2019年6月3日更新

実写映画『シンデレラ』(2015)を原作&アニメ版と徹底比較!映画がもっと面白くなるトリビア6選

ヘレナ・ボナム=カーター『シンデレラ』(2015)
© Walt Disney Studios Motion Pictures/zetaimage

2015年に公開された実写版「シンデレラ」。リリー・ジェームズを主演に迎え、従来とは違う新たな映画として生まれ変わりました。今回はそんな『シンデレラ』の原作やアニメとの比較、撮影秘話など映画がもっと面白くなる情報を紹介します。

実写映画『シンデレラ』(2015)がもっと面白くなるトリビア6選

ディズニープリンセスの中では、白雪姫に次いで2番目に誕生したシンデレラ。1950年に製作されたアニメ版『シンデレラ』と、65年の時を経て2015年に公開された実写版『シンデレラ』、2作品の違いを原作とも比較しながら解説していきます。 また、現代によみがえった実写映画は、制作陣によるたくさんのこだわりが詰まった作品となりました。製作秘話も織り交ぜつつ、実写映画の見どころについても紹介していきます。

実写版『シンデレラ』のあらすじ・キャストはこちらをチェック!

1. ディズニープリンセス・シンデレラについて

『シンデレラ』(1950)
©RKO Radio Pictures/zetaimage

ウォルト・ディズニーが27年という月日をかけて構想を練り、製作に5年を費やしたアニメ版『シンデレラ』。アメリカでは1950年、日本では1952年に公開されました。これを元にディズニーが2015年に製作したのが、リリー・ジェームズ主演の実写版『シンデレラ』です。 映画に登場する主人公のシンデレラは、人にはもちろん動物たちにも優しく、動物たちに服を作ったり、亡き母のドレスを自分で手直しもする裁縫が得意な少女。ディズニープリンセスには珍しく、元は王族の生まれではありませんが、王子と結婚してのちに王女となります。

アニメ版『シンデレラ』のあらすじ

実母を早くに亡くしたエラ(シンデレラ)が、父が迎えた後妻トレメイン夫人と2人の義姉からその美貌を妬まれて、召使いとして扱われる日々が描かれます。 そんな中でも、明るく前向きに生きてきたシンデレラ。王子の帰国祝いと花嫁探しを兼ねた舞踏会への招待状が届きますが、意地悪な義母と義姉たちに、せっかく直した母のドレスも破かれてしまいます。 そこに突如現れたフェアリー・ゴッドマザーの魔法によって、彼女は舞踏会に参加し、王子に見初められるのです。

2. 実写映画『シンデレラ』の原作はグリム童話ではない

原作はフランスの童話『サンドリヨン』

アニメ版・実写版ともに原作はフランスの詩人シャルル・ペローが書いた童話『サンドリヨン』で、ヨーロッパ各地に伝わる民話がベースとなっています。同じ民話を元にしているグリム童話の『灰かぶり姫(アシェンプテル)』もよく知られていますが、ペロー版とは内容に違いがあります。 シンデレラが義母と義姉にいじめられる日々を過ごす中、舞踏会に行こうとするあらすじは同じですが、グリム童話では舞踏会は2晩行われました。シンデレラはガラスの靴ではなく、1日目には銀の靴、2日目は金の靴を履いています。ペロー版と違って、魔法使いやカボチャの馬車も出てきませんし、シンデレラを助けるのは白い小鳥でした。 グリム童話の『灰かぶり姫』というと、どうしても残酷なシーンを想像してしまいます。例えば継母が義姉たちのつま先とかかとを切ってまでガラスの靴を履かせようとするエピソードは、童話なのに実にホラーなテイストですね。 ちなみに“サンドリヨン”とはシンデレラのフランス語読み。シンデレラの名前は「エラ」であり、「シンデレラ」と呼ぶのは継母と義姉だけで、継母たちに灰で汚れた姿を「灰かぶりのエラ」=シンダー(灰)エラとからかったことからその名が付きました。

3. シンデレラは現代によみがえった実写映画でどう描かれた?

アニメ版から65年も経っていることもあり、2015年公開の実写映画では現代ならではの視点でシンデレラの人生が描き直されています。 例えば、アニメ版シンデレラは「信じていれば夢は叶う」とただ過酷な境遇に耐え忍んでいましたが、実写版シンデレラは自らの力で自分の大切な家を守り、肩書きのない状態の王子に惹かれていきます。 これは、受動的なヒロインが能動的な主人公に変わった大きな点。同じ変化が、実写版『美女と野獣』のベルにもみられます。白馬に乗った王子様を待っていたかつてのプリンセスたちは、自分で未来を切り開く自立した女性に生まれ変わってきているのです。 とはいえ、実写版のシンデレラも実に王道なストーリー展開を保持しています。親切心がいつか報われるといった道徳観を示し、外見だけでなく内面も美しいヒロインと王子が、ディズニーヴィランとして“悪”を代表する義母と義姉たちを“懲らしめる”勧善懲悪の物語となっています。

4. 実写版『シンデレラ』のドレス・衣装の魅力

ガラスの靴はクリスタル製、シンデレラのドレスには1万個のスワロフスキーが!

本作の監督を務めたケネス・ブラナーは作品の内容だけでなく、ビジュアルに関してもかなりのこだわりがあったようです。オスカー獲得のコスチュームデザイナーであるサンディ・パウエルが衣装を担当したほか、世界的に有名なジュエリーブランドのスワロフスキーがガラスの靴の制作を担いました。 クリスタル製のガラスの靴は221面を削り出した特殊な加工を施していて、青色のオーロラのように輝いています。また、シンデレラが舞踏会で着る衣装や魔法のステッキなどのコスチュームや小道具にも、合計170万個ものスワロフスキー・クリスタルが使用されてるとのこと!

