2017年7月6日更新

母子の名演は必見!ドラマ『ベイツ・モーテル』シーズン1徹底解説!【ネタバレ注意】

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ベイツ・モーテル

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まずは映画『サイコ』について

アルフレッド・ヒッチコック監督による1960年のアメリカ映画。サイコ・スリラーの先駆けとなった名作で、シャワールームの殺害シーンはあまりにも有名。原作は実在した連続殺人犯エド・ゲインをヒントに、作家ロバート・ブロックが執筆した同名小説『サイコ』。

『サイコ』あらすじまとめ

会社のお金4万ドルを横領したOLマリオンは、恋人と結婚するためにカリフォルニアに向かいます。土砂降りの中、旧道沿いに光る「ベイツ・モーテル」の看板を目にします。 宿主ノーマン・ベイツが快く迎え入れてくれ、宿泊することに。どうやらそこにはノーマンの母親も暮らしている気配が。マリオンは部屋でシャワーを浴びているところを、何者かに刺し殺されてしまいます。 さらにマリオンの行方を追ってベイツ・モーテルにたどり着いた、探偵アーボガストまで殺されてしまいます。マリオンの妹ライラは、姉の恋人だったサムと夫婦のフリをしてベイツ・モーテルに宿泊し、マリオンを捜索。そして地下室でミイラ化したノーマンの母親の死体を見つけます。 驚くライラの背後から、包丁を振りかざした女性が襲いかかります。サムが取り押さえると、それは女装し母親になりきったノーマンだったのです。

『ベイツ・モーテル』シーズン1あらすじ

家庭内の事故により父親を亡くしたノーマン・ベイツは、母ノーマと共に心機一転、オレゴン州ホワイト・パイン・ベイへと引っ越します。そこでノーマは夫の保険金で古びたモーテルを買い取り、新たに『ベイツ・モーテル』として開業することに。 しかし、モーテルの元家主であるキースが返還を求めしつこくつきまとい、ノーマが一人の夜に侵入し暴行を加えます。帰宅したノーマンに助けられたノーマは、我を忘れてキースをメッタ刺しにしてしまいます。 母子二人だけの秘密として、死体を海に捨てますが、なぜかノーマンはキースの遺品であるベルトを手元に置いてしまいます。 一方、ベイツ・モーテルにはノーマンの腹違いの兄ディランが突然転がり込んできます。キースが行方不明になり、保安官に怪しまれることとなったノーマ。そのうちの一人シェルビーに好かれ、関係を持つことで、家宅捜索で見つかったベルトのことを黙認してもらいます。 ノーマンはモーテルで、少女の絵と中国語が描かれたノートを発見します。友人エマの協力により、売春に連れてこられた少女達が監禁されている図である、と推測します。 ノーマンは弱みを握られた母親とシェルビーの関係を終わらせるため、ベルトを取り返しにシェルビーの家に侵入しますが、そこで監禁されている少女を見つけてしまいます。 モーテルに匿うのもつかの間、シェルビーにばれてノーマン親子は殺されそうになります。激しい銃撃戦のあと、ノーマンの腹違いの兄ディランがシェルビーを仕留めます。現場に到着した保安官ロメロは、キースとシェルビー殺害の事実を確認しますが、内密に処理することを約束します。 そんな中、怪しげな男ジェイク・アバナシーがベイツ・モーテルに長期滞在を申し込んできます。キースが経営していた頃からの常連で、全室を借りるという申し出に、ディランとノーマは不信感を抱き、断ります。 数日後、シェルビーの死体がノーマのベッドの上に!さらにアバナシーから、シェルビーが持ち逃げした人身売買の売上金を出すよう脅迫されます。怯えるノーマはロメロに助けを求めます。 一方、片想いのブラッドリーにフラれ、失恋の痛手から立ち直れないノーマン。パーティーでエマになじられ、雨の中、心身喪失で歩いているところを、ワトソン先生に誘われるがまま車に同乗してしまいます。翌日、ワトソン先生が死体で発見されることに…。

『ベイツ・モーテル』シーズン1 ここが見どころ

アンソニー・パーキンスが演じたノーマンベイツ・そっくり!?

まずはフレディ・ハイモア演じるノーマン・ベイツ。見た目はモチロンですが、表情、しぐさ、歩き方、話し方…本当によくここまで似せられるモノだと、ただただ驚きです。 17歳にしては母親に対して素直すぎる一面や、思春期の心の揺れを見事に演じ、このキャラクターの複雑な人格形成の過程を見事に表現しています。 常に母親の望むような存在であろうと葛藤し、周りの女性たちの誘惑や心変わりに翻弄され、傷つき悩む姿に「不憫でかわいそう!無理もない!」という同情心が沸いてきます。母親に暴力を振るう実父を殺した過去を持ちますが、本人は覚えていません。

母親ノーマ・ベイツはやっぱり毒親!なのにどこか憎めない!?

