2017年9月28日更新

藤井四段の活躍で将棋ブーム到来!将棋を知るために観たい将棋映画

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3月のライオン
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

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主人公が棋士の映画で、将棋の世界を知ろう!

2016年9月、14歳2ヶ月の藤井聡太がプロ棋士となり、62年ぶりにプロ入り史上最年少記録を更新しました。プロ入り後も29連勝し、連勝記録の最高記録を塗り替えるなど、その勢いは止まりません。藤井聡太の活躍により、空前の将棋ブームが起こっています。 ニュース番組でも将棋が話題に上ることが増え、将棋に興味を持ち始めた人も多いはず。しかし全く将棋の世界を知らない人にとっては、未知の世界……。将棋の世界を知るために最適なのは、プロ棋士を主人公にした映画を観ることです。 2016年~2018年公開の『聖の青春』『3月のライオン』『泣き虫しょったんの奇跡』3作品のあらすじと見どころを紹介していきます。

病気と闘いながら将棋に人生を捧げた棋士を描いた『聖の青春』(2016年)

『聖の青春』(さとしのせいしゅん)は、病と闘いながら29歳で生涯を終えた将棋棋士・村山聖を題材とした映画で、原作は2000年に刊行された大崎善生のノンフィクション小説です。難病を患っていた村山聖は病気由来の肥満体型だったため、主演の松山ケンイチは20kg以上体重を増やす役作りを行いました。 将棋界の天才・羽生善治が「二度と会えないライバル棋士だ」と認めた村山聖。映画『聖の青春』で羽生を演じた東出昌大は、羽生本人が1996年に七冠達成した際に着用していた眼鏡を着用し、羽生を演じきりました。仕草や目配りに至るまでが本人そっくりだと絶賛され、大きな話題となりました。

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多くの棋士に強い記憶を遺した、村山聖という男

村山聖は、5歳で腎臓の難病"ネフローゼ症候群"であることが発覚し、小学5年生まで入院生活を送りました。将棋と出会ったのは、その入院中。将棋に没頭し、プロ棋士になりたいという村山聖を、両親は「好きなことをやらせたい」と応援しました。 奨励会に入会してから2年11ヶ月という異例のスピードで17歳でプロ棋士になったあとは、病気で不戦敗になりながらも勝ち進んでいき、いわゆる"羽生世代"の中でも強豪棋士と呼ばれるまでになりました。しかし、名人になるという村山の目標は、叶うことはありませんでした。名人位の射程圏にありながら進行性膀胱癌が見つかり、療養のため休養することになった村山。「……2七銀」という最期の言葉を遺し、将棋に全てを捧げた29歳の短い人生に幕を閉じました。 強さと激しさを持った村山は、将棋界に強烈な印象を遺しています。『3月のライオン』の二海堂、漫画『月下の棋士』の村森聖など、村山をモデルにしたキャラクターが登場する将棋漫画も多くあります。

悩み葛藤する若き棋士を描いた『3月のライオン』(2017年)

映画『3月のライオン』は、羽海野チカの漫画が原作のヒューマンドラマ。主人公の桐山零が、不遇の人生や将棋の世界の厳しさに苦しみながらも、周囲に助けられながら成長していくストーリーです。主人公はちょうど藤井四段のように中学生でプロ入りした若手棋士で、ストーリー開始時点では高校生に成長しています。 実写映画は2部作で製作され、2017年3月に前編が、同年4月に後編が公開されました。主演の神木隆之介のほか、佐々木蔵之介、加瀬亮、伊藤英明、豊川悦司など豪華キャストが個性溢れる魅力的な棋士を演じ、話題になりました。

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盤面で繰り広げられる、静かで熱い将棋の戦いを堪能できる

『3月のライオン』
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

両親に先立たれ、将棋の家の子に入ることになった幼い零には、将棋で強くなることしか生きる道がありませんでした。死に物狂いで強くなり中学生でプロ入りした零の前には、厳しい将棋の世界が待っていました。 『3月のライオン』は、静かで孤独な厳しい将棋の戦いを知るのにピッタリの映画です。将棋界は、負けが続くと引退を余儀なくされる"勝負"の世界。自分が負かせば引退が決まる老年の棋士との対局、魂と魂のぶつかり合いのような心理戦が必要とされる対局――。 一瞬の隙が命取りになり、相手のペースに引き込まれてしまうと再起が難しい内なる戦い。静かに行われる対局の盤上では、熱い戦いが繰り広げられるのです。

サラリーマンからプロ入りした棋士『泣き虫しょったんの奇跡』(2018年)

プロ編入試験で、サラリーマンから異例のプロ入りを果たした瀬川昌司。彼の自伝小説を実写映画化したのが『泣き虫しょったんの奇跡』です。プロ棋士を目指して奨励会に入るも四段に昇段できずに夢を諦め、アマチュアで将棋を続けていた瀬川。アマチュアでありながらプロ棋士との対局で素晴らしい成績を挙げた彼が、プロ編入の嘆願書を提出し、晴れてプロ入りを果たすという事実に基づいたストーリーです。 映画は、主演を松田龍平、友人でライバル棋士役を野田洋次郎が務め、2018年に公開されます。瀬川自身も将棋の技術指導を行いました。

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厳しい奨励会ルールでプロ入りを断念した男の再チャレンジ

プロ入り(四段昇段)するためには奨励会に入り、三段までステップアップする必要があります。しかし奨励会には年齢制限があり、満21歳までに初段、満26歳までに四段に昇段できなかった者は退会しなければなりません。このルールにより、棋士を目指すも夢破れ、進学したり、別の職業に就いたりする人も大勢いる厳しい世界なのです。 "泣き虫しょったん"こと瀬川昌司もまた、26歳の年齢制限により奨励会退会を余儀なくされた一人です。しかし、その後も将棋を続け、アマチュアでありながらプロ棋士相手に勝率7割を超える成績を上げ、異例のプロ編入を遂げました。

将棋映画には深い人間ドラマが隠されている!

将棋の棋士になれるのは、ほんの一握りの人のみ。神童と持て囃され将棋だけに没頭していた子供でも諸条件をクリアできなければ、将棋界を去ることになる厳しい世界です。天才棋士たちはその中でさらに高みを目指して、対局の無い日も将棋の研究を続けています。 今回紹介した映画では、そんな厳しい将棋界を垣間見ることができます。ぜひあなたも将棋の世界に触れてみませんか?