2020年7月21日更新

賢い恐竜ラプトルの活躍を振り返る!『ジュラシック・ワールド』で生まれた人間との絆

『ジュラシック・ワールド』
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大ヒット映画「ジュラシック・パーク」シリーズ全作に登場し、『ジュラシック・ワールド』では大活躍したヴェロキラプトル。この記事では、そんなラプトルたちが各作品でどのような活躍を見せたのか詳しく解説していきます。

目次

「ジュラシック・パーク」シリーズ全作に出演!ラプトルの活躍を振り返る【ネタバレ注意】

ジュラシックワールド
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1993年に公開された『ジュラシック・パーク』で、一躍その名を馳せた中型恐竜・ヴェロキラプトル。映画の中では「ラプトル」と呼ばれ、ティラノサウルス以外で唯一シリーズ全作に登場しています。 この記事では、ラプトルたちがシリーズ各作品で見せた活躍について詳しく解説!次第に人間と距離を縮めていくラプトルの姿に、魅了されること間違いなしです。 ※この記事には、「ジュラシック・パーク」および「ジュラシック・ワールド」シリーズのネタバレが含まれます。作品を未視聴の方、ネタバレを知りたくない方はご注意ください。

そもそもラプトルってどんな恐竜?

ヴェロキラプトル(通称・ラプトル)は、約7500万から7000万年前の中生代白亜紀後期に、東アジアの大陸で生息していた肉食恐竜です。頭から尾の先までの全長は約2m、推定体重は約15kgほどのほっそりとした体型で、最大の特徴は後ろ足に付いた15cmほどもあるカギ爪。 ラプトルはこのカギ爪を使って獲物を仕留めたり、木に登ったりしていたと考えられています。また頭蓋骨が大きく、恐竜のなかでは脳幹も発達しており、高い知能を持っていました。 ヴェロキラプトルという名前の由来は、ラテン語の「velox(素早い)」と「raptor(略奪者)」を合わせたもので、「俊敏な略奪者」というような意味です。 映画シリーズでは、トカゲのような皮膚の恐竜として描かれていますが、実際は全身が羽毛に覆われた鳥のような見た目だったと考えられています。

ラプトルの愛称は「Clever Girl(クレバー・ガール)」

シリーズ1作目にあたる『ジュラシック・パーク』の後半で、パークの監視員を務めていたロバートがラプトルの罠にかかってしまいます。 その際に彼が言った「Clever girl……(利口な奴だ)」という台詞が由来となって、ファンの間でラプトルは「Clever Girl」の愛称で親しまれているのです。

『ジュラシック・パーク』(1993年)では恐ろしい完全悪として登場

1作目の冒頭で、パークの恐竜監視員・ロバートが同僚を失ってしまう事故が描かれています。これは檻に入れようとした恐竜が暴れたことで発生した事故でしたが、その恐竜こそがラプトルだったのです。 それからというもの、ロバートはラプトルに対して固執するようになりました。 ラプトルは映画冒頭の事故のみならず、後半にグラント博士たちの命を狙う「完全悪」としてその本領を発揮します。レックスとティム兄弟がキッチンに隠れるシーンや、その後ラボの中に侵入しようとするシーンなどで、緊張感漂う名シーンを多く生んだラプトル。 映画公開当時、そのあまりにも恐ろしい姿でラプトルの名は一躍有名になりました。一方で、ラプトルのスマートなルックスや高い知能に惚れ込むファンも続出。 クライマックスでラプトルはティラノサウルスに撃退されてしまいますが、彼らの恐ろしさは観客の記憶に刻み込まれました。

「ジュラシック・パーク2」(1997年)ではマヌケな姿も見せた?

ロストワールド/ジュラシックパーク ゼータ
©UNIVERSAL

前作から一転、シリーズ2作目となる『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』に登場したラプトルは、残忍さこそは変わらないものの、少々マヌケな姿が描かれました。 通信センターに助けを求めにいったイアン・マルコムとその仲間に襲いかかるのですが、建物にぶつかってばかり。しまいには、マルコム博士の娘の蹴りによってぶっ飛ばされて、サラに屋根から落とされてしまいます。

「ジュラシック・パーク3」(2001年)で初めて人間とコミュニケーションをとる!

