2017年12月9日更新

日本愛あふれるアニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』、その魅力を徹底解説!

『コララインとボタンの魔女 3D』などのストップモーション・アニメ製作で知られるスタジオライカの最新作『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』がいよいよ公開。日本を舞台に三味線を持つ少年の冒険を描く、日本愛あふれる、日本で生まれ育った人なら必見の作品です。

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』、新たなストップモーション・アニメの傑作

『KUBO クボ 二本の弦の秘密』は、『コララインとボタンの魔女 3D』や『パラノーマン ブライス・ホローの謎』といったストップモーション・アニメを製作するスタジオライカが、2016年に発表しました。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞で、長編アニメーション部門にノミネートされるなどの高い評価を受けています。 本作の監督であるトラヴィス・ナイトは、世界的スポーツメーカー・ナイキの創業者フィル・ナイトの息子。父フィルが設立に関わったスタジオライカのCEO兼アニメーターとしてキャリアをスタートし、『コララインとボタンの魔女』を担当し、本作が長編監督デビュー作となりました。ナイキとの関係から、アメリカでは本作とのコラボシューズも発売されています。

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のあらすじ

三味線の音色で折り紙を操るという不思議な能力を持つ少年クボは、病弱な母親と人里離れた地で暮らしていました。実はクボは「月の帝」と呼ばれる実の祖父から狙われており、それによってクボの父が命を落としたことを、母から告げられます。 そんなある日、ついに母の妹である月の帝の刺客「闇の姉妹」に居所を突き止められてしまったクボ母子。しかし母は身を挺し、わずかな力を使ってクボを逃がすのでした。生き残ったクボは、世話好きなサルとクワガタの姿をした侍とともに、母が言い残した「3つの武具」を探しつつ、両親の仇討ちの旅に出ます。

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』主なボイスキャスト

クボ(アート・パーキンソン)

三味線の音色で折り紙を操る能力を持つ片目の少年クボ。両親を祖父である「月の帝」に殺され、その復讐の旅に出ます。 クボの声を担当するアート・パーキンソンは、人気テレビドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』で注目されました。映画出演作に『ドラキュラZERO』、『カリフォルニア・ダウン』があります。本作では成長期に声の収録に臨んだため、終盤では彼の声が変声してしまって調整に苦慮したとか。

クボの母、サル(シャーリーズ・セロン)

息子のクボを実の父から守るべく逃げ延びるも、体調を崩してしまう母。彼女は、クボが持っていた木彫りのサルに命を吹き込み、自身の代わりに息子の保護を託します。 母親とサルの二役を担当するシャーリーズ・セロンは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『アトミック・ブロンド』などでのタフな役どころが定着していますが、本作でもクボを守る強いキャラクターを演じています。

クワガタ(マシュー・マコノヒー)

クボの旅の仲間となる、呪いでクワガタの姿にされてしまった侍。記憶喪失状態となっていて頼りない面もありますが、弓の名手でもあります。 オスカー俳優のマシュー・マコノヒーがクワガタの声を担当。本作がキャリア初のアニメ映画で、「自分の子供たちが見に行ける作品に関わりたかった」という理由から、本作への出演を決めました。 なお、クワガタはクボ達が住む村以外の出身者で、口調(方言)もクボとは異なるという設定があります。テキサス州出身で南部訛りで喋るマコノヒーがクワガタの声を担当しているのも、そういった背景からと云われています。

随所に見られる日本リスペクト&オマージュ

日本が舞台というだけあって、本作では至るところに日本へのリスペクトやオマージュが込められています。8歳の時に初来日したのを機に、日本文化に強く惹かれたと語るトラヴィス・ナイト監督主導のもと、黒澤明や宮崎駿の映画作品はもちろん、折り紙やといった日本芸術までも美術に活かしています。 なかでも葛飾北斎や斉藤清、はては歌川国芳にイッセイミヤケなど、日本の古今東西のアーティストの影響を色濃く反映したというから驚きです。キャラクターデザインの面でも、例えばクボの眼帯は伊達政宗や柳生十兵衛をモチーフに、クボの亡き父ハンゾウは三船敏郎に似せてデザインされています。

総制作期間94週間!驚異のストップモーション技術

静止している物体を1コマ毎に動かしてカメラで撮影することで、連続して動いているかのように見せるストップモーション・アニメ。その手間だけでも相当の労力を要しており、クボの表情だけで4800万通り、サルでも3000万通りというパターンを用いて撮影されています。 アクションシーンにおいても、リアルさを追求したいという意向から、殺陣や踊りの振り付けも専門家のアドバイスを受けたり、背景づくりも水を再現するのに布や紙、ガラスのパネルを使うという手の込みよう。最終的な制作期間は94週間という、実写映画以上の日数を要しました。

ザ・ビートルズの名曲をカバーした主題歌にも注目!

本作の主題歌として、ザ・ビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」のカバーバージョンが使用されています。この曲は、メンバーであり作曲者のジョージ・ハリソンが、“泣き”のギター音色を友人のエリック・クラプトンに奏でてもらったとして広く知られています。 本作ではアメリカで活躍のシンガー、レジーナ・スペクターが、“泣き”の三味線音色に合わせて歌っているので必聴です。なお日本語吹替版では、スタジオライカ直々のオファーを受け、津軽三味線奏者である吉田兄弟が担当しています。

日本で生まれ育った人なら『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は必見!

ついに2017年11月18日に公開となる『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』。これほどまでに日本愛あふれる作品があったかと思うぐらいの出来栄えとなっています。日本で生まれ育った方なら鑑賞必至なのは間違いありません!