【解説】「ジュラシックワールド3/新たなる支配者」のあらすじをネタバレ考察!最後の意味やオマージュとは
「ジュラシック・ワールド」シリーズ第3弾にして完結編となった『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。 旧3部作「ジュラシック・パーク」シリーズも含め、約30年も続いたシリーズの完結編となった本作は、どのようなラストを迎えたのでしょうか。 この記事では、本作のあらすじをネタバレありでラストまで解説していきます。また、本作に込められたメッセージを考察します。 ※この記事は、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』のネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
「ジュラシック・ワールド3/新たなる支配者」のあらすじ【ネタバレなし】
タイトル | 『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』 |
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公開日 | 2022年7月29日 |
監督 | コリン・トレヴォロウ |
キャスト | オーウェン・グレイディ役/クリス・プラット クレア・ディアリング役/ブライス・ダラス・ハワード メイジー役/イザベラ・サーモン |
約30年つづいた「ジュラシック」シリーズの終幕となった『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。 1作目では当時の最先端のCGを使って恐竜を表現し、そのリアルさが全世界に衝撃を与えました。以降、シリーズを通じて大迫力の恐竜を生み出してきたシリーズは、幅広い層に受け入れられています。 一方、シリーズを通して「人間と自然の共存」というメッセージを掲げ、自然を支配しようとする人間の愚かさ、脆弱さを描いています。
あらすじ
メイジーが恐竜を解き放ち、アメリカ本土に恐竜が跋扈するようになってから4年。クローンであるメイジーが人目に触れるのを防ぐため、彼女とオーウェンは山小屋で隠れるように暮らしていました。そんなあるとき彼らの前に、子どもを連れたブルーが姿を現します。その直後、子どものラプトルは何者かにさわられてしまいました。 我が子を奪われて怒り狂うブルーに、「必ず連れ戻す」と約束するオーウェン。 そのころエリー・サトラー博士は、ある目的のため恐竜を研究する巨大バイオテクノロジー企業バイオシンを追っていました。彼女のもとにグラント博士も駆けつけ、マルコム博士に協力を仰ぐことにします。地球の支配権を得るのは人間か、それとも恐竜か、あるいは……。 人間の欲のために生み出され、ただ生きようとする恐竜たちの運命やいかに。 >結末までのネタバレ解説を読む
【解説】各キャラの最後とその意味をネタバレ
バイオシンCEOルイスの最後に込められたオマージュ
映画終盤、バイオシンのCEOルイス・ドジスンは燃え上がる社屋から脱出しようとします。しかし途中でモノレールが止まり、ディロフォサウルスに殺されてしまいました。実はこのシーンは、シリーズ第1作目『ジュラシック・パーク』のオマージュになっています。 『ジュラシック・パーク』では、パーク建設のために働くシステムエンジニアのネドリーがある人物に買収され、恐竜の胚を盗み出します。しかし彼は、雨の中ディロフォサウルスに殺されてしまいました。 このときネドリーを買収した人物こそ、ドジスンだったのです。ネドリーは彼から細工したシェービングクリームの缶を渡され、それに恐竜の胚を入れて持ち出しました。ドジスンは30年前に雇ったネドリーと同じ末路をたどったのです。 ちなみに彼は社屋から脱出する際、シェービングクリームの缶を持ち出しています。どうやらドジスンは、ネドリーが盗んだ恐竜の胚を回収するのに成功していたようです。
自らの手で過ちを償うウー博士
