映画本編より面白い?ユニークなオーディオコメンタリーDVDを紹介

2018年3月20日更新

映画のDVDやブルーレイソフトの特典として付くことが多い音声解説(オーディオコメンタリー)。キャストや製作スタッフによる裏話が聴ける特典として人気ですが、中にはその話の内容から本編より気になってしまいがちになるものも……。そんな作品をピックアップしてみました。

内容も暴走気味ならコメンタリーも暴走上等!?マイケル・ベイ監督作品

『アルマゲドン』や「トランスフォーマー」シリーズの監督マイケル・ベイ。撮影中にハイテンションになって爆発シーンを即興で加えるなど、破壊・爆発大好きな人物で知られる彼。それゆえ、オーディオコメンタリーもやはり普通ではなかったりします。

『アルマゲドン』

地球を壊滅する恐れのある巨大隕石を破壊すべく、石油掘削員で構成された宇宙飛行士たちを描いたSF映画。世界中で大ヒットはしたものの、その科学的根拠からさまざまな矛盾を指摘されています。 そうした声を代弁するかのように、コメンタリーで参加する主演のベン・アフレックが、内容に対してツッコミを入れまくり。「どうして石油掘削員が宇宙に行くんだよ?」、「一般人を宇宙飛行士にするより、宇宙飛行士にドリルの掘り方を教える方が簡単だ」というように、いちいち冴えるコメントを連発。また、そうしたツッコミをマイケル・ベイにぶつけた際に逆ギレされたというエピソードまで語っています。

『トランスフォーマー』、『トランスフォーマー/リベンジ』

善と悪に分かれた金属生命体トランスフォーマーの闘いを描く人気シリーズ。2017年時点で5作目まで発表されているこのシリーズの1作目と2作目のDVDでは、マイケル・ベイ監督本人のコメンタリーが収録されています。 しかし、その内容の大半が監督の自慢話に終始。「『ダイハード4.0』で戦闘機のF-22が登場するけど、あれはニセモノ。僕は『アルマゲドン』でアメリカ空軍とのコネがあるから本物を撮影できた」など、事あるごとに自分の手柄をアピール。 2作目の『トランスフォーマー/リベンジ』では、「敵ロボの腕にT-1000という文字を書いたのは、編集作業中に別スタジオで『ターミネーター4』のスタッフが作業をしていたから(筆者註:T-1000は『ターミネーター2』に登場する敵キャラクターの名称)。俺の映画と公開時期を同じにするなら潰してやる!」と、子どもっぽさ全開のコメントを残しています。 そんなベイ監督ですが、1作目でのジャパンプレミアの模様についても触れており、日本の観客の盛り上がりに対して感謝の意を表したりもしています。

謝罪にボヤキにグチ……オーディオコメンタリーで懺悔&憂さ晴らし

オーディオコメンタリーの内容で多いのがこのケースです。監督自身が、「今だから話せることだけど……」といった前提で作品内容を謝罪したり、製作体制の不満を洗いざらいぶちまけたりしています。

『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』

1989年製作のティム・バートン監督の『バットマン』からなるDCコミックヒーロー、バットマンの実写映画版の第4作目。前作『バットマン・フォーエヴァー』から監督を引き継いだジョエル・シュマッカーが、コメンタリーに参加しています。 しかしながらその内容は、不評の声が高かった乳首付きのバットマンスーツについての弁明や、そうした不評が響き結果的にシリーズを終わらせてしまったことへのファンに対する謝罪をしています。公開当初こそ、いろいろな批判に対し強気な姿勢を崩さなかったシュマッカーでしたが、時間が経ったことで心境の変化が生じたのだと思われます。

『リベリオン』

人間の感情がコントロールされた近未来を舞台にした、クリスチャン・ベール主演のアクション映画。低予算製作ながら、「ガン=カタ」と呼ばれる拳銃を駆使する武術が好評を博しました。 オーディオコメンタリーには監督のカート・ウィマーが参加していますが、「このシーンはこうしたかったが予算がなくて断念した」というように、話の節々でやたらと製作費不足をボヤいているのが特徴。自宅の裏庭でアクションシーンを考えたり、美術やロケ地の確保が大変だったといった苦労話が聴けます。ビジュアルや世界観が似ている『マトリックス』についても、自ら触れています。

