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- 西部劇の神様ジョン・フォード
- 1:西部劇の金字塔!クライマックスは不朽の名シーン『駅馬車』【1939】
- 2:あのピュリツァー賞受賞作品の映画化『怒りの葡萄』【1940】
- 3:西部劇映画のスタンダード『荒野の決闘』【1946】
- 4:ジョン・フォード監督の最高傑作『捜索者』【1956】
- 5:政府に翻弄されるインディアンの姿を描いた作品『シャイアン』【1964】
- 6:時代を超えて愛されるクラシック映画『男の敵』【1935】
- 7:騎兵隊3部作はここから始まった!黒澤明にも大きな影響を与えた作品『アパッチ砦』【1948】
- 8:全く死人が出ない西部劇!?騎兵隊3部作の第2作目『黄色いリボン』
- 9:西部劇の神様が描く人情喜劇!アカデミー賞監督賞受賞作品『静かなる男』【1952】
- 10:名コンビ最後の西部劇映画『リバティ・バランスを射った男』【1962】
西部劇の神様ジョン・フォード
ジョン・フォードはハリウッドの黄金期に活躍した映画界の大巨匠。彼は前人未到のアカデミー賞監督賞を4度受賞という快挙を果たしています。
そんな彼が影響を与えた映画関係者は数知れず。ジャン=リュック・ゴダール、リンゼイ・アンダーソン、そして黒澤明監督に多大な影響を与えてきました。
今回はそんなハリウッド伝説の監督の傑作映画10選を大紹介!
1:西部劇の金字塔!クライマックスは不朽の名シーン『駅馬車』【1939】
southpumpkin
西部劇の登竜門とも言われる傑作をようやく鑑賞したのは、つい最近鑑賞した『マッド・マックス 怒りのデスロード』のレビューに本作の名前をよく見かけるようになった、からです。ヒリヒリする馬車アクションがすごい、ということだけ知った状態で鑑賞したのですが確かにあれはすごい。そういうアクションだけで押してくるのかと思いきや映画としては少し違って、偶然駅馬車に乗り合わせた人々のキャラクターが交錯するような映画となっており、この辺の厚みが傑作と評される所以なのだと思います。超高速で荒野を走り続ける中でやたら丁寧に描かれる人間ドラマはまさに『マッド・マックス 怒りのデスロード』でした。
ラストの展開も銃撃戦を直接描かないあっさりした作りもかなり良いと思います。
mataro_mince
白人とアパッチ族が争う時代。町をつなぐ乗合馬車に異なる事情で詰込まれてた人達。町を追われた者、医者や貴婦人がいがみ合う。唯一共通点は終点ローズバーグに生きて辿り着くこと。護衛は去り襲撃に怯えながらも馬車は爆走する。「駅馬車」十三。ここのジョンウェインの男気は時代を超えかっこいい。20141117
古い古い西部劇。
劇場で観られたのはラッキーだ。TVじゃこの豪快なアクションの数々に
気づけなかったと思う。爆走する馬車の馬から馬へ飛び移ったり
その馬から落ちてそのまま荷馬車の下をくぐったりムチャクチャ。
馬から落馬するシーンの連続など恐いというかアカンやろいうくらいすごい。
お話しも狭い馬車の中で人間性を露わにする群像劇になっている。
ラストシーンの爽快さは格別。
本作は1939年に公開されるとすぐに大ヒットを記録して、西部劇映画の金字塔とまで称されることになった作品です。
映画は様々な事情を抱えた人物たちが1台の駅馬車に乗りこみ目的地に向かうというのが大きなあらすじ。物語前半は駅馬車に乗り込んだ人間模様を丁寧に描いています。
後半の戦闘シーンはまさに圧巻。特にアパッチ襲撃のシーンはアクション映画史上不朽の名シーンと称されています。主役のリンゴ・キッドを演じるのはジョン・ウェイン。今作に出演するまでB級映画ばかりに出演していた彼ですが、今作のヒットをきっかけに一躍スターとなりました。
