BB-8はどんな仕組みで動くのか?「スター・ウォーズ」の新ドロイドを徹底解説
BB-8の誕生秘話やトリビアを紹介
レイを主人公とした「スター・ウォーズ」シリーズ続三部作に、コロコロと転がる可愛らしい新型ドロイドが初登場しました。その名は「BB-8(ビービー・エイト)」。宇宙船などの修理や整備を行うドロイド「アストロメク・ドロイド」の中でも、「BBユニット」と呼ばれるボール型の新型ドロイドです。 2015年に開催された「スター・ウォーズ・セレブレーション」で、初めて実物大のBB-8が披露されました。実際に頭部を乗せたまま回転して移動する様子に、会場からは驚きの声が!その仕組みにも注目が集まりました。 今回はファンに大人気のドロイド「BB-8」について、基本プロフィールや作品中での活躍、さらには制作秘話やその仕組みなどを詳しく解説していきます。実際に発売されているBB-8のラジコントイも紹介していますので、お楽しみに!
BB-8の基本スペック&作中での活躍を紹介
基本スペック
BB-8はR2-D2の約半分ほどの高さで重量は18キロ、ホロプロジェクターや溶接用ツールを持つ「アストロメク・ドロイド」と呼ばれる整備ロボット。主人はレジスタンスのパイロットであるポー・ダメロンです。 非常に忠誠心の篤いドロイドで、与えられた任務を遂行するためには危険な場所へも突き進む勇敢さを持っています。その一方で、ちょっとしたことでもびっくりしてしまうような臆病さも。コロコロと必死になって動き回る姿には健気さも感じられますね。 元々BB-8は「ボール・ボット」と呼ばれていたそうですが、なぜBB-8という名前になったのでしょうか。J・J・エイブラムス監督は、大小二つの円が重なっている見た目から、「8」や「B」を付けることを思いついたといいます。
「フォースの覚醒」での活躍
エピソード7「フォースの覚醒」では、ルーク・スカイウォーカーの居場所を示す地図をポー・ダメロンと探索し、ファースト・オーダーに追われる中でポーに地図を託されます。 ファースト・オーダーから脱出したBB-8は、惑星ジャクーでレイとストームトルーパーの脱走兵フィンと出会い、ミレニアム・ファルコンでレジスタンス基地へ。途中でファルコン号の元の持ち主であるハン・ソロとチューバッカにも出会いました。 レジスタンス基地で主人のポー・ダメロンと再会し、スターキラー基地の戦いでは彼を補佐して大いに貢献します。また、BB-8が死守した地図によって、ルークの居場所を示す地図が完成しました。
「最後のジェダイ」での活躍
エピソード8「最後のジェダイ」では、ポー・ダメロンとともにファースト・オーダーとの戦いの最前線に立ったBB-8。ハックス将軍率いるスター・デストロイヤーとの戦いでは、Xウイングにポー・ダメロンと搭乗し、新兵器「ドレッドノート」のキャノン砲を破壊するため奮闘しました。 独断で行動したポーは中佐からキャプテンに降格されますが、レジスタンスの劣勢を打開しようと極秘作戦を決行。BB-8はフィンとともに、メガ・スター・デストロイヤーの防衛シールドを通過するコードを解ける「コードブレイカー」を探しに、リゾート都市カント・バイトへ向かいます。 コードブレイカーのDJを得て、メガ・スター・デストロイヤー内部への侵入に成功したものの、DJの裏切りで絶体絶命に。さらにメガ・スター・デストロイヤーはレジスタンスのホルド提督による決死の特攻で火の海になりますが、BB-8がファースト・オーダーのAT-STを操縦して助け、スノーク専用のシャトルを奪って脱出しました。
BB-8のデザイン誕生秘話
R2-D2のデザイン・コンセプトがオリジン!?