映画『サイコ』では登場しなかった母親だけに、一体どんな女性像なのでしょうか?ヴェラ・ファーミガ演じるノーマは、性に奔放でワガママな女性という単純なキャラではありません。 不幸ばかりが続く中で、常に一生懸命に前だけを向いている母親です。息子に対する執着にしても、父親の死因を考えれば仕方ない…という、こちらも同情心を誘う健気な一面のある女性として描かれています。 子供の頃から実兄に虐待を受けた辛い過去を持ちます。クレイジーでぶっ飛んだところもあり、どこか子供っぽく笑えるポイントも。

二人の世界に水を差す義兄に注目!

フラリと現れて突然同居を始めるディラン。ノーマンの腹違いの兄で、母親の事を軽蔑しており「ノーマ」と呼びます。 母親の束縛がノーマンに悪影響を与えると考え、ノーマンに独立を助言します。ディランは一見クールで無関心を装いますが、母親と義弟に手を差し伸ばさずにはいられません。 エピソード10、ディランがノーマに銃の使い方を教える場面は、危なっかしい母親に呆れつつ、思わず「マザー」と呼んでしまう瞬間があり、人間ドラマとしても最高です。マリファナ畑の見張り役など、街の闇の部分との関わりを持っています。 ディランを演じるのは、マックス・シエリオット。2009年映画『クロエ』、2012年映画『ボディ・ハント』に出演。

美しい映像。ぜひ大画面で!

ユニバーサル・スタジオに現存されていたオリジナル映画の丘の上の屋敷のセットを使用し、モーテルのセットもほぼオリジナルと同様に再現するなど、映画版との親和性もしっかりと押さえ、その細部までこだわり抜いた映像美も注目されている。
さらに、エマの父親からノーマンが剥製の作り方を教わる場面など、映画のエピソードもふんだんに散りばめられています。ドラマ『ツインピークス』にどこか似た、異様な雰囲気が街全体を覆い、ショッキングな映像も多く毎話あっという間に時間が過ぎてしまいます。

謎多きキャストのご紹介

エマ・ディコーディ役/オリビア・クック

病気のせいで常に酸素を引きずっていて、学校ではひとりで行動しています。優しいノーマンに好意を寄せますが、ブラッドリーには敵わないと思っています。ノーマに気に入られ、モーテルでのアルバイトを頼まれます。ノーマンに渡されたノートを調べ、地元にある売春組織の存在を突き止めます。

ブラッドリー・マーティン役/ニコラ・ペルツ

ノーマンが片想いする娘。学校のアイドル的な存在で、常に多くの友人たちに囲まれています。父親は街の闇の部分と繋がりがあるらしく、不可解な事故死をします。落ち込む自分に思いやりを持って接するノーマンに心を許し、一夜限りの関係を持ちます。後日ノーマンの告白を断り、彼の心をひどく傷つけてしまいます。

アレックス・ロメロ役/ネスター・カーボネル

街の保安官で謎多き人物。シェルビーの事を以前から疑っており、街の闇の組織とも繋がりがある様子。ノーマ達が犯した2つの殺人を隠ぺい工作しますが、理由は何故か語りません。

ザック・シェルビー役/マイク・ヴォーゲル

保安官でシェルビーの部下。ノーマに一目惚れして優しく接し、関係を繰り返して一緒になる事を望みます。しかし売春組織との繋がりがバレると態度をひょう変、秘密を知ったベイツ一家を殺そうとします。

ワトソン先生役/キーガン・コナー・トレイシー

転校してきたノーマンを気遣い、常に声をかけてくれます。ノーマンの繊細な部分を理解し、その才能に着目して小説を書くように勧めます。ある日、電話で泣きながら口論している所をノーマンに見つかり、秘密にしてくれるように頼みます。

気になる続きは!?アメリカではシーズン5が2017年に放映予定

アメリカでは、2016年3月からシーズン4が放映されています。日本では、2016年3月からWOWOWでシーズン2が放映となりました。RottenTomatoによると、シーズン1は81%、シーズン2は86%と徐々にスコアを上げ、2015年に放映されたシーズン3は批評家・視聴者スコア共に92%とかなりの高評価です。日本ではDVD発売もシーズン1のみの現在、一刻も早く続きが見たいですね‼︎