2:あのピュリツァー賞受賞作品の映画化『怒りの葡萄』【1940】
hitomisnotebook
ヘンリー・フォンダがカッコいい ママ・ジョードが強く逞しくまた家族への愛情に満ち溢れている姿が素晴らしくこういう生き方をしたい
koikea01
主演がヘンリー・フォンダなんだっけ?トラックを運転してる時の表情がほんとかっこよかったなぁ
1939年に発表されたジョン・スタインベックの同名小説を映画化したのが『怒りの葡萄』。今作では故郷オクラホマを追われた家族が様々な逆境にぶつかりながらも、人間らしい生活を求めてカリフォルニアへと向かいます。
カリフォルニアについた家族を待ち受けていたものは希望を打ち砕く現実だったのです。今作のテーマは人間の不屈の精神。
主演のトム・ジョード・ジュニアを演じるのはジョン・フォード監督作品でおなじみのジョン・ウェイン。小説に感銘を受けたウェインは直々にこの役を演じたいと願ったそうです。今作でジョン・フォードはアカデミー賞監督賞を受賞しています。
3:西部劇映画のスタンダード『荒野の決闘』【1946】
Keimiyazato
ヘンリー・フォンダの繊細な演技もビクター・マチュアの飲んだくれも愛しのクレメンタインもなにもかも素晴らしい詩情豊かなジョン・フォードの傑作、動の駅馬車に静の荒野の決闘です。
bonkuraman69
言うことないです!大傑作!
ジョンフォードはやっぱりいい!
『駅馬車』と並んで西部劇の最高傑作と名高い作品が『荒野の決闘』。荒れ狂った無法の町が再び平和を取り戻す過程を軸として、それぞれの登場人物の心情、人間関係を見事に描いた詩情溢れる作品です。
何度もリメイクされてきた今作は、西部劇映画のスタンダード作品となりました。主演のワイアット・アープを演じたのはヘンリー・フォンダ。彼はジョン・ウェインと共にジョン・フォード監督作品に出演するスター俳優です。
4:ジョン・フォード監督の最高傑作『捜索者』【1956】
生涯で136本もの映画作品を監督したジョン・フォードの最高傑作と名高いのが『捜索者』。
物語の舞台は南北戦争から3年後のテキサス。戦争から故郷に戻ってきた1匹狼の男がコマンチ族に殺害された兄夫婦の復讐を果たすため、そして連れ去られた姪を助けるまでの旅の様子を描いたものです。
今作はアカデミー賞にノミネートされることはなかったものの。2008年にアメリカ映画協会によって「もっとも偉大な西部劇映画第1位」に選出されています。主役のイーサン・エドワーズを演じたのは、お馴染みジョン・ウェインでした。
5:政府に翻弄されるインディアンの姿を描いた作品『シャイアン』【1964】
今作はシャイアン族というインディアンの運命を描いた作品です。
政府の政策により故郷のイエローストーンから強制移住させられたシャイアン族ですが、飢えや病気で多数の人間が死んでいきます。話し合いの結果、彼らはイエローストーンに戻ることにしますが、それを知った政府は討伐軍を送ることに。そしてインディアンと政府の激しい戦いが始まるのでした。
多くの作品でインディアンを悪と描き、殺害したジョン・フォード監督が初めてインディアンをメインに製作した映画です。
6:時代を超えて愛されるクラシック映画『男の敵』【1935】
『男の敵』は1922年に起きたアイルランド独立戦争を舞台とした映画です。
映画はリーアム・オフラハティの小説『The Informer』を基に製作されました。ちなみにジョン・フォードとリーアム・オフラハティは従妹同士の関係だそうです。自身もアイルランド系である監督はアイルランドを舞台とした映画だけではなく、アイルランド系の役者も多く起用してきました。
今作で彼はアカデミー賞監督賞を受賞。さらに主役のジポ・ノーランを演じたヴィクター・マクラグレンは圧倒的存在感を見せつけ、アカデミー賞主演男優賞を受賞したのです。