ヘンリー・ウー博士は、1作目の『ジュラシック・パーク』で琥珀の中の蚊の体内に残されたDNAから、恐竜のクローンを作ることに成功した科学者の1人として登場します。 「ワールド」シリーズでは、ハイブリッド恐竜を生み出すことに取り憑かれたマッドサイエンティストとなっていましたが、「新たなる支配者」ではバイオシン社に雇われ、白亜紀の絶滅種のDNAを組み込んだ巨大イナゴをを開発します。しかし彼は自分のこれまでの行いを後悔しており、密かに巨大イナゴを絶滅させるため、メイジーの遺伝子を必要としていました。 最終的にメイジーの遺伝子を手に入れた彼は、遺伝性疾患を組み込んだイナゴを群れの中に放ち、何世代もかけてイナゴが絶滅するように仕向けたのでした。
裏の主人公?エリー・サトラー
「新たなる支配者」には『ジュラシック・パーク』の初代キャスト3人が集結し、大きな話題になりました。そのなかでも、物語のなかで大きな役割を与えられたのは、ローラ・ダーン演じるエリー・サトラー博士です。 これまでのシリーズでは、グラント博士やマルコム博士と比べて活躍の場が少なかった彼女ですが、本作ではそれを回収するように、オーウェンたちの動向と並行して彼女を中心とした初代キャストらのチームが動いていきます。 バイオシン社の陰謀を巡って率先して動いていたエリーは、本作の裏の主人公とも言えるでしょう。恐竜の保護活動や農産物に関する不可解な現象を追う彼女は、本シリーズに共通する「人間の自然の共生」というテーマを体現する存在なのです。
作品の根幹、「母の愛」を体現したクレア
本作では、「母の愛」もメインテーマの1つになっています。子どもを産み母親となったブルー、メイジーを産んだシャーロット・ロックウッド、そしてメイジーの養母となったクレアの存在が大きな意味を持っています。 前作のあと、オーウェンとともにメイジーを育てていたクレアは、メイジーを実の娘のように大事にしていました。恐竜が闊歩する世界を救う鍵になるクローン人間と思われていたメイジーは、人目を避けて暮らしており、クレアは彼女が危険にさらされないよう、若干過保護な母親ぶりを見せています。 メイジーを探している最中にも、ケイラに「(メイジーは)あんたの娘?」と聞かれ、間髪入れずに「そうよ」と答えていました。 シリーズ開始当初は冷徹な研究者だったクレアですが、最終作では、すっかり穏やかな性格になっています。しかし恐竜やメイジーが危険にさらされると、命をかけてまで守ろうとする「母の愛」を見せています。
ブルーが最後に下した決断は?
前作でオーウェンの誘いを断り、ひとりで生きていくことを選んだブルー。オーウェンに再会した彼女は、自ら単為生殖で産んだ子どもを連れていました。しかしその子どもが誘拐され、オーウェンはブルーに子どもを取り戻すことを約束します。 彼が約束通り子どもを連れ帰ったあと、ブルーにはオーウェンたちと一緒に暮らすという選択肢もありましたが、彼女は子どもとともに森の奥へと消えていきました。 ブルーは恐竜と人間がそれぞれに暮らす新たな世界で、野生動物として生きていくことを選んだのです。もともと人間のいない時代に生きていた恐竜は、人間に依存して生きる必要はありません。 人間に生み出され、育てられたブルーでしたが、本来の恐竜らしく生きる道を選んだのではないでしょうか。
【考察】シリーズ完結作としてのメッセージ
「ジュラシック」シリーズを通して描かれてきたテーマは「人間と自然の共存」です。 映画終盤、メイジーの母であるシャーロットはビデオのなかで、人類も恐竜も地球の長い歴史の一部でしかなく、支配しようとせず、お互いに信頼し、共存していく道を語りました。ここからやはり本作のテーマも「人間と自然の共存」であることがわかります。 『ジュラシック・パーク』から登場しているヘンリー・ウー博士は、自分が生み出した巨大イナゴを自らの手で絶滅させる手段をとりました。これは、自然に対して人間が犯してしまった過ちを最後まで誠実に対処していく必要性を語っています。 とくに「パーク」シリーズでは、自然を科学の力で支配しようとする人間の愚かさを描き、「ワールド」シリーズでは、コントロールできなくなった状況から逃げずに対処する責任を描いています。本作はその集大成だからこそ、当初からのテーマにもっと踏み込み、「人間と自然(恐竜)が共存する世界」をしっかりと描く必要があリました。 本作の結末では恐竜たちが自由になり、人間は彼らとの共存の道を再び、しかし真剣に探ることになります。ラストシーン近くでは、都会の公園にも恐竜の子どもがいるなど、ほかの動物と同じように人間の生活になじんでいるようです。
