碇ゲンドウの目がない理由は?「シンエヴァ」で人間をやめた男の正体や目的を解説【エヴァンゲリオン】
ゲンドウポーズでも知られる碇ゲンドウは「エヴァンゲリオン」シリーズを語る上で欠かせないキーパーソンです。主人公・シンジの父親であり、特務機関NERVの司令官、そしてさらなる野望を秘めた男について本記事で解説していきます。 「シンエヴァ」でのゲンドウの動向を含め、彼の目的や結末を見ていきましょう! ※この記事は「エヴァンゲリオン」シリーズの重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
「エヴァ」碇ゲンドウのプロフィール

碇ゲンドウは特務機関ネルフの総司令官で碇シンジの父親、年齢は48歳の壮年男性です。特徴は短髪にエイブラハム・リンカーンを思わせるような顎鬚でいつもサングラスと白い手袋をしています。 碇家に婿養子として入籍しており、性格は冷静沈着で冷酷無比、自分の目的のためにはいかなる犠牲をも厭わないような冷酷漢です。 非常に有能な策謀家であるため、人類補完計画を進める秘密結社ゼーレから、特務機関ネルフの活動とエヴァンゲリオン運用に関するすべての権限を与えられています。 新劇場版では名字の設定が変わっており、碇ゲンドウが本名で、ユイの旧姓が綾波となっていました。ユイがゼーレ関係者であるという設定も新劇場版では見られないため、ゼーレに入るためにユイに近づき婿養子になったという設定自体がなくなったのかもしれません。
【正体】「シンエヴァ」で目がない理由は?人間をやめた?

新劇場版の完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に登場するゲンドウは、なんとすでに人間を捨てていました! 「ネブカドネザルの鍵」を使って人ではないものになっており、ゴーグルで隠されていた素顔は両目を中心に十字架のような空洞が広がっています。銃で頭を撃たれても、死ぬ気配もありません。 「ネブカドネザルの鍵」は「神と魂を紡ぐ道標」であり、「人類補完の扉を開く鍵」であったため、「シン・エヴァ」でのゲンドウは自分が目指す人類補完計画を遂行し、神に近い存在になっていたのでしょうか。
【目的】神になってもう一度ユイに会いたかった
ゲンドウの目的はTVアニメ版と同じく、実験中に初号機に取り込まれてしまった妻・ユイと再会することです。新劇場版においてそれが叶う唯一の方法が、自身がネブカドネザルの鍵を使って神となり、アディショナルインパクトを起こすことでした。 ユイと会うために必要なアディショナルインパクトの手順はかなり複雑であり、それらを用意するために彼は周りのすべてを手駒としたのです。 優秀すぎるがゆえにずっと孤独な人生を歩んできたゲンドウ。人をやめてまで再会を願うほど、彼にとって初めて幸せをくれたユイは唯一無二の存在でした。
【手段】ネブカドネザルの鍵とは?
ネブカドネザルの鍵は「神と魂を紡ぐ道しるべ」と称されるアイテム。詳しい使用方法はわかりませんが、使用後のゲンドウから分かるのは、まず身体が人外になるということ。目の十字穴からビームを発射したり、空中に浮遊したりしていました。 そして知識面においても、神の域に達します。作中のセリフを考慮すると、神しか知り得ないこの世の理をインストールしたようなイメージでしょうか。この世界がループしていることや、旧劇場版の結末までも彼は知ることになりました。 これによってゲンドウは神へとアクセスできる存在へと進化したのです。
【死亡】ゲンドウの最期は?アニメ版と新劇場版で比較
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』と「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズでの碇ゲンドウの最期は大きく異なります。 TVアニメ版での碇ゲンドウの最期は、ゲンドウ自身が全知全能の存在になるため第1使徒アダムの幼生体を自身の体に取り込み、第2使徒リリスの魂の器となった綾波レイと同化しようとしましたが失敗する、というものでした。 同化を拒否した綾波レイに右手にあるアダムの幼生体を右手ごと奪われます。その後、射殺したはずの瀕死の赤木リツコによって喉を拳銃で撃たれ死亡しました。 一方、新劇場版での碇ゲンドウは、3作目「Q」にて、ほぼ壊滅状態のネルフで指揮をとっており、葛城ミサト率いる反ネルフ組織ヴィレと対立しています。更にエヴァンゲリオン13号とロンギヌスの槍2本を使い「フォースインパクト」を引き起こすべく暗躍していました。
「シンエヴァ」での最期

「シン・エヴァ」では前述したように、ゲンドウはすでに人間を捨てており、彼の計画を阻止しようとするシンジと「マイナス宇宙」で対峙します。初めはエヴァ13号機と初号機同士で戦いますが、それでは決着がつかないことを悟り、2人は対話を始めました。 初めて父と息子として話し、孤独だった過去を語ったゲンドウは、ようやくシンジの中にユイがいることに気づきます。シンジがミサトから受け取った「ガイウスの槍」を手にし、大人になったことを知って、シンジと話していた電車の中から降りていきました。 シンジを送り出そうとするユイの背後でゲンドウが一緒に手を添えていたということは、ゲンドウの願いも叶ったと考えられます。
【関係①】なぜ全てを犠牲にしてまで碇ユイに執着するのか
碇ゲンドウの目的は人類補完計画である、というのがストーリーの重要なポイントになっています。しかし、ゲンドウの本当の目的は人類の救済ではありませんでした。 彼の本当の目的は亡き妻である碇ユイに再会することでありその為にゼーレも、息子であるシンジも、己の計画を進めるコマの1つとして利用していました。 ゲンドウのユイへの強い気持ちはコミック版でゲンドウ本人から語られており、「ユイは自分にとっての光だった」と言っています。尊大で孤高に見えるゲンドウですが、本質は内向的で人を信じられないタイプだったのでしょう。 彼にとって碇ユイという人物は、彼を許し愛してくれた世界でたった一人の人物。コミック最終巻でシンジに「お前なら、私の気持ちがわかるだろう。絶望しかないこの世界を」と言っている通り、ゲンドウにとってユイのいない世界は絶望そのものだったのかもしれません。 冷たく暗いイメージの彼は、実は狂おしい程に純真な人物だったのではないでしょうか。もし、ユイがそんなゲンドウの純粋さや一途さ、愛らしさに気が付いていたのだとすれば、ユイが周りから疎まれ悪い噂の絶えないゲンドウのことを「かわいい人」と称していたのも納得です。
【関係②】なぜ息子、碇シンジを愛すことができないのか

