人類補完計画とはなんなのか?その目的とは?ゼーレとは?全てを徹底解説!
人類補完計画を遂行しようとしている組織「ゼーレ」とは?
ゼーレはドイツ語で魂を意味しており、太古から世界を裏で操っているとされる秘密結社です。国連を隠れみのとしており、元々は宗教団体としてスタートしました。 自身の宗教に基づく発掘調査の過程で、使徒の襲来などを予言した謎の書物「裏死海文書」を発見したことにより、人類の原点回帰への道を模索していきます。 南極での調査により、最初の使徒であるアダムを発見。世界を巻き込んだ大災害のセカンドインパクトを発生させ、ネルフの前身であるゲヒルン(ドイツ語で脳)を設立しました。国連内に人類補完委員会を設立させ、いずれ目覚めてくる使徒との戦いに備えるため、国連を主導とした世界構築を行っています。 これらの行動の全ては「裏死海文書」に基づいた人類補完計画を遂行するためのシナリオにすぎません。ゼーレの最高幹部は、テレビ版では12人、劇場版では7人在籍しており、モノリスと呼ばれる長方形状の物体を使用して会議しています。
ゼーレの正体は?構成員は元々人間だった?
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ゼーレの構成員は機械なのか?
TV版や旧劇場版でのゼーレの構成員は、サードインパクトでL.C.L.化。肉体は溶け、体内にあった機械部分だけが残っていました。 一方、新劇場版のゼーレはモノリスの姿でしか登場しません。しかも、冬月コウゾウは電気で稼働する彼らの電源を落としていました。碇ゲンドウらの発言からも、彼らが魂を機械に宿し、人間の定義を外れた存在だとされています。このように、新旧を問わず、ゼーレ構成員は機械であったと考えられるのです。
ゼーレは人間と同じく知恵の実を与えられた生命体!
新劇場版で、碇ゲンドウは上述で触れた発言でこうも言っていました。彼はゼーレのメンバーを「知恵の実を与えられた生命体」だというのです。「エヴァ」の世界における知恵の実の保有者とは、リリン=人間のこと。つまりゼーレ構成員は元々、魂を肉体に宿した人間だったと考えられるのです。 そう考えれば、現在のゼーレは魂を機械に宿しているため、人間とはいえません。サードインパクト後を描いた「Q」で彼らが存在していること自体が、何よりの証拠でしょう。
ゼーレの構成員の人数はなぜ新劇場版で減っているのか?ループ説で考察!
TV版及び旧劇場版では、ゼーレ幹部の人数は12人とされていました。しかし、新劇場版においては、彼らの人数は7人となっています。この差については、「エヴァ」考察において語られる、ループ説に基づいて考えてみましょう。ここでいうループ説とは、新劇場版の世界は旧劇場版の世界の後の世界であるという仮説です。 ゼーレの12人中5人は、旧劇場版のサードインパクト中に何らかのトラブルで消滅。こうして、旧劇場版を経た新劇場版「Q」では7人となっていた、と考えられるのです。
「ゼーレ」が実行しようとしている人類補完計画のシナリオ
人類補完計画の目的は?
ゼーレが人類補完計画の目的としているのは、魂と肉体の解放による全人類の進化と意識の統合による原罪からの開放です。劇中ではリリスの子とされる人類は「知恵の実」しか持っておらず、知恵と善悪の区別によって生まれた時から原罪を負っており、更に肉体も脆弱で死の概念が存在します。 一方アダムから生まれたとされる使徒は「知恵の実」を持たず「生命の実」によって不老不死の存在です。ゼーレは使徒の持つ「生命の実」に目をつけ、人類を神と等しい高次元の生命体に進化させようと研究していました。その研究の核となる場所が碇ゲンドウ率いる特務機関NERV(ネルフ)です。 ゼーレの人類補完計画の最終段階は、ロンギヌスの槍とリリス、アダムを使いエヴァを触媒にしてサードインパクトを引き起こすこと。そして人類に「知恵の実」と「生命の実」の両方を与え、全人類を単一統合させた完全な生命体に進化することです。
人類補完計画の元ネタは?
