「ガンダム」ニュータイプとは?強さを秘めたキャラ一覧をランキング形式で紹介
「ガンダム」に登場するニュータイプとは何?キャラ一覧もランキングで紹介
ニュータイプとは、宇宙世紀を題材にした「ガンダムシリーズ」に登場する概念のこと。ジオン・ズム・ダイクンと、その思想であるジオニズムによって出現が預言された存在です。宇宙空間において、過酷な環境に適応した“新人類の革新”と呼ばれました。 こうしたニュータイプへの覚醒には心身への強いストレスが必要になり、多くの場合は危機的状況や親しい者との別れが契機になったとのこと。また認識能力の拡大により、刻(時間)を事象として認識する境地に至った者が数名のみですが存在しています。 ※この記事は「ガンダム」シリーズのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
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ニュータイプの概念を歴史と合わせて紹介!
ジオン・ダイクンが提唱した概念
作中で最初にニュータイプの存在を提唱したのは、シャア・アズナブルの実父であり、ジオン共和国創始者ジオン・ズム・ダイクンです。ジオンが唱えた概念は、「地球を巣立った人類が、宇宙環境に適応するために進化した存在」というものでした。 宇宙という広大な生活環境を手に入れた人類は、洞察力や空間認識能力が拡大し、互いに誤解無く意思疎通することが可能に。人類全てがこの状態に達した時、それまでなしえなかった不要な争いを防ぐことができるのです。 この概念は後に理論としてまとめられ、やがてジオニズムの母体となりました。 ジオンの説によると、ニュータイプは宇宙に住む「スペースノイド」の中から誕生するとのこと。しかし地球で生まれ、ある程度まで生活した者もいるので、素質そのものは出自に左右されないようです。
ニュータイプの歴史
ジオンの死後、一年戦争におけるアムロ、ララァ・スンなどの出現により、ニュータイプの存在は現実のものとなりました。しかし同時に、彼らがモビルスーツパイロットとして戦い資質を有したために、それに関するいくつもの研究機関が設立され始めます。 やがて『機動戦士ガンダムUC』の時代、宇宙世紀0096年になると、パイロット適正や軍事利用の実態から本来の概念は薄れていくことに。可能性しか示さない彼らに民衆は飽き、もはや“撃墜王”と同義になっていると語られています。 さらに後年の『機動戦士ガンダムF91』の時代、宇宙世紀0123年でも、ニュータイプは“モビルスーツに関するエキスパート”という認識が一般的。 しかしニュータイプの一部では、本来の概念に近い認識を持つ者が存在することが伺えました。これ以降の時代ではニュータイプ自体が稀少になり、半ば伝説視されているとのこと。
ニュータイプのキャラの強さをランキングで紹介!
これから「ガンダム」シリーズに登場するニュータイプのキャラクターの一部である6人をランキング形式で紹介していきます。精神的強さ、肉体的強さ、カリスマ性の観点からそれぞれ5点満点で評価してランキングをつけました。好きなキャラクターがランクインしているか必見ですね!
6位:ララァ・スン
■神的強さ:★★★★★ ■肉体的強さ:★ ■カリスマ性:★★★★ ■計10点 一年戦争の最中、シャア・アズナブルによってニュータイプ能力を見出された、ララァ・スン。ニュータイプの研究を行うフラナガン機関で養成され、ジオン軍の少尉として戦争に参加しました。 ララァの能力は非常に高く、サイコミュを搭載したモビルアーマー「エルメス」を駆って、ソロモン攻略戦後は“ソロモンの亡霊”と恐れられることに。ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロとは、戦場において互いの意識を共鳴させています。 しかし共鳴中に割って入ったシャアを庇い、ララァは戦死。生と死の狭間のほんの一瞬、ララァはアムロと意識を共振させ、2人は未来のビジョンを垣間見ることになりました。
6位:カミーユ・ビダン