3作目の『ジュラシック・パークⅢ』でラプトルたちは、再び人間を狙う恐ろしい敵として登場します。今作のラプトルはシリーズで初めて頭部に毛が生えているのですが、これは当時ヴェロキラプトルの化石から羽毛状の痕跡が見つかったことに由来しています。 映画ではグラント博士の助手・ビリーがラプトルの卵を盗んでしまった事が原因で、彼らに追いかけ回されてしまうはめに。そしてついにラストシーンで、助けを求めるために海辺に出ようとした博士たちは、ラプトルに足止めされてしまいます。

その際にグラント博士は、ラプトルたちが鳴き声でコミュニケーションをとっている事を察し、それを頼りに卵を返すよう仲間に促します。

グラント博士は映画の冒頭で、ラプトルの鳴き声を研究している事を明かしており、彼らが仲間を呼ぶときの鳴き声や、互いに話すときの鳴き方を熟知していたのです。 ラプトルもグラント博士一行の思惑を察し、命はとらずに卵だけを持って去って行きます。これはシリーズで初めて、ラプトルと人間がコミュニケーションを交わしたシーンでした。 そしてそれは、長年の時を経て公開された続編『ジュラシック・ワールド』にも通ずるテーマとなります。

『ジュラシック・ワールド』(2015年)では人間に育てられたラプトル4姉妹が登場

『ジュラシック・ワールド』では、これまでのシリーズでずっと「敵」として登場してきたラプトルが、なんと孵化した時から恐竜監視員・オーウェンに育てられ、言う事を聞くようになっていました。これまで紹介してきたラプトルのどう猛さを考えると、驚きの出来事です。 本作におけるラプトルの特徴は、遺伝子操作された上で戦闘訓練を受けているため、戦闘力と知能が大きく高まっている点。そんなラプトル4姉妹を1匹ずつ紹介します。

ブルー

長女であるブルーは、4姉妹をまとめる役割を担っています。姉妹の中でも特にオーウェンとの絆が深く、常に彼の右腕として活躍。ノドグロオオトカゲとナイルオオトカゲのDNAが組み込まれているため、身体の色は名前の通りブルーです。

デルタ

What was Delta's final thought before attacking Hoskins? #JurassicWorld

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次女であるデルタは、他の姉妹が爬虫類のDNAを多く取り入れているのに比べて、鳥のDNAを多く摂取しています。ブルーと違ってまだ人間に対する嫌悪感があり、なれなれしく自分の頭を触ったホスキンスのことがとても嫌いです。

デルタはのちに、ホスキンスを研究所内で追いつめて食い殺します。 その後ブルーと共にインドミナス・レックスを討伐しようとしますが、レストランのグリル場に吹っ飛ばされて焼死してしまいました。

エコー

三女のエコーは、オレンジに近いカラーをしています。愛称は「エルビス」。

エコーはインドミナス・レックスに投げ飛ばされ、最期を迎えます。

チャーリー

末っ子であるチャーリーは、グリーンイグアナのDNAを取り組んでいるため身体が緑色です。 チャーリーはインドミナス・レックスに操られて人間を襲うことになった際、偶然出くわしたオーウェンを見つめ、人間を傷つけることに戸惑いを感じました。

