1:30歳から俳優の道へ
落語家の笑福亭鶴瓶を父に持つ駿河太郎(するが・たろう)は、兵庫県出身、1978年6月5日生まれ。2016年現在、株式会社ステッカーに所属し、主に俳優として活躍していますが、それ以前はミュージシャンとして活動していました。
ミュージシャンから俳優への転向。役者への誘いはたくさんあったそうです。しかし、30歳手前になるまで声をかけ続けてくれたのは現在のマネージャーだけ。音楽に真剣に取り組んでいた駿河太郎ですが、その熱意に負けて役者となることを決めたとか。そして、2008年、30歳を機に「東映映画大学」のオーディションを受け、合格し、俳優の道を進むことになりました。
2:俳優以前は留学を経てバンド活動をしていた
駿河太郎は、大阪芸術大学短期大学部を卒業したあと、2年間のイギリス音楽留学をします。そして、2003年に「taro」名義でポリスターよりメジャーデビュー。曲は、吉田拓郎のカバー『どうしてこんなに悲しいんだろう』でした。「taro」として、ミニアルバムも2枚出しています。
その後、バンド「sleepydog」を結成。ボーカルとギターを担当し、シングル 『スタートライン』 やミニアルバム『air』をリリースします。また、V6の三宅健へ『夕暮れオレンジ』の楽曲提供もしました。これは、V6アルバム『Voyager』 初回限定盤B同梱のボーナスCDに収録されています。
3:NHK朝ドラ『カーネーション』のヒロインの夫役に抜擢
俳優に転向した駿河太郎。映画やドラマで脇役を演じ、実績を重ねていきますが、2011年大きな役をまかされることになります。それは、NHK連続テレビ小説『カーネーション』での川本勝役。尾野真千子演じるヒロイン・小原糸子の夫という大抜擢でした。
オーディションで勝役を獲得したという駿河太郎。渋谷の交差点で「よっしゃー!」と叫ぶくらい嬉しかったそうです。そして、父・笑福亭鶴瓶もたいへん喜んでくれたといいます。
「初めてに近いぐらい2人で酒を飲みに行きましたね。それぐらい喜んでくれた。『(朝ドラ出演は)スゴイことやぞ。あとはお前次第や。勝手にやってくれ』と言われました」
4:『荒川アンダーザブリッジ』ではラストサムライ役を熱演
駿河太郎は、『荒川アンダー ザ ブリッジ』のドラマと劇場版にも出演しました。この作品は、中村光の漫画が原作。荒川河川敷を舞台に、河川敷に住む風変わりな人々を描いたコメディードラマです。駿河太郎が務めたのは、ちょんまげ姿の元イケメンカリスマ美容師のラストサムライ役。ハサミの代わりに刀を使うという、なんとも個性的なキャラクターを熱演しています。
5:親子でも共演
駿河太郎と笑福亭鶴瓶。親子共演が実現したのは、2011年、ヤマキ「めんつゆ」のテレビコマーシャルでした。2014年には、同じくヤマキの「割烹白だし」のコマーシャルを親子で務め、新CMの披露イベントにもふたりで登場しています。再びのCM共演にあたり、笑福亭鶴瓶は照れながらも「感無量ですね」と語り、駿河太郎はさらなる躍進を心に誓ったそうです。
「(今回)同じくらいのセリフ量と顔のアップがあった」「次は親父がいらなくなるくらい、役者道を精進していきたい」
また、2013年のドラマ『半沢直樹』でも共演が実現しています。『半沢直樹』は、池井戸潤による小説が原作で、銀行員の主人公・半沢直樹を中心に、銀行内外にうごめく様々な圧力や逆境と戦う人々の姿を描いています。
笑福亭鶴瓶は、堺雅人演じる半沢直樹の父親・慎之助役。取引先の倒産をあおり、銀行からの融資も断られ、自ら命を絶ってしまうという工場経営主でした。
一方、駿河太郎は、伊勢島ホテルを再建させるべく奮闘する社長・湯浅威(ゆあさ・たけし)役。笑福亭鶴瓶と駿河が直接セリフを交わすシーンはなかったようですが、同作品に出演したということでドラマでの親子共演が実現しました。
6:鈴木亮平と似てる?
“駿河太郎”“鈴木亮平”で検索すると、たくさんの「似ている」という内容の記事や画像がヒットします。駿河は、自身のブログ記事で以下のように書いています。
そんなに似てるかね? 俺は「花子とアン」見てましたって言われるし 亮平は「カーネーション」も出てたのにとか、「半沢直樹」見てましたって言われるらしい(笑引用:ameblo.jp
優しげな目元や、体格のシルエットなど、共通するところが確かにあり、混同している人は多いようです。
7:前田敦子のMVではあっちゃんと漫才コンビを組む
【MV】 君は僕だ / 前田敦子
前田敦子のミュージックビデオにも出演している駿河太郎。2012年『君は僕だ』のMVで、前田演じる漫才師の卵・鍋子の相方・信二役を務めました。
一人前の漫才師を目指して活動していたふたりですが、いつしか別の道を歩むことになり、ある時おもわぬ再会の時を迎えます。見終わったあと、希望と同時に切なさも残るドラマ仕立てのミュージックビデオです。
8:初主演映画では竹久夢二を演じる
そんな駿河太郎が映画で初主演を果たします。竹久夢二の生誕130周年記念映画『夢二〜愛のとばしり』での竹久夢二役。作家・野村桔梗の「竹久夢二のすべて」を原作に、宮野ケイジ監督がメガホンをとり、映画化となりました。
大正ロマンを代表する画家で「大正の浮世絵師」とも呼ばれた夢二。数多くの美人画を残し、現在もたくさんのファンを魅了しています。『夢二〜愛のとばしり』は、その夢二の本質を、夢二が愛した3人の女性を通して描いた作品です。
主演の駿河太郎の他、美人画のモデルになった妻・たまきに黒谷友香、夢二が最も愛したという彦乃は小宮有紗、最後のミューズとなったお葉は長尾美希というキャスティングになりました。『夢二〜愛のとばしり』は、2016年7月公開予定です。