ゴールデン・ウィークはレインボー・ウィーク!LGBTQと"ともに生きる"映画10選

2018年4月29日更新

2018年4月28日から5月6日に渡って開催されるLGBTQの祭典「東京レインボー・プライド」。それに合わせて、今観たいLGBTQと異性愛者の交流が描かれた作品をご紹介します。

ゴールデン・ウィークはレインボー・ウィーク!LGBTQと“ともに生きる”映画をご紹介

2018年のゴールデン・ウィーク、4月28日から5月6日まで開催されるLGBTの祭典「東京レインボー・プライド」。9日間に渡って様々なイベントやブースの出展、パレードが行われるこのお祭りは、性的指向に関係なく平等な社会を実現するために、数年前から行われています。 そこで今回は、このイベントに合わせてLGBTQと異性愛者の交流が描かれた作品をご紹介しましょう。 セクシャル・マイノリティの存在を身近に感じ、ともに生きていく映画の登場人物たち。お互いに理解し合い、友情や家族愛を深めていく彼らの物語に、これからの私たちの社会を見ることができるのではないでしょうか。

1.倒産寸前の靴工場をドラァグクィーンが救う!『キンキーブーツ』(2005)

父の突然の死で老舗紳士靴メーカー「プライス社」をいやいや継ぐことになったチャーリー(ジョエル・エドガートン)。しかも工場の経営は火の車であることが発覚し、彼は会社を立て直すため奔走するはめに。 あるとき偶然ドラァグクィーンのローラ(キウェテル・イジョフォー)と知り合ったチャーリーは、女性用のハイヒールは男性が履くとすぐに壊れてしまうことに着目。そこで、ドラァグクィーン用の丈夫でセクシーな“女物の紳士靴”というニッチな市場を開拓することにします。 無作法なドラァグクィーンのローラと田舎者で堅物のチャーリーは、ぶつかり合いながらも少しずつお互いに理解を深め、友情を育んでいきます。

実話を基にした本作は、2013年にブロードウェイでミュージカル化もされ大ヒットを記録しました。日本では、2016年に小池徹平(チャーリー役)と三浦春馬(ローラ役)のダブル主演で上演され大評判に。2019年の再演も決定しています。

2.子供を愛する気持ちはみな同じ『バードケージ』(1996)

フロリダでナイトクラブ「バードケージ」を経営するアーマンド(ロビン・ウィリアムズ)と、店のスターであるドラァグクィーンのアルバート(ネイサン・レイン)は公私ともに長年のパートナー。アーマンドには、20年前にある女性との間に生まれた息子ヴァルがおり、アルバートとふたりで育ててきました。 大学生になったヴァルは、あるとき同級生のバーバラと婚約したとアーマンドに報告。彼は喜びますが、バーバラの父が超保守派のキリー上院議員(ジーン・ハックマン)と知って大慌て。そこで実母のキャサリンを呼び「普通の家族」を演じることにするのですが……。 アーマンドはアルマンドを傷つけるとわかっていても、かわいい我が子のために計画を練ります。また、アルマンドは息子の結婚にあたって、親として紹介してもらえないことに傷つきながらも「伯父」としてふるまうことを一旦は了承。彼らの子供を思う気持ちは、たとえ血が繋がっていないとしても他の親たちと変わりません。

原作であるフランスの戯曲『ラ・カージュ・オ・フォール』は、1973年の初演から大ヒットを記録し、その後ミュージカル化され世界中で上演されています。日本でも、ミュージカル版は『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』のタイトルでたびたび上演されており、2018年には鹿賀丈史と市村正親の主演コンビが誕生10周年を迎えました。

3.2人のママと初めて会った父親、どっちが家族?『キッズ・オールライト』(2010)

