2018年7月3日更新

【正義とは何なのか?】悪者から見た視点で見ると切ない映画

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実は悲しい秘密が?悪役の視点で見ると切ない映画

さまざまなジャンルの映画で、ストーリーを盛り上げてくれる存在の悪役。時には主役やヒーロー役を食ってしまうほどの存在感を見せています。憎たらしい発言や極悪非道の振る舞いで、視聴者の嫌われ役となるポジションですが、見方を変えれば、切なく悲しい物語がそこにはあります。 これまで公開された映画の中で、悪役が印象的で、なおかつ悪役の視点で物語を見ると何とも切ない映画をご紹介します。

開発作業のためだけに作られたアンドロイドの暴走!【レプリカント】

『ブレードランナー』(1982年)

傑作SF映画の『ブレードランナー』。1982年に公開され、2016年には続編の『ブレードランナー2049』も話題となりました。深刻な環境汚染にによって破壊された2019年の地球では、人類は宇宙に移住する計画を立て、レプリカントというアンドロイドを開拓作業に当たらせていました。 惑星から地球に逃げ帰ってきた4体のレプリカントを捜査するデッカード(ハリソン・フォード)でしたが、レプリカントは人間と見分けがつかず、また感情が芽生えているものもあるというやっかいなものでした。 レプリカントを製造しているタイレル社で秘書を務めているレイチェル(ショーン・ヤング)もまたアンドロイドです。彼女は人間の記憶をプログラムされていましたが、自分がレプリカントだということに気づき、タイレル社を飛び出します。 レプリカントが完全に人間の感情を持ってしまわないよう、彼らは数年の寿命しか与えられていませんでした。開発したタイレル博士を襲い、自分たちの寿命を延ばすよう脅迫する脱走したレプリカントたち。受け入れなかったタイレル博士を惨殺するという凶行に出ます。 宇宙移住の開発作業のためだけに作られたレプリカント。感情が芽生えてしまい、人として行きたいと考え脱走したのかと思うと切なくなりますね。

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19世紀のギャングたちの熱く悲しい戦い【ビル・ザ・ブッチャー・カッティング】

『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)

19世紀のニューヨークを舞台に移民のギャングたちの熱い抗争を描く『ギャング・オブ・ニューヨーク』。幼い頃に父を殺された過去を持ち、ギャングに復讐を誓う主人公アムステルダムをディカプリオが熱演しています。 スコットランド移民で構成されたギャング集団・デッド・ラビッツは、ネイティブ・アメリカンズと対立し抗争を繰り返していました。 ネイティブ・アメリカンズのビル・ザ・ブッチャー(ダニエル・デイ=ルイス)がデッド・ラビッツのリーダーを刺殺したことにより、ニューヨークの街は彼らの天下となってしまうのです。 デッド・ラビッツのリーダー・ヴァロン神父の息子・アムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)は、ネイティブ・アメリカンズに素性を隠して入り込み、ビルへの復讐の機会を伺います。 ビルにうまく気に入られ、距離をどんどん縮めていくアムステルダム。いつしかビルは、アムステルダムを実の息子のように感じていました。 ビルはヴァロン神父の命日には必ず献杯を捧げており、敵でありながらも強い尊敬の念を持っていたのです。19世紀という激動の時代に翻弄されたビルという男の悲しさが伝わってきます。 その後ビルはアムステルダムの素性を知り激昂しますが、息子のように想っていた男が自分に復讐しようとしているとわかったときの落胆は大きかったのではないでしょうか。

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自身が作り出した薬品に身を滅ぼされた男【グリーンゴブリン】

『スパイダーマン』(2002年)

