実はアンチヒーロー?『ジュラシック・ワールド』で大活躍したラプトルの全て

2017年8月4日更新

大ヒット映画『ジュラシック・パーク』以降のシリーズにも登場し、『ジュラシック・ワールド』では大活躍をしたヴェロキラプトル。かぎ爪が特徴的で、非常に知能が高い恐竜として描かれています。そんなラプトル達は、全シリーズを通して「敵」から「アンチヒーロー」へと変化を遂げていたのです。

『ジュラシック・パーク』シリーズの大人気恐竜、ヴェロキラプトル

1993年に公開された『ジュラシック・パーク』で一躍その名を馳せたヴェロキラプトルは、中型の肉食恐竜です。映画の中では「ラプトル」と呼ばれ、ティラノサウルス以外で唯一全シリーズに登場しています。この記事では、そんな人間を脅かす……まるで「悪役」のように描かれているラプトルの真の魅力に迫ります。

『ジュラシック・パーク』冒頭の事故の主犯

一作目の冒頭で、パークの恐竜監視員ロバート・マルドゥーンが同僚を失ってしまう事故が描かれています。その事故とは、檻に入れようとした恐竜が暴れた事で発生したのですが、その恐竜こそラプトルだったのです。 それからというもの、ロバートはラプトルに対して特別に固執するようになるのでした。

ラプトルの愛称は「Clever Girl」

そんな監視員ロバートは、映画の後半でラプトルの罠にかかってしまいます。その際にロバートが言った「Clever girl……(利口な奴だ)」という台詞が由来となって、ファンの間でラプトルは「Clever Girl」の愛称で親しまれているのです。

『ジュラシック・パーク』では徹底的に恐ろしい、完全悪な存在

ラプトルは映画冒頭の事故のみならず、後半にグラント博士一行の命を狙う「完全悪」としてその本領を発揮します。レックスとティム兄弟がキッチンに隠れるシーンや、その後ラボの中に侵入しようとするシーンなどで、多くの恐ろしい名シーンを生んでいるラプトル。映画公開当時、それがあまりにも怖かったため、一躍その名を知らしめたほどです。尚、そのルックスや高い知能などに惚れ込むファンも続出しました。 クライマックスではティラノサウルスに撃退されてしまいますが、依然として人間の「敵役」としてその恐怖を記憶に刻み込まれたはず。

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』では少し間抜けになっている?

しかしながら、続編の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』に登場したラプトルは、残忍さこそは変わらないものの、少々間抜けに描かれているのです。通信センターに助けを求めにいったイアン・マルコムとその仲間に襲いかかるのですが、建物にぶつかってばかり。終いには、マルコム博士の娘の蹴りによってぶっ飛ばされて、サラには屋根から落とされてしまいます。

『ジュラシック・パーク3』で人間と初めてコミュニケーションをとる

さて、そんなラプトルたちも3作目の『ジュラシック・パーク3』では再び恐怖の化身としての役割を全うします。今作のラプトルはシリーズで初めて頭部に毛が生えているのですが、これは当時ヴェロキラプトルの化石から羽毛状の痕跡が見つかった事に由来しています。 映画ではグラント博士の助手ビリーが、ラプトルの卵を盗んでしまった事が原因でずっと彼らに追われてしまいます。そしてついにラストシーンで、助けを求めるために海辺に出ようとした彼らをラプトルが足止めをします。

その際に、グラント博士はラプトルの鳴き声から互いにコミュニケーションをとっている事を察し、それを頼りに卵を返すよう仲間に促します。グラント博士は、映画の冒頭でラプトルの鳴き声を研究している事を明かしていて、彼らが仲間を呼ぶときの鳴き声や、互いに話すときの鳴き方を熟知していたのです。 ラプトルもグラント博士一行の思惑を察し、命はとらずに卵だけを持って去って行くのです。これは、シリーズで初めてラプトルと人間がコミュニケーションを交わしたシーンでした。 そしてそれは、長年の時を経て公開された続編『ジュラシック・ワールド』にも通ずるテーマとなります。