『ブラウン・バニー』

俳優にして監督・脚本・音楽も務めるヴィンセント・ギャロが、日本でもヒットした『バッファロー'66』の次に放った作品。別れた恋人への想いを胸に、次のレース会場のカリフォルニアに向かって旅をするバイクレーサーを描くロードムービーです。わずか3人というスタッフで、ほぼゲリラ形式で撮影を行うといった試みで製作されました。 しかし、その内容からカンヌ映画祭でブーイングを浴びた上に世界的に酷評される結果に。そんな背景もあってか、オーディオコメンタリーに参加したギャロは、製作費を出資した日本企業や配給会社への不満といったグチをこぼしまくっています。「ブーイングなんか気にしない」と強がったりもしていますが、その一方で映画作りに対する将来への不安を吐露したりもしています。

趣向を凝らした、一風変わったコメンタリー作品も

オーディオコメンタリーの中には、ちょっと変わったものもあります。キャストやスタッフが参加しているのに作品内容そっちのけで無関係な話ばかりしていたり、はては作品に何の縁もない人物が参加していたりするケースもあったりします。

『ドッジボール』

経営難に苦しむスポーツジムのオーナーが、優勝賞品が出るドッジボール大会に出場しようと模索するコメディ。コメンタリーにはヴィンス・ボーンとベン・スティラーのキャスト陣や、監督のローソン・マーシャル・サーバーが参加しています。 ところが開始冒頭、スティラーがコメンタリーの収録現場に遅刻してきたことで雰囲気は微妙に。時間を追うごとに3人の関係は悪化していき、ついにはローソンやボーンが相次いで退席。最後には誰もいなくなってしまい、代わって本編とはまるで関係ない監督ファレリー兄弟が、自作品『メリーに首ったけ』のコメンタリーをし始めるという想像だにしない展開に……。 といってもこのDVD、実はちょっとしたカラクリがあるので、気になる方は是非ともチェックを。

『グッドフェローズ』

ニューヨークのマフィアの一員として活躍した実在の男ヘンリー・ヒルの半生を描いた、マーティン・スコセッシ監督の傑作クライムドラマ。本作のコメンタリーにはなんと、劇中でレイ・リオッタが扮していたヘンリー・ヒル本人と、彼の保護監察官をしていた人物が参加しています。 2人は劇中での出来事と実際に起こった事との相違点などをシーンごとに細かに解説してくれます。なかでもヒルは笑い上戸な性格なのか、緊迫したシーンなどでも妙に笑い声を響かせたりもしています。ちなみにヒルは、2012年6月に69歳で病死しています。

自身のアニメ愛、特撮映画愛を語る監督、ギレルモ・デル・トロ

これまで挙げてきたように、監督自らコメンタリーをするケースは多いですが、その大半はお喋りということがよく分かります。その代表格ともいえるのがギレルモ・デル・トロ監督でしょう。 自他ともに認める怪獣、アニメオタク監督として知られる彼は、『パシフィック・リム』のコメンタリーでも、日本やアメリカの怪獣映画やアニメのオマージュを事細かに説明してくれます。『ゴジラ』、『鉄人28号』、『マジンガーZ』、『海底二万哩』などといった影響を受けた映画を列挙すれば、成田亨や中島春雄といった特撮ファンでないとピンとこない人物の名前も、湯水のように出しているのが面白いです。

オーディオコメンタリーを聞けばさらにその映画が楽しくなる

以上、オーディオコメンタリーが特徴的な作品を数本ピックアップしましたが、もちろんここで挙げた以外にも興味深いコメンタリーを収録したDVD&ブルーレイソフトはたくさんあります。まだ未見のDVDを探す際は、コメンタリーに着目して作品選びをしてみるのもまた一興かもしれません。 ※ただし、作品によってはコメンタリーが収録されているのはセルDVDのみで、レンタル版では未収録といったケースもあるので注意が必要です。