2017年7月6日更新

キラー・クロックのおさえておきたい15のこと【スーサイド・スクワッド出演】

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スーサイドスクワット

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キラー・クロックは『スーサイド・スクワッド』の一員!

悪役たちが世界を救う!?アメコミの世界に登場するヴィランたちが、減刑と引き換えに危険な任務を請け負う姿を描く『スーサイド・スクワッド』。この映画に登場する悪役の一人「キラー・クロック」について紹介します!

1.キラー・クロックの初登場はいつ?

「キラー・クロック」はバットマンの強敵の一人ですが、1940年代から続くバットマンコミックシリーズの中では比較的遅い登場でした。 初登場は1983年。読者がその恐ろしい外見を目にし、彼の名前を知るのは1983年3月の「バットマン#357」のエピソードです。しかしその一ヶ月ほど前の「デテクティヴ・コミックス#523」の中で既に、キラー・クロックは陰に隠れた謎のヴィランとしてその存在がほのめかされています。 それ以降彼の詳細が少しずつ明らかにされていきます。

2.キラー・クロックの外見は実際の現象に基づいている

キラー・クロックと言えば、そのウロコに覆われたワニと人間の中間のような外見が有名ですね。いかにも想像上の悪役、といった見た目ですが、実は思っているほど現実の世界からかけ離れた設定ではないようです。 彼がこのような姿に生まれついたのは「退行隔世遺伝」がはたらいたため、という設定になっています。退行隔世遺伝とは、新しく生まれてくる動物に進化によってずっと昔に失われたはずの遺伝子が見られること。キラー・クロックの場合はヒトの大昔の先祖であるハ虫類の軌跡が目に見える形で現れたのです。 実際に彼ほどの退行隔世遺伝が起こることは確認されていませんが、皮膚がワニの表皮のように硬化する症状は広く知られています。

3.キラー・クロックには悲しいバックストーリーがあった

コミックに登場する多くの悪役のように、キラー・クロックにも悪の道を選ぶに至るきっかけとなった悲しい過去がありました。 彼の本名はウェイロン・ジョーンズ。母親は出産の際に命を落とし、また父親もそのワニのような見た目を恐れて彼を捨ててしまいます。そのため、伯母のもとで育てられることになりますが、この伯母はアルコール中毒で常にウェイロンを虐げてきました。また、その奇妙な外見のせいで他の子どもたちにも絶えず苛められます。 ある日、ついに我慢ができなくなったウェイロンは伯母を殴り殺し、その肉を食って家を出て行きます。彼の人間に対する憎悪は、小さな頃からいつも虐げられてきた過去によるものなのです。

4.キラー・クロックの名前の由来は?

若い頃から問題行動を繰り返してきたウェイロンは、幾度となく少年院や刑務所に送られ、仮出所するまで人生のうちなんと18年を囚人として過ごしました。 その後彼が見つけた居場所、それはカーニバルなどで行われる見せ物ショー。ウェイロンはそこで本物のワニと格闘するショーを催します。超人的なパワーを持つウェイロンは巨大なワニの背骨を素手で折ってしまうことができ、そこでこそ彼は「キラー・クロック」の名を与えられるのです。 人間よりもはるかに協力な猛獣相手に格闘を続けてきたため、もちろん普通のヴィランじゃ彼に太刀打ちなどできないのです。

5.キラークロックの能力は?

キラー・クロックは生まれつき、ワニのような見た目だけでなく、超人的なスーパーパワーをも持ち合わせており、もはや不死身とも言える強さを誇っています。 彼が持ち上げることのできる重さは、軽く見積もっても2トンは超えると言われており、またその皮膚は大きな防弾チョッキのような役目を果たし、大きな弾で撃たれてもへっちゃら。さらに驚異的な回復能力を誇っており、自分の手をちぎって手錠から脱した後も、新しい手が生えてきました。 そしてもちろん想像の通り、水の中であれば彼は真に無敵の存在。泳ぎは速く、追う相手を絶対に見失うことはありません。相手の匂いを一度かげば、キラー・クロックは一生それを忘れることなく、何キロも離れた遠いところから見つけることができるのです。

6.他の悪役とチームを組むのが好き

キラー・クロック自身は体力は驚異的なのですが、頭の回転はあまり速くない方です。ですから、彼はしばしば自分よりも頭のいい悪役と手を組むことがあります。 コミックの中でキラー・クロックはジョーカーと共に活動していたことがあります。またジャスティス・リーグに退行する悪人チームである「シークレット・ソサエティ・オブ・スーパーヴィランズ」の一員でもあります。

7.キラー・クロックはカニバリスト!?