『ジュラシック・ワールド』では人間に育てられたラプトルが登場

『ジュラシック・ワールド』では、これまでのシリーズでずっと「敵」であったラプトルが、なんと孵化された時から人間(オーウェン)に育てられて、言う事を聞くようになっていました。これまで紹介していたラプトルの獰猛さ等を考えると、凄い事ですよね。 今までのヴェロキラプトルと比べて、遺伝子操作および戦闘訓練などの要因から戦闘力と知能が高まっている事が特徴的。そんなラプトル4姉妹を一匹ずつご紹介します。

ブルー

ブルーは長女であり、オーウェンの次に地位が高いベータ的な役割を担っています。姉妹の中でも特にオーウェンとの絆が深く、常に彼の右腕として活躍しています。ノドグロオオトカゲとナイルオオトカゲのDNAが組み込まれているため、身体の色はブルー。

デルタ

What was Delta's final thought before attacking Hoskins? #JurassicWorld

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次女であるデルタは、他の姉妹が爬虫類のDNAを多く摂取しているのに比べて鳥のDNAを多く摂取しています。ブルーと違って人間に対する嫌悪感がまだ少しあり、馴れ馴れしく自分の頭を触ったホスキンスがとても嫌い。後に彼を研究所内で追いつめて食い殺します。 そしてブルーと共にインドミナス・レックスを討伐しようとしますが、レストランのグリル場に吹っ飛ばされて焼死してしまいます。

エコー

三女のエコーは、姉妹が青や緑等の色模様の中で、オレンジに近いカラーをしています。「エルビス」という愛称があり、インドミナス・レックスに投げ飛ばされてしまった事で最期を迎えます。

チャーリー

Ever wonder why there was a job opening? #JurassicWorld

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末っ子であるチャーリーは、グリーンイグアナのDNAを取り組んでいるため身体は緑色。インドミナス・レックスに操られて人間を襲う事になった際は、偶然出くわしたオーウェンを見つめながら人間を襲う事に戸惑いを感じます。 しかし残念ながら、その直後彼女に向かって来たロケットランチャーによって爆死してしまうのでした。

『ジュラシック・ワールド』のブルーはアンチヒーローである

『ジュラシック・ワールド』の何が泣けるのか。それは、ラプトル・ブルーのアンチヒーローっぷりこそが理由なのです。 本来、彼女は「ジュラシック・ワールド」が崩壊した時点で、別に人間の言う事を聞く必要がなくなっています。それに、従来のシリーズで描かれていたような獰猛さ、ずる賢さは彼女の中にまだ残っている。それなのに、ブルーは自分の目の前で武器を捨てたオーウェンとの信頼関係を取り戻し、インドミナス・レックスに立ち向かうのです。 ブルーは上記の通り、姉妹らをこの一連の事件で失ってしまいました。しかも、残された唯一の肉親に近い存在であるオーウェンでさえ、インドミナス・レックスによって失いかけている。さらに相手はブルーより遥かに大きく、彼女はどこかに吹っ飛ばされてしまうのです。 ブルーがいなくなった後、クレアはティラノサウルスを連れてきますが、ティラノサウルスですら歯が立たない。インドミナス・レックスがティラノサウルスに止めを刺そうとしたその時、遠くからブルーの鳴き声が聞こえ、彼女が救世主のように再び戻ってきます。 この鳴き声は、前作で「仲間を呼ぶときの鳴き声」として紹介されていたものでした。つまり、人を襲うはずのラプトル、ブルーは自分自身の意思で人間を仲間と見なし、守り抜く決断をしたのです。シリーズ全作を通して感じるこのラプトルの変化にこそ、我々は胸を打たれ、思わず涙してしまいます。

闘いが終わり、見つめ合うオーウェンとブルー。彼が首を横に振った時、ブルーは少し後ろ髪を引かれながらも、島の奥に向かうのでした。生まれてからずっとオーウェンと一緒にいて、彼に育てられてきた彼女が野生になる瞬間は、子供が親離れする事に似ています。 これから独りで生きて行くことになってしまったブルーが少し不憫で可哀想ですが、もしかしたら続編『ジュラシック・ワールド:フォールン・キングダム(原題)』に再び登場するかもしれません! そんな淡い期待を抱きながら、続編を楽しみに待ってみてはいかがでしょう。

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