2017年11月16日更新

良作多し!一度は見ておきたいポーランド映画おすすめ13選

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『水の中のナイフ』

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1.地下水道の中の極限状態を描いた傑作ポーランド映画

アンジェイ・ワイダ監督『地下水道』(1956)は第2次世界大戦中の1944年、ポーランドのワルシャワを舞台とした作品です。 ドイツ軍に追われたポーランド軍中隊が地下水道へ逃げ込み、極限状態のサバイバルが始まります。 無慈悲な惨劇が直接的に描かれることは少ないものの、ワイダの卓越した演出や素晴らしいサウンドエフェクトが息を呑む緊迫感を生み出しています。

2.ポーランド産宗教ホラーの傑作

『尼僧ヨアンナ』(1961)はイェジー・カヴァレロヴィチがメガホンを取った宗教ホラードラマです。 17世紀フランスで実際に起きた史実を基に、司祭が尼僧のもとを訪れ悪魔祓いを行う物語が語られます。 本作は陰影のコントラストが強調されていることが大きな特徴の1つ。カヴァレロヴィチが照明やアングルを徹底的してこだわった本作はカンヌ映画祭で高く評価されました。

3.世界的名匠ロマン・ポランスキー監督デビュー作

『水の中のナイフ』(1963)は『ローズマリーの赤ちゃん』『おとなのけんか』『戦場のピアニスト』などで知られるロマン・ポランスキーの長編デビュー作品です。 ストーリーはいたってシンプル、裕福な中年夫婦とヒッチハイカーの青年がセイリング旅を通して世代ギャップを感じ、精神的にぶつかり合う模様が描かれています。 特にカメラワークや構図が秀逸で、本作独特の緊迫感を生み出しています。本作はアカデミー外国語映画賞にノミネートされています。

southpumpkin ロマン・ポランスキー監督長編デビュー作だというヌーベルバーグに片足を突っ込んだ作品。ボートの上で1組の夫婦と青年がなんやかんやある、という話。心情の機微をうまいこと映像化してある、という印象でヌーベルバーグにしてはかなり見やすいと思います。小難しいことはなにもないのでヌーベルバーグ嫌いにもおすすめできます。 BGMのジャズが先日見たイエジー・スコリモフスキ『出発』と似てるというか、同じなんじゃないかと思って調べてみたらクリシトフ・コメダという人が音楽を作曲していました。さらに脚本にはイエジー・スコリモフスキの名前もあります。この辺りの映画監督はこういった形で世界観を共有しているかのように見えて面白いです。

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4.砂漠を舞台にした『ゲーム・オブ・スローンズ』?

イェジー・カヴァレロヴィチ監督『太陽の王子ファラオ』(1966)はアカデミー外国語映画賞にノミネートされた名作です。 本作ざっくり例えると砂漠の中の『ゲーム・オブ・スローンズ』。紀元前11世紀エジプトを舞台に激しい権力争いが繰り広げられます。 ギザのピラミッドや無数の群衆が入れ乱れるシーンは圧巻です。

5.コッポラも高く評価した名作ポーランド映画

ヴォイチェフ・イェジー・ハス監督『サラゴサの写本』(1965)は1800年代初頭スペインのサラゴサを舞台としたファンタジーアドベンチャー映画です。 大尉アルフォンソが最短ルートを目指し呪われた地域に足を踏み入れ、2人の美女がいる宿屋に辿り着きます。そこでアルフォンソは夢か現実か判断できない幻想的な体験をすることになります。 本作はフランシス・フォード・コッポラなど名だたる監督が評価しているポーランド映画です。

6.いまだ論争が続く題材を扱った名作

アンジェイ・ワイダ監督『カティンの森』(2007)は第2次世界大戦中に起きたカティンの森事件を扱っています。カティンの森事件は、1940年ポーランドの将校など22000人のポーランド軍関係者がNKVD(ソヴィエト内務人民委員部)によって銃殺された事件です。 いまだ論争が巻き起こる政治的な題材のため上映禁止になった国も存在します。 アカデミー外国語映画賞にノミネートされるなど高く評価されている作品です。

himizz ポーランド映画界の巨匠、アンジェイ・ワンダ監督「ワレサ 連帯の男」公開記念の特別上映で鑑賞。 「カティンの森」は、日本公開当時の2009年に鑑賞できなかったことを残念に思っていた作品です。 2度目を観る気持ちにはなりませんが、1度は観ておくべき作品でしょう。 極めて演出の少ない作品ですが、クライマックスの10分から無音のエンドロールまで、ここで受けた衝撃はしばらく記憶から消えないと思います。

