『弱虫ペダル』今泉がアニメ版で『ラブヒメ』ファンに！？

インターハイで総北高校の主将である金城真護のアシストを務めた人物が、当時1年生だった今泉俊輔です。オールラウンダーとして高い能力を持ち、中学時代から既に県内のレースで頭角を現していました。 5月18日生まれのA型で、181センチメートルという長身の持ち主です。「世界最速」という目標のもと、恵まれた体格に加え努力を怠らずかなり負けず嫌いな性格をしています。普段はクールであるかのように見せかけていますが、本当は感情の振れ幅が大きいアツい心を持っています。 「冷静な計算に基づくライディング」を売りにしているものの、根は勝負にこだわる性格であるため気持ちに左右されているところもしばしば。ストーリーが進むにつれて今泉が理性を解き放ち、感情的な走りを見せることが多くなっています。

千葉の総北高校に入学した今泉は、学校の裏にある激坂を歌いながらママチャリで登る小野田坂道を目撃して驚愕し、興味から競走を仕掛けました。初心者であるはずの坂道が自分に追いついて来ることに再び驚き、登坂の才能を見出します。 友達が欲しい一心で食らいついてきた坂道の能力に気づき、自転車競技の世界に引き込んだ今泉は、かなり大きな役割を果たした重要な人物とも言えます。

『ラブヒメ』は坂道がハマっている架空のアニメで、主人公の姫野湖鳥（ひめのことり）が歌うテーマソング『恋のヒメヒメぺったんこ』をたびたび口ずさんでいます。 アニメ『弱虫ペダル』では本編後のCパートで、今泉が回を重ねるごとに『ラブヒメ』にハマっていく姿が描かれています。普段のクールな性格からのギャップが大きく、ファンの間で話題を呼びました。 お風呂に浸かっている時に思わず『恋のヒメヒメぺったんこ』を歌ってしまったことにはじまり、『ラブヒメ』のグッズやCDに興味を示し、アニメの放送時間を覚えて毎週観るまでになっています。 最終的には坂道と一緒に映画館で劇場版を鑑賞し、姫野湖鳥を演じている田村ゆかりの演技を褒めるなど、着実にアニメオタクの道を歩んでいるようです。

今泉が私服として着ている、うさぎのプリントがついたTシャツが反響を呼んでいます！ 原作者によると、今泉のイメージ動物はうさぎとのこと。この私服はその設定から生まれたもののようです。鳴子章吉が着用しているトラのTシャツと合わせて、実際に秋田書店のオンラインストアで商品化されています。

オールラウンダーの今泉は、SCOTTの自転車を愛用しています。2006年モデルのTeam Issueや2011年まで生産されていたScott Addictを参考にデザインされていて、青と白のカラーリングは漫画オリジナルであるようです。 SCOTTはスイスに本部があるメーカー。2001年には世界で初めて1㎏を切るフレームの開発に成功し、高い技術力を持っていることで知られるブランドです。

ストイックで決して努力を怠らず、生まれながらの才能も持ち合わせる今泉。しかしそんな彼にも、メンタルが弱いという弱点があります。今泉がさらに努力を重ねるようになったきっかけは、ある大会で準優勝という結果に終わったことにありました。 中学の頃から実力があり、その日も今泉は優勝を目指してトップをひた走っていました。そこへやってきたのが御堂筋翔（みどうすじあきら）です。御堂筋は「お母さん事故って救急車で運ばれていったよ」と今泉に話しかけます。 それは全くの嘘で精神攻撃の一つに過ぎなかったのですが、真に受けてしまった今泉は失速。優勝した御堂筋に大差をつけられてしまいました。このことを期に今泉はさらに厳しい練習を重ねるようになります。努力を積み重ねて自信をつけることで、メンタルの弱さをカバーしているのです。 高校生になった今泉は、京都伏見に進学した御堂筋にインターハイで再会。レース中幾度も精神攻撃を仕掛けられます。中学時代の雪辱を果たそうと誓いますが、御堂筋の圧倒的な実力に心が折れてしまいます。 そんな今泉を救ったのは総北高校の主将、金城真護でした。「チームのために走れ」と声をかけられた今泉はなんとか出走し、心にわだかまりを残したままペダルを踏み続けます。 エースという重責を背負い、最後のインターハイにかけた金城の勝利への執念を見て、今泉はチームの勝利のために走ろうと考えるようになります。そして自分一人で走っているのではなく、チーム6人で力を合わせている、仲間がいると思えるようになった今泉は、精神面で大きく成長することができたのです。

インターハイで御堂筋と対決した時のセリフです。精神攻撃にも屈することなく、誰よりも前を走ろうとペダルを踏み込みます。歯を食いしばる今泉の表情は、メンタル面で一回り成長した証であると言えそうです。

金城が欠けた先頭集団で代わりのエースは誰かと問われ、箱根学園の福富寿一に対して放った言葉。尊敬する金城の意志を受け継ぎ、自分がエースとしてチームを引っ張っていくという覚悟の強さが感じられる一言です。

アニメ『弱虫ペダル』で今泉を演じているのは、声優の鳥海浩輔です。1973年生まれの神奈川県出身で、 1996年に『新世紀GPX サイバーフォーミュラSAGA』でデビューしました。 お茶目な性格をしていて、『弱虫ペダル』のラジオに出演した際はおちゃらけたキャラの今泉で登場しパーソナリティーの笑いを誘っています。またインターハイでの御堂筋との戦いを振り返り、今泉を演じることができて楽しかったと感想を話しました。