「新たなる支配者」結末までのネタバレあらすじ
起:メイジー誘拐事件と巨大イナゴの大量発生
恐竜が世界中に放たれてから4年。オーウェンとクレアは恐竜の保護活動をつづけながら、クローンとして有名になってしまったメイジーを守るため、人里離れた山小屋で暮らしていました。そんなある日、彼らのもとに、ブルーが子どもを伴って現れます。驚きながらも彼女が元気に生きていることを喜ぶオーウェンたち。 しかしあるとき、ブルーの子どもとメイジーが何者かによってさらわれてしまいます。オーウェンは怒り狂うブルーに必ず彼女の子どもを連れ帰ると約束し、2人を救出に向かいます。 一方テキサスでは、エリー・サトラー博士が農作物に壊滅的な被害をもたらす巨大イナゴの調査をしていました。そのイナゴはどういうわけか、バイオシン社の種を使った農作物は荒らしません。バイオシン社は恐竜のDNAを独自に研究し、新たな薬品や医療技術の確立で急成長している企業でした。 そこでエリーは旧知の仲であるアラン・グラント博士を誘い、バイオシン社に潜入調査をすることにします。
承:バイオシン社の陰謀
エリーとアランは、バイオシン社に勤めるイアン・マルコム博士を訪ねます。CEOのドジスン博士に歓迎され、広報部長のコールの案内でマルコム博士と再会した2人。彼はイナゴはバイオシン社の陰謀の一部であることを話し、2人に研究施設に入れるデバイスを密かに手渡しました。 一方、バイオシン社の依頼でメイジーとブルーの子どもであるベータを誘拐した恐竜の密輸業者は、運び屋のケイラに2人をバイオシンの本社へ運ばせていました。 オーウェンたちは誘拐犯の正体を突き止め、彼らがいる恐竜の闇市場へ。そこでクレアはケイラに出会い、メイジーを探していると言います。当初は関わり合いになることを避けていたケイラでしたが、メイジー救出を手伝うことを決意。クレアとオーウェンを乗せて、自らの飛行機でバイオシン社へ向かいます。 バイオシン社に連れてこられたメイジーは、ヘンリー・ウー博士と面会します。彼は自身がイナゴのDNAを操作し、自社の種を使った農作物以外を食い尽くすようにしたことを告白。またメイジーの母であるシャーロットが、自らの意思で無性生殖の技術を確立し、彼女を産んだことも明かしました。 そこへドジスン博士が現れ、今回の件に罪悪感を持っているウー博士と口論に。それを聞いたメイジーは身の危険を感じ、ベータとともに脱走します。ちょうどそのころ、エリーとアランは立入禁止区域でイナゴの研究施設を発見。DNAを採取した2人はメイジーに出会い、一緒に逃げることにします。
転:メイジー救出作戦
オーウェンとクレアを乗せたケイラの飛行機は、バイオシン社上空までやってきたものの、着陸許可が得られません。そうこうしている間に飛行機は翼竜に襲われ、墜落寸前に。 クレアが先にパラシュートで脱出し、ケイラは凍った貯水湖になんとか飛行機を不時着させました。3人はそれぞれ恐竜に襲われながらも合流し、メイジー救出に向かいます。 一方、エリーたちがイナゴのサンプルを持ち出したことに気づいたドジスン。モノレールで脱出しようとしている彼らを阻止するため、電源を落とします。 そしてイナゴのケージに火を放ち、証拠隠滅を図りました。しかし遺伝子操作で生命力が強くなったイナゴはすぐには死なず、火がついたままダクトから逃げ出し、恐竜たちの住む森に炎が広がっていきます。 足止めされてしまったエリー、アラン、メイジーの3人は、恐竜がうようよいる洞窟を抜けて外に出ることに。恐竜に襲われた彼らを間一髪で救ったのは、コールから助けを得たイアンでした。 彼は3人を車に乗せて逃げるものの、運転を誤って斜面に転落。しかし彼らはそこで、オーウェン、クレア、ケイラに出会います。 合流した一行はギガノトサウルスに襲われながらも、なんとかコントロールタワーに逃げ込みました。
結末:ラストは炎の中から決死の大脱出!