レズビアンカップルのニック(アネット・ベニング)とジュールズ(ジュリアン・ムーア)は、それぞれ同じ匿名の男性から精子提供を受け、1人ずつ子供を産み育てました。10代になった彼女たちの娘ジュニ(ミア・ワシコウスカ)と息子レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)は、自分たちの実の父親が気になり、2人で彼を訪ねます。 生物学上の父ポール(マーク・ラファロ)は、自由気ままな独身男性。子供たちが彼と会ったことを知った母親たちは激怒しますが、子供たちとポールの交流は1度だけでは終わらず……。 親として責任を持って子供たちと育ててきたレズビアンのカップルと、生物学的には父親でありながらその自覚は全くないポール。子供たちはしつけの厳しい母たちに反発を感じ、なんでも自由にさせてくれるポールに懐いていきますが、母親たちの思いを少しずつ理解し、少し変わった家族の絆が結ばれていきます。

4.女性になった父とのロードトリップ『トランスアメリカ』(2005)

性別適合手術を1週間後に控えたトランスジェンダーのブリー(フェリシティ・ハフマン)。そんなとき、彼女にニューヨークから17歳の少年トビー(ケヴィン・セガーズ)から電話がかかってきます。 トビーは拘留所におり、父親のスタンレーと話がしたいと言いますが、スタンレーとはブリーが男性だったときの名前。自分に息子がいたことを知らなかった彼女は、戸惑いながらもトビーを釈放するためニューヨークに向かうことに。 自分が父親であることを隠したまま、トビーを自分の実家まで送り届けることになったブリーは、彼との間に少しずつ絆を育んでいきます。 女性であるフェリシティ・ハフマンが、女性になろうとする「中年男性」を演じた本作は、公開当時大きな注目を集め、その説得力のある演技が絶賛されました。ブリーの母親(トビーにとっては祖母)とトビーの確執から、トランスジェンダーである主人公の経験は特殊なものではなく、他者から理解されない人々に共通するものとして描かれています。

5.カミングアウトした父に背中を押される息子『人生はビギナーズ』

奥手な性格で38歳独身のオリヴァー(ユアン・マクレガー)。母が亡くなって5年経ったある日、75歳の父ハル(クリストファー・プラマー)から、彼がゲイであることをカミングアウトされます。戸惑うオリヴァーをよそに、新たな人生を謳歌しはじめる父。 その姿にオリヴァーも影響を受けていきますが、ハルは末期ガンで闘病のすえ亡くなってしまいました。父の死から数ヶ月後、フランス人女優アナ(メラニー・ロラン)と出会ったオリヴァーは勇気を出して彼女と付き合うことに……。 殻を破って人生の最後の時間をしあわせに生きた父。そしてその姿に背中を押され、一歩を踏み出す主人公の姿に、誰でも、いくつになっても人生を変えられると勇気をもらえます。

6.本当の自分と自分の居場所とは『あしたのパスタはアルデンテ』(2010)

パスタ会社社長の次男トンマーゾは、親には経営学部と偽って文学部を卒業し小説家を目指していました。彼は兄アントニオが新社長に就任するお祝いパーティで、ゲイであることを告白すると兄に事前に相談します。 しかし、いざその時になると兄のアントニオが一足先にゲイであることをカミングアウト。父は激怒し、アントニオを追い出してしまいます。そのせいでトンマーゾが代わりに会社を継ぐことになり、カミングアウトもできなくなってしまいました。 コメディ映画である本作では、ゲイの主人公ではなく、いまどきセクシャルマイノリティに理解のない父親が「変わり者」として描かれている点が痛快です。また、親を傷つけないために本当の自分を隠してしまうトンマーゾの葛藤だけでなく、会社を継ぎたい姉のエレナ、不本意な結婚をした祖母、セクシーすぎる叔母ルチアーナなど、抑圧された女性たちの人生にも注目です。

7.男の子になりたい娘を支える母と祖母『アバウト・レイ 16歳の決断』(2015)