遺伝子操作によって作られたスーパースパイダーに噛まれたことにより、超人的な身体能力を得たヒーロー・スパイダーマン。スパイダーマンが戦うのは、緑色のコスチュームに身を包んだ「グリーンゴブリン」です。 グリーンゴブリンの正体は、オズコープ社の社長で薬品開発も担当していたノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)です。ノーマンは、開発にあたっていた肉体増強剤を自ら服用してしまい、超人的なパワーを得ることに成功します。 しかし、度重なる激務や会社内での重圧に疲弊していたノーマンには、凶暴性を帯びた別人格が誕生していました。 ある日ノーマンは、オズコープ社の社長を解任させられてしまいます。これまで会社の発展と薬の開発研究に身を捧げてきたノーマンは、激しい怒りと落胆を覚えました。 すでに精神を病んでいた彼は、肉体増強剤を服用し続け、自らの欲望を満たすために凶悪犯罪を犯し続ける「グリーンゴブリン」として覚醒してしまったのです。

オリジナルを敵視するコピーポケモンの悲哀【ミュウツー】

『ポケモン ミュウツーの逆襲』(1998年)

『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」は、アニメ『ポケットモンスター」の劇場版1作目で、1998年に公開されました。この作品では人工的に作られたポケモン・ミュウツーが登場します。 ポケモンマスターを目指し旅を続けるサトシの元に、ある日とある招待状が届きます。それは、ポケモントレーナーたちのバトル大会の開催を知らせるものでした。 バトル大会に参加することを決めたサトシは会場の城を訪れます。そこにはミュウツーというポケモンがサトシたちを待っていました。 ミュウツーはロケット団によりミュウの体の一部から作られた人口ポケモン。自分は利用されていると感じるようになったミュウツーはロケット団と決別し、いつしか人類への復讐心まで持つようになっていたのです。 サトシが招待されたバトル大会はミュウツーが企てたもので、コピーポケモンを使って激しい攻撃を仕掛けてきます。やがてあらわれたミュウに、自分たちのどちらが強いのか決着を付けようと勝負を持ちかけるミュウツー。 自分の意思とは無関係に人工的に作られ、存在する意義が見いだせず、人間に対する憎しみの感情しか持てないミュウツーの姿は、痛々しくさえあります。

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幼なじみにもう一度会いたい一心で凶行を重ねる男【パク・サンギョン】 

『ある優しき殺人者の記録』(2014年)

2014年に公開された『ある優しき殺人者の記録』では、25人もの人間を殺害した凶悪犯の男の悲しい心情と境遇が描かれます。 18人を殺害した容疑がある指名手配犯のパク(ヨン・ジェウク)。彼は収容されていた障害者施設から抜け出し、廃墟となっているマンションに潜伏していました。幼ななじみのソヨン(キム・コッビ)を呼び出し、ジャーナリストである彼女に今からここで起こる事を記録するように脅します。 パクが殺人を繰り返していたのは、幼い頃、親友のユンジンを交通事故で亡くしたことに関係していました。ユンジンの死に悲しむパクに神の声が語りかけ、27歳になった時に27人殺せば、ユンジンも他の人も全員生き返るというのです。 その声を信じたパクは殺人を繰り返し、今で25人を殺したと語りました。 パクはユンジンの死後精神に異常をきたしたと思われ、周りのものたちから障害者施設に入れられてしまったのです。ユンジンを想うあまり、恐ろしい連続殺人を重ねていくパクの狂気の中に悲しくも美しい愛を感じます。

呪いをかけた王女をやがては愛するように……【マレフィセント】

『マレフィセント』(2014年)

童話「眠れる森の美女」を、王女に呪いをかけるマレフィセントの立場から描いた作品がこちらの『マレフィセント』です。邪悪な力を持つ悪役のイメージしかないマレフィセントですが、この作品を観れば彼女に対する見方が一変してしまうことでしょう。 妖精の国に住むマレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー、幼少期エラ・パーネル)は、人間の少年・ステファン(シャールト・コプリー、幼少期トビー・レグボ)と恋に落ちます。 2人の幸せな日々は続くかに思えましたが、ステファンは成長するに従い野望を強く抱くようになりました。 妖精の国に攻め入ったヘンリー王は、妖精の兵士たちを率いているマレフィセントを討つように自国の兵士たちに命じます。成功したものが次期の王の座を渡されると知ったステファンは、あろうことか彼女を眠らせ翼を切り落として王に捧げたのです。 マレフィセントを裏切り王の座を手に入れたステファンに、オーロラ(エル・ファニング)という娘が誕生しました。これを知ったマレフィセントは、洗礼式にあらわれ、王女に死の呪いをかけました。 16歳の誕生日までに糸車で指を指して死の眠りにつくというもので、真実の愛のキスがないと呪いは解けないことを告げます。 呪いを恐れたステファンは、オーロラを城から出し、3人の妖精に育てさせました。幼い頃からマレフィセントの存在を感じていたオーロラは、成長すると、彼女を実の母のように慕うようになります。マレフィセントもまた、オーロラに愛情を感じるようになるのです。