7:騎兵隊3部作はここから始まった!黒澤明にも大きな影響を与えた作品『アパッチ砦』【1948】
ジョン・フォード監督には1948年の『アパッチ砦』、1949年の『黄色いリボン』、そして1950年の『リオ・グランデの砦』といった騎兵隊3部作があります。
3部作の始まりである今作にはなんとジョン・フォード監督作品で主演を務めることの多い2大スター、ジョン・ウェイン(カービー・ヨーク大尉)とヘンリー・フォンダ(サースデイ中佐)が共演しています。
映画は左遷されたサースデイ中佐が早く将軍に戻ろうと無謀な作戦を行うことによって軍を破滅に向かわせるという内容です。今作のあらすじは黒澤明監督に大きな影響を与え、それは1980年の映画『影武者』などに見ることができます。
8:全く死人が出ない西部劇!?騎兵隊3部作の第2作目『黄色いリボン』
騎兵隊3部作の第2作目が今作『黄色いリボン』。アカデミー賞撮影賞を受賞した今作はいつみても色あせることない、むしろ新鮮ささえ感じられる映像作品です。
映画は退役を控えた騎兵隊長の最後の6日間の様子を描いたもので、西部劇には珍しく死人が1人も出ません。
注目は主人公の年老いた騎兵隊長ネイサン・ブリトリス大尉を演じたジョン・ウェイン。なんと彼は自身の年齢よりも20歳以上年上のキャラクターを演じたのです。
9:西部劇の神様が描く人情喜劇!アカデミー賞監督賞受賞作品『静かなる男』【1952】
Sensyu_Kishimoto
柏キネマ旬報シアター
風光明媚なアイルランドの古き良き時代のよいお話。ジョン・フォードがかっこいい。
mataro_mince
アイルランドの村に引越してきたヤンキーが荒馬のような娘に一目惚れ。
傲慢な娘の兄にも阻まれ四苦八苦、
結婚するが馬鹿にされても怒らない男に呆れ嫁は家出する。
意を固めた彼はついに嫁や兄と対決する。
「静かなる男」十三。
お話しの起伏がいくつもあっておもしろい。
これコメディと言って良いよね?20141117
ジョン・ウェインはアイルランド系アメリカ人役。
アイルランドの文化や気質の違いを
とてもおもしろくドラマにしている。
ホンマにアイルランド男女があれだけ乱暴かは知らんけど。。。
喧嘩と聞いて神父は掛け金を釣り上げ、
死にかけのじいさんすら息を吹き返す。
『静かなる男』はアイルランド系アメリカ人の主人公が自身のルーツをたどるためにアイルランドに移り住み、そこでの人々との交流を描いたものです。自身もアイルランド系アメリカ人であるジョン・フォードの郷愁を感じることができる作品。今作はコメディ的な要素も多く、西部劇だけではなく喜劇映画も作れるということを証明しています。
さらに注目は映画内に使用されている音楽。映画と非常に合っている音楽を製作したのは伝説の映画音楽作曲家ヴィクター・ヤングでした。
音楽、アイルランドの美しい自然、そして主人公ショーン・ソーントンを演じたジョン・ウェインの演技等すべてが調和した作品です。ジョン・フォードは今作でアカデミー賞監督賞を受賞しました。
10:名コンビ最後の西部劇映画『リバティ・バランスを射った男』【1962】
ジョン・フォードとジョン・ウェインの名コンビが最後にタッグを組んだ西部劇映画が『リバティ・バランスを射った男』です。
今作はランス・ストッダート(ジェームズ・ステュアート)がトム・ドニファン(ジョン・ウェイン)に銃を習い、町の嫌われ者リバティ・バランス(リー・マーヴィン)を倒すという内容ですが、実は決闘にはある謎がありました。
映画の中盤で普通ならばラストに持ってくるべきであろう決闘シーンを持ち込み、ラストで決闘のネタ晴らしをするという異色の構成になっています。
今作でジョン・ウェインと渡り合う演技を見せつけたリー・マーヴィンは映画公開後、一躍スターダムに駆け上りました。