自分の伯母を殺して食べた、ということからも分かりますが、キラー・クロックは人肉を食べるカニバリストでもあります。しかしその度合いは初登場から今まで、描かれるタイミングによって異なります。 人間とワニのミュータントであるキラー・クロックは、徐々に人間的な部分が失われ、より獣的で野生なコントロールできないワニの部分に支配されていく設定になっています。脳の人間性が失われ野生化していくに連れ、彼の人肉に対する欲望も大きくなっていき、最終的には抑えられないものにまでなってしまうのです。 ゴッサム・シティにおいて「人肉を食べるワニ人間」は都市伝説であると信じられています。よく注意してみると映画『ダークナイト・ライジング』には、警官が「下水管に住む食人ワニ」について会話しているシーンもあります。これは明らかにキラー・クロックのことですね。

8.ジェイソン・トッドがロビンとなるきっかけを作ったのはキラー・クロック

2代目ロビンであるジェイソン・トッドは1代目のディック・グレイソンと同じく、サーカスの曲芸師一家に生まれた少年でした。団長であるグレイソンはキラー・クロックがサーカス団に対して何らかの悪事を企てていることを嗅ぎ付けると、ジェイソンの両親であるトリーナとジョゼフに彼を尾行するように命じます。 しかしゴッサム・シティ動物園において二人の尾行に気がつき、無惨にも彼らを殺害してしまいます。 こうして孤児となったジェイソンは、キラー・クロックに対する憎しみを心に抱えながら、ゴッサム・シティの闇の世界と戦う2代目ロビンとなるのです。

9.キラー・クロックは完全なる悪人ではない

確かにキラー・クロックは殺人や強盗を繰り返し、さらに人肉を食べるという恐ろしいヴィランですが、100%悪に染まっている訳ではありません。彼の中にもまだ人間的な優しい心が残されているのです。またベインやヴィクトル・ザーズといった他の悪党を嫌っているという側面もあります。 そんな彼の善き一面が見られるエピソードが「バットマン#471」です。 ある時地下の下水管に逃げ込んだキラー・クロックは、そこに住むホームレスの人々と仲良くなります。彼は今までこんなにも優しく、人間らしく接してもらったことがなかったからです。そのお返しとしてキラー・クロックは彼らの住環境の改善のために努力します。 その後彼はバットマンに追われ、一対一で戦うところまで来ましたが、その時下水管の中で壁が弱り水があふれそうになっていることに気付きます。するとバットマンと協力して壁を支え、ホームレスの人々を避難させることにしたのです。さらに彼は「自分が水を抑えるから、マーシーおばさんという名の女性を救うように」と伝えます。 バットマンは無事マーシーおばさんを救助しますが、その時壁は崩壊し、キラー・クロックは勢いのある水に流されてしまいます。彼は死にはしませんでしたが、自分の身を犠牲にしてまで他人を助ける優しい心があることが明かされます。

10.映画『スーサイド・スクワッド』でもヴィラン以外の一面が見られる?

2016年9月10日公開の映画『スーサイド・スクワッド』に出てくるキラー・クロックの独房は薄暗く、湿っていて、とても陰鬱な雰囲気が漂っています。しかしよく見てみると、背後に小さな像のようなものがたくさん写っています。なんとこれらはキラー・クロックの作ったネコの彫像なのです!
「このネコたちはキラー・クロックの仲間たちなのさ」「彼が小さな頃に飼っていたネコかもしれないし、倒した人間一人ひとりに対して作るトロフィーのようなものかもしれない。いずれにせよ、彼はとてもクリエイティブなんだ。」
引用:bustle.com
そう語るのは映画でキラー・クロックを演じるアドウェール・アキノエ=アグバエ。 デイヴィッド・アイヤー監督はキラー・クロックの優しく創造的な一面をしっかりと見せることで、彼が獣的で残忍に振る舞わなければいけない時と対比させているのです。

11.『スーサイド・スクワッド』が初の実写映画デビュー!

