2019年4月26日更新

【ネタバレ】映画『名探偵コナン ゼロの執行人』を分かりやすく図解解説 安室透の正義とは?

コナン
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

4月26日に金曜ロードショーでテレビ初放送される映画『名探偵コナン ゼロの執行人』!本記事では、難解な内容を図解で説明したうえで、映画のネタバレまで解説します。映画をまだ見ていない人も見た人も是非読んでください。

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』をネタバレありで解説・考察!

映画の予習、復習にどうぞ!

2018年に社会現象を巻き起こし、劇場版シリーズ歴代最高興行収入となる91.8億円を記録した、映画『名探偵コナン ゼロの執行人』。中国・韓国や東南アジアでも公開された本作は、全世界興行収入110億円を突破し世界的なヒット作に。 本編でも大人気で、劇場版には「純黒の悪夢」で初登場した安室透/降谷零が大活躍している本作。何度も"執行(鑑賞)"した安室ファン「降谷零を100億の男にしようの会」の貢献もあり、安室は本作の活躍でますます人気になりました。 とは言え、映画「ゼロの執行人」は刑事ドラマのように複雑なスト―リー、専門用語連発で少し大人向けの、これまでと一風変わった雰囲気の「コナン映画」でした。 本記事では、「ゼロの執行人」の基本情報と、難解なIT用語や警察組織の構図を解説し、見どころやネタバレ考察をご紹介していきたいと思います!

【祝】4月26日に金曜ロードショーでテレビ初放送!

2019年4月12日に劇場公開された映画『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』公開を記念して、金曜ロードショーでコナン映画が放送されます。 4月26日(金)に、ファン待望の「ゼロの執行人」を本編ノーカットでテレビ初放送!2018年に公開され、国内外合わせた興行収入が100億を超えた話題作が、早くも地上波放送です!日本テレビ系列にて、よる9時より放送開始です。

映画「ゼロの執行人」のあらすじ【ネタバレなし】

本作品は、世界の首脳が集まることが予定されていたフォーラム会場での爆破テロで始まります。しかも、その容疑者は、「毛利小五郎」。徹底的に公安に追い詰められていく小五郎。 小五郎の罪を何とか晴らすため、そして小五郎を案じる蘭のため、立ち上がるコナン。コナンは、警察庁の秘密組織「ゼロ」に所属する謎の男・安室透と激しい争いを繰り広げながら、事件の真実を追っていきます。 少年探偵団の活躍あり、毛利と妃のロマンスあり、安室のかっこよすぎるカーアクションありの盛沢山の内容です。

2018年映画「名探偵コナン」に登場するキーキャラクター一覧

安室透/降谷零

喫茶「ポアロ」で働く私立探偵・安室透、その正体は黒の組織の幹部「バーボン」、さらに真の正体は警察庁警備局警備企画課(通称ゼロ)所属の警察官・降谷零! 本編の「緋色」シリーズにて、3つの顔の最後の顔が暴かれ、コナンも心強い味方として信頼していました。本作で安室は国際会議場にいたと思われ、毛利小五郎を爆破事件の容疑者に仕立て上げ、コナンと敵対するような行動を取ります。 安室透の目的とは一体、彼は本当にコナンの敵になってしまったのでしょうか!?

風見裕也

風見裕也は降谷零(安室透)の右腕にして、「ゼロ」が指揮する警視庁公安部所属の警部補です。自身も国際会議場の警備点検に参加しており、爆発に巻き込まれ負傷しました。 ゼロの指示で毛利小五郎の逮捕に乗り出し、風見が証拠として提出した"小五郎の指紋"により捜査会議は一転、事件性を増していきます。その後は公安部として捜査を進めながら、裏では会議内容などを降谷に報告し、真犯人の究明に尽力するのです。

日下部誠

日下部誠は東京地検公安部の主任検事で、国際会議場爆破事件の担当検事。負け知らずの敏腕検事として有名で、優秀な弁護士の妃英理もその名を知っていました。 小五郎の起訴には慎重で、彼のPCが第三者に操られた可能性を考え再調査を依頼したため、公安警察の指示で起訴に動く上司・岩井紗世子と衝突。公安に従順な岩井とは折り合いが悪く、何やら個人的にも因縁があるようで……?

