2019年5月30日更新

『美女と野獣』ベルが最高のプリンセスである7の理由【実写版エマ・ワトソンと似たキャラ?】

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美女と野獣
©︎WALT DISNEY PICTURES

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『美女と野獣』ディズニープリンセスのベルはなぜ支持される?

アニメ版と実写版ともに注目!

美女と野獣
©T.C.D / VISUAL Press Agency

ディズニー映画『美女と野獣』はアニメ版と実写版が製作され、日本では1992年と2017年にそれぞれ公開されました。主人公のベルは、ディズニープリンセスの中でも自立したヒロインとして描かれ、特にエマ・ワトソンが演じた実写版ベルは、フェミニズムをふんだんに感じられるキャラクターとなっています。 ここではベルというキャラクターが「最高のプリンセス」として、なぜ女性から高い支持を受けているのか、アニメ版と実写版ともに注目してその理由を解明していきます。製作秘話やトリビア、エマ・ワトソンがベルに似ている点にもその秘密がありそうです。

1. 愛され続けるベルの性格 勇敢で優しいだけではない!

自分で行動するヒロイン。勇敢で、大きな夢を持っている

ベルは野心家で、大きな夢を持っています。彼女は小さな町の端に住んでいますが、本当は他のところに行ってみたいという思いを抱いていました。また困難に果敢に挑んでいく意志も持ちあわせ、ただ人生を無為に過ごすのではなく、目標を目指して生きている感覚を味わいたいという強い欲求を持つ女性なのです。 ベルは決して恐れる姿を見せません。そもそも、父親の代わりに野獣の人質になるなんて勇敢でなければできないこと。 他にも彼女の勇敢さを物語るエピソードがあります。ある時、ベルは馬に乗っていたところをオオカミに襲われました。彼女の馬は森の木に引っかかり身動きが取れない状態。そんな時でも彼女は逃げることなく、自身と馬を守るために大きな棒を掴むという勇敢さを見せています。

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人間の内面を見て、本物を見抜く力を持つ

人間の内面をしっかりと見ることができるのは、一種の能力かもしれません。ベルは町の英雄で人気者のガストンの外見に騙されることなく、野獣の心に優しさを、ガストンの心には醜さを見出しています。 そして、野獣を外見で判断することは決してありませんでした。他のディズニー映画ではヒロインがハンサムで背の高い王子と恋に落ちることがほとんどですが、ベルは違います。外見に惑わされることなく、時間をかけて野獣の美しい魂に惹かれていったのです。 そんな性格が形成された所以は、もしかしたらベルの趣味である読書にあるのかもしれません。空想にふけるのが大好きな、ちょっと変わった女の子ではありますが、様々な本を読むことで多くの知識を得て、想像力豊かになり、人の心も察することができるようになったのではないでしょうか。

何があっても家族を大切にする

母親を幼くして亡くしたベルは、父親に育てられました。変わり者の発明家である父親が町の人々に見下されていても、ベルだけはいつも父親の味方。 父親と一緒にいることで風変りと思われ、友達すらなかなか作れずにいますが、それでも父親を責めることなく愛し続けています。それは、野獣がベルの父親を捕えたとき、父の身代わりになって城に残るほど深いもの。彼女の家族に対する愛は計り知れません。

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2. 愛することを恐れず、愛する者のために戦うプリンセス

ベルはどんな状況に陥っても受け身にならず、“犠牲者”にならない女性。彼女が牢屋に入った父親を発見した時に放った最初の一言は、「誰がこんなことをしたの?」。すぐに「私はあなたの元を離れないわ」と言って父親を安心させます。 物語のクライマックスでは、ベルは野獣を倒そうとする町の男たちに、野獣は悪者ではないと説得しようとします。ベルは愛する者のためなら、どんな危険な事でも恐れない勇敢なプリンセスなのです。 ベルにとって最も重大な決断だったのは、野獣を愛すると決めたことでしょう。野獣に恋をすることが普通ではないことは、誰の目にも明らかです。野獣がベルを抱きしめた時、彼女は思わず抵抗してしまいます。しかし最終的には野獣の心の内面に恋し、そのままの野獣を愛するという決断をするのでした。

3. ベルの生き方は人々をより良い人生へと向かわせる

ブルーは良い人の象徴!?