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幼少期の悲惨な体験が彼を悪の道に向かわせる!【マグニートー】

「X-MENシリーズ」(2000年~)

生まれながらに超人的な能力を持つミュータントたちが活躍する「X-MEN」シリーズ。2000年に第1作が公開され。その後に続編やスピンオフ作品が数多く制作されています。シリーズ通してX-MENチームと対立するのは、最強のミュータント・マグニートーです。 ミュータントは人類よりも優れているのだから、自分たちが世界を支配すべきだと考えるマグニートー。ユダヤ人であり、ホロコーストでの悲しい体験を持つ彼には、人類との共存など考えることができなかったのです。 人類によってミュータントたちがホロコーストのような目に遭わされるのではないかと危機感を持ったマグニートーは、仲間を守るため破壊的で過激な行動に出るようになります。

幼い娘を殺された母の復讐劇が始まる【森口悠子】

『告白』(2010年)

港かなえ著の小説『告白』を原作とする映画『告白』は2010年に公開されました。主人公・森口悠子(松たか子)は、シングルマザーで教師として働きながら一人娘を育てています。 母ひとり娘ひとりの慎ましい生活を送っていた悠子でしたが、ある日最愛の娘が自身が務める学校のプールで溺死してしまったのです。 事故死として片付けられた娘の死の真相を突き止めるべく、また真犯人がいるならばそいつを断罪すべく立ち上がる悠子。事件の真相を知ったとき、悠子は復讐の鬼と化します。事件に関わっていると思われる人物は悲劇的なことに、すべて悠子が受け持っているクラスの少年たちでした。 事件に関わっていた少年たちには、母親がいます。立場は違えど悠子が娘を想う気持ちと彼らの母親が彼らを想う気持ちに変わりはありません。 復讐鬼と化した悠子が次々と手にかけていく中学生の少年たち。 悠子は事件に関わりのある人物だけでなく、その母親までも間接的に断罪していくことになります。 事件の鍵を握っている少年は、悲しい境遇にいました。一方、悠子が愛する夫と決別したのも悲しい事情から。映画『告白』では、母の愛が狂おしい感情に変わっていく様子がまざまざと描かれます。 中学生の幼い少年に復讐を行っていく悠子に恐ろしさを感じると共に、同情の気持ちも不思議と芽生えてしまいます。

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刑務所内で育った悲しき殺人モンスター!【ベイン】

『ダークナイトライジング』(2012年)

「ダークナイト」シリーズの完結編である『ダークナイトライジング』。全作から8年後の世界が描かれます。ジョーカー亡き後、今作で悪役として登場するのはベインです。テロリストとして突如あらわれ。ゴッサム・シティを恐怖に陥れます。 ハービー・デントが犯した罪を一心に被り、引退生活を送るバッドマンことブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)。平和が訪れたかに見えたゴッサム・シティでしたが、ある日マスクを付けた男が率いる傭兵たちによって惨劇が始められました。 マスクの男は、刑務所で生まれ育ったベイン(トム・ハーディ)という名前の男でした。身寄りのないベインは、名前も自身で付け、刑務所内で勉強をして過ごしました。8歳の時には自分のことを利用していた男を殺害し、その後は壮絶な悪の道を進んで来たのでした。 刑務所内でバッドマンの噂を耳にし、彼を倒すことを生涯の目標にするベイン。刑務所の人体実験に身を捧げ、筋肉増強剤による驚異的なパワーを持つ肉体を手に入れることにも成功しました。 ベインが悪の道に固執するのは、刑務所以外の世界を知らず、それ以外生きるずべがないから。自分の生き方を自分で選ぶことができなかったベインには、凶悪な表情の中に悲しさが見え隠れします。