碇ゲンドウと息子シンジの仲は冷え切っている、というのはエヴァを語る上では大前提となります。ではなぜゲンドウはそこまで頑なにシンジを拒絶するのでしょうか。 もちろん、ゲンドウ自身が不器用な男で息子を上手く愛せなかった、というのもあると思いますが、大きな理由はやはりユイにあります。 コミックスの中で、ゲンドウはシンジに対し「ユイの愛情を受けるお前が憎かった」という旨を伝えています。「ユイ=世界」といっても過言ではないほどユイを愛していたゲンドウにとっては、ユイの愛情を一心に受ける息子でさえも自分の世界を邪魔する存在だったということです。 また、エヴァの実験中にユイを失ったこと。そのユイがエヴァの中の意識だけの存在となってもシンジを選び続けることもゲンドウを苦しめていたのかもしれません。 “ゲンドウは一方的にシンジを憎んでいた”、そう思われても仕方ありません。しかし、最期の瞬間を迎える前、ゲンドウは再会したユイに、シンジについて「あの子に苦しみしか与えられなかった」と告げています。 息子を拒絶し続け、愛することを否定し続けたゲンドウですが、心の奥底では本当はシンジを愛したいという気持ちがあったかもしれませんね。
「シン・エヴァ」ではシンジに諭され自分の弱さを見つめ直す
「シン・エヴァ」でゲンドウとシンジが対話する電車の中で、またユイに会えないのかといまだ思い悩むゲンドウ。そこで、シンジに「自分の弱さを認めないからだよ」と諭されます。 父が延々とユイに固執して、人類を巻き込んでインパクトを起こし続けている傍で、息子は現実世界で一足先に大人になっていたのです。シンジに「大人になったな」と優しく語りかけ、ゲンドウは電車から降り、「シン・エヴァ」の舞台から去ったのでした。
【関係③】碇ゲンドウと赤木リツコとの関係性は如何に?
碇ゲンドウは妻の碇ユイがエヴァ初号機の稼働実験テストにおいて事故のため消失して以降、赤木リツコの母でスーパーコンピューターシステム「MAGI」の開発担当者だった赤木ナオコと愛人関係を結びます。目的はゲンドウがゼーレや国連に対して、情報操作と機密情報の隠匿を行うためでした。 更に赤木ナオコが不慮の事故と思われるものによって亡くなると後任である娘の赤木リツコとも愛人関係を結びます。しかしそこには妻ユイに向けた様な愛情は一切ありませんでした。 ゲンドウは「人類補完計画」野望遂行のため、全ての機密情報を管理するコンピュータ「MAGI」の運営・管理する立場にある赤木リツコを自分の手持ちのカードの1つとして保持するため愛人関係を結んだのです。更に利用価値が無いとわかると切り捨てており、最終的には赤木リツコを自らの手で射殺しています。
【名場面】碇ゲンドウは名言製造機?

碇ゲンドウは劇中で様々な明言を残しています。ゲンドウは冷徹なセリフが多いのですが、中にはかなり奥深い意味を持ったセリフも。そんなゲンドウの名言セリフをピックアップしました!
「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進めることは出来る」
アニメ「第弐拾弐話」において、ゲンドウが自身が企てた「人類補完計画」のシナリオの予定時間を早めた時に言ったセリフです。伏線ともとれる重要なセリフですが、実社会においても通用する教訓的な意味が含んでいるセリフです。
「所詮、人間の敵は人間だよ。」
アニメ「第拾壱話」でネルフ本部の停電が、意図的に引き起こされた際にゲンドウが放ったセリフです。全人類の共通の敵である使徒を前にしてもなお争いあっている人類に対して言ったセリフで、脅威が目前に迫っていても足を引っ張ろうとする人間たちに向けた痛烈な批判を含んでいます。
「人は思い出を忘れることで生きていける。だが、決して忘れてはならないこともある。」
アニメ「第拾壱話」で息子のシンジと共に墓参りをするシーンで妻ユイの墓前で息子のシンジに向けたセリフです。シンジに対していつも冷淡なセリフが多いゲンドウですが、劇中で唯一父親らしい側面を伺わせるセリフとなりました。
碇ゲンドウについて理解を深めることができましたか?
使徒殲滅を総指揮するエリートであり、その性格や思惑には奥深いものが隠されている難解な人物、碇ゲンドウ。彼のプロフィールや性格などを紹介してきました。 これを読んでからもう一度エヴァを鑑賞すれば、初めてエヴァを観たときにはわからなかったゲンドウの意図がわかるようになるかもしれません。エヴァは何度観ても楽しめるアニメなので、これを機会にぜひもう一度鑑賞してみては?