バイオシン社から脱出するには、空から飛び立つしか方法はありません。そのためには対防空システムを解除する必要がありますが、システムは火災でダウンしてしまっており、再起動しなければなりませんでした。 そこでエリーとクレアがシステムの再起動に向かい、オーウェン、メイジー、アランはベータ保護に向かいます。イアンとコールはコントロールタワーに残って彼らをバックアップ。 クレアたちはシステムの再起動に成功。その影響で脱出のためにドジスンが乗っていたモノレールは停止し、そこに現れたディロフォサウルスに襲われて彼は死亡しました。 一方メイジーたちは無事にベータを保護します。そんな彼らの前に現れたのはウー博士。彼は巨大イナゴを絶滅させる方法があるので、自分も連れて行ってほしいと懇願します。オーウェンとアランは彼を疑っていましたが、メイジーは彼を信じると言い、ともに逃げることに。 そんななか火災は広がりつづけ、森に住んでいた恐竜たちが社屋の周辺に集まってきます。脱出用のヘリコプターの周囲にも恐竜が集まり、簡単には近づけなくなってしまいました。 ところがそのとき、ギガノトサウルス、T-レックス、テリジノサウルスの大型肉食恐竜の三つ巴の戦いが始まります。その隙きを突いてオーウェンたちはヘリコプターに乗り込み、無事に脱出することができました。
その後:それぞれが進んだ道とは?
その後、エリーたちによってバイオシン社の不正が明るみに。本社跡地は保護区ではなく、恐竜が自由に生きる場所として活用されることになりました。ウー博士は、DNA捜査で遺伝性の疾患を組み込んだイナゴを群れに放ち、巨大イナゴの駆逐に乗り出します。ケイラはバイオシン社からの賠償金を使って、新しい飛行機を買ったようです。 山小屋に戻ったオーウェン、クレア、メイジーは、約束通りベータをブルーのもとに帰します。ブルーは1度オーウェンと顔を見合わせてから、森に戻っていきました。 映画は、メイジ―の母親、シャーロットのビデオメッセージで幕を閉じます。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の新旧キャスト一覧
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』には、なんと1993年に公開されたシリーズ1作目『ジュラシック・パーク』のオリジナルキャストが再登場します。 前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)には、オリジナルキャストの1人であるジェフ・ゴールドブラムが「ジュラシック・パーク」シリーズと同じイアン・マルコム博士役でカムバックを果たしました。 さらに「新たなる支配者」では、それ以外のオリジナルキャストも出演し、ファンを喜ばせています。 ローラ・ダーン演じるエリー・サトラー博士は、巨大イナゴによる農作物の被害を調査中。その原因と思われるバイオシン社に探りを入れることにします。その際、サム・ニール扮するグラント博士も彼女に合流することに。2人はバイオシン社に勤めるマルコム博士に協力をあおぐのでした。 一連の事件が収束し、サトラー博士とグラント博士は再び恋人同士になります。
アラン・グラント役/サム・ニール
シリーズ1作目『ジュラシック・パーク』に登場したアラン・グラント博士が、本作で再登場します。 古生物学者のグラント博士は、インジェン社が最初に「ジュラシック・パーク」を建設する際に、恐竜の育て方について助言するためイスラ・ヌブラル島に呼ばれました。しかし、そのときに大変な目にあい、シリーズ3作目『ジュラシック・パークⅢ』(2001年)では、恐竜を蘇らせることに反対していました。 グラント博士を演じるサム・ニールは、『レッド・オクトーバーを追え!』(1990年)や『モンタナの風に抱かれて』(1998年)、『ピーターラビット』(2018年)など数多くの作品への出演で知られています。
エリー・サトラー役/ローラ・ダーン
古植物学者のエリー・サトラー博士も、グラント博士と同様『ジュラシック・パーク』、『ジュラシック・パークⅢ』に登場し、最新作にカムバックします。かつてグラント博士とは恋人同士でしたが、その後別の男性と結婚し、息子を授かりました。 サトラー博士を演じるローラ・ダーンは、デヴィッド・リンチ監督作品の常連として知られるほか、1991年の『ランブリング・ローズ』でアカデミー主演女優賞、2014年の『わたしに会うまでの1600キロ』でアカデミー助演女優賞にノミネート。2020年には、『マリッジ・ストーリー』でアカデミー助演女優賞を受賞した名女優です。
