天才高校生探偵が少年の姿になって、さまざまな謎を解き明かしていく物語である、『名探偵コナン』。 その「少年になる」という設定の核の部分を担っているのが、APTX(アポトキシン)4869という毒薬です。 そんな毒薬はなぜ作られたのか、どういったものなのか。この記事で深掘りしていきます!
APTX4869(アポトキシン4869)とは?『名探偵コナン』のキーアイテム!
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— 江戸川コナン (@conan_file) September 14, 2016
APTX(アポトキシン)4869とは、『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナンこと工藤新一が幼児化した原因となった、架空の毒薬です。世界中で暗躍している「黒の組織」とよばれる犯罪集団が「なんらかの目的のために」同組織の科学者に作らせていたとされています。 アポトキシンは細胞自己破壊プログラムの「アポトーシス」を語源としています。アポトキシン4869を投与されたほとんどの人物は亡くなっています。そしてその死体からは毒薬が見つからないことから、最強の毒薬として黒の組織で多用されています。 しかしアポトキシン4869に身体を幼児化させる作用があることは組織内でも一部の人間しか知らないようです。
新一がアポトキシン4869を投与されたのはなぜ?
新一がアポトキシンを投与されてしまったのは、口封じのため。アニメ第1話の「ジェットコースター殺人事件」で、新一は蘭と遊園地デートを楽しんでいました。そこで偶然、黒の組織の取引現場を目撃してしまいます。 その場にいたのは黒の組織のジンとウォッカでした。ジンは暗殺用の毒薬として持っていたアポトキシンを新一に飲ませ、彼を口封じのために暗殺しようと考えたのです。 この時点で、アポトキシンの副作用としてまれに幼児化してしまうという事実をジンもウォッカも知りませんでした。新一に薬を飲ませたことで彼は間違いなく死亡するだろうと判断し、新一が幼児化した事実にも気が付かないままとなっているのです。
灰原哀がアポトキシン4869を服毒したのはなぜ?
灰原哀はシェリーというコードネームで黒の組織に所属していました。アポトキシンの開発にも携わっており、組織にとっても重要人物だったのです。 彼女には唯一の肉親である姉・宮野明美がいました。彼女はFBIのスパイを組織に潜入させるきっかけを作ってしまったことで、組織から危険人物と判断されることに。後に組織に利用され、10億円強奪事件の実行を担当します。 最後に明美は組織を裏切り殺されてしまいますが、灰原は組織から事実を教えてもらえませんでした。最終手段としてアポトキシンの開発を中断させると、彼女もガス室に監禁されてしまいます。死を覚悟した灰原は、隠し持っていたアポトキシンで自殺をしようと服毒したのでした。 灰原哀/シェリーについては↓の記事で詳しく解説しています!
毒薬・APTX4869(アポトキシン4869)の開発者は?
アポトキシン4869の開発者は灰原哀こと宮野志保(シェリー)と、姉の宮野明美、そして両親の宮野厚司・宮野エレーナ夫妻だとされています。宮野夫妻が事故で亡くなった後は宮野志保(灰原哀)が研究を受け継いでいましたが、彼女が組織から逃亡したため、現在薬の開発は滞っていると思われます。 宮野夫妻はアポトキシン4869を毒薬としてではなく、別のなんらかの目的のために開発していたとされていますが、まだ作中では明言されていません。その目的は「若返り」「クローン」「不老不死」などさまざまな説があります。
APTX4869(アポトキシン4869)の毒牙にかかった人物をまとめて紹介!
少年サンデー11号の『名探偵コナン』は、シリーズ第1話! 17年前、何者かに殺された棋士・羽田浩司…その裏には組織の影が!? 昴さんも登場する緊迫の新シリーズ開幕!!
— 江戸川コナン (@conan_file) February 9, 2016
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黒の組織はアポトキシン4869を暗殺に使っています。原作コミックス18巻File.9及び89巻File.10-11において描写された組織のパソコン画面から、実際に投与され暗殺された被害者の一覧が判明しました。 そこには、樽井英蔵、新岡芳江、松坂宗男、武石良雄、豊田稔、羽田浩司、野本昌治、五島淳実、上園孝也の9名。さらに工藤新一の名前が書かれています。新一も死亡者リストに載っていますが、これはシェリー(灰原哀)がアポトキシン4869によって幼児化が引き起こされることを隠すため、リストを改ざんしたためです。 灰原は投与されたわけではなく、自ら服毒しています。2020年1月時点でアポトキシン4869を飲んだ事実が判明しているのは、リストの10名と灰原の計11名です。
APTX4869(アポトキシン4869)には解毒剤があるの?
今のところ幼児化に対する完全な解毒剤は存在していないとされています。 しかし白乾児(パイカル)という中国のお酒を飲んだ際や、灰原が白乾児の成分を参考に試作した解毒剤の試作品を飲んだ際に、コナン・灰原ともに一時的にですが元の姿に戻っています。 ですが白乾児の解毒作用は風邪をひいている状態でしか効果が出ず、さらに一度飲むと体内に免疫ができてしまうとされています。 灰原が白乾酒の成分を参考にして試作した解毒剤も、いつ再び幼児化するかわからない不完全なもので、さらに死の危険もあるとされています。
「4869」と「シャーロック・ホームズ」
アポトキシン4869の「4869」とはシリアルナンバーです。この「4869」をもじると「しやろく」と読むことが出来ます。そこから「シャーロック・ホームズ」を連想することが出来るというのはファンの間では有名な話です。 実は作中において「4869」という数字はたびたび登場しています。車のナンバーや、コナンの携帯電話の暗証番号、工藤優作の書斎にある本の冊数などなど……。 しかし作中でこのことについて特に明言はされていないので、単なる作者のシャーロック・ホームズ好きからきているのだと思われています。
「パスワード」と「シャーロック」
黒の組織のメンバーはアポトキシン4869のことを「出来損ないの名探偵」と呼んでいます。また、灰原がアポトキシン4869のデータを組織のデータから引きだそうとしたときに必要だったパスワードが「shellingford(シェリングフォード)」でした。 この「シェリングフォード」とは、コナン・ドイルが自分の小説の探偵を「シャーロック」と名づける前に仮につけた名前で、「試作段階の名探偵」を意味します。アポトキシン4869がまだ「未完成」ということから「未完成」=「試作段階」、つまり「試作段階の名探偵」と連想させてパスワードをヒットさせました。
「アポトキシンカレー」なるものが発売されていた!?
マニアックな商品や一風変わった商品を取り扱っていることで有名なヴィレッジヴァンガードから「アポトキシンカレー」なるものが発売されています。 もちろん『名探偵コナン』の作中に登場する架空の毒薬「APTX4869(アポトキシン4869)」をイメージしてつくられたカレーで、中身は赤いトマトカレーです。ちなみに食べても幼児化はしませんのでご安心を。 ちなみにこのアポトキシンカレーは「怪盗キッドカレー」に続くヴィレッジヴァンガードの「名探偵コナン」のレトルカレー第2弾です。コンセプトは灰原さんからのバレンタインの贈り物、だそうです。 また2019年映画「紺青の拳(フィスト)」公開を記念する「名探偵コナンカフェ」では、白米と赤い米で盛ったライスでアポトキシン4869を再現したメニューが発売されました。 ファンなら一度は食べてみたいですね。