毛利小五郎

元捜査一課の刑事で、「毛利探偵事務所」を営む名探偵、"眠りの小五郎"こと毛利小五郎。普段は犯人を追い詰める側ですが、今回は爆破事件の容疑者に!? 公安による家宅捜索が入り、押収された事務所のPCから東京サミットに関する資料が見つかったことから、任意同行を求められます。小五郎が風見の手を振り払うと、公務執行妨害だと言って手錠をかけられてしまい、強引に逮捕されてしまいました。

ITキーワードを解説(IOT、ドローン、IPアドレス)

本作では、テクノロジーの世界で今ホットになっている様々な技術が出てきます。その中でも難しいものを解説します。

IOT(インターネット・オブ・シング)

モノとインターネットを繋ぐこと。流行りの言い方を借りれば、モノ×ITです。例えば、今後実装されていくかもしれない自動運転などは、これにあたります。そのため、ITの部分を乗っ取られてしまうと、正常には制御できなくなってしまうということです。

ドローン(無人航空機)

ドローンとは無人航空機のこと。現在は色々な分野への応用が期待されていて、例えば、ドローンを使って宅配をする(劇中にもありました)ことも可能になっていくと考えられます。しかし、ドローンの使用は現在規制されており、色々注意が必要です。 アガサ博士、ドローンを飛ばしまくるのは、法に触れるかもしれませんよ!

IPアドレス

IPアドレスとは、ネットワーク上のそれぞれの機器を識別する数値。簡単に言うと、インターネット上の住所のようなものです。 つまり不正アクセスは、IPアドレスを偽って内部のネットワークに接続すること。簡単に言うと、どこかの家庭に身分を偽って侵入することです。

公安組織と制度について図解解説

警察庁、検察庁、警視庁の関係性

政治図 完成版

本作品では、降谷零の所属する警察庁の警備企画課の中にあるゼロ、風見裕也の所属する警視庁公安部、そして岩井紗世子と日下部誠の所属する検察庁が複雑に絡み合う内容となっています。 よって、これらの関係性を整理することが重要になります。上の表では、まず各署の関係性と所属するメンバーをまとめています。

警察図

次にそれぞれの役割を説明します。 まずは、警察庁です。これは警視庁の上部に位置して、警視庁への指示を行います。この組織の警備企画課、通称ゼロに降谷零は所属しています。 次に警視庁。ここは、多くの人が想像する「警察」が当てはまる部署。警察庁の指揮に従い、捜査を行ったり、逮捕したりします。ここには目暮警部などが所属しています。また、その中に公安部という部署があり、風見裕也が所属しています。彼は、降谷の指揮のもと行動しているということです。 最後に検察庁。ここは、警視庁から送還されてきた被疑者に対して、起訴、不起訴の判断を下す部署。ここには、岩井検事と日下部検事が所属しています。 本来は、検察庁と警察庁の機能が独立していることが重要です。 以下の見出しからはネタバレを含みますので、映画を未見の方はご注意ください。

映画「ゼロの執行人」の犯人とトリックネタバレ

国際会議場爆破事件の犯人は、事件の担当検事でもあった日下部誠でした。彼は最終的に、無人探査機「はくちょう」を警察庁に墜落させようとしました。 日下部のトリックは、IPアドレスを隠し複数のコンピュータを経由することで、アクセス経路の特定を難しくするソフト「Nor(ノーア)」にありました。スマホの遠隔操作で爆発現場のガス栓を開け、ガスが充満した中で厨房のIOT圧力ポットが使用され、大爆発を起こしたのです。 日下部は小五郎を救うべく、勾留中の彼には不可能な時間帯に一般家庭のIOT家電を無差別に暴発させ、小五郎の無実が証明されました。 無人探査機「はくちょう」の墜落当日は、アメリカの宇宙開発機関「NAZU(ナズ)」に不正アクセスし、はくちょうのパスコードを変更。この一連のIOTテロは、かつての「NAZU不正アクセス事件」を犯罪の手引書として、日下部が計画したものでした。 IOTテロが恐ろしいのは、現実でもありえない話ではない、というところです。