■精神的強さ:★★ ■肉体的強さ:★★★★★ ■カリスマ性:★★★ ■計10点 カミーユ・ビダンは、数々の覚醒したニュータイプの中で、最も研ぎ澄まされた能力と感性を持つ青年です。特に他者と「共感する力」が鋭く、幼い頃から感受性が強すぎたことにより、繊細で起伏の激しい性格に育ちました。 カミーユはグリプス戦役を戦う中で、感覚が精鋭化され過ぎてしまい、戦場に満ちる悪意・悲しみを強く感じ取るように。無制限に拡大していく能力が精神を押し潰し始め、最終決戦へ向かうに連れて異常な行動が見られるようになっていきます。 最終決戦では、見事に宿敵シロッコを討ち果たしたものの、断末魔と共に発せられた悪意の光を浴びてしまうカミーユ。それすらも取り込んだことで精神は限界を迎え、ついに精神疾患を発症してしまいました。
4位:パプテマス・シロッコ
■精神的強さ:★★★ ■肉体的強さ:★★★★ ■カリスマ性:★★★★★ ■計12点 木星資源採掘船「ジュピトリス」の責任者であり、劇中ではシャアやハマーンと並んで屈指のカリスマ性を持つ人物です。木星圏での過酷な環境によって、後天的に「ニュータイプ」へ目覚め、ティターンズを簡単に牛耳ってしまいます。 政治家からエンジニアまで幅広い才能を持ちわせており、また自分の懐に入れた者はオールドタイプ、ニュータイプを問わず守ろうとします。しかし、決して博愛主義者ではなく、あくまで「才能がある者」に限定し、自分の主義主張を認めない者は排除するのです。 最期はカミーユとの一騎打ちによって、怒りに基づく「体を通して出る力」に圧倒され、ウェイブライダーの特攻を食らってしまいます。しかし、ただでは死なず、カミーユの精神崩壊という大きな爪痕を残して死にました。歴代でも屈指の強者といえるでしょう。
3位:ハマーン・カーン
■精神的強さ:★★★★ ■肉体的強さ:★★★★ ■カリスマ性:★★★★★ ■計13点 小惑星基地アクシズ、及びネオ・ジオンの実質的指導者として君臨したハマーン・カーン。幼い頃にニュータイプの素質を見出され、ジオン公国の機関で養成されていました。非常に高いニュータイプ能力、パイロットとしての卓越した技量を持っています。 劇中では、搭乗するキュベレイの性能を充分に発揮し、一騎当千の戦闘力を見せました。グリプス戦役においては、メールシュトーム作戦中にカミーユと対峙。その際、互いに真相意識に眠る記憶を感知するほど共鳴を果たすものの、その胸中を知られたことに怒りを覚えています。
2位:シャア・アズナブル
■精神的強さ:★★★★ ■肉体的強さ:★★★★★ ■カリスマ性:★★★★★ ■計14点 シャアは一年戦争から第二次ネオ・ジオン抗争まで、アムロと並んで何かと活躍し続けた稀代のニュータイプです。本名は「キャスバル・レム・ダイクン」でありながら「シャア・アズナブル」「クワトロ・バジーナ」という偽名で暗躍していました。 一年戦争では「落ちた貴族の子」として、ジオン公国を乗っ取ったザビ家への復讐を目的に動き、紆余曲折を経てザビ家を滅ぼしました。しかし、一方でララァ、レコア、ハマーン、クエスなど女性関係で難がある人物としての特徴も描かれています。 パイロット及び政治家として優れた技量とカリスマ性を持ちながら、最期はライバルであるアムロと共に散っていきました。ニュータイプとして優れた才能と肉体的な強さを持ちながら、精神面が伴わなかった人物という印象が強いのではないでしょうか。
1位:アムロ・レイ
■精神的強さ:★★★★★ ■肉体的強さ:★★★★★ ■カリスマ性:★★★★★ ■計15点 歴代のガンダム主人公の中でも、最強のパイロットの資質を持つとされるアムロ・レイ。一年戦争中、ジオン軍との激戦を経てニュータイプへと覚醒していき、宿敵シャア・アズナブルと数々の死闘を繰り広げます。 初陣では、訓練も受けていない民間人ながらガンダムを操り、ザク2機を撃破する戦果を挙げています。宇宙へ上がった後も、ソロモン攻略戦などで敵艦隊を次々と撃沈。機体を問わず、その性能を限界まで引き出す腕前を披露しました。 それと同時に、ララァ・スンとの出会いでその能力に磨きをかけるアムロ。敵として戦場で邂逅し、ニュータイプ同士の交感を果たすものの、シャアを庇ったララァを戦死させてしまいます。この時にララァの死を共感したことは、アムロにとって生涯忘れられない出来事になりました。
ハサウェイ・ノアはニュータイプだったのか?