イアン・マルコム役/ジェフ・ゴールドブラム
「ジュラシック・パーク」3作と前作「炎の王国」に出演したジェフ・ゴールドブラムも、本作での続投が決定。彼は、本シリーズのほかにも「インデペンデンス・デイ」シリーズや『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)などへの出演で知られています。 ゴールドブラムが演じるイアン・マルコム博士は、数学者でカオス理論の専門家。前作のラストで意味深な言葉を残しました。
オーウェン・グレイディ役/クリス・プラット
「ジュラシック・ワールド」シリーズ1作目からの主人公、オーウェン・グレイディは、テーマパーク「ジュラシック・ワールド」でヴェロキラプトルの飼育員をしていた人物。対等な生き物として恐竜に敬意を持って接しており、彼らを単に「生体兵器」や「商品」とみなしている上層部と衝突することもありました。 オーウェンを演じるクリス・プラットは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズをはじめ、多数の作品への出演で知られています。また、2020年3月13日には、声の出演を務めた『2分の1の魔法』が公開されました。
オーウェン・グレイディ役/玉木宏
渋くてセクシーな声を活かし、番組ナレーターや声優としても活躍する玉木宏。『ジュラシック・ワールド』(2015年)から3作続けてオーウェンを演じます。彼曰く、最新作は「アトラクションのように観る人の気持ちを揺さぶる作品」とのこと。 劇中で好きなシーンは、アトロキラプトルとの手に汗握るバイクチェイスだそうです。
クレア・ディアリング役/ブライス・ダラス・ハワード
「ジュラシック・ワールド」の元パーク管理責任者であるクレア・ディアリング。頭が良く、インジェン社のコンサルタントや株式資本募集など多くの役職をこなしていました。 前2作にひきつづき、ブライス・ダラス・ハワードがクレア役を続投します。彼女は2004年にM・ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』で映画主演デビュー。その後も、『スパイダーマン3』(2007年)や『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』(2011年)など、話題作に出演しています。
クレア・ディアリング役/木村佳乃
クレアの吹き替え声優を務めてきた木村佳乃も、玉木宏とともに続投。彼女は29年におよぶシリーズの歴史に触れつつ、「予告をみただけでも迫力の更にスケールアップした作品を私も楽しみにしています。」とコメントしました。 玉木ほどではありませんが、海外アニメ「カンフーパンダ」シリーズなど声の出演も豊富です。
ケイラ役/伊藤沙莉
ディワンダ・ワイズ演じる新キャラクター、ケイラの日本語吹き替えは、女優の伊藤沙莉が演じます。持ち前のハスキーボイスを活かした演技に今から期待が高まります。 『大豆田十とわ子と3人の元夫』(2021年)のナレーション、アニメ映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』(2022年)の声優などで多く声の仕事をしている彼女ですが、実写映画の吹き替えは今回が初となります。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の恐竜一覧
「新たなる支配者」ではお馴染みのブルー、ブルーの子どものベータ、そして本作から新たに登場する恐竜たちの姿も確認できます。 予告編に既に登場するのは、銃を構えた人間たちを取り囲み、バイクに乗ったオーウェンを狙うアトロキラプトル。また海中からはモササウルスが襲いかかり、空中には史上最大級の翼竜ケツァルコアトルスが!アロサウルス、カルノタウルスらも次々と登場し、陸海空どこにも逃げ場はありません。 ここからは、「新たなる支配者」に登場する恐竜たちについて詳しく解説していきます。
大型恐竜・ギガノトサウルスが新たに登場!