犯人の動機は?複雑な2つの事件をそれぞれ解説【ネタバレあり】

コナン
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

NAZU不正アクセス事件

この事件により、羽場二三一は逮捕されてしまいます。この事件は、NAZUの不正アクセスの犯人が、ゲーム会社であるとあたりをつけて潜入した羽場二三一が、逆に不正アクセスの犯人として逮捕されてしまいます。 羽場二三一を協力者として家族のように思っていた日下部誠検事は、自らとの違法な関係性を告白してでも彼を助けようとしますが、警備企画課の指示に従った岩井検事はその事実を握りつぶします。 そして、安室透の取り調べを終えた後、羽場二三一は自殺してしまいます。この事件をきっかけにして、日下部検事は、上であげた検察と警察庁の関係性が健全に行われていないことに大きな怒りを感じます。

衛星の警察庁への墜落

この事件は、日下部検事によって引き起こされました。動機は、警察庁の公安の権威を失墜させてNAZU不正アクセス事件の復讐を果たすためでした。羽場の命日に衛星のコントロール系統を奪い、コードを書き換え、警察庁に墜落させようとする日下部に立ち向かうコナンと安室。 コードを頑なに教えない日下部に対する秘策を出す安室透。なんとそれは、死んでいたとされた羽場二三一でした。彼は、実は自殺したのではなく、安室透によって死んだこととされ、新たな身分を与えられて生きていたのでした。秘密主義の公安部隊だからこそできたことと言えます。 羽場の説得で、コードを教える日下部。彼も根っからの悪になることは出来なかったのです。

安室透はなぜ小五郎を容疑者に仕立て上げた?

コナンは当初、国際会議場爆破事件が東京サミットよりも前の日に発生したので、テロではなく事故によるものだと考えました。

警視庁の捜査会議でも同様で、テロだと睨んだ安室は事件として捜査させるため、容疑者のでっち上げを計画することに。公安は令状なしの捜査も可能ですが、"自ら行った違法作業のカタは自らつける"という信条のもと、少しでも合法的な手段を残したのです。 容疑者に選んだのが「毛利小五郎」だった理由は、小五郎と蘭のためにコナンが動き出し、彼が必然的に協力者になるから!組織に潜入中の安室の立場上、表立っては行動できないので、コナンの本気の力を借りようとしたのでした。 ゼロは小五郎を無罪にすべく、風見の協力者であるフリーの弁護士・橘境子を送り込むも、彼女の思惑も絡み事態は思わぬ方向へと進みます……。

安室、日下部検事、そして橘弁護士それぞれの信じる正義とは?

福山雅治のエンディング曲「零-ZERO-」の歌詞に、「真実はいつもひとつ、でも正義はそう涙の数だけ…」というものがあります。 本作品のキーマン達の信じた正義は何だったのでしょうか?

安室透【僕の恋人は・・・この国さ】

名探偵コナン
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

コナンの「安室さんは彼女はいるの?」という言葉に返した「僕の恋人はこの国さ」という言葉が全てを表しています。 そう、安室透の唯一の目的であり正義は、国を守ることです。彼は、その手段のために平気で秘密を作るし、嘘もつきます。しかしながら、その唯一の目的のために時に冷酷とも思えるような行動をとることの出来る彼は非常に合理的で、かっこいいです。 羽場二三一の死を捏造して秘密裡に生かしていたのも全体の利益を考えての行為。そして、テロ事件の犯人を毛利小五郎に仕立て上げたのも、事故として処理させないためと何よりコナンを協力者として利用するためだったのです。