リリー・ジェームズ『シンデレラ』(2015)
© Walt Disney Studios Motion Pictures/zetaimage

また一番の注目ポイントはなんといっても、シンデレラが舞踏会に着て行くブルードレス。なんとこのドレスには計1万個ものスワロフスキー・クリスタルが、1個ずつ付けられているそうです。同じようにリリー・ジェームズの髪の毛にもクリスタルが付けられているのが見えるでしょうか? このブルードレスは8バージョンが作られとか。生地をふんだんに使い何層にも折り重ねてあるため、それが淡い青と紫の影という色の違いを生み出し、ドレスが美し見えるようになっているのです。その8着のドレスはシーンごとに使い分け、1番美しく見えるドレスを使用したそうです。

舞踏会に歴代ディズニープリンセスのドレスが登場している

宮殿の華やかな舞踏会のダンスシーンには、歴代ディズニー・プリンセスのドレスをベースに作られたドレスがたくさん登場しています。 初代ディズニープリンセスである『白雪姫』の白雪姫から、2017年に実写映画が公開された『美女と野獣』のベル、中国を舞台にした『ムーラン』のファ・ムーラン、初のアフリカ系アメリカ人を主人公にした『プリンセスと魔法のキス』のティアナらのドレスを見つけることができます。舞踏会のシーンはドレスに注目してみてください。

フェアリー・ゴッドマザーのドレスにはLEDライトが

ヘレナ・ボナム=カーター『シンデレラ』(2015)
© Walt Disney Studios Motion Pictures/zetaimage

ヘレナ・ボナム=カーター演じるフェアリー・ゴッドマザーのドレスには、LEDライトが織り込まれており、呪文を唱えるたびに光るようになっています。 ドレスには星の刺繍やスパンコールもあしらわれました。

5. 実写版『シンデレラ』の歌とダンスに関するトリビア

リリー・ジェームズは主題歌「夢はひそかに」を歌っており、エンド・クレジットで流れていますが、この歌は1950年のアニメ版『シンデレラ』の主題歌として有名になった楽曲です。また同じくアニメ版の挿入歌「歌えナイチンゲール」も、劇中シンデレラが動物たちにエサをあげているシーンでハミングしています。 またエンド・クレジットでは、ヘレナ・ボナム=カーターが歌う「ビビディ・バビディ・ブー」も流れています。これも同じくアニメ版から親しまれている歌で、実写版のサントラには「夢はひそかに」と一緒に収録されています。

リチャード・マッデン『シンデレラ』(2015)
© Walt Disney Studios Motion Pictures/zetaimage

一方、キット王子役のリチャード・マッデンはダンスに少々苦労したようです。舞踏会でのダンスシーンのために2ヶ月以上練習をしたといいます。 なにより大変だったのは、リリー・ジェームズとそのドレスを支えながら踊ることだったそうです。マッデンによると、ダンス練習を始めた当初はかなり出来がひどく、ドレスが破れてしまったとのこと。そのかいあって、すばらしいダンスシーンになったのですね。

6. 実はエマ・ワトソンが演じる予定だった?キャストに関するトリビア

実写シンデレラの候補

エマ・ワトソン
©︎Dennis Van Tine/Future Image/WENN.com

リリー・ジェームズがシンデレラ役に決まるまで、何人もの候補がいたようです。オーストラリア人女優のベラ・ヒースコート、『スーサイド・スクワッド』でハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーがオーディションを受けていたほか、『ブルックリン』のシアーシャ・ローナン、『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデル、イギリス人モデル・女優のガブリエラ・ワイルドが候補に挙がっていました。 しかしその中でも一番シンデレラ役に近かったのが、「ハリー・ポッター」シリーズでハーマイオニーを演じたエマ・ワトソン。 ケネス・ブラナー監督からオファーを受けていたにも関わらず、自分とは役柄的に合わないと感じ、シンデレラ役は断っていたということが明らかになりました。その後エマは『美女と野獣』のベル役を受けることになるのですが、結果的にリリー・ジェームズのシンデレラ、エマ・ワトソンのベルでピッタリだったではないでしょうか?

『シンデレラ』と『ダウントン・アビー』で共演しているリリーとソフィー

ダウントン・アビー
©T.C.D / VISUAL Press Agency

シンデレラ役のリリー・ジェームズと義姉ドリゼラ役のソフィー・マクシェラは、イギリスのテレビドラマシリーズ『ダウントン・アビー』で共演しています。 しかし『シンデレラ』の役柄とは全く逆の役柄で出演しているのが面白いところ!リリー・ジェームズは『ダウントン・アビー』で貴族の家柄であるクローリー伯爵の従妹の娘ローズを、ソフィー・マクシェラはクローリー家のメイド・デイジーを演じています。

実写映画『シンデレラ』では幸せを自ら掴む!変容し続けるプリンセス

よく聞くいわゆる“シンデレラ・ガール”というと、棚ぼた的なラッキーガールのように感じますが、実写版『シンデレラ』のエラは決してただ遠い幸せを夢見ている少女ではありません。そして、ありのままの自分を誇りに思っています。 現代版のシンデレラは自分の幸せは自分で掴みに行く、自立型のプリンセス。シビアな現代を生きる少女たちは、白馬の王子様を待っている場合ではないのかも!?ありのままの自分を受け入れてくれる相手、それこそが自分にとっての本当の“王子”なのかもしれませんね。 歴代ディズニープリンセスたちも現代の変容の波にさらされ、アニメの実写化が増え続けている今、少しずつプリンセスのあり方も変わりつつあるようです。