2022年7月22日更新

「ジュラシック・ワールド」ラプトルの活躍を振り返る!4姉妹は人間を裏切ったの?

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『ジュラシック・ワールド』
© UNIVERSAL PICTURES/zetaimage

1993年に公開された『ジュラシック・パーク』で、一躍その名を馳せた中型恐竜・ヴェロキラプトル。映画の中では「ラプトル」と呼ばれ、ティラノサウルス以外で唯一シリーズ全作に登場しています。 この記事では、ラプトルたちがシリーズ各作品で見せた活躍について詳しく解説!次第に人間と距離を縮めていくラプトルの姿に、魅了されること間違いなしです。 ※この記事には、「ジュラシック・パーク」および「ジュラシック・ワールド」シリーズのネタバレが含まれます。作品を未視聴の方、ネタバレを知りたくない方はご注意ください。

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そもそもラプトルってどんな恐竜?

ジュラシックワールド2
© Universal Pictures
全長 約2m
体重 約15㎏
生息時代 役7500万~7000万年前(中生代白亜紀後期)
生息地 東アジア大陸

ヴェロキラプトル(通称・ラプトル)の最大の特徴は後ろ足に付いた15cmほどもあるカギ爪。 ラプトルはこのカギ爪を使って獲物を仕留めたり、木に登ったりしていたと考えられています。また頭蓋骨が大きく、恐竜のなかでは脳幹も発達しており、高い知能を持っていました。 ヴェロキラプトルという名前の由来は、ラテン語の「velox(素早い)」「raptor(略奪者)」を合わせたもので、「俊敏な略奪者」というような意味です。 映画シリーズでは、トカゲのような皮膚の恐竜として描かれていますが、実際は全身が羽毛に覆われた鳥のような見た目だったと考えられています。

ラプトルの愛称は「Clever Girl(クレバー・ガール)」

シリーズ1作目にあたる『ジュラシック・パーク』の後半で、パークの監視員を務めていたロバートがラプトルの罠にかかってしまいます。 その際に彼が言った「Clever girl……(利口な奴だ)」という台詞が由来となって、ファンの間でラプトルは「Clever Girl」の愛称で親しまれているのです。

『ジュラシック・ワールド』のラプトル4姉妹

ジュラシックワールド2
© Universal Pictures

『ジュラシック・ワールド』では、これまでのシリーズでずっと「敵」として登場してきたラプトルが、なんと孵化した時から恐竜監視員・オーウェンに育てられ、言う事を聞くようになっていました。これまで紹介してきたラプトルのどう猛さを考えると、驚きの出来事です。 本作におけるラプトルの特徴は、遺伝子操作された上で戦闘訓練を受けているため、戦闘力と知能が大きく高まっている点。そんなラプトル4姉妹を1匹ずつ紹介します。

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長女:ブルー

ジュラシックワールド ブルー ラプトル
© Universal Pictures
特徴 青みがかった体色 紺碧色のライン
性格 群れの中のリーダー的役割で、オーウェンには従順。

長女であるブルーは、4姉妹をまとめる役割を担っています。姉妹の中でも特にオーウェンとの絆が深く、常に彼の右腕として活躍。ノドグロオオトカゲとナイルオオトカゲのDNAが組み込まれているため、身体の色は名前の通りブルーです。

次女:デルタ

What was Delta's final thought before attacking Hoskins? #JurassicWorld

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特徴 淡い緑色の体色
性格 ブルーの右腕的存在。獰猛な性格で、多くの人間を食い殺している。

次女であるデルタは、他の姉妹が爬虫類のDNAを多く取り入れているのに比べて、鳥のDNAを多く摂取しています。ブルーと違ってまだ人間に対する嫌悪感があり、なれなれしく自分の頭を触ったホスキンスのことがとても嫌いです。 見た目は四女チャーリーに似ており、差別化されてはいるもののすぐに見分けはつきません。4姉妹のサブリーダーを務め、ブルーには忠実な様子も描かれています。