どうやらBB-8のオリジンは、「スター・ウォーズ」シリーズ第1作として公開されたエピソード4「新たなる希望」にあったようです。「新たなる希望」のコンセプトアートを手がけたラルフ・マッカリーが描いた、初期のR2-D2デザインにその起源がうかがえます。 ラルフ・マッカリーが描いた初期のR2-D2のデザインは、頭部が丸い円柱形の小さなロボット。ジャイロが搭載されていて、巨大なボールを回転させてどの方向にも進むことができるものだったようです。
BB-8制作秘話
BB-8に命を吹き込んだクリーチャー・チーム
BB-8をCGではなく、実際に具現化するためにクリーチャー・チームをはじめ多くの人たちが関わりました。コンセプト・デザイナーのジェイク・ラント・デイビーズは、デザインされたBB-8の具現化を進めた人物。BB-8のパーソナリティを表現するため、数多くの頭部と体のパーツを作り出したといいます。 視覚効果アーティストのニール・スキャンランは、実用面のデザインでJ・J・エイブラムスを納得させるために奮闘しました。初期のBB-8は既存のテクノロジーと近い姿をしていたため、“スター・ウォーズに使うには未来的要素が足りない”とダメ出しを受けていたそうです。 BB-8を小さなポリスチレン製パペットとして制作したのが、アニマトロニック・デザイナーのジョシュア・リー。人形師のデイヴ・チャップマンとブライアン・へリングは、BB-8が日常で出来得るあらゆる動きを探りました。 J・J・エイブラムスは撮影再開一週間前まで、BB-8のパペットが実際に撮影で使えるかどうか不安を抱えていたようですが、実物を見て「安心した」と言ったそう。制作者たちの真摯な努力のおかげでCGに頼らずに済んだのです。
BB-8は人格を持った共演者
J・J・エイブラムス監督はBB-8を“物理的にひとつのキャラクターとして撮影した”そうで、CGではない実在するキャストとしてBB-8を出演させることが、共演者たちにも良い影響を与えると信じていたよう。 制作者たちの努力で、まるで本当に生きているかのように感情豊かなドロイドとなったBB-8。レイ役のデイジー・リドリーやフィン役のジョン・ボイエガも、“リアルな人格がある共演者”と感じていたようです。
BB-8は数パターン存在する!?
実はBB-8は、撮影用途に分けていくつかのバージョンがあります。「ウィグラー」はクロースアップ用で移動することはできませんが、頭を動かしたりライトがつく仕様。3輪のものは水平移動できる車輪があり、リモコンで遠隔操作ができます。 「ボーリング・ボール」は投げ込まれても決して転倒しないもので、操り人形は人形師が手動操作して撮影するといった具合に、様々なタイプのBB-8が撮影用に制作されました。
BB-8の仕組みを解明
BB-8の不思議な点は、頭は固定されているのに下のボールだけ回転しているということです。この仕組みは一体どうなっているのでしょう?その答えは意外にも、ボール型のおもちゃにありました。 スフィロ社が開発したラジコントイ「Sphero(スフィロ)」は、プログラミングで動かすことができる球体型ロボットです。下の動画では、スマートフォンやタブレットを使用してSpheroで遊ぶ方法が紹介されています。
球体ラジコントイ「Sphero(スフィロ)」
BB-8の下の球体はSpheroを巨大化したものと考えてほぼ間違いないでしょう。なぜなら、スフィロ社は「フォースの覚醒」が公開した2015年にBB-8のラジコントイを発売しているからです。 SpheroとBB-8の最大の違いは頭のパーツがあるかないかですが、頭のパーツは動かず、なぜ下のボールだけが動くのでしょうか?これは、磁石の力を使っていると考えられます。リニアモーターカーと同様、浮いた状態を保つように設計されているようです。
精巧に再現されたラジコントイを紹介
ホログラム機能も!アプリで操作するBB-8
スフィロ社から発売されたBB-8のラジコントイはアプリで操作するもので、なんとR2-D2のようにアプリ内でホログラムを表示させることもできるのだとか。 高さは10センチ、直径は8センチ、最大スピードは秒速2.2メートル、重さは200グラム程度。インタラクティブな操作に応じ、音声コマンドを与えると元気になるという、映画で見せた表情豊かなBB-8そのもの!本物よりも小柄で愛らしさも倍増です。
フォローモード付き!実物大に近いBB-8
スピンマスター社が製造し、日本では2017年にタカラトミーから発売されたのが、全高約48センチのラジコントイ「ヒーロードロイド BB-8」。3つのプレイモードがあり、付属のコントローラーで前後左右に操縦することができます。 ボイスコマンドモードでは、英語のボイスコマンドで話しかけると13種類の反応を示します。中には「Where is Poe?(ポーはどこ?)」や「Have you seen Rey?(レイを見た?)」など興味深いコマンドが!コントローラーを持つ人の後を付いてくるフォローミーモードもあります。
キュートでハイスペックな新ドロイドBB-8!「エピソード9」での活躍も気になる
「フォースの覚醒」と「最後のジェダイ」では、主人のポー・ダメロンに忠実ないじらしさを見せたBB-8。続三部作での活躍で、R2-D2やC-3POと同じように人気ドロイドの仲間入りを果たしました。 続三部作の完結作で、1977年以来42年をかけてフィナーレを迎える“スカイウォーカー・サーガ”の最終作となる「スカイウォーカーの夜明け」でも、きっと大活躍を見せてくれるはずです!