷路に住む魔物)を落として退治しました。

映画のなかで少年たちはグリーバーを倒すために火炎瓶や槍を駆使し戦っています。崖に落とすより、実際に戦って退治する方が映像的に盛り上がるため、崖の描写は取り除かれたようです。

その3 テレサ

グレードに運ばれたテレサ(カヤ・スコデラリオ)は、トーマスの姿を認めるや「トーマス」と彼の名を呼びました。しかし、原作にこのシーンはなく、それ以降も二人が直接言葉を交わすことはありません。

というのも、原作ではトーマスとテレサはテレパシーで会話する設定になっているのです。

ストーリーの進行に不要と判断されたのか、二人のテレパシー能力は削除されてしまいました。

その4 トーマスの記憶

ディラン・オブライエン演じるトーマスは映画では何も覚えていないという設定でしたが、原作では名前だけは覚えているという設定でした。

その5 ビートル・ブレード

原作では少年たちを偵察するためビートル・ブレードというなめくじに似た生物が出てきますが、映画では登場しません。

その6 暗号

原作では文字だった暗号が、映画では数字に変更されています。

シリーズ第二部もいよいよ公開!

全世界で大ヒットを記録した映画『メイズ・ランナー』。その続編となる『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』が2015年10月23日、いよいよ日本で公開されます!

『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』あらすじ

巨大迷路の謎を解き、無事に脱出したトーマスたち。しかし、彼らを出迎えたのは、元の世界ではなく新たな“砂漠の迷宮”だった。

謎の組織WCKDと対面したトーマスたちは、自分たちが“選ばれし者”であること、迷宮が組織の実験であることを知る。理不尽な現実から逃れるため、彼らは命を懸けて迷宮からの脱出に挑む。

目の前に立ちはだかる“砂漠の迷宮”。生存確率ほぼゼロ——驚愕の第2ステージが幕を上げる。

第二部の舞台は“砂漠の迷宮”

巨大迷路を攻略したトーマスたちが次に挑むのは、荒廃した建物が残る灼熱の砂漠です。

原作はシリーズ二作目の『The Scorch Trials』。「焦土の試練」という原題の通り、過酷な環境、予測不能のトラップ、裏切り……前作を凌ぐ状況下で、少年たちの知恵と体力が試されます。

ちなみに、小説『メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮』は2015年9月24日に角川書店より刊行予定です。

小説の結末は?【ネタバレあり】

先述の通り、原作小説はメイン3作とスピンオフ1作が既に出版されており、残りの1作も2016年に刊行が予定されています。

『The Death Cure』でシリーズはどう終わるか

シリーズ完結作である『The Death Cure』では、致死性の病気(フレア)を治す薬の追求を主軸に物語が進行します。

しかし、本シリーズで読者が一番知りたいと思うのは、やはり巨大迷宮の存在意義と登場人物たちの過去でしょう。実際に『The Death Cure』では、記憶を取り戻す手段があると記述されています。

ですが、登場人物たちは皆記憶を取り戻すことを拒否してしまい、彼らの過去は結局語られないまま終わってしまいます。迷宮の存在意義についても同様で、謎は謎のままシリーズは終結しました。

これには当然ながら賛否両論があったようです。謎を謎のまま残すというのは一つのれっきとした表現方法ですが、意味を求めたがる現代の読者たちにとっては、納得がいかない結末だったのかもしれません。

この点が映画ではどうなるのか、非常に楽しみなところです。

でもその前に、まずは第二部『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』を劇場でチェックしてみてください。