しかしオーウェンと見つめ合っていたチャーリーに、爆弾が命中。4姉妹の中で最初の犠牲者となってしまいました。

ついに人間と心を通わせる!ブルーの忠誠心に感動

『ジュラシック・ワールド』における最大の感動ポイントは、これまで悪役に徹してきたラプトルが人間と心を通わせる姿です。

本来ブルーは「ジュラシック・ワールド」が崩壊した時点で、人間の言う事を聞く必要性がなくなっていました。また従来のシリーズで描かれてきたようなどう猛さ、ずる賢さはまだ彼女の中に残っています。 それなのに、ブルーは目の前で武器を捨てたオーウェンとの信頼関係を取り戻し、インドミナス・レックスに立ち向かうのです。 ブルーは上記の通り、この一連の事件で姉妹を失ってしまいました。さらに唯一残された肉親に近い存在オーウェンでさえ、インドミナス・レックスによって失いかけているのです。彼女は自身よりはるかに大きい存在に立ち向かうものの、あっけなく吹っ飛ばされてしまいます。 ブルーがいなくなった後、クレアがティラノサウルスを連れてきますが、インドミナス・レックスにはティラノサウルスですら歯が立ちません。インドミナス・レックスが止めを刺そうとしたその時、遠くからブルーの鳴き声が聞こえ、彼女が救世主のように再び戻ってきます。 この鳴き声は、前作で「仲間を呼ぶときの鳴き声」として紹介されていたものでした。つまり人を襲う遺伝子を持つブルーが、自分自身の意思で人間を仲間と見なし、守り抜く決断をしたのです。 シリーズ全作を通して感じるこのラプトルの変化に、思わず涙してしまいます。

ジュラシックワールド2
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インドミナス・レックスとの激しい闘いが終わり、見つめ合うオーウェンとブルー。

ブルーはオーウェンが首を横に振ったのを見て、後ろ髪を引かれながらも、島の奥に去っていくのでした。生まれてからずっとオーウェンと一緒にいて、彼に育てられてきた彼女が野生になる瞬間は、子供が親離れする姿にも似ています。

「ジュラシック・ワールド2」(2018年)で現れた“最強の新種”インドラプトル

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』インドラプトル
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インドミナス・ラプトル(通称・インドラプトル)は、『ジュラシック・ワールド』での惨劇から3年後、遺伝子学者のヘンリー・ウー博士がロックウッド財団の協力を得て誕生させた新種です。 この恐竜はインドミナス・レックスの小型版で、全長7.3m、体重1.1tと肉食恐竜では中型と大型の間くらいの大きさ。ラプトルの遺伝子を受け継いでいるため、動きが素早いことも特徴です。 はじめから軍事目的で生み出されたインドラプトルは、人間が銃のレーザーで照射した相手に目標を定め、音響シグナルで攻撃を開始するという習性を持たされています。 また凶暴な性格と高い知能を持ち合わせており、前あしが器用であることも特徴。窓を割らずにわざわざ鍵を開けて侵入するなど、その能力の高さには驚くばかりです。 ヴェロキラプトルと同じく両足にカギ爪があり、劇中ではこの爪で床を叩く様子がたびたび見受けられました。これは第1作目でラスボスだったラプトルへのオマージュだと考えられます。

ラプトルVSラプトル!その戦いの行方は?

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
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前作で生き残ったラプトルのブルーは本作にも登場。オーウェンと再会し、相棒としてさらなる活躍を見せてくれます。そんな彼女のいちばんの見せ場は、なんといってもインドラプトルとの対決シーン!

ハモンドの孫であるメイジーを執拗に狙うインドラプトル。ベッドに隠れたメイジーを狙い、彼女の寝室に静かに侵入してきます。 彼女が襲われそうになった瞬間、オーウェンが現れ銃でインドラプトルを撃退。しかしインドラプトルは一瞬弱ったふりをしたものの、オーウェンの銃が弾切れであることを知ると再び襲いかかってきました。 そこに割って入ったのはブルー。彼女がインドラプトルと格闘をくり広げている間に、オーウェンとメイジーは、窓から外へと脱出しました。ところがやはり力ではかなわなかったのか、ブルーは投げ出されインドラプトルがオーウェンたちを追ってきます。 展示室のガラスの屋根の上に逃げた彼らは、インドラプトルを自身の重さで落下させようとしますが、なかなかうまくいきません。もはや絶体絶命と思ったとき、ブルーがインドラプトルに飛びかかり、一緒に展示室内へ落下。体重の重いインドラプトルが下になり、トリケラトプスの化石の角が身体を貫通します。 こうしてブルーは、強敵インドラプトルを倒したのでした。

すべてが終わり、オーウェンはブルーに手を差し伸べます。

しかしブルーは名残惜しそうに彼のほうを振り返りつつも、どこかへ去っていきました。 その後、世界はパークから解放された恐竜であふれ、マルコム博士は人間と恐竜の共存を訴えます。海や動物園には、恐竜たちが現れはじめました。丘の上には、住宅街を見下ろすブルーの姿が。 次回作「ジュラシック・ワールド3/ドミニオン」では、人間の世界に恐竜が入り込み混乱する様子が描かれるのではないでしょうか。

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