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醜い仮面男が歌姫に恋をした!【ファントム】

『オペラ座の怪人』(2004年)

不朽の名作、ガストン・ルルー原作の『オペラ座の怪人』がついに映画化!2004年公開の映画『オペラ座の怪人』では、ヒロイン・クリスティーヌを見守る怪人の姿が美しく繊細に描かれます。 オペラ座の地下室には、醜い容姿を仮面で隠した男・ファントム(ジェラルド・バトラー)がいました。彼は幼い頃に母に捨てられ、見世物小屋に出て生計を立てるという壮絶な人生を送ってきたのです。 そんなファントムが、駆け出しのオペラ歌手・クリスティーヌ(エミー・ロッサム)に激しい恋心を抱いてしまいます。 やがてオペラ座では、奇妙な事件が起こるようになります。ヒロインが狙われ、クリスティーヌを主役にしろという脅迫状まで届く始末。オペラ座を恐怖の渦に陥れたファントムの思惑は一体なんなのでしょうか。 クリスティーヌに焦がれるファントムは、彼女に成功してい欲しい一心で事件を起こしていました。音楽の才能がある彼はクリスティーヌに陰ながら音楽を教え、その甲斐あって彼女は主役に抜擢されることとなりました。 やがてクリスティーヌにはラウル(パトリック・ウィルソン)という美しく家柄も良い恋人ができます。嫉妬に狂ったファントムは、クリスティーヌを自分が暮らしている地下室にさらってしまうのでした。 不幸な境遇に生まれ、醜い容姿に強い劣等感を抱くファントムのクリスティーヌへの愛。歪んでいるとは言えますが、どんな時も変わらず一途にその愛を貫く姿は美しくもあります。

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父を殺害された男の壮大な復讐劇【エリック・ギルモンガー・スティーブンス】

『ブラック・パンサー』(2018年)

黒いスーツに身を包んだ黒人ヒーロー『ブラック・パンサー』。アフリカのワカンダを舞台に王位を巡る戦いが繰り広げられます。 アフリカの小国ワカンダでは、希少な鉱石ヴィブラニウムが多数採掘されています。この貴重な資源を守るために、ワカンダ国王は、代々密かな活動を続けてきました。それは、黒いスーツ姿でヴィブラニウムを狙うものと戦うブラックパンサーとしての活動です。 新たに国王となったテイ・チャラ。彼の父であり前国王のテイ・チャラには弟ウンジョブがいました。ウンジョブは、密売人であるクロウをワカンダに招き入れ、密かにヴィブラニウムを売りさばいていたのです。 テイ・チャラが即位してからもこの動きが収まることはなく、密売現場を突き止めたテイは、ブラック・パンサーとなって側近たちと乗り込みます。クロウに直前に感づかれ逃げられてしまったテイたち。その後、クロウと分裂しかけていたエリックに攻撃されてしまいました。 エリックはウンジョブの息子であり、テイとは従兄弟の関係にあります。そんなエリックがなぜテイを目の敵にするのかというと、それは前国王の行いに原因がありました。 前国王テイ・チャカは、ヴィブラニウムを守るため鎖国の姿勢を貫いていました。隣国が貧困にあえぐのを見ていられなくなったウンジョブは密かにヴィブラニウムを輸出して貧しい国の発展に協力していたのです。 その事実に激怒したテイ・チャカは実の弟であるウンジョブを殺害してしまうという仕打ちに出ます。 この事件を悲しんだエリックは、父を殺したテイ一家に復讐することを誓いました。黒人の地位の向上を熱望していた父の意思を継ぐため、ヴィブラニウムの力で世界を征服しようとも考えたのです。

不幸な境遇や悲しい事件に遭遇してしまった結果、悪の道に進んでしまった悪役たち。彼らの行いは凶悪で凄惨なものですが、そこに至った経緯を思うと切なくもなります。主人公やヒーローによって追い詰められていく悪役たちですが、正義とは一体何なのか、思わず考えさせられてしまいますね。