『美女と野獣』は“色”がとても重要な役割を担っていた作品です。ベルが住む村で、ベル以外に青い服を着ている人物は登場しません。本作において青は“善”を象徴するカラーであり、またベルの孤独や悲しみを強調する役割を担っていました。一方、ガストンを見れば明らかなように、赤は本作で“悪”を象徴するカラーです。 野獣がガストンを殺さないでいたのは、ベルの心を知り、彼女を愛していたからでした。城の突端でガストンを掴んで落とそうとしたその一瞬、野獣はガストンと以前の自分を重ね合わせたのです。ハンサムであることを鼻にかけ、とても我儘で傲慢だった以前の自分の姿を。 しかし野獣は、ベルと知り合って人間の内面は変えることができるということを学びました。野獣はそこでガストンに生きるチャンスを、過ちを償うチャンスを与えています。なにが野獣をそこまで変えたのでしょうか? もちろん、ベルは他のディズニープリンセスと同じように外見も美しい女性。しかし野獣が恋をしたのはその外見ではなく、ベルの優しい心でした。彼女と過ごすうち、彼女の美しい心が野獣の行いを少しずつ変えていったのです。

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4. 黄色いドレスとダンスシーンの秘密

美女と野獣
©︎WALT DISNEY PICTURES

ベルが野獣と踊る時に着ていたアイコニックな黄色いドレスは、『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンのドレスにも似て、とてもエレガントで高貴なイメージがあります。実は黄色という点にある秘密が! 黄色には知識欲が強く、好奇心旺盛という意味合いがあり、さらにチャレンジ精神を示すカラーでもあります。ベルにぴったりな色ですね。 アニメ版と実写版のドレスは色も形もほとんどそっくりです。これは実写版の衣装デザインを務めた、ジャクリーヌ・デュランがアニメ版をオマージュしたため。 アニメ版ベルは中世ヨーロッパの女性には当たり前だったコルセットを着けていますが、実写版のドレスにはコルセットが使用されていません。これは動きを制限するコルセットに疑問を抱いたエマ・ワトソンの主張によるもので、自由な女性を表現する上で重要だったようです。 また、本作の印象的なダンスシーンは、フランス印象派の画家ドガの作品を参考にしたといいます。アニメ版の作画を担当したジェームズ・バクスターはドガ作品を通して、ダンスに必要な優雅さや自然な動作をとらえようとしたそうです。

5. ちょっと変わった、ディズニー異例のプリンセス

アニメ版『美女と野獣』は、1992年のアカデミー賞作品賞にノミネートされています。それ以降ディズニーアニメ作品では『カールじいさんと空飛ぶ家』と『トイストーリー3』が作品賞にノミネートされましが、いまだディズニープリンセスとしては、たった一人のノミネート経験者なのです。 またベルは、ディズニープリンセスの中で唯一、自身のテーマソングを歌わないキャラクター。さらに2003年にアメリカ映画協会が選出した「ヒーロー&ヴィランベスト100」にリスト入りした唯一のディズニープリンセスでもあり、かなり一味違うプリンセス像を作り出しているといえます。 人気者のガストンに見向きもしないベルは、やはり町の女の子たちからも変わり者と思われています。ガストンがベルに派手なプロポーズをしても、彼女はまったく心動かされない様子。ベルがガストンをあしらう様は見ていて実に爽快ですが、ベルが普通の女の子ではないとわかる秀逸なシーンでもあります。

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6. 実写『美女と野獣』のベルはエマ・ワトソン。エマとベルは似ている?

実写版『美女と野獣』でベルを演じたのは、「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニーで世界的に有名になったエマ・ワトソン。実は映画公開前から、ベルとエマは内面的にも非常に似ていると話題になっていました。 元々幼い頃からアニメ版『美女と野獣』を観て、ベルに憧れていたというエマ。そういえば、ハーマイオニーという役柄もベルに似て、本が大好きで好奇心旺盛な行動力ある女の子でした。 『美女と野獣』の中で町中の女性がガストンに憧れるような、“金や権力を持つ男性との結婚”が幸せのゴールだとはまったく思っていないベル。エマも同様に、自らの意志で自分の道を決め、大学で学んで国連で活動するなど、女優としても一人の女性としても自立した人生を送っています。

7. ベルのモデルは『若草物語』の次女ジョー

アニメ版ベルのキャラクターは映画『若草物語』(1933)で、キャサリン・ヘップバーンが演じた四姉妹の次女ジョーから多大な影響を受けて作り上げられたといわれています。 本が好きで活発、頭のいいベルの性格はここからきているようです。

ベルのアニメ声優もキャラクターのヒントになっていた

アニメ版『美女と野獣』の収録時、制作陣は声優が声を当てている様子をビデオ撮影していました。ベルの声を演じたペイジ・オハラによると、このときの自分の癖や仕草がベルに反映されていると、アニメ映画公開25周年に行われたインタビューで明かしています。 あの印象的な、垂れた前髪をかき上げる姿はペイジ・オハラの仕草にそっくりなんだそうです。

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『美女と野獣』のプリンセス・ベルが教えてくれること

美女と野獣
© Walt Disney Studios Motion Pictures

『美女と野獣』のベルが最高のプリンセスであるといわれるのは、心美しく自立したヒロインに世の女性たちが価値を見出しているから。そして、実写版ベルを演じたエマのように、これからはもっと自ら考えて行動していく女性が活躍する時代になっていくでしょう。 ベルが作品を通して教えてくれたことは、学び続け謙虚であること、内面の美しさを磨くこと、そして自らの意志で決めたことに責任を持つこと。できる限り、エマのように、憧れのベルに近づきたいものですね。