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7.幻想的な名作ポーランド映画

ヴォイチェフ・イェジー・ハス監督『砂時計』(1973)はブルーノ・シュルツの小説『砂時計サナトリウム』を原作としたファンタジックな作品。死が近い父親に会うためサナトリウムを訪れた青年が死後のような幻想的世界へと誘われていくストーリーが描かれています。 本作はカンヌ映画祭で審査員特別賞を獲得した名作ポーランド映画です。

Keimiyazato ブルーノ・シュルツ原作でひたすら難解でございます、物語らしきものは展開しているのに どこに向かって進んでいるのか掴めないけど もどかしい思いは感じ無い、サナトリウムに居る父親を訪ねながら出会う奇妙な人達、、物語ではなく隠された想いは感じますが自力解読は無理!助けて偉い人!です、所々ギリアムっぽさを感じたので余計にこの作品の楽しみ方を知りたい もっと勉強せねばとひたすら反省。

8.過激な性描写を含む名作ポーランド映画

ヴァレリアン・ボロフチック監督『罪物語』(1975)は敬虔なカトリック女性エヴァが1人の男を情熱的に愛し続ける物語が語られます。 ボロズウィックはサイレント映画やフレンチニューウェーブのようなカメラワークやジャンプカットを巧みに使い、この官能的なドラマを生み出していました。 公開当時は過激な性描写が物議を醸しました。

9.野心溢れる若者の姿をありのままとらえたポーランド映画

アンジェイ・ワイダ監督『約束の土地』(1975)は19世紀のポーランド工業都市を舞台に3人の青年たちが成功を夢見る物語が語られます。 ワイダは映画的手法に頼るのではなく、3人のありのままの姿を客観的にフィルムに収めています。 本作はモスクワ映画祭でグランプリを獲得するなど世界中の批評家から高く評価された作品です。

10.シリアスなテーマを芸術的に描いたポーランド映画

アンジェイ・ワイダ監督『大理石の男』(1977)は映画学校の生徒が卒業制作のために、労働英雄を調査する物語が語られます。 ワイダはシリアスな題材を芸術的作品に仕上げる手腕に長けた監督、本作では共産主義の暗い影を芸術的な映像で描いています。

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11.フランスとポーランドで育った2人のベロニカの物語

クシシュトフ・キェシロフスキ監督『ふたりのベロニカ』(1991)は容姿や特徴は瓜二つながら、ポーランドとフランスという別々の境遇で育った2人のベロニカの物語が語られます。 2人のベロニカを1人2役で演じたイレーヌ・ジャコブは本作が初のメジャー映画だったにもかかわらず、素晴らしいパフォーマンスを見せ高い評価を獲得しました。

12.アグニエシュカ・ホランド監督最高傑作

アグニエシュカ・ホランド監督『ソハの地下水道』(2011)は第2次世界大戦中のポーランドが舞台、下水道で働くコソ泥男がシェルターを探していたユダヤ人の手助けをするストーリーが語られます。 本作はベテラン監督アグニエシュカ・ホランドのキャリア最高作との呼び声高い傑作ホロコーストムービーです。

mizorainbow 人間は神を利用してまで人を罰したがる。という言葉が忘れられない。 神様、なんて言っても国や地域や個人それぞれが都合いいように解釈してしまえば、数えきれないほどの哲学と思想が生まれるんだなと思った。 ありがたいとか助けてもらえる存在ではなく、崇め奉る存在ではなく、ひとりひとりが自立した個人で認められ、自由自在な心で共存していけることが大切なんじゃないかなあ。 なんて、映画自体の感想からかけ離れてしまったな。

13.ポーランド初のアカデミー外国語映画賞受賞作品

パヴェウ・パヴリコフスキ監督『イーダ』(2013)はアカデミー外国語映画賞を獲得した初のポーランド映画です。 カトリックの孤児院で育ったアナが今まで知らなかった家族の歴史や自分の生い立ちを探るため旅に出るストーリーが語られます。 本作の美しい映像は、CGに頼らない本物のシネマがまだ死んではいないことを証明しています。

Makoto__Sato ポーランド映画にはいつも驚かされる。モノクロによる映像美、イーダ役のおそらく最初で最後の映画出演になるアガタ・チュシェブホスカの卓抜した演技、綿密な構成力…、あげ出したらきりがない。だが、なにより、ポーランドに生きる人々の精神的葛藤をこれほどリアルに表現した映画は見たことがなかった、と書きながら、突如記憶が…、そう、かって1本だけ、この映画に匹敵する、いやそれ以上の作品があった。「尼僧ヨアンナ」(1961年)だ。少女イーダこそ、カヴァレロビッチ監督の描き出した400年後のヨアンナ尼だと思ったら、すべてが氷解した。