オーウェンとクレア、博士たちの前に立ちはだかる大型恐竜ギガノトサウルスも新登場。白亜紀後期に実在した恐竜で、全長は約13mに達したと言われています。 コリン・トレボロウ監督は、DCコミックスでバットマンと対をなすヴィラン「ジョーカー」のような存在として、ギガノトサウルスを造形したそう。「ただ、世界が燃えるさまを見たい」という行動原理は、ジョーカーにちなんだ設定です。 ちなみに、この恐竜の故郷は「バイオシン・バレー」という土地。インジェン社のライバル企業であるバイオシン社との関係が伺え、社員の青年も登場します。同社は薬学調合における調査の名目で、捕獲された恐竜を収容する契約を各国の政府と結ぶ一方、何か別の目的もあるようです。 焼却処分されそうになった巨大イナゴによってバイオシン社の森が炎に包まれるなか、オーウェンたちの前に現れたギガノトサウルス。ここでマルコム博士は、その口に火のついた布を投げ入れ、追跡をかわすことに成功しました。 これは『ジュラシック・パーク』での彼の行動のオマージュとなっています。
テリジノサウルス
テリジノサウルスは、白亜紀後期にモンゴルに生息していた恐竜です。その特徴は、全長2mもの巨大な前脚と刃渡り70cmにもおよぶ長いツメ。化石はこの前脚のほか、わずかな後ろ脚と肋骨しか発掘されておらず、今に至るまで謎の多い恐竜です。 バイオシン社に向かう途中で墜落しかけた飛行機から、パラシュートで脱出したクレア。ジャングルに落ちた彼女に襲いかかったのがテリジノサウルスでした。この恐竜から逃げるため、彼女は水の中に潜って息を潜めていました。
ピロラプトル
ピロラプトルは白亜紀後期のフランスに生息していた、小型の肉食恐竜です。現時点で発見されている化石は腕と脚、2本のかけた歯と何個かの脊椎、そして長さ6cmほどのツメのみで、全体の10%ほどしか発掘されていません。 ツメが鋭利なことに加えて脚の骨がとてもしっかりしていることから、走ることや木登りが得意だったのでは、と予測されています。 本作では、全身を羽毛に覆われた姿で登場。オーウェンとケイラがバイオシン社に侵入した際、凍った貯水湖の上で彼らに襲いかかります。割れた氷の下に転落したオーウェンを水中まで追ってくるなど、恐ろしいシーンもありました。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の感想・評価
ポップコーンを食べる間もなく、ずーっとハラハラドキドキしっぱなしの2時間半でした。特にクライマックスの恐竜たちは圧巻です。スケールはもちろんですが、恐竜の肌感や目の動きなどもリアリティがあり、ストーリーに没入して楽しめる作品です。ジュラワの世界に1度でいいから行ってみたい……!
「ジュラシック」シリーズの最後がこれでいいのか?と正直がっかり。とにかくファンのための映画という感じで、ストーリー性や話の主軸がしっかりしていなかった印象。旧キャストが登場したのはいいがこれといった活躍はないし……。「恐竜との共存」っていうテーマに踏み込んだなら、そこをもっとちゃんと描いてほしかったな。ご都合主義観が否めない。
「ジュラシック・ワールド」シリーズは終わらない?!
今回でシリーズ完結との見方もありますが、あくまで「ジュラシック・ワールド」トリロジーの最終章となり、今後も続く可能性が高いです。 プロデューサーのフランク・マーシャルは、Netflixのアニメ「サバイバル・キャンプ」シリーズにも触れつつ、フランチャイズの展望に言及しています。 彼は以前にも、本作を「新しい時代の幕開け」と称しており、「恐竜と人間の共存の可否」という興味深い問いを足がかりとして、良い映画をもっと作りたいと考えているそう。 2024年1月には、米ユニバーサル・ピクチャーズが新たな「ジュラシック」シリーズを準備中であると報道されました。関係者によると、ユニバーサルは極秘裏に企画を進めており、脚本は『ジュラシック・パーク』と『ロストワールド ジュラシック・パーク』を手掛けたデヴィット・コープが担当し、シリーズの新章となるようです。 今のところ監督は不明ですが、ユニバーサルは2025年の公開を目指しているようです。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』ネタバレ解説であらすじをおさらい
シリーズ完結作となった映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。 この「支配者」とは、地球上における権利を持つものという意味だと思われます。世界に恐怖と混乱をもたらした恐竜、そして人間がたどるのは、どんな結末なのか……。オーウェンは果たして、ブルーに誓った約束を守れるのでしょうか? 超大作の結末は一体どうなるのか、ぜひあなたの目で確かめてくださいね。