日下部誠【公安を変えなければ正義は保てない】

日下部にとっての正義とは、公安の権威を失墜させること。 彼は、NAZU不正アクセス事件によって協力者であり、家族のような存在であった羽場二三一を失います。公安は自らの利益のため、自らの協力者であったという事実に蓋をして羽場を自殺に追い込んだと考えた彼は公安に対しての憎しみを深めるのです。そして、彼は惑星探査機を警視庁に落とす計画を考案しました。 だからこそ、彼は決して民間人を殺したりしません。IOTテロも民間人を犠牲にしないで、かつ、自らの目的を達成するためでした。また、検察官としての矜持も失っておらず、無実の罪を被せられた毛利小五郎を助けるために再びテロを起こしたのです。

橘境子【私は私の意思で動いているの】

愛する羽場二三一を失った橘境子は、元々国家に危害を与えかねないと思われていた二三一を監視するために公安の風見の協力者として送り込まれました。 しかし、NAZU不正アクセス事件を経て彼女は公安を憎むようになり、公安の命令に逆らい、弁護士の立場から逆に毛利小五郎を犯人として起訴させようとします。全ては、自分から全てを奪った公安への復讐のため。 物語の終盤に風見に協力者としての職務からの解放を言い渡される橘。しかし、彼女は叫びます。全ては自分の意思で行ったことであり、公安が自分をコントロールしたのではないということを。1人の人間としての尊厳を説く橘は、公安のような全体の利益を優先する管理者に対する抵抗を表しているのではないでしょうか。

【考察】黒田兵衛の正体はやはり黒の組織No.2ラム?

黒田兵衛は、警視庁捜査一課管理官で、劇場版初登場のキャラクターでした。特に注目したいのが、終盤で安室に電話越しで「ぬかるなよ……。」と言うシーン。 この時、口パクで"「バーボン」と言っている"のでは?という疑惑が出て、黒の組織のNo.2「ラム」の有力候補として疑われることに。黒田兵衛・若狭留美・脇田兼則の誰かがラムであると確定し、黒田はラムの特徴とされる、片目が義眼、影武者説の由来「屈強な大男、女のような男、年老いた老人」の"屈強な大男"に当てはまるのですが……。

ゼロのトップである裏の管理官説が有力?空白の10年とは……。

シェリーこと灰原哀が、「組織の臭いはしなかった」と言っていることなどから、正体は安室の上司で"裏理事官"であるという説が有力です。それならば、「バーボン」の顔を知っているのは当然ですし、ラム候補の若狭を妙に気にするのも気になります。 黒田が以前に大事故に遭い、10年近く意識を失っていた経緯から、この間に本物のラムが黒田と入れ替わった(ラムが公安に潜入)説。事故で記憶を失くし、自分がラムだと覚えていない(組織のラムは影武者)説もあり、空白の10年に"何か"が隠されている可能性も!? 黒田は新一に興味を持ち、ラムと同じく「工藤新一を探れ」と降谷に指示して動き出しているので、そろそろ正体が判明するかもしれませんね。

2019年のコナン映画は、怪盗キッドで決まり!

2019年4月12日より公開される、劇場版第23弾『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』では、シリーズ初の海外・シンガポールが舞台に選ばれました。 「ゼロの執行人」のエンドロール後、「またお会いしましょう、夜空に浮かぶ、船の上で」と予告した怪盗キッドが、キーキャラクターとして参戦。19世紀末に、海賊船と共に海に沈んだ世界最大のブルーサファイアをめぐり、400戦無敗の男・京極真と対決します。 京極真は武者修行で世界を回る空手家で、毛利蘭の親友・鈴木園子の恋人です。劇場版への出演はキッドは「業火の向日葵」に続き7度目ですが、彼は「紺青の拳」が初!怪盗キッドVS京極真は過去に何度か描かれているものの、まだ決着はついていません。 ここに、キッドの目論見で連行されたコナン(新一)が加わり、三つ巴の戦いとなるようです!

『名探偵コナン ゼロの執行人』はネタバレを知った後も楽しめるスルメ映画!

コナン
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

「ゼロの執行人」は、非常にストーリーや人間関係が複雑で一度見ただけでは、なかなか理解できない部分が多いかと思います。だからこそ、見るたびに新しい気づきを得られるスルメ映画でもあります。 1度の鑑賞でよくわからなかった人は、解説を読んで是非もう1度鑑賞してみてはいかがでしょうか?