デルタの最期

デルタはのちに、ホスキンスを研究所内で追いつめて食い殺します。 その後ブルーと共にインドミナス・レックスを討伐しようとしますが、レストランのグリル場に吹っ飛ばされて焼死してしまいました。

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三女:エコー

特徴 褐色の肌にまだら模様
性格 4姉妹の中で最も凶暴。ブルーとリーダー争いをするほど。

三女のエコーは、オレンジに近いカラーをしています。愛称は「エルビス」。非常に短気な上、凶暴な性格で、長女ブルーとは何度もリーダーの座を巡って抗争を続けていたようです。しかし1度も勝ったことはなく、体中に生傷が残っており、牙の一部が欠損しています。 とはいえ仲間意識は強く、インドミナス・レックスがブルーを吹き飛ばした時は、真っ先に飛びかかっていきました。

エコーの最期

エコーはインドミナス・レックスに投げ飛ばされ、最期を迎えます。デルタがやられた時、一瞬気が逸れたわずかな隙を突かれ、全身を嚙み砕かれてしまいました。

四女:チャーリー

特徴 緑色の体に黒のしま模様
性格 比較的おとなしい。オーウェンの言葉にも耳を傾ける。

末っ子であるチャーリーは、グリーンイグアナのDNAを取り組んでいるため身体が緑色です。性格は比較的温厚で、劇中でもリーダーのブルーとオーウェンには敬意を表す様子が描かれています。 しかし、インドミナス・レックスの傘下に下った際は、インジェン社の特殊部隊を本能の赴くまま殺害していました。

チャーリーの最期

チャーリーはインドミナス・レックスに操られて人間を襲うことになった際、偶然出くわしたオーウェンを見つめ、人間を傷つけることに戸惑いを感じました。 しかしオーウェンと見つめ合っていたチャーリーに、爆弾が命中。4姉妹の中で最初の犠牲者となってしまいました。

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【考察】ラプトルは人間たちを裏切っていない?

『ジュラシック・ワールド』で、インドミナス・レックスに対する兵器として放たれたラプトル4姉妹。最初はオーウェンに従ってインドミナスに向かいますが、ラプトルのDNAを持つインドミナスと会話し、懐柔されたように見えました。 オーウェンとの絆があるなか、ラプトルたちのこの行動は人間を裏切ったのだと解釈されています。絆はあると言えども、所詮は恐竜と人間。種を超えた関係構築は難しかったのではないかと考えられます。 しかし、ファンの間では実はラプトルたちは「裏切っていない」と考える説も。

「裏切っていない」その理由とは

「裏切っていない」という見解は、「銃を撃たれたのでとっさに反撃してしまっただけ」というもの。インドミナスを本当に攻撃していいのか、その指示をオーウェンに仰ごうとしたタイミングで撃たれてしまい、反射的に人間を攻撃せざるを得なかったのではないかと言われています。 いずれにしても、オーウェンとブルーの間には確かな絆が育っていたことは間違いなく、こうした見方の相違が出るのも愛されている作品だからこそ。公式見解は発表されていないため、鑑賞者側に解釈が委ねられているのです。

『ジュラシック・パーク』(1993年)では恐ろしい完全悪として登場

1作目の冒頭で、パークの恐竜監視員・ロバートが同僚を失ってしまう事故が描かれています。これは檻に入れようとした恐竜が暴れたことで発生した事故でしたが、その恐竜こそがラプトルだったのです。 それからというもの、ロバートはラプトルに対して固執するようになりました。 ラプトルは映画冒頭の事故のみならず、後半にグラント博士たちの命を狙う「完全悪」としてその本領を発揮します。レックスとティム兄弟がキッチンに隠れるシーンや、その後ラボの中に侵入しようとするシーンなどで、緊張感漂う名シーンを多く生んだラプトル。 映画公開当時、そのあまりにも恐ろしい姿でラプトルの名は一躍有名になりました。一方で、ラプトルのスマートなルックスや高い知能に惚れ込むファンも続出。 クライマックスでラプトルはティラノサウルスに撃退されてしまいますが、彼らの恐ろしさは観客の記憶に刻み込まれました。

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「ジュラシック・パーク2」(1997年)ではマヌケな姿も見せた?