長く愛されているキャラクターであるにも関わらず、キラー・クロックは今まで一度も実写映画に登場したことはありません(アニメーションやゲームの世界には少々顔を出しています)。2016年の『スーサイド・スクワッド』が初のスクリーンデビューなのです。 はじめはこの『スーサイド・スクワッド』にも、彼の代わりに別のヴィラン「キング・シャーク」が登場する予定でした。しかし、キング・シャークを出すならば完全にCGに頼らなければいけないと知ったアイヤー監督は、この案を取り下げます。費用がかさむし、また俳優に実際に演技をしてもらいたい、というアイヤー監督の強い思いがあったからです。 そうして代わりに選出されたのがキラー・クロックでした。

12.キラー・クロックはスーサイド・スクワッドに加わったことはない

スーサイド・スクワッドを構成するメンバーのほとんどは、原作コミックから取られていますが、映画版にはいくつかの変更点があります。女戦士カタナはスーサイド・スクワッドと関連づけられることは今までありませんでしたし、キラー・クロックもまた然り。 彼は道理を説いたり、共感することがなかなか難しい「ザ・悪党」。ですので、コミック作者たちも彼のスーサイド・スクワッド加入に反対はないようです。実際、映画が公開されるのと同じ時期にスーサイド・スクワッドの新シリーズである「スーサイド・スクワッド:リバース(原題)」というコミックが発売されることになっています。

13.キラー・クロックのメイクには5時間かかる

特殊効果に頼らず実際の役者を使いたい、との思いからキング・シャークに代わって仲間入りを果たしたキラー・クロックですので、もちろん彼の容姿はCGではなくてメイク!一回メイクをするのに5時間もかかるそうです。 頭と肩部分は人工的に作られたパーツで、アドウェール・アキノエ=アグバエの皮膚に接着されます。肩以下の部分はボディペイントだそうです。
「確かに5時間もかかったし、簡単にCGにしてしまうこともできた。だけど、特殊メイクでここまでできるんだ、という新しい基準を打ち立てたかったんだ」
引用:bustle.com
コミックで描かれるキラー・クロックとは大きさの違いがかなりありますが、マスクの下にいる俳優の演技を失わずにここまでもできる特殊メイクは圧巻。アイヤー監督が望むように、内面がしっかりと現れた演技に期待ができそうです。

14.アドウェール・アキノエ=アグバエはめちゃくちゃ勉強した!

キラー・クロックを演じる48歳の英国人俳優アドウェール・アキノエ=アグバエの役に対する思い入れは人一倍!彼の登場するコミックを読んだだけでなく、人肉食について読み漁ったり、ワニの行動を長時間観察したりしたのだとか。
「何時間もワニを眺めて、ビデオに撮ったり、近づいて触ったりもしたよ。意外と柔らかかったな、お腹の部分とかが」
引用:bustle.com
しかし彼が『スーサイド・スクワッド』で見せるのは、そんなワニの「柔らかい一面」ではありません。
「ワニがどうやって獲物を殺すのか、ビデオでたくさん勉強した。その特徴的な動きを映画の中でも再現できたよ」
引用:bustle.com
さらにアキノエ=アグバエはより深く役に入り込むために、撮影中はできるだけ他のキャストと交流しないようにしたそうです。これはキラー・クロックの一匹狼的なイメージをうまく表現するため。実際キャストはみんなとても仲が良いので、このようにわざと距離を置くのは大変だったようですが…

15.キラー・クロックから学べる「自分を肯定する」ということ

キラー・クロックはただの獣ではなく、感情を持った一人の人間でもあります。彼は完全に悪に染まっている訳ではなく、いくつもの層を持つ複雑なキャラクターなのです。 幼い頃からその見た目のために虐げられてきたキラー・クロックが悪の道を選んだこと、これはある意味では自分を肯定する行動だったのです。苛めに屈し「自分は醜いんだ」と認め隠れた生活を送るのではなく、逆に「俺は美しい。ここは俺の王国だ!」と堂々と宣言して、自分をありのままに受け入れる姿には学べることもあります。 このように『スーサイド・スクワッド』ではアクションだけでなく、各登場キャラクターたちの複雑な精神模様も見所の一つとなりそうですね。