「ラモーナ」と名付けられ女の子として育ったレイ(エル・ファニング)は、シングルマザーの母マギー(ナオミ・ワッツ)、レズビアンの祖母ドリー(スーザン・サランドン)と彼女のパートナー・フランシス(リンダ・エモンド)の4人で暮らしていました。 レイは16歳になったのを機に性別適合手術を受け、男になることを決意。医師からもらった同意書には、両親の署名が必要になります。母はこの決断に戸惑い、祖母はレズビアンとトランスジェンダーの違いがわからず困惑。 それでもマギーは長年会っていなかったレイの父、クレイグ(テイト・ドノヴァン)に同意書へのサインをもらいにいきます。迷っているクレイグのもとにレイが現れ、そこで家族の秘密が明らかに……。 性別適合手術という一度始めたら後に戻れない決断を前に、レイのことを思うがゆえに戸惑うマギー。レズビアンであっても、ほかのセクシャルマイノリティについてはなかなか理解できないドリー。そして自分は本当は男であると確信しているレイ。三者三様の思いのなか、一度はすれ違っても対話をあきらめず、絆を強くしていく家族の物語です。

8.すべてのマイノリティのために闘ったゲイの活動家『ミルク』(2008)

1970年代のアメリカで、ゲイを公表し始めて政治家になったハーヴィ・ミルクの最後の8年間を題材にした伝記ドラマ『ミルク』は、第81回アカデミー賞で主演男優賞と脚本賞を獲得しました。 恋人とともにニューヨークからサンフランシスコに移住し、カメラ店を営んでいたミルク(ショーン・ペン)は、そこに集まる同性愛者などの仲間たちの社会的不平等を改革するため、政治活動を始めることにします。 アメリカで初めてゲイを公表して政治家となった彼は、同性愛者だけでなく有色人種や高齢者、児童、労働者など、すべての社会的弱者のために立ち上がりました。しかし、それは同時に命をかけた闘いでもあったのです。 ミルクの活動は同性愛者以外のマイノリティやその理解者にも広く支持されるようになり、社会の理解も次第に広まっていきます。それは、現在の社会の礎になりました。

9.生きるために手を携える『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)

テキサスの電気工のロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヘイ)は、酒と女とドラッグが大好きなロデオカウボーイ。そんな彼はある日、HIV陽性と診断され余命30日の宣告を受けます。エイズが同性愛者特有の病気と思われていた当時、同性愛を毛嫌いするロンはその診断を信じようとしませんが、自ら調べるうち、それが誤解であることがわかります。 しかしアメリカには認可薬がないことを知った彼は、その治験者であるトランスジェンダーのレイヨン(ジャレッド・レト)と協力し、メキシコから薬を密輸入することに。そして、同じ病気に苦しむ人々に薬を分け与える合法的な会員制クラブを設立します。 当初は同性愛者に対して差別的な言動をとるロンが、エイズという病気を通して、生きるために偏見を乗り越えていく姿が描かれてた本作。こちらも実話を基にした作品で、第86回アカデミー賞では、マコノヘイが主演男優賞、レトが助演男優賞を受賞しました。

10.つらい時はお互いに助けあおう!『パレードへようこそ』(2014)

1984年のイギリス。サッチャー政権下で赤字炭鉱の閉鎖計画が出され、それに反対する炭鉱労働者たちが各地でストライキを行っていました。ゲイの活動家マークは、自分たちと同じく虐げられている彼らを支援しようと、ロンドン・ゲイ・プライド・パレード中に募金を開始。 しかし、同性愛者からの寄付を受け取ってくれる炭鉱組合はなかなか見つかりません。しびれを切らし、あるウェールズの炭鉱町に直接連絡すると、あっさりOK。そこから彼らの交流が始まりますが、当然一筋縄ではいかず……。 実話に基づくコメディ映画『パレードへようこそ』は、軽快なユーモアを盛り込みながらもしっかりとしたメッセージを伝えてくれます。ラストに示される歴史的な事実に、胸が熱くなるでしょう。

映画を観たらイベントにも行ってみては?

連休の楽しい気持ちのまま観られるコメディ映画を中心にご紹介しました。レインボープライドが開催されるゴールデン・ウィーク。これらの作品を観て、平等な社会について考えてみるのもいいかもしれません。 そして、映画を観た後には実際にイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。個性豊かな出店、様々な講演やイベント、最終日には華やかなパレードが予定されている東京レインボープライドは、連休のおでかけとして最適です。