人類補完計画の元ネタは「旧約聖書創世記」2章9節の「命の木」で、1番初めの人類アダムとエヴァがいたエデンの園の中央に生える2本の樹とされています。エデンの園の2本の樹には、食べ続ける事によって神と同じ永遠の命を得るとこができる果実「生命の実」と、人類の創造主たる神と同じ知を得ることができるようになるという果実「知恵の実」が実っています。 しかし、人類が食べることを許されていたのは「生命の実」のみでした。ある日、邪悪な蛇にそそのかされたことによって禁断の知恵の実を食べてしまった人類は、エデンの園を追放されてしまったと記されています。
人類補完計画が成功すると人間はどうなるの?
人類補完計画が成功すると全人類は「知恵の実」と「生命の実」が付与された状態となり、単一の意識集合体として永遠に集約されます。簡単に説明すると、他人と自分の境界線がなくなり、個体としての自我を失います。単一意識体となるので、争い事やもめ事はもちろん、喜怒哀楽といった感情もなくなります。 また人類は生身の肉体から解放され、不老不死で永遠の存在となります。当然肉体の概念がなくなうわけですから、人の形を保てなくなり、空気のような存在となります。
『エヴァンゲリオン』の劇中では空気の様な描写ではなく敢えて液体のような描写がされています。この赤い液体は、エヴァンゲリオンのコクピット内を満たす液体L.C.L(Link Connected Liquid)と同質のものになります。また、L.C.L状態となった人間を元の人の形に戻し以前と同じ記憶を元状態にすることもかなり困難ですが可能なようです。 テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』第20話においては、エヴァとのシンクロ率が400%を超えてしまいL.C.Lに融解してしまった碇シンジが、奇跡的に人の姿を取り戻すことに成功していますね。 結論をいうと「人類補完計画が成功すると人間は液体状になって他人との区別がつかなくなる」、ただし「場合によっては元に戻れるかもしれない」です。
碇ゲンドウが遂行しようとしている人類補完計画のシナリオ
ゼーレが進める人類補完計画とは方向性は大体同じですが、碇ゲンドウが進める人類補完計画のシナリオは“ゲンドウ自身”が主導権を握ることによって、完全な生命体となった全人類の更に上位の存在になること、つまり碇ゲンドウ自身が神様になることです。 目的はエヴァンゲリオン初号機プロトタイプの稼働実験の際に失われた妻の碇ユイに再び会うことで、目的のためにはゼーレ上層部を欺き、自分の同僚や部下、息子のシンジまで犠牲にしてもかまわないという決心をしています。その方法はゲンドウ自身がアダムを取り込んだうえで、リリスのクローン体である綾波レイと融合し、エヴァ初号機を使ってゲンドウの意思でサードインパクトを引き起こすというもの。 碇ゲンドウが遂行しようとしている人類補完計画の目的は、ゲンドウ自身が全知全能な存在になることによって、失われた妻の碇ユイと再び一体になることを果たすことだったのです。
人類補完計画にも「知恵の実」と「生命の実」が関係しており、2つの禁断の実を改めて人類付与することによって、魂と肉体の枷から解放させ全人類をより高次元の存在へと進化させる計画であるとされています。 「人類補完計画」は専門的な用語が多く難解な部分も多い計画ですが、旧約聖書になぞらえて考えると「人類のエデンの園への帰還」によって神の子としての復権を図ろうとしているのではないのでしょうか?
L.C.Lとは?何の略?