「逆襲のシャア」でパイロットとして登場するブライト・ノアの息子であるハサウェイ・ノアはニュータイプではありません。こちらに関しては、小説「閃光のハサウェイ」で自ら「ぼくには、ニュータイプ的な才能はない」とはっきり断言しています。 なぜハサウェイがニュータイプと疑われるのかといえば、パイロットとしての才能です。アムロとシャアには及ばないまでも、戦闘シミュレータではシャアに高く評価されたクエスと同じ撃墜数を誇ります。しかも、怒り任せとはいえ、チェーンを撃墜しているのです。 オールドタイプではありながら、ニュータイプに引けを取らない才能と活躍を見せています。また、マフティーのリーダーを任されてており、父親譲りのリーダーシップを持ち合わせている人だと言えるのではないでしょうか。
人工的なニュータイプとは?
強化人間
強化人間とは、投薬や暗示などの人為的な精神操作によって、強制的にニュータイプ能力に覚醒させた人間のことです。強化人間には人工移植によって、機械的に身体能力を強化するケースがあり、生来の能力を人工的に高める術も開発されました。 実戦投入されたのは“グリプス戦役”以降であり、フォウ・ムラサメやロザミア・バダムなどの例が存在。ニュータイプとの間に能力的な差は無く、両者の間にも共鳴は起こります。ただし強引な覚醒の代償として、多くの場合は精神の均衡が崩れ、最悪の場合は精神崩壊や死に至ることがあります。 後世の技術発展により、一般のパイロットでもサイコミュを使えるようになると、強化人間の技術も相対的に消失していきました。
サイコミュ
サイコミュは、ニュータイプが発するサイコウェーブを利用し、機体内外の装置制御を行うシステム。ジオン公国のフラナガン博士が指揮を執る、フラナガン機関で開発されたサイコ・コミュニケーターの略称です。 このシステムを使用することで、ビットやファンネルに代表される遠隔誘導端末を精密に操作することが可能になります。例えば複数の標的を同時に認識・攻撃するなど。その結果、機体のレスポンスを大幅に向上し、思い通りに操ることができるようになりました。 しかし当初は、システムがどうしても大規模になるため、ニュータイプや強化人間にしか扱えないというデメリットも。一般人でも使用可能になったのは、技術の進歩で小型化したものが開発されてからです。 一部の作品では、未知の部分が多く危険だと言われていますが、それでもなお開発が進められています。
ニュータイプに託される想い
ニュータイプの概念を本来の意味で捉え、人類の革新が主導する平和な世界を目指していたのが、シャア・アズナブル。ジオンの遺児だったシャアは、ララァとの出会いでその概念が実在する可能性を感じ、アムロの出現で確信を持つようになります。 そして、2人のような理想的な存在に、新たに訪れる世界を導いて欲しい。と、高い戦士の資質を持つ存在と理解しながらも、生涯に渡って願い続けるようになります。ララァが戦死し、シャア自身がニュータイプに覚醒した後も、その思いは変わりませんでした。 しかし皮肉なことが起こり、彼らの存在が取り挙げられるほど、「オールドタイプ」という対義語を生み出すことに。これはやがて選民意識へと発展し、特に若者たちにとっては一種のステータスの拠り所となってしまうのです。
「ガンダム」シリーズの生みの親!富野由悠季はニュータイプをどう捉えているか
これまで長きに渡って、ニュータイプの概念が複雑になった一因として、生みの親である富野由悠季の存在があります。当初は、「物凄いことを思いついた」と歓喜した富野でしたが、様々な事情から疎ましく感じるようになっていったとのこと。 これ以降、作品の中で概念の否定と肯定が同時に行われるような、奇妙な状態が見られるようになります。富野は一時期、“ニュータイプは失敗だった”と明言したことさえありました。 しかし後に、2005年から公開された劇場版『機動戦士Zガンダム』にて、ようやく結論が出せたと明かしています。富野曰く“真のニュータイプ”とは、これまでの精神的な共感に加え肉体的な体感を持ち、それを活かして隣人を大事にできる人間。なのだとか。 劇場版のカミーユは、周囲との触れ合いを大切にし大切な女性との繋がりを得て、戦場での悲劇を成長の糧として受け止めるようになります。精神疾患を発症せず帰還を果たし、全てを乗り越える強さを手に入れたその姿こそ、究極的なニュータイプであると語られました。
「ガンダム」ニュータイプは精神・肉体ともに圧倒的な強さをほこる人物たちだった!
最初は富野監督の思いつきから始まったニュータイプですが、今ではその定義も中身も大きく変わりました。第六感に近いエスパー能力から、圧倒的な肉体の強さまで含めると、この設定は慧眼だったのではないでしょうか。 ガンダムシリーズには様々なニュータイプに着目しながら見ていくと、より深く宇宙世紀ガンダムの世界観・物語を楽しめるでしょう。
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