ロストワールド/ジュラシックパーク ゼータ
©UNIVERSAL

前作から一転、シリーズ2作目となる『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』に登場したラプトルは、残忍さこそは変わらないものの、少々マヌケな姿が描かれました。 通信センターに助けを求めにいったイアン・マルコムとその仲間に襲いかかるのですが、建物にぶつかってばかり。しまいには、マルコム博士の娘の蹴りによってぶっ飛ばされて、サラに屋根から落とされてしまいます。

「ジュラシック・パーク3」(2001年)で初めて人間とコミュニケーションをとる!

『ジュラシック・パーク III』 ラプトルに囲まれるグラント
©︎MCA/Universal Pictures/Photofest

3作目の『ジュラシック・パークⅢ』でラプトルたちは、再び人間を狙う恐ろしい敵として登場します。今作のラプトルはシリーズで初めて頭部に毛が生えているのですが、これは当時ヴェロキラプトルの化石から羽毛状の痕跡が見つかったことに由来しています。 映画ではグラント博士の助手・ビリーがラプトルの卵を盗んでしまった事が原因で、彼らに追いかけ回されてしまうはめに。そしてついにラストシーンで、助けを求めるために海辺に出ようとした博士たちは、ラプトルに足止めされてしまいます。

その際にグラント博士は、ラプトルたちが鳴き声でコミュニケーションをとっている事を察し、それを頼りに卵を返すよう仲間に促します。

グラント博士は映画の冒頭で、ラプトルの鳴き声を研究している事を明かしており、彼らが仲間を呼ぶときの鳴き声や、互いに話すときの鳴き方を熟知していたのです。 ラプトルもグラント博士一行の思惑を察し、命はとらずに卵だけを持って去って行きます。これはシリーズで初めて、ラプトルと人間がコミュニケーションを交わしたシーンでした。 そしてそれは、長年の時を経て公開された続編『ジュラシック・ワールド』にも通ずるテーマとなります。

「ジュラシック・ワールド2」(2018年)で現れた“最強の新種”インドラプトル

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』インドラプトル
© UNIVERSAL PICTURES/zetaimage

インドミナス・ラプトル(通称・インドラプトル)は、『ジュラシック・ワールド』での惨劇から3年後、遺伝子学者のヘンリー・ウー博士がロックウッド財団の協力を得て誕生させた新種です。 この恐竜はインドミナス・レックスの小型版で、全長7.3m、体重1.1tと肉食恐竜では中型と大型の間くらいの大きさ。ラプトルの遺伝子を受け継いでいるため、動きが素早いことも特徴です。 はじめから軍事目的で生み出されたインドラプトルは、人間が銃のレーザーで照射した相手に目標を定め、音響シグナルで攻撃を開始するという習性を持たされています。 また凶暴な性格と高い知能を持ち合わせており、前あしが器用であることも特徴。窓を割らずにわざわざ鍵を開けて侵入するなど、その能力の高さには驚くばかりです。 ヴェロキラプトルと同じく両足にカギ爪があり、劇中ではこの爪で床を叩く様子がたびたび見受けられました。これは第1作目でラスボスだったラプトルへのオマージュだと考えられます。

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「ジュラシック・パーク/ワールド」ラプトル4姉妹はキュートで凶暴?

「ジュラシック・パーク」シリーズから「ジュラシック・ワールド」シリーズと、長年にわたり登場してきた人気恐竜のヴェロキラプトル。その中でも、ラプトル4姉妹は特に人気の高いキャラクターです。 シリーズ共通のテーマである「人間と恐竜の共存」の鍵を担っているといえる長女ブルーが、最新作にも再登場!その活躍にも注目です。