L.C.Lとは『新世紀エヴァンゲリオン』劇中でエヴァンゲリオンのコクピットであるエントリープラグ内を満たしている」液体でLink Connected Liquidの略称です。液体にもかかわらず、パイロットの肺などに入っても普通に呼吸ができ、更に電子機器に全く影響を及ぼさないことから、水とは全く異なる性質を持っているとされています。 エヴァパイロットとの神経接続によってエヴァンゲリオンを駆動させ、更にパイロットの精神的防御本能をATフィールドに変換する中継的な役割も担っています。 L.C.LはNERV本部最深部にあるターミナルドグマ内のL.C.L.プラントで生成されていますが、L.C.L.の正体は第2使徒リリスの体液(血液)であり、その事実はNERV上層部の一部の人間しか知りません。
NELV(ネルフ)とは?ゼーレとの関係も解説
『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する対使徒殲滅を目的とする国連直属の非公認軍事組織で、正式名称は国際連合直属非公開組織特務機関NERVといいます。かなり軍事色の強い組織で、使徒殲滅に関する戦闘行動において国家を超えた超法規的な権限を有しており、アメリカ合衆国や中国、ヨーロッパ等に各支部が存在します。 NERV本部の処在地は神奈川県足柄下郡箱根町付近(芦ノ湖周辺)、第3東京市の地下にある巨大な空間「ジオフロント」内にあり、基地最高司令官は碇ゲンドウ、副指令は冬月コウゾウです。
また「汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン」の所持、運用・管理もNERVが担っており、NERVの下位組織「マルドゥック機関」ではパイロットの選出や育成も行っています。 NERVは秘密結社「ゼーレ」からの命令によって、「人類補完計画」を秘密裏に実行するための秘密組織でもあり、使徒に関する様々な研究・情報が第7世代有機スーパーコンピュータ「MAGI」に蓄積管理されています。
人類補完計画における重要なファクターは?
第1使徒アダムの魂を持つクローン体「渚カヲル」
作中で1番の美貌と人気を誇る渚カヲルは、精神崩壊したアスカの変わりにフィフスチルドレンとして活躍しました。しかしその正体は「最後のシ者」第17使徒タブリスであり、その魂は第1使徒アダム本人であったのです。アダム計画の一環として、その魂をゼーレに救われ、人の男性の肉体に移された存在……それが渚カヲルだったのです。 人類補完計画による碇ゲンドウの裏切りを察知したゼーレがネルフに送り込んだのが、この第1使徒渚カヲルでした。ゼーレによる人類補完計画は、渚カヲルことアダムを使って計画的にサードインパクトを発生させることを目的としていましたが、碇ゲンドウの真の目的は違うものでした。 ゲンドウは自らを神とし、碇ユイを再生させる事を最終目的としていたのです。
第2使徒リリスの魂を持つクローン体「綾波レイ」
「生命の実」を持ち使徒を生み出したアダムと対をなす、「知恵の実」を持った存在。元々はアダムとリリスは1つの惑星にどちらか片方しか存在しないはずでしたが、地球に2つとも飛来してしまったことが物語の始まりです。 最初にアダムが飛来したために使徒を生み出しますが、リリスが飛来したことによりファーストインパクトが起こり、使徒は眠りにつきます。その後、人間を含めた地球上の生命体を生み出しました。 リリスはネルフ本部のある箱根に飛来したため、地下の最下層に磔にされた白い巨人のような姿をしています。始めはアダムであるとされていましたが、使徒である渚カヲルによりリリスと判明しています。
そして零号機のパイロットの綾波レイが、リリスの魂を持っていることが明らかにされています。容姿は初号機パイロットの碇シンジの母親の碇ユイに似ています。その理由は、かつて初号機の起動実験中に取り込まれてしまった碇ユイを助けようとして得られた肉体にリリスの魂を加えることによって出来ているから。 エヴァンゲリオン自体がアダムやリリスをコピーして作っているため、初号機から得られた肉体とアダムの遺伝子が合わさって綾波レイになっているようです。
エヴァンゲリオン「初号機」(エヴァ)
第2使徒リリスを元に複製品として作られた対使徒殲滅用「汎用人型決戦兵器人造人間」で、人類補完計画の要となるファクターです。 第1使徒「アダム」と第2使徒「リリス」の接触によって引き起こされるサードインパクトを人類側で意図的に引き起こし、第1使徒「アダム」から「生命の実」を奪い取ることが人類補完計画の目的の1つ。 人類側で意図的にサードインパクトを引き起こすための触媒として、魂のあるエヴァンゲリオン初号機が必要で、その為に選ばれたのが初号機との高いシンクロ率を誇るパイロット碇シンジでした。
エヴァンゲリオン初号機のパイロット「碇シンジ」(リリン)
