2017年7月10日更新

ナーメテーター映画って何?徹底解説&おすすめ作品リスト!

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ターミネーター

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そもそも「ナーメテーター映画」とは?

ナーメテーター? 『ターミネーター』ではありません。2013年初頭に、TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』という番組で、「人生の今の今まで、完全にナメきっていたアレやコレやを告白し、最近ようやく気がついたその凄さを、今さらながら他人に力説する」という、リスナー投稿コーナーのために考案された造語なのです。 転じて、アメリカ映画などで散見できる、「舐めてた相手が実は殺人マシーンでした」型の作品を指す場合にも使われます。古い映画の例で言うと『ランボー』(1982)などがそうです。ランボーはさしずめ、「舐めてた流れ者がベトナム戦争の勇者でした」ということになるでしょう。

舐めてた爺さんがカンフー・マスターでした:『ザ・フォーリナー(原題)』(2017)

ジャッキー・チェン主演の新作です。いつものジャッキーとは打って変わって、コミカルな要素は全くなく、娘が爆弾テロに巻き込まれて亡くなったことをひたすら悲しむお父さんを演じています。 ジャッキー・チェンの役は、ロンドンで中華レストランを営む東洋人で、写真からも、うだつの上がらない老人という感じが伝わってきます。しかし、復讐の鬼と化してテロリストを追っているうちに、ピアース・ブロスナン演じる大物政治家と対決するのです。 おじいちゃんだとは言え、舐めてはいけません。何せ相手はジャッキー・チェンですから。メガフォンを取ったのは『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)などのマーティン・キャンベルで、日本公開は未定です。

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舐めてた按摩が居合の達人でした:『座頭市』(1989)

『座頭市』シリーズは、1962年以来、勝新太郎の当たり役となったアクション時代劇でした。勝新太郎主演では都合26作品の映画が作られていて、三隅研次、森一生、山本薩夫などの日本映画の巨匠たちが監督を務めてきました。 1989年に勝新太郎が自ら監督・脚本・主演を担当したものが本作です。もともと座頭市というキャラクターは、一見、人の良さそうな盲目の按摩ですが、実は仕込み杖でバッタバッタと人を斬る侠客。視覚以外の感覚が優れているので、博打でも負けることはありません。 当時の勝新太郎は50歳代後半で、往年のアクションができるのかが危ぶまれていましたが、これは「ナーメテーター」! 勝の実子である奥村雄大(現・鴈龍)演じる悪役と、赤ん坊を抱きながら見事な立ち回りを見せます。

舐めてた盲人が超人でした:『ドント・ブリーズ』(2016)

2016年にアメリカでスマッシュ・ヒットを記録した、サスペンス・ホラー映画です。製作は『死霊のはらわた』(1981)などのサム・ライミ。 舞台は経済が破綻し、荒廃したデトロイトです。視覚障害の老人が家の地下室に大金を隠しているという情報を得て、3人の若者がその家に強盗に押し入ります。目が見えないと「ナーメテーター」おじいちゃんは、実は退役軍人で超人的な聴覚の持ち主でした。 盲人は即座に若者の1人を殺してしまいます。あとの2人は盲目の老人に気づかれないように、逃げられるのか?というサスペンスが、本作の胆となるのです。

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舐めてた犬好きの男が伝説の殺し屋でした:『ジョン・ウィック』(2015)

ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)は凄腕の殺し屋でしたが、結婚を機に引退していました。ところが、愛する妻は病死してしまい、妻が遺した仔犬も強盗に殺されてしまったのです。 ジョンは復讐のために裏社会に復帰します。仔犬を殺した強盗はジョンの元・雇い主ヴィゴの息子でした。ジョン・ウィックの実力を知っているヴィゴは、懸賞金を懸けてジョン・ウィック暗殺を殺し屋たちに命じます。 ジョン・ウィックとヴィゴの壮絶な闘争が始まりますが、殺しのプロを舐めてはいけません。さらに、殺し屋たちが定宿としているホテルが登場するのも、特筆すべき点です。口調が丁寧なホテルのオーナーを舐めてはいけません。ホテルのルール破った殺し屋を、いとも簡単に殺していまうのです。

舐めてたホームセンターの店員が殺人マシーンでした:『イコライザー』(2014)

『イコライザー』(2014)はデンゼル・ワシントン主演のアクション映画です。デンゼル・ワシントン演じるロバート・マッコールは、ホームセンターの店員で、読書好きの人の良さそうな男。 マッコールは、仲良くなった若い娼婦テリー(クロエ・グレース・モレッツ)が、大けがを負って入院したことを知ります。売春をさせていたマフィアが、テリーを半殺しにしたのです。 マッコールは、マフィアの許に行き、大金を払って彼女を自由の身にするように交渉しますが、一蹴されます。そこで、あざ笑っているマフィアたちを、20秒足らずで皆殺しにしてしまいます。マッコールは、元CIAのエージェントだったのです。 マッコールの舐めてはいけないところは、いつでも丸腰で、その場にあるものを武器にしてしまう点です。監督は『マグニフィセント・セブン』(2016)のアントワーン・フークア。

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お父さんや童貞も、ナーメテーター!

いかがでしたか? 正体をよく知りもしないで、舐めてかかるととんでもない目に逢う事例がいっぱいありますね。特に引退したプロには要注意です。 この他にも、息子を深く愛しているお父さんを舐めてはいけませんという『狼の死刑宣告』(2009)や、童貞臭のするヘタレだが思い込みの激しい男は何をしでかすか分かりませんという『スーパー!』(2011)などというパターンも考えられます。 あなたも実生活で「ナーメテーター!」と後悔しないように、映画でしっかり予習をしておきましょう。最悪の場合は命を落とします。