『新世紀エヴァンゲリオン』には沢山のわかりづらい単語や、未だに謎の用語も数多くあります。 アダム・イヴ(エヴァ)・リリス・リリン。その中でも、リリンとは何か、という考察が一時話題になりましたが、リリンとはすなわち人類である私達の事を指します。 聖書によると、人類最初の人間がアダム、アダムの妻がリリスとなります。しかし、リリスはアダムの元を離れ、魔王ルシフェルと結ばれリリンを授かります。つまりリリンはリリスの子であり、それが人類というわけです。 そのため碇シンジをはじめ、アスカなどの人間キャラクターは皆リリンという事になりますが、碇シンジやアスカなどはエヴァのパイロットとなった事でリリンという定義を外れ、永久に歳をとらない存在になりました。 エヴァのパイロットが人間(ヒト)でいられなくなる事を「エヴァの呪縛」と呼び、その精神をエヴァに侵食されることによっておこる現象です。ちなみにこれは聖書ではなく『新世紀エヴァンゲリオン』オリジナルの設定となります。
ロンギヌスの槍
劇中でリリスに刺さっていた持ち手が螺旋状になっていた槍。元々は南極に眠っていたアダムと共に発見されており、実験中に使徒が目覚めそうになったアダムに刺して卵まで還元させる力を持っていました。 しかし、アダムが還元されていくときに発生した膨大なエネルギーを発生させセカンドインパクトが起きてしまいます。 その後改めてネルフ本部に回収され、リリスに刺すことになります。このロンギヌスの槍は、生命を生み出すアダムとリリスの活動を停止させる役割を担っており、肉体と魂が存在している状態で突き刺すことにより卵状態まで還元させることが可能。肉体のみである場合は、肉体の再生能力を停止させる能力を有しているようです。 そしてこの槍の力はアダムとリリスだけでなく、使徒やエヴァンゲリオンに対しても有効で、ATフィールドを無効化する力があります。 TV版では15使徒のアラエルを倒すときに使用しており、月に突き刺して回収できなくしています。旧劇場版ではゼーレが何らかの方法で量産させ、弐号機を貫く凄惨的なシーンが印象的です。
TVアニメ版と新劇場版ではそもそも未来が違う
TVアニメ版の最終回【ネタバレ】
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回では、登場人物たちの「おめでとう」連呼という、意味不明な終わり方をしてファンや視聴者を混乱させました。
旧劇場版の最終回でゼーレの人類補完計画はどうなった?【ネタバレ】
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の本当の最終話を描いた旧劇場版『EVANGELION:DEATH(TRUE)2』では、碇ゲンドウの人類補完計画は失敗し、ゼーレの人類補完計画が成功して、シンジとアスカ以外の全人類は原始の海(L.C.L)へと還りました。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で人類補完計画はどうなった?【ネタバレ】
一方『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では、テレビアニメシリーズのシナリオとキャラクターデザインを一新し、更に新キャラクターを追加したリメイク作品となっています。劇場版映画として全4部作の構成で、すでに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』、が公開済み。最新作の『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:||』が2020年に公開される予定です。 新劇場版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』開始時点で、TVアニメの最終話のその後にあたる14年後の話を描いた内容になっており、テレビ版では人類補完計画の成功によって全人類が原始の海に還ったとされていることに対し、新劇場版では人類の一部は人類補完計画から免れ、反NERV組織ヴィレを組織しNERVに反抗をしています。 最新作『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:||』にて新劇場版のエンディングを迎えることとなりますが、テレビアニメ版との違いは人類補完計画後の人類がどのような姿で描かれているかが決定的な違いとなっています。ファンの間では最新作への色々な伏線や謎への考察が始まっており、『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:||』公開への期待が高まっています。
2020年『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開
2012年に新劇場版「Q」が公開されてから、8年の月日が流れました。そして2020年、いよいよ続編となる新作が公開予定となっています。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』と銘打たれた新作で、物語は本当に完結するのでしょうか。そして、残された多くの謎が今回をもって明らかになるのか、今から楽しみでなりません。 「エヴァ」に関しては、多くの謎ゆえに、様々な考察がなされてきました。疑問や謎は設定や世界観に留まらず、作品間の関連性にまで広がっています。はたして「シンエヴァ」は、この謎だらけの世界にどんな答えを示してくれるのでしょうか。 あるいはさらなる疑問を提示するのか、いずれにせよ全く展開は読めません。とにかく今は、新作